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業務改善の基礎

【初心者向け】業務フロー図の書き方を徹底解説

「業務フロー図の書き方がわからない」
「業務フロー図を書いてみたけれど、記号やルールが複雑で、結局、現場で使えない図になってしまう」

と悩んでいませんか?

多くの解説記事は「記号の種類」に終始しがちですが、本当に知りたいのは「どうすれば業務改善に繋がる実践的な図が書けるか」です。

この記事では業務フロー図の基本知識から現場で役立つ応用テクニック、そして失敗を防ぐ注意点までを網羅します。無駄な要素を削ぎ落とし、あなたの業務効率化に直結する「生きた業務フロー図」を書くコツを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

なお、この記事は、日頃から業務フロー図を用いてさまざまな企業の支援を行なっている契約管理プラットフォーム「クラウドサイン」の蜂須賀聡さん、松井聡さんが監修しています。

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業務フロー図とは?基礎知識を解説

業務の効率化や改善を進める上で、「現在の業務がどうなっているか」を正確に把握し、「業務のあるべき姿」を議論することは必須です。その鍵を握るのが業務フロー図です。

業務フロー図の定義と目的

業務フロー図とは、一連の業務プロセスを「記号」や「矢印」を使って視覚的に表現した図のことです。誰が、いつ、どこで、何を、どうするのかという流れを明確にし、業務全体を俯瞰することができます。

作成する目的は、現状の業務を「見える化」し、関係者の認識をそろえることにあります。業務の流れを可視化することで、「なぜこのプロセスが必要/不要/検討が必要 なのか」について、関係者の間で議論しやすくなります。

逆に、業務フロー図がないと「今どこの業務について議論しているのか」の説明をするだけで時間がかかってしまい、議論が進まなくなってしまう可能性があります。時には、「なぜ改善が必要なのか」について理解してもらえず、業務改善が進まなくなってしまうかもしれません。

年間100社以上の業務改善を支援している「クラウドサイン」の蜂須賀さんと松井さんは、「業務フロー図はあくまで関係者の認識をそろえて議論を進めるためのツール。書くことが目的ではない」と口をそろえます。

<「議論すること」が最大の価値>
業務フロー図によってつくった「共通認識」をもとに現状の課題を探り、TOBE(=あるべき姿)は何かを議論していくことこそ、業務フロー図を作成する最大の価値だと思います。新しいシステムやツールを導入する場面では、導入後の業務フローを描くことで、「誰の仕事がどのように変わるのか」を関係者に理解してもらうことができ、導入後もスムーズに業務が進行できるようになります。(蜂須賀さん・松井さん)

メリットと具体的な活用シーン

業務フロー図を作成することで得られるメリットは多岐にわたります。

  • 共通認識の形成と議論の促進:関係者間で業務の全体像や個々のアクションの認識の相違を埋め、共通理解を持つことができます
  • 業務の可視化と改善点の明確化:業務プロセスを可視化することで、ムダな工程やボトルネック(停滞箇所)を特定しやすくなります
  • 教育・引継ぎの効率化:担当者が変わった際にも、確定したフローを確認でき、不明点が発生しない状態を保つことができます。新任者へのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)もスムーズになります

活用シーンとしては、システム導入時の要件定義・運用体制構築、マニュアル作成、内部統制の整備などが挙げられます。

<業務フロー図を使って電子契約の導入を成功させたA社の事例>
A社の電子契約導入プロジェクトをご支援させていただいた時のことです。A社では、契約業務に関連する部署が多岐に渡り、部署によって業務フローを見る観点が異なっていました。そこで、業務フロー図を見ながら、指摘範囲を明示したり、指摘事項を更新したりして、発言の内容を理解・共有することで、建設的に議論することができ、スムーズに導入を進められました。(蜂須賀さん)

A社のように、プロジェクトに関係する部署が多岐にわたる場合、業務フロー図がないと議論が空回りする可能性が高くなります。業務フロー図は、一見関係なさそうに見える業務が、実は関係していることを明確にするなど、業務と業務の関係性を明確にする役割があるのです。

主な構成要素と記号の種類

業務フロー図は、主に以下の3つの要素で構成されます。これらの要素を正しく理解することが、伝わる図を作成する第一歩です。

  1. 活動(処理):業務として行われる具体的な作業(例:書類の作成、承認)。長方形で表されることが多いです。
  2. 判断(分岐):業務の進行方向が変わる条件(例:承認/却下)。ひし形で表されます。
  3. 流れ(フロー線):業務の順序を示す矢印。

業務フロー図の主な種類と使い分け

業務フロー図にはいくつかの種類があり、目的に応じて使い分ける必要があります。

種類 特徴 適した用途
スタンダード型 処理の流れに重点を置いた
最も一般的な図。
業務全体の流れの可視化、
マニュアル作成。
スイムレーン型
(クロスファンクショナル)
担当部署や役割を明確な
「レーン」で分けて表現する。
複数部門にまたがる業務の
担当範囲明確化。
システムフロー図 コンピュータ処理やデータの
流れに焦点を当てる。
システムの設計、
IT関連の業務可視化。

代表的な記号・図形の種類と意味

業務フロー図では、JIS規格やISO規格に基づいた共通の記号が使われます。

記号(図形) 名称 意味
角丸長方形 開始・終了 プロセスの始まりと終わりを示す
長方形 処理(作業) 人やシステムが行う具体的な作業
ひし形 判断(分岐) 条件によって次の工程が分かれるポイント
台形/円柱など データ/文書 入力される情報や出力される帳票
矢印 フロー線 業務の流れる方向

業務フロー図作成の4つの準備

業務フロー図の失敗を防ぎ、効率よく作業を進めるためには、書き始める前に4つの準備が必要です。

それぞれ詳しくみていきましょう。

目的と対象範囲の明確化

「何のために、どこまでの業務を図にするのか」を定義します。たとえば、「営業部の受注プロセスにおける承認遅延の原因特定」など、具体的な目的と範囲を定めることで、図の粒度や不要な情報が明確になります。

関係者と必要な情報を洗い出す

図に描く業務に実際に関わるメンバー(キーパーソン)を網羅し、ヒアリングする情報を整理します。机上の空論ではなく、「現場のリアル」を反映させることが重要です。

実際に業務を実施する業務部門の人を会議に招待し忘れないようにしましょう。

<関係者を網羅しよう>
業務フロー図を作成する際は業務改善に影響を受ける業務や関係部門を網羅することが必要です。また、関係者が理解しやすい粒度や用語を意識して作成することで、コミュニケーションツールとして有効なものになると思います。(松井さん)

記号・ルールの統一と作成ツールの決定

使用する記号(例:すべてJIS規格に統一)、図の向き(例:左から右、上から下)、表記ゆれを防ぐルールを事前に決めます。さらに、チームでの共有のしやすさを考慮してエクセル、パワーポイント、専用ツールなどの中から使用するツールを決定しましょう。

<資料はコミュニケーションツール>
業務フロー図に限らずドキュメント全般に言えることですが、資料はコミュニケーションツールだと意識することが重要だと思います。つまり、対話のための素材であり、対話によってアップデートしていくものだと関係者の間で共通理解をもって、ともに作り上げていくことが必要です。たとえば利用するツールも、どういった相手かによって、最適なものを選ぶことになると思います。対話の関係者が社内だけであれば、社内共通のものでよいと思いますし、社外ともやりとりする場合は共通で利用可能なパワーポイントなどを使うと更新・共有のハードルが低くなります(松井さん)

まずは叩き台を作成する

まずは大まかな業務全体図のフローを用意してから関係者を集めて議論を始めましょう。事前の用意がないと、どこが対象で何が目的がわからず、空中戦が始まってしまいます。

<A41枚、10個以内のプロセスで>
ひとつの業務フローあたりA41枚、配置するプロセスは10個以内程度におさめるのがおすすめです。業務フローを階層構造で考え、最上段から少しずつ細かくしていくイメージです。(蜂須賀さん)

【初心者向け】業務フロー図の書き方7ステップ

いよいよ具体的な作成手順です。この7ステップに沿って進めれば、誰でも基本を押さえた業務フロー図を作成できます。

ステップ1:開始・終了を設定する

まず、フローの始まり(例:顧客からの問い合わせ)と終わり(例:業務完了、書類保管)を決め、角丸長方形で図に配置します。

ステップ2:主な業務の流れを整理する

プロセス全体を把握するため、まずは主要な作業のみを抽出し、シンプルな線で繋ぎます。この段階では詳細な分岐は含めなくても構いません。

ステップ3:処理や判断を詳細に記載する

次に、ステップ2で書いた主要な処理の中に、さらに細かい作業(長方形)や、判断(ひし形)の分岐を追加していきます。判断の矢印には必ず「Yes/No」などの条件を明記します。

ステップ4:担当部門や役割を分ける

スイムレーン型の図を使う場合は、担当部門(営業部、経理部など)や担当者(担当者、上長など)でレーンを分け、それぞれのレーンに処理を配置します。

<スイムレーン型で悩んだら「ハンドオフ単位」で>
スイムレーン型の図を作成する際、円滑に進めるコツとして、業務を他の部門や担当者に受け渡す(ハンドオフ)単位でプロセスを書いてみることが挙げられます。全体感と、誰からボールがきて誰にボールが行くかのInput/Outputを意識するとよいでしょう。(蜂須賀さん)

ステップ5:入出力や帳票を追記する

業務に必要なデータ、書類、システム画面などの「インプット」や「アウトプット」を示す記号を追加します。これにより、情報の流れがより明確になります。

さらに、「確認事項」「論点」などを吹き出し等で明記しておくと議論が進みやすくなります。

ステップ6:関係者による図の確認と修正

叩き台ができたら、業務の当事者や関係者にチェックしてもらいましょう。「この作業が抜けている」「実際の流れと違う」などのフィードバックを基に修正し、図の正確性を高めます。

<現場に側した業務フロー図を>
理想の業務フロー図とは、現場の「ありのまま」を現場の「協働」によって「議論しやすい」形で描き、それを「たたき台」として継続的に「対話」を生み出すツールであることです。重要なのは、図の「きれいさ」ではなく、それがどれだけ現場の「リアルな会話」を引き出し、改善のアクションに繋げられるかです。実務担当者が描いていないと「使われない業務フロー図」になってしまいがちです。(蜂須賀さん)

ステップ7:図の活用と継続的な見直し

業務フロー図は作成したらゴールというものではありません。実際に業務で活用し、業務や組織に変更があった際は、アップデートしましょう。

より伝わる業務フロー図にする応用テクニック

基本を押さえたら、さらに一歩進んだ「読みやすく、活用しやすい」図にするためのテクニックを学びましょう。

フロー図の粒度(レベル)を使い分ける

業務フローを階層構造で考え、最上段から記述を始めるよう意識しましょう。

全体向けには「業務の大まかな流れ」、現場担当者向けには「一部のプロセスを分解した業務フロー」や「具体的な作業手順を記載したフロー」のように、見る人や目的に応じて図の細かさを変えることで、混乱を防ぎます。

見やすいレイアウトのコツ

以下のような点に気をつけることで、よりシンプルで見やすい図を作ることができます。

  • スイムレーン(部署や役割ごとのレーン)が明確で、誰が何をしているかが一目でわかる
  • 記号は基本的なもの(□:作業、◇:判断など)に絞り、「分かりやすさ」を最優先する
  • 目的(例:全体の流れを把握したい、特定の作業のムダを見つけたい)に応じた適切な粒度で描くこと

細かいところでは、「線の交差をなるべく避ける」「処理や判断のボックス内の文字数を絞り、簡潔にする」「重要なポイントや問題点には色や吹き出しを活用する」といったテクニックも有効です。

図を読解するためのポイント

作成者だけでなく、読み手が業務フロー図を正しく理解するための教育も重要です。記号の意味や、図の左上から順に読み進めるルールなどを共有しましょう。

業務フロー図作成で陥りやすい注意点

最後に、多くの人がつまずきやすい落とし穴を解説します。

いきなり詳細なものを作りすぎない

最初から詳細レベルを書こうとしてはいけません。完璧を求めすぎるあまり、作成に何ヶ月もかけたとしても、現場の担当者に共有したときに「いや、実際はこんなきれいじゃない」「この例外処理が抜けている」などと感じ、他人事だととらえられてしまう可能性が高いです。

業務フロー図は「6割の完成度で関係者に共有し、議論をしながら10割に近づける」というアプローチが現実的です。

また、上位レイヤーから徐々に明確化することを意識しましょう。そして、「ぼやけていたものが徐々にクリアになるように」を意識しながら、フロー図の作成を進めていくのがおすすめです。

場合によっては、長すぎるフロー図は複数に切り分ける、要素が多すぎる場合は抽象度を高めて統合するといった調整をしましょう。

いきなり専用ツールを使わない

初心者の場合、いきなり専用ツールでフロー図を作成しないことがポイントになります。まずは手書きで紙やホワイトボードに書き出して、それをパワーポイントやエクセルに落とし、自身でレビューする、という進め方が効率的です。

また、デジタルツールを使う際は、使い慣れたものがとくになければパワーポイントが自由度も汎用性も高くおすすめです。叩き台をパワーポイントで作成した後、より詳細な業務フロー図を作成する際にエクセルを利用し、さらに詳細なものが必要になったら専用ツールを使う、など必要に応じてツールを使い分けると良いでしょう。

必ず現場担当者を巻き込む

現場の担当者を必ず巻き込みましょう。現場担当者自身も業務フローの修正に参加してもらい、自身で書いてもらうことで、プロジェクトを自分ごと化してもらいやすくなります。

定期的な更新と共有のルール化

業務フロー図は生き物です。一度作ったら終わりではなく、「半年に一度見直す」「変更があったら担当者がすぐ更新する」といったルールを定め、形骸化を防ぎましょう。

まとめ:業務効率化への次の一歩

ここまで説明してきたとおり、業務フロー図は単なる「図」ではなく、業務改善プロジェクトの議論を進めるための重要なコミュニケーションツールです。

作成の目的は、現状を見える化し、関係者の認識をそろえながら議論を進め、業務の「あるべき姿」をデザインすることにあります。

しかし、いざ作成しようとすると「記号が複雑で現場で使えない」「どこまで細かく書けばいいのか」と悩んでしまう方は少なくありません。

そのような課題を解決するため、クラウドサインでは年間100社以上の改善支援実績を持つ専門家チームによる手厚い導入サポートを提供しています。

導入コンサルティング」では、契約書の作成から保管までの既存業務をすべて可視化し、国内最大級の電子契約ベンダーとしての知見を活かした最適な運用フローをご提案します。また、社内説明会の実施や操作マニュアルの作成支援、さらには取引先への案内資料の提供まで、新しいフローが現場に定着するまで一気通貫でバックアップしています。

導入後も活用KPIに基づいた振り返りレポートを作成し、継続的な業務改善のアドバイスを行ないます。

「自社のフローをどう電子化すべきか」とお悩みの方は、伴走型サポートを提供するクラウドサインにぜひご相談ください。

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導入サポートについて詳しく知りたい方は、ぜひこちらのページもご覧ください。

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この記事の監修者

蜂須賀聡さん

蜂須賀聡

弁護士ドットコム株式会社クラウドサイン事業本部カスタマーサクセス部ソリューションコンサルチーム

ITインフラからSaaSのプロダクト開発まで14年以上の経験を積む。現在はクラウドサインと各種システムとの連携支援・導入コンサルティングに従事。技術とビジネス両面の知見を活かし、これまで100社以上の顧客の業務改革とDX推進を支援。

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松井聡

弁護士ドットコム株式会社クラウドサイン事業本部PdM・Design部プロダクトマネジメント第2チーム マネージャー

マーケティング系SaaS企業にて、QA・開発エンジニアを経て製品企画の経験を積む。Fintech企業のPMを経て、現在はクラウドサインのプロダクトマネージャーとして、製品企画やメンバーのマネジメントを担当。

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業務改善プラスジャーナル編集部

業務改善は難しそう、大変そうという不安を乗り越え、明日のシゴトをプラスに変えるサポートをします。単なる業務改善に止まらず、組織全体を変え、デジタル化を促進することを目指し、情報発信していきます。契約管理プラットフォーム「クラウドサイン」が運営。

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