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ワークフロー電子化のメリット・デメリットと失敗しない進め方

ワークフローの電子化は、申請書類の停滞や過去の決裁書類の捜索など、ビジネスの現場におけるさまざまな課題を解消する可能性を秘めています。

この記事では、ワークフローを電子化することで得られる具体的なメリットや、導入時に直面しやすいデメリット、さらには失敗しないための実践的な手順を詳しく解説します。これからデジタル化を本格的に推進したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ワークフローの電子化(デジタルワークフロー)とは

ワークフローとは、申請から承認、最終決裁に至るまでの一連の業務手続きの流れを指します。従来、多くの企業ではこのプロセスを「紙とハンコ」で運用してきましたが、そこには物理的な移動コストや停滞の把握が困難といった特有の課題がありました。

書類が承認者のデスクに埋もれて意思決定が遅れたり、過去の決裁文書を探すために膨大な時間を浪費したりする状況は、生産性を著しく低下させる要因となります。

こうした紙運用の課題の解決策が「ワークフローを電子化すること(デジタルワークフロー)」です。

ワークフローの電子化とは、単に書類をPDF化することではなく、一連の承認プロセスをデジタル上で自動化することを意味します。電子化によって場所を問わないリアルタイムな申請・承認が可能になるため、紙運用で不透明だった「誰が・いつ・どこで止めているか」という進捗の可視化が可能です。

加えて、紙というアナログな運用で生じていた物理的な制約を排除することによる、業務の最適化も期待できるため、組織全体のスピード感も大幅に向上するでしょう。

ワークフローを電子化するメリット

ワークフローの電子化(デジタル化)は、従来の紙ベースで起こり得る問題の解消や、ペーパーレス化に留まらず、企業の生産性を向上させます。会社や組織がワークフローの電子化をした場合に期待できるメリットを確認しておきましょう。

業務スピードが向上する

業務スピードの向上は、電子化の最大のメリットです。すべてのデータが、デジタル上でやり取りされるため、承認者は外出先や自宅などどこからでもスマートフォンひとつで内容を確認し、承認ボタンを押すことができます。

書類が物理的に移動する時間をゼロにできるため、これまで数日かかっていた稟議が数時間で完了するケースも珍しくありません。申請から決裁までのリードタイムが大幅に短縮されていれば、急ぎの案件に対しても、迅速な意思決定が可能になります。

承認フローの進捗状況を可視化できる

「自分の出した申請がいまどこにあるか」をリアルタイムで確認できるのも、ワークフローの電子化における大きなメリットです。管理画面から現在の承認ステップや担当者を一覧で把握できれば、停滞している箇所を特定し、催促を行ったり、改善が必要なフェーズを見つけ出したりすることもできるでしょう。

進捗が可視化されることで、「いまいったいどうなってるのか」と不安な状態で待つ時間もなくなります。「いまどこが原因で業務が停滞しているか?」、「なにをすればよいか?」がはっきりするだけでも、心理的なストレスは大きく改善されるでしょう。

内部統制を強化できる

電子化されたワークフローは、コンプライアンスの観点からも非常に有効です。システム上で「誰がいつ承認したか」という操作ログが自動的に記録されるため、改ざんや不正な持ち出し、承認プロセスのスキップを防げます。

また、職務分掌に基づいた承認権限の設定も容易で、ルール外の申請をシステム側で自動的にブロックすることも可能です。監査対応時の資料提出もスムーズになり、ガバナンスの強化に大きく寄与するでしょう。

テレワークに対応できる

物理的なハンコや紙の書類が不要になるため、場所を選ばない働き方が実現しやすくなるでしょう。従業員のモチベーション低下を招く、「ハンコ出社」(承認のためだけの出社)も不要になります。

また、クラウド型のシステムを導入すれば、インターネット環境さえあればどこからでも業務を継続できます。災害時やパンデミックなどの緊急事態においても、業務を止めることなく事業継続(BCP)が可能になる点は、ワークフローの電子化における大きなメリットと言えるでしょう。

ワークフロー電子化のデメリット

ワークフローの電子化には、メリットも多い一方、注意しておきたいデメリットもあります。スムーズな導入・浸透を実現するためにも、それぞれの段階における課題をチェックしておきましょう。

導入・運用コストが発生

システムの導入には、初期費用や月額の利用料(ライセンス料)など、さまざまなコストが発生します。また、既存の業務をシステムに合わせて再構築するための人件費や時間も無視できません。

ツールによっては、サーバー構築やメンテナンスが必要となるため、一時的にIT部門の負担が増える可能性もあります。投資対効果(ROI)を明確にし、長期的なコスト削減効果を見極めておきましょう。

定着までに時間がかかる

長年、紙と印鑑の文化に親しんできた現場の従業員にとって、デジタル化は心理的な抵抗を感じやすい変化です。操作方法を覚える負担や、入力の手間が増えるといった不満が出ることも予想されます。

特に、ITリテラシーに個人差がある組織では、全社員が使いこなせるようになるまで一定期間の教育やサポートが必要です。導入直後は一時的に業務効率が下がる可能性があることも、あらかじめ想定しておきましょう。

業務整理が不十分だと失敗しやすい

「現状の紙のフローをそのまま電子化する」という考え方は危険です。複雑すぎる承認ルートや無駄なステップを放置したままシステム化すると、かえって入力項目が増え、利便性を損なうケースがあります。

デジタル化の前に、不要な承認ステップの削減やルートの統合といった「業務整理」を行いましょう。整理を怠ると、現場から「紙の方が楽だった」と言われる原因になりかねません。

例外処理が複雑になりやすい

ワークフローの電子化に伴い、紙の運用で可能だった、緊急時の「割り込み承認」や「差し戻し後の微修正」といった、口頭や手書きでの対応が難しくなるかもしれません。あらかじめ想定されるイレギュラーなケースを洗い出し、柔軟な設定が可能なツールを選ぶ必要があります。

ワークフロー電子化の進め方

ここからは、ワークフローの電子化を成功させるために必要なステップを解説していきます。

ステップ1:スモールスタートを心がける

いきなり全社・全業務を電子化しようとすると、調整に膨大な時間がかかり、挫折するリスクが高まります。まずは影響範囲が小さく、かつ頻度の高い定型業務(交通費精算や休暇届など)からスモールスタートしましょう。

限定的な範囲で成功体験を重ねていけば、他部署への展開がスムーズになるはずです。小規模な運用で得られたフィードバックを、本格導入時の改善に活かせるメリットもあります。

ステップ2:要件をシンプルに定義する

システムを導入する前に、現在のワークフローを可視化し、ルールを整理しておきましょう。その際、「本当にその承認は必要か」「並列承認にできないか」といった視点で、プロセスを極力シンプルに削ぎ落とすことが効果的なシステム導入のポイントです。

要件が複雑になればなるほど、ツールのカスタマイズ費用が膨らみ、保守性も低下します。標準的な機能を活用し、現場の負担を最小限に抑える設計を心がけましょう。

ステップ3:ツールを選定・導入する

自社の規模や予算、必要な機能に合わせて、導入するツールをよく比較して選定していきましょう。

最近では、直感的な操作が可能なノーコードツールや、ERP・グループウェアとの連携に強いタイプなど、多様な選択肢が存在します。選定の際は「既存の基幹システムと連携できるか」「スマートフォンでも使いやすいか」といった点を確認してください。

ステップ4:効果を検証し段階的に展開

特定の部署や一部業務での導入テストが終わったら、導入前後のデータを比較して効果を測定しましょう。「決裁時間がどれだけ短縮されたか」「残業代や印刷代をどの程度削減できたか」を数値化してみてください。ポジティブな成果が得られたら、その結果を社内に共有しながら、順次他部署へ拡大していきましょう。

反対に、課題や従業員からの不満など、ネガティブな情報があれば、ひとつひとつ丁寧に対応していきましょう。段階的な展開を行えば、サポートするべき対象を集中させることができ、混乱を最小限に抑えられます。

電子化を成功させるポイント

ここからは、ワークフローの電子化を成功させるために必要なポイントを解説していきます。ワークフローの電子化の「成功」とは、現場の負担を最小限にし、意思決定のスピードをより迅速にすることです。ひとつひとつのポイントをチェックしながら、電子化の先にある「無駄のないスマートな組織運営」を目指しましょう。

決裁者を早期に巻き込む

最終的な決裁を行う役員や部長クラスが「デジタル上の承認は使いにくい」と感じると、プロジェクトは停滞するため、初期の検討段階から、決裁者にデモ画面を見せるなどして意見を取り入れましょう。経営層が自らデジタル上の承認を率先して利用する姿勢を見せることで、社内の意識改革が加速します。

60点の出来でもまずは動かしてみる

完璧なシステムを目指して何カ月も準備するより、60点の出来でもまずは動かしてみることが大切です。特定のチームや特定の申請書1種類からスタートし、現場の使い勝手を確認しながら調整を繰り返していきましょう。

紙の運用フローを前提にしない

デジタルにはデジタルに適した情報の配置や入力方法があります。紙の運用をそのまま画面上で行うのではなく、デジタルの特性を活かしましょう。たとえば、自動入力・必須項目のチェック機能・マスタ参照などを活かせる「再設計」がメリットを最大限に活かすポイントです。

現場に合わせた設計を行う

管理側の都合だけで設計すると、現場の入力作業が煩雑になり、形骸化を招きます。現場が入力しやすいUI(ユーザーインターフェース)か、不要な項目を削っているかなど、ユーザー視点を忘れてはいけません。

現場からの「ここが使いにくい」という声は、改善のための貴重なヒントです。導入後もアンケートなどを実施し、現場の不便さを解消し続ける姿勢が重要です。

効果指標を事前に決める

なにをもって「成功」とするかのKPIを事前に設定しておきましょう。たとえば、「稟議の平均承認時間の30%削減」や「紙の印刷枚数の50%削減」などを設定できるかもしれません。目標が明確であれば、導入後の評価が容易になり、追加投資の判断もしやすくなるでしょう。成果を可視化することは、DX推進担当者の実績を社内に示す材料にもなります。

継続的に改善を行う

システムの導入後は、組織変更や法改正、事業環境の変化に合わせて、ワークフローも常に進化させる必要があります。定期的に運用状況をレビューし、ボトルネックが発生していないか確認しましょう。柔軟に設定を変更できる体制を整えておくことが、長期的な活用につながります。

ワークフロー電子化の注意点

最後に、プロジェクトを頓挫させないための実務上の注意点を整理しておきましょう

電子化自体を目的化しない

「ツールを導入すること」がゴールになると、かえって課題解決から遠ざかる可能性があります。目的はあくまで、「業務の効率化」や「意思決定の迅速化」、「ガバナンスの強化」です。目的と手段を混同しないよう、常に意識しましょう。

例外処理を想定して設計する

現実の業務では、本来の承認者が不在の際に「代理承認」を行ったり、役職を飛び越えた「飛び越し承認」が必要になったりする場面があります。ワークフローの電子化に伴う設定を行う際は、これらをすべて禁止すると現場の混乱を招きやすくなるでしょう。システム上でのルール化をしたうえで、柔軟な対応ができるよう設計しておきましょう。

運用が属人化しないように注意する

特定の担当者しか設定変更ができない状態(属人化)は、組織の変更時に大きなリスクとなります。管理マニュアルを整備し、複数の担当者がメンテナンスを行える体制を整えておきましょう。

周辺システムとの連携性を大切にする

ワークフローは「会計ソフト」や「人事給与システム」、「勤怠管理システム」などと密接に関係しています。ツールを選定する際は、他システムとの連携性(API連携など)を重視しましょう。自社に合ったツールを選ぶことで、データの二重入力なども防ぎやすくなります。

セキュリティと権限管理を確認する

電子化と同時に、社内の機密情報はデータとして蓄積されていきます。そのため、適切なアクセス権限の設定や、2要素認証の導入など、万全なセキュリティ対策が欠かせません。また、電子帳簿保存法をはじめとする法的要件を満たしているかも、必ず確認しておきましょう。

まとめ:自社に合った進め方を

ワークフローの電子化は、業務のスピードアップやコスト削減だけでなく、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する強力な一歩となります。まずは、社内でもっとも「滞っている」と感じる申請業務をひとつピックアップし、その可視化から始めてみてはいかがでしょうか。

また、ワークフローの電子化には、メリットだけでなくデメリットや注意点も存在します。なにがどう変わるかを正しく理解したうえで、自社の文化や規模に適したツールとプロセスを選択してください。

なお、ワークフローの電子化を検討される際には、合わせて電子契約サービスの導入も検討されることをおすすめします。

電子契約とは、従来の「紙と印鑑」の契約書類を電⼦化することで、作業時間とコストを⼤幅に削減することができる仕組みのことです。

【電子契約のイメージ】

クラウド型電子署名サービスを用いた電子契約のイメージ図

電子契約は、以下の3つの理由からワークフローシステムと同時に検討するツールとしておすすめできます。

  1. 社内で承認した書類をそのまま外部に送信できる(業務の停滞を防げる)
  2. 操作が簡単(メールを使えれば大丈夫)
  3. 既存の業務フローに対して「追加・変更」が少なくて済む
  4. 収入印紙代や郵送費、管理保管場所の削減などコスト削減効果が大きく短期的な成果が見えやすい

クラウドサインでは、契約書のデジタル化をこれから検討する方に向けた資料をセットにして無料でご提供しています。気になる方はぜひダウンロードのうえ、ご活用ください。

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この記事を書いたライター

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川上雅哉

ライター/編集者

個人事業主としての経験と確かなエビデンスを元に、ビジネス・IT・美容・健康と、多くのジャンルの記事を執筆するフリーランスライター。難しい内容や専門用語を多く使うものを幅広い視野で読み解き、わかりやすい言葉に変えてみなさまにお届けしています。

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