デジタル用語集

データベースとは? 初心者にもわかりやすく解説します

ITにおけるデータベース(Data Base、略してDB)とは、一定の形式で整理した情報を格納しておき、必要に応じて引き出せるようにした仕組みのことです。少々概念的な言い回しになりましたが、詳しくは本文でわかりやすく解説します。

データベースを上手く活用すると、部門間のデータ連携が容易になったり、AIを活用した業務効率化や分析が進んだりと、業績アップにつながる多くのメリットが生まれます。

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データベースとは何か?

しばしば耳にする(口にする)データベースですが、その実体はどんなものなのでしょう。

それぞれ詳しくみていきましょう。

データベースの基本的な役割

データベースを利用する主な目的は、膨大な情報の集約、共有、活用を迅速に行い、業務の効率化や精度の高い判断などに役立てることにあります。

顧客情報のデータベースを例に考えてみましょう。

あなたはある企業の営業チームのマネージャーだったとします。営業チームには、複数の営業マンがおり、各営業マンが自分の担当する顧客の企業名・肩書・氏名・電話番号といったデータを各自で管理しています。

しかし顧客情報が営業担当ごとにバラバラに管理されていたのでは、同じ顧客に別々の営業マンからアプローチしてしまったり、目的の顧客を探すのに苦労したり、退職した営業マンの顧客情報がうまく引き継がれなかったりして、顧客データを活用することが難しくなってしまいます。

こうした状態を打破するには、「企業名・肩書き・氏名・電話番号」といった顧客データを一箇所に集約し、共有できるようにする必要があります。そうすればデータの活用が進み、業務の効率化にもつながるはずです。

Excelを使ったデータベースのイメージ

情報を集約する方法としてまず思いつくのは、Excelの利用でしょう。

Excelで顧客情報のデータベースを作成する場合、1人目のデータとして、1行目の最初のセル(枠)に企業名、次のセルに肩書、その次に氏名…のように入力していき、2行目に別の人のデータを入力、3行目にまた別の人のデータを入力…と繰り返していきます。

文字列を入力する際には「カタカナは全角、数字は半角、電話番号はハイフンで区切る」などルールをつくり、それに従って表組(テーブル)を完成させます。

このテーブルは、各列(縦方向)に顧客に関する要素(企業名・肩書などのデータ)、それら要素との関係性を持つ1人の顧客が各行(横方向)に表現されており、「一定の形式で整理した情報」になっています。

【Microsoft Excelで作成した顧客情報データベースのイメージ】

画像引用元:Microsoft Excel

またExcelに備わっている機能を利用すれば、簡単に目的の顧客を探し出したり、肩書きが「課長」だけをピックアップしたり、企業名が変更されたので一斉に書き換える(文字列を置換する)、数値をグラフ化するといったことができるようになります。

一覧に「格納」した情報を「必要に応じて引き出しせるようにした仕組み」になっているので、これは立派なデータベースだといえます。

Excelはデータベースとして活用できる?

データベースというものを具体的にイメージしていただくためにExcelでの例を紹介しましたが、そもそもExcelは表計算ソフトです。データベースとして活用することにはあまり向いていません。

Excelは高度なデータベース作成に特化しているわけではないので、データ量が増えてくると処理するのに時間がかかってしまったり、複数のユーザーが同時に同じファイルを扱うことができなかったり、またそのためデータをリアルタイムに更新できないことがあるなど、デメリットもあります。

Excelのデータベースは用途を限定的にした個人的な利用に留めるのがよいでしょう。社内情報の一元管理などを行なうためには、データベース専用のシステムを構築するのが良いでしょう。どのようなデータベースがあるのか、どう構築に踏み出せばいいのかについては後述します。

【Excelが組織で共有するデータベースとして向いていない理由】

  • データ量が多すぎると処理に時間がかかる
  • 複数のユーザーが同時に同じファイルを扱うことができない
  • データをリアルタイムに更新できない
    →Excelはあくまで「個人的な利用」にとどめるのがおすすめ

データベース活用の具体例

ここでは、データベースについてよりイメージしやすいよう具体的な活用例について記載します。

利用例1 ECサイト

ECサイトでは、商品名、商品説明、在庫、価格、会員の個人情報や訪問回数、購入履歴などを記録したデータベースが利用されており、注文が入ればデータをリアルタイムに書き換える仕組みが整えられています。

「今、このウェブページを見ている人の好みに合いそうな商品」を瞬時に表示するレコメンド機能や、在庫数のリアルタイム表示が可能なのもデータベースがあるからです。

利用例2 製造業

受注から原材料の仕入れ、生産、在庫管理などの情報をデータベースで一元管理するシステムを採用している企業では、部門間で情報を共有し、全体最適化や効率の向上につなげています。

利用例3 営業の顧客管理

顧客の氏名、勤め先の企業名、役職といった基礎データに加え、取引履歴や商談内容などの情報をデータベース化する企業も増えています。

こうした顧客データベースがあれば、顧客の好むもの、成約率の高い商品の傾向などを分析できるようになります。また部署異動や退職など、顧客情報の変更があった場合も誰かが登録すれば、その情報を社内全体で共有できます。

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データベース利用のメリット

上述の利用例からも、そのメリットはおわかりいただけると思いますが、あらためてDB利用で得られるメリットをまとめると次のとおりとなります。

情報の一元管理による効率化

社内に散在していたさまざまな情報をDBに集約することで、情報を横断的に利用できるようになります。

必要な情報を得るために、他部署に問い合わせる手間と時間が省けまた古い情報や口頭で聞いた間違った情報にまどわされ、無駄な作業、無駄な発注をすることも減るでしょう。

属人化の回避

Excelやメモ帳など個人的なツールでデータを管理していた場合、その管理者が退職、あるいは休職してしまった場合、データが十分に引き継がれないリスクがあります。

しっかりとデータベースの設計を行ない、操作方法を平準化しておけば、こうした属人化を回避でき、業務への影響も減らせるでしょう。

データ活用による意思決定の高度化

自社関連情報をまとめたデータベースがあれば、さまざまな切り口から状況を可視化して経営判断に役立てたり、業績向上のために打つべき施策のヒントを得たりできるようになります。

AI活用の促進

企業のデータベース利用における最大のメリットの一つがAI活用の促進といっても過言ではありません。企業のデータベースとAIを組み合わせることで次のような分析や業務効率化を実現できます。

【データベースとAIの組み合わせ例】

  • 需要予測…過去の販売データや天候、イベント情報などをAIに学習させることで、将来の製品需要を高い精度で予測し、在庫の最適化や生産計画の精度向上につなげます。
  • 顧客分析…顧客の購買履歴やウェブサイト上の行動データを分析し、個々の顧客に最適化された商品を推薦(レコメンデーション)したり、解約の予兆がある顧客を検知したりできます。
  • 問い合わせ対応の自動化…AIチャットボットがDBと連携し、24時間365日、顧客からの基本的な問い合わせに自動で応答します。
  • パーソナライズド・マーケティング…顧客一人ひとりの興味や関心に合わせて、最適なタイミングで最適な情報を提供し、顧客体験を向上させます。
  • 製品・サービスの開発…顧客の声や市場のトレンドをデータから分析し、新たな製品開発やサービスの改善に活かします。

 

このように、データベースは単なる情報の保管庫ではなく、AIという強力なエンジンを動かすための燃料です。企業がデータベースを整備し、AIと連携させることは、業務効率化、顧客満足度の向上、そして新たなビジネスチャンスの創出に直結する、重要な戦略といえるでしょう。

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データベースの種類と利用例

データベースにはいくつかの種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。ここでは現在、主に使用されている「SQLデータベース」と「No SQLデータベース」の2種類について簡単に紹介します。

【データベースの種類とメリット・デメリット】

データベースの種類 メリット デメリット
SQLデータベース
(リレーショナル型:RDB)
・テーブル形式でデータと関連性が分かりやすい
・単一サーバー運用が多く、データに整合性がある
・検索性に優れている
・データ量が多いと処理が遅くなる
・複数サーバーへの分散・拡張が
難しい
・テキストデータしか扱えない
(音声や画像は不可)
NoSQL データベース ・ビッグデータでも高速に扱える
・複数サーバーに分散・拡張できる
・テキスト以外の画像、音声なども扱える
・複数テーブルの連携が困難
・RDBに比べ、検索に負荷がかか
ることがある
・RDBに比べ、データに整合性が
とれない場合がある(速度優先)

SQLデータベース(リレーショナル型)

標準化されたプログラミング言語であるSQL(Structured Query Language)を用いて管理するもので、非常に多くのシーンで使われています。

SQLデータベースの特長として、複数のテーブルを容易に結合させられることが挙げられます(結合には各テーブル共通の『キー』という要素を設定する必要があります)。

たとえば各社員の成績を登録した所属部門のテーブル1と、各社員がどの研修を受けたかを登録した人事部門のテーブル2を、両者に共通する社員番号というキーで関連付ければ「人事研修Aを受講した社員の成績が高い」「研修Bを受講した社員の成績はあまり伸びていない」といった考察ができるようになり、研修内容の改善に役立てられるでしょう。

【SQLデータベースのイメージ】

 

このように各データとその関係性をテーブル形式に落とし込み、複数のテーブルを関連付けて見ることもできるデータベースを、リレーショナル型データベース(RDB)とも呼びます。

RDBの主なメリット
・テーブル形式なので、データ群とその関連性が目で見てわかりやすい
・単一サーバーで運用されることが多く、データには整合性がある
・検索性に優れている

RDBの主なデメリット
・データが多くなるほど処理が遅くなる
・システムを複数サーバーに分散・拡張させるのが難しい
・テキストデータしか扱えない(音声や画像は扱えない)

NoSQL データベース

名前はNoSQLですが、SQLを含めた複数のプログラミング言語でつくられていることもあるので、「NoSQL データベース=RDBではないデータベース」と覚えておけばよいでしょう。

複雑な話は避けますが、NoSQLベースのデータベースにはキーバリュー型、グラフ型など数種類があり、テーブルという枠組みに縛られない構造を持っています。

【NoSQLデータベースのイメージ】

 

デジタル化が進み、RDBでは処理するのが大変な量のデータを扱うために開発されたため、処理速度、拡張性に優れているのが特長です。ウェブのソーシャルメディア、ECサイトなどで利用されています。

NoSQL データベースの主なメリット
・ビッグデータでも高速に扱える
・システムを複数サーバーに分散・拡張させられる
・テキスト以外の画像、音声なども扱える

NoSQL データベースの主なデメリット
・複数テーブルの連携が困難
・RDBに比べ、検索に負荷がかかることがある
・RDBに比べ、データに整合性がとれない場合がある(速度優先)

データベースを導入する上での注意点

メリットの大きいデータベースですが、導入は十分検討の上で行なうことが重要です。

コストに見合う成果を期待できるのか

データベースを自前でつくろうとすれば、専用サーバーを用意し、データベース構築の知識を持つ人員を割りあてなければなりません。クラウドサービスとして提供されているものを利用して費用を抑えるという方法もありますが、それでも数百万円かかる場合もあるようです。

構築しようとするデータベースがコストに見合うものなのか、どんな目的で導入するのか、本当に必要なものなのかを十分に検討した上で、導入に踏み切るべきでしょう。

運用・保守にリソースを割けるのか

データベースの運用・改修・保守には、SQLやその他のプログラミング言語の知識が必要となります。専門性を持った社内人材を配置するか、外部パートナーに頼ることになるわけですが、そうした人的リソースや予算を、どう長期的に確保するかも考えておかなければなりません。

データベース導入の第一歩を踏み出すには

先述の通り、内製で一からデータベースを構築したり、一般社員がそのデータベースを活用できるように整備したりするには、多くの手間と時間、専門知識を必要とします。

これからデータベース活用をしていこうと考える企業においては、まず何をしたいのかをハッキリさせ、その目的に特化した情報管理ソリューションを導入するのがいいでしょう。たとえば顧客情報管理、販売情報管理、製品情報管理などのソリューションが考えられます。

こうしたソリューションを導入すれば、ソリューションの開発元やベンダーのサポートを受けながら、目的にあったデータベースをつくることができ、それを活用するためのマネジメント機能まで揃えられます。

業務にあわせて複数のソリューションを導入した後で、それぞれのデータベース同士を連携させたり、段階的に独自データベースに移行させたりすることもできます。

こうして徐々に一元管理できる幅を広げていくというのが現実的なステップではないでしょうか。

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この記事を書いたライター

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蔵捨

コピーライター

広告代理店勤務を経て、2001年からフリーランスに。ウェブを中心にIT系、ビジネス系の記事を執筆する他、企業ウェブサイトのコンテンツ制作、製品プロモーション映像の構成台本制作などを手掛ける。

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