アドオンとは?その基本的な意味と役割を解説
アドオン(add-on)とは、ソフトウェアやアプリケーションの機能を拡張させるためのプログラムのことです。
この記事ではアドオンとは何か、どのようなアドオンがあるのか、プラグインとはどう違うのかといったことを、具体的なアドオンの例を挙げて、初心者向けにわかりやすく解説します。
アドオンを正しく上手に使って、業務の効率化に役立ててください。
アドオンとは何か?
アドオンとは、既存のソフトウェアやアプリケーションに追加することで、もともとの機能を拡張させたり、新たな機能を使えるようにしたりするプログラムのことを指します。「アドオン」を動詞的に捉えて、「⚪︎⚪︎機能をアドオンする」といった言い方もします。
いったん追加したものでも、必要がなくなったら削除(アンインストール)あるいは機能停止(無効化)することができるのも、アドオンの特徴です。
アドオンの具体的な例とは?
一番身近な例を挙げるとすれば、Google Chrome(※)やMicrosoft Edgeの「拡張機能」がアドオンにあたります。
もし今、Google ChromeやMicrosoft Edgeを使ってパソコンからこのページを読んでいるのであれば、ブラウザの右上を見てみてください。環境によって違いはあるかもしれませんが、ジグソーパズルのピースのようなボタンがあり、マウスポインタをのせると「拡張機能」というポップアップが出ます。
すでにアドオンがインストールされていれば、そのボタンを押すことで一覧を確認することができます。

引用元:Google Chrome
ブラウザのアドオンには、PDFビューアーや辞書機能、ブラウザの表示内容をキャプチャ/画像変換する機能、特定のウェブアプリやウェブサイト(マイナポータルやe-tax、SNSなど)との連携機能を付加するものなど、多数配布されています。
またビジネス向けのソフトウェア、たとえば経理関連ソフトには、帳票作成や管理画面のカスタマイズ機能、様々なデータの可視化機能といったアドオンをはじめ、こちらも多種多様なものがあります。
※Google ChromeはGoogle LCCの商標です
アドオンはどこで入手できる?
ソフトウェアメーカーが自社製品向けのアドオンを配布していることもあれば、サードパーティや、「こんな機能が欲しい」と思ったユーザーが独自開発して配布しているものもあります。
そのため利用者数の多いソフトウェアには無数のアドオンが存在しており、その多くはメーカーのマーケットプレイス、ユーザーが集まるコミュニティサイトなどでダウンロードできるようになっています。
アドオンとプラグインの違いとは?
プラグイン(plug-in)という言葉を聞かれたことがある方も多いと思います。プラグインもアドオンと同様、ソフトウェアで新しい機能が使えるようにするプログラムです。
アドオンとプラグインを厳密に使い分けるとしたら、「アドオンは機能拡張、プラグインは機能追加」とする説が一般的なようです。
この説に基づいて考えると、「もともとのソフトウェアに備わっていた文章検索機能を、より高い精度に拡張する追加プログラム」がアドオンで、「もともとのソフトウェアには備わっていなかった画像検索をできるようにする追加プログラム」がプラグイン、というイメージになるでしょうか。
ただソフトウェアメーカーや開発者によって、何をアドオンとするか、何をプラグインとするかには考え方の違いもあるようなので、私たちユーザーとしてはそこまで違いを意識せず、「どちらも同じ」と考えても差し支えないでしょう。
アドオンのメリット
アドオンのメリットは「ソフトウェアに簡単に新機能を追加できるようになること」、「不要になれば簡単に削除できること」、そして「開発者がユーザーの希望にスピーティーに対応できること」にあります。
ソフトウエアに簡単に新機能を追加できる
システム利用者にとってもっとも大きなメリットは「ソフトウエアに簡単に新機能を追加できること」です。
すでに利用しているシステムに対して「もっとこんな機能があったらいいのに」と思った際、アドオンが活用できれば、導入コストをほとんどかけずに、システムの機能を拡張できます。
たとえば「財務状況の可視化のために、会計ソフトでデータを書き出し、Excelなどでグラフ化している」という経理部門があったとします。
もしその会計ソフトにグラフ作成機能を追加するアドオンをインストールできれば、わざわざデータを書き出したり、Excelを起ち上げてグラフ化の処理をしたりする工程がなくなり、ヒューマンエラーも防げるようになって作業効率は大幅にアップするでしょう。
不要になれば簡単に削除できる
また、必要な機能を選んで追加できるだけでなく、不要になれば簡単に削除できることもアドオンのメリットです。
「マーケットプレイスで見つけた便利そうなアドオンを入れてみたものの、期待に沿わなかった」という場合は削除すればいいので、自社の業務・環境にあったものを取捨選択できます。
開発者がユーザーの希望にスピーディーに対応できる
アドオンの存在は、ソフトウェアの開発側にもメリットをもたらします。一度リリースしたソフトウェアに対して、ユーザーから「こんな機能が欲しい」「ここが物足りない」という反応があった際には、足りない機能をアドオンとして配布することができるからです。
ソフトウェア本体に機能を付け加えてアップグレードさせるよりスピーディーに対応できるため、ユーザーの満足度を上げられます。
逆に言えば、ユーザーがソフトウェアメーカーに希望を出せば、より便利で、かゆいところに手が届くアドオンを開発してもらえるかもしれない、ということでもあります。
アドオンを安全に導入・使用するための注意点
便利なアドオンですが、先に説明したとおり、ソフトウェアメーカーが公式に配布しているもの以外に、サードパーティや一般ユーザーが開発して配布しているものも多数あります。不用意に入れるとパフォーマンスの低下や予期せぬ不具合、セキュリティインシデントにつながってしまうことも考えられます。
インストール前に安全性を確かめる
アドオンを入れる前には最低限、次のような方法で安全性について確認することをおすすめします。
- ダウンロードしたら、そのファイルが安全かどうかセキュリティソフトで確認。
- どこから入手したかを確認。ソフトウェアメーカーのマーケットプレイスやアドオンのダウンロードページに掲載されているものであれば、ひとまず安全と言えます。
- そのアドオンについてウェブで検索したり、コミュニティサイトを閲覧したりして、一般的な評価を確認。バグがある、特定の環境で不具合を起こす…といったリスクがあるかもしれません。
- 使っているソフトウェアのバージョンに合ったアドオンなのかを確認。
非公式のアドオンすべてにリスクがある、というわけではありませんが、インストールにあたっては十分な注意が必要です。
できる限りアドオンは公式ストアから入手し、公式ストアであってもインストール前には提供元やレビューなどを必ず確認しましょう。
インストール後のアドオン管理
ChromeやEdgeで、インストールされているアドオンの一覧表示ができることを説明しましたが、多くのソフトウェアが、追加されたアドオンを有効化/無効化したり削除したりするための管理機能を備えています。インストール前に、どうすればアドオンを管理できるか、お使いのソフトウェアのヘルプ、マニュアルで確かめておきましょう。
もし使わなくなったアドオンがあれば、随時、削除することをおすすめします。古いアドオンが残ったままだとセキュリティリスクをはじめ、予期せぬトラブルにつながるおそれがあります。
また定期的にアドオンのバージョンを確認することもお奨めします。旧バージョンでのバグやセキュリティリスクが修正されていることもあるからです(アドオンの中には、新バージョンが出ると通知が表示されるものもあります)。
Chromeであれば、パズルのピース型ボタンで表示される一覧から、バージョン確認をしたいアドオンの「…(縦3点)」を押し、さらに「拡張機能を管理」を選択した先のページで、インストールされているアドオンのバージョンを見られます。
【Googleオフラインドキュメントのアドオン(拡張機能)のバージョン情報】

引用元:Chromeウェブストア
この画面の下方にある「Chromeウェブストアに移動」というボタンを押すと、そのアドオンの配布ページが表示され、最新バージョンがいくつなのかを確かめることができます。
アドオンの取得方法
ここでは代表的な例としてGmailとChromeをとりあげ、アドオンの取得方法について説明します(表示内容などは設定・環境によって変わる場合があります)。
Gmailのアドオン取得方法
- Googleアカウントにログイン後、「Google Workspace Marketplace」にアクセス。
- 「すべてのフィルタ」と表示されているメニューから、「Gmail」にチェックを入れます。スクロールすると「料金」や「評価」などの絞り込み条件も選択可能です。条件を入力したら、一番下の「完了」ボタンを押します。
- Gmailに関連したアドオン(ページ内の表記は“アプリ”)が表示されます。英語表記を翻訳するには、ページ内の余白にマウスを置いて右クリック、『日本語に翻訳』を選びます。
- ページ内に欲しいアドオンが見つからなければ、ページ上部の「アプリを検索」でキーワード検索をかけ、必要な機能を持つアドオンを探します。
- 目的のものが見つかったらボタンを押して詳細画面へ。ここでアドオンの開発者(デベロッパー)や利用料金、利用規約などがわかります。インストール後の操作方法は「サポート」から確認できます。
- インストールを決めたら、ページ上部にある青い「インストール」ボタンを押し、表示されるメッセージに従って操作を進めていきます。なお操作に管理者権限が必要なアドオンの場合、個人アカウントではインストールできないものもあります。
- Gmail画面(右側)に「●●をインストールしました」というメッセージが表示されれば、完了です。
- アンインストールしたい場合は、「Google Workspace Marketplace」画面の右上にある歯車ボタンを押し、「管理用アプリ」を選びます。インストール済みのアドオンが表示されるので、削除したいものを選んで「アンインストール」を選択します。
引用元:Google Chrome
Chromeのアドオン取得方法
- Googleアカウントにログイン後、Chromeを起動、右上にある「…(縦3点)」を押します。続いてメニューの中の「拡張機能」を押し、「Chromeウェブストアにアクセス」を選択します。
引用元:Google Chrome
- Chromeウェブストアには、ジャンル別にアドオン(ページ内の表記は“拡張機能”)が整理されています。ここで欲しいものを探すか、ページ上部にある検索フォームにキーワードを入力し、必要なアドオンを探します。
- インストールしたいアドオンが見つかったら、ボタンを押して詳細を表示させます。ここでアドオンの概要や開発者(デベロッパー)についての情報を確認できます。
- インストールを決めたら、ページ上部にある青い「Chromeに追加」ボタンを押し、表示されるメッセージに従って操作を進めていきます。
- Chrome画面右上に「●●がChromeに追加されました」と表示されれば、インストール完了です。
- インストールしたアドオンを削除したり無効化したりする場合は、右上にある「…(縦3点)」を押します。メニューの中の「拡張機能」を押し、「拡張機能を管理」を選択すると、インストールされているアドオン一覧が表示されます。それぞれのアドオンに削除ボタンや有効/無効を切り替えるスイッチがあるので、必要な操作を行います。
まとめ
ソフトウェアの標準機能を拡張したり、新機能を簡単に追加したりできるアドオンは、適切に利用すれば業務効率化の心強い味方となってくれるはずです。安全性に十分に配慮しながら、皆さんの業務にあったアドオンを探し、活用してみてください。
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ダウンロード(無料)この記事を書いたライター
コピーライター 蔵捨
広告代理店勤務を経て、2001年からフリーランスに。ウェブを中心にIT系、ビジネス系の記事を執筆する他、企業ウェブサイトのコンテンツ制作、製品プロモーション映像の構成台本制作などを手掛ける。