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ERPおすすめ5選を徹底比較 中小企業向けに選ぶ際のポイントを解説

ERP(Enterprise Resource Planning、エンタープライズリソースプランニング)は、企業内のあらゆる業務管理を統合的に支援するシステムです。販売管理、営業管理、会計管理など、各部署ごとに分かれていた管理システムを一元化することができるため、企業全体の状況を正確に把握できるERPは、経営陣の適切かつ迅速な意思決定をサポートします。特に、コスト管理が生命線とも言える中小企業は、ERPの導入が経営基盤の強化につながるでしょう。

この記事では、中小企業の経営者や管理部門の担当者に向けて、ERPを選定するときに押さえておきたいポイントをわかりやすく解説していきます。加えて、おすすめのERPシステム5選やその特徴を徹底比較しつつ、ERP導入のステップやよくある質問も紹介していきますので、ERPの導入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

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ERPを選ぶ際のポイントとは

ERPを選択する際の主なポイントは以下のとおりです。

自社に合ったERPを選ぶ際は、自社の現状とニーズを洗い出し、将来的な事業拡大や変化も見据えたうえで最適なシステムを見極めるようにしましょう。

自社の課題にマッチするか

まず自社の課題や業務上の要件を明確にしましょう。在庫管理、会計処理、販売予測など、自社で強化・改善したいと考えている業務プロセスをはっきりさせたうえで、候補のERPが、課題に対し、どのように機能・支援するかを確認する必要があります。

導入を検討しているERPの機能が、自社のニーズに合致していることはもちろん、必要に応じて柔軟にカスタマイズできるかも重要なポイントです。導入後も、自社の業務形態に合わせてアレンジ可能なERPであれば、より高い実用効果が表れるでしょう。

自社の企業規模に合うか

選ぼうとしているERPの機能範囲やコスト構造が自社の会社規模に見合っているかを必ず確認しましょう。大企業向けに設計されたERPは高機能ですが、複雑な構造をしており、中小企業にとってはオーバースペックになる可能性が高くなります。導入コストや運用負担が大きくなれば、かえって経営を圧迫する結果になるかもしれません。

一方、中小企業向けのERP製品は、規模の小さな企業にとって必要とされる機能が備わっており、シンプルな構成です。その分、初期導入費用や運用コストが抑えられているため、メリットを実感しやすいでしょう。

自社の従業員数や企業規模、さらには将来的な成長計画も考慮に入れ、身の丈に合った適切な規模のERPを選ぶことが大切です。そうすれば、システムを無理なく活用でき、費用対効果の高い導入が期待できます。

クラウド型かオンプレミス型か

ERPの導入形態は、クラウド型とオンプレミス型があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

項目 クラウド型(SaaS) オンプレミス型
サーバー 不要(ベンダーが提供) 自社での用意・構築が必要
初期費用 低い、または無料 高い(サーバー購入費、構築費)
月額費用 利用台数に応じた月額課金 比較的低い(保守費用のみ)
導入スピード 早い(契約後即座に利用開始可能) 時間を要する(サーバー構築など)
運用・保守 ベンダー側で実施(アップデートも自動) 自社で実施(専門知識が必要)
カスタマイズ性 標準機能の範囲内で限定的 高い(自社環境への適合性が高い)

クラウド型ERPは、自社でサーバーを用意する必要がなくインターネット経由でサービスを利用できるタイプで、初期導入費用を大幅に抑えられる点が魅力です。

社内のIT人員が乏しい会社でも、ベンダー側がシステム管理やメンテナンスに対応するクラウド型なら、安心して利用できます。また、インターネットさえつながれば場所を問わずアクセス可能なため、リモートワークや出先からの利用もしやすい利点があります。

ただし、クラウド型は利用するユーザー数や期間に応じて毎月もしくは年単位でランニングコスト(利用料)が発生し続ける点に注意が必要です。また、パッケージによってはカスタマイズの自由度が限定的で、自社特有の要件に対する機能追加が難しい場合があります。

一方、オンプレミス型ERPは、自社内にサーバー(ハードウェア)を設置してERPシステムを導入・運用する方式です。オンプレミス型なら、自社内にシステム基盤をもつことでデータ管理やセキュリティ対策を自社の方針で細かく制御でき、自社のルールに沿ったカスタマイズや機能拡張もしやすく、自社内で完結した運用が可能です。

その反面、初期投資としてサーバー機器やライセンス費用などまとまった資金が必要になるうえ、サーバーやソフトウェアの保守・運用は自社の負担となります。加えて、定期的なメンテナンスやアップデート対応など、安定した運用を継続するには、手間と時間がかかります。

さらに、導入作業もクラウド型より長い期間と工数を要する傾向があるため、オンプレミス型を選ぶ場合は十分なリソースと計画が必要です。

導入・運用がしやすいか

日々の業務でERPを使いこなしていくためにも、運用面で負荷がかかりすぎないかも考慮しましょう。具体的には、システムの操作性、UI/UXの設計がポイントです。現場の従業員が戸惑わずに使える操作性であれば、スムーズに定着し、効果的に活用できるでしょう。

また、わかりやすいマニュアルがあるか、サポート体制が充実しているか、ベンダーによる導入支援サービスが用意されているか、といったポイントも重要です。特に中小企業の場合、自社内に専任のIT担当者が少ないケースも多いため、システムトラブルの対応や運用方法におけるサポートは、導入後の安定運用に大きく影響します。

選択しようとしているERPに、ベンダー担当者の初期設定支援や研修サービス、運用開始後の問い合わせ対応が迅速であるかもチェックしておくと安心です。加えて、ソフトウェアの定期的なアップデートが提供されている製品は、機能改善や法制度対応が適宜反映されるため、更新頻度もチェックしておきましょう。

既存システムと連携しやすいか

会計ソフトや販売管理システムなど、既存のシステムとのデータ連携も重要ポイントです。ERPにAPI連携機能や外部データ取り込み機能が備わっていれば、CSVファイルのインポートやリアルタイムなシステム間同期によって、複数システムへの二重入力といった手間を減らせます。

導入前に、検討中のERPが、自社で既に使っているソフトウェアやツールとスムーズに接続できるかを確認しましょう。標準提供されているAPIや、サードパーティー製のデータ連携ツールへの対応をチェックし、必要な連携方式(APIによるリアルタイム連携、バッチによるデータ取り込みなど)がサポートされているかを把握しておくことが大切です。

既存システムとのシームレスな連携が実現できれば、ERP導入後の業務効率が一段と向上し、各システム間でのデータ整合性も保ちやすくなります。結果として入力ミスの防止や作業時間の短縮につながり、円滑な運用に貢献するでしょう。

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【中小企業向け】ERPおすすめ5選 徹底比較

ここからは、中小企業向けにおすすめのERP製品5選を取り上げ、それぞれの主な機能や料金体系、得意分野を徹底比較していきますので、選定のヒントにしてみてください。

なお、今回はクラウド型かどうか(初期費用が安い/運用が楽)、日本の商習慣や法制度への対応をしているか(会計基準や電子帳簿保存法など)といった基準で、とくに中小企業向けのERPを5つ独自に選定しました。

サービス名 導入形態 得意分野 特徴
freee(フリー)統合型ERP クラウド 中小企業のリアルタイム経営情報可視化 銀行口座自動連携、自動仕訳機能
マネーフォワード クラウドERP クラウド バックオフィス業務の自動化、法改正対応 モジュール単位での導入
他社システムとの連携(SFA/CRMなど)
電子帳簿保存、インボイス制度対応
奉行クラウドEdge クラウド 定型業務のデジタル化
従業員と管理部門双方の生産性向上
スマートフォンからの申請・承認
Microsoft Azure上での運用による高度なセキュリティ
クラウドERP ZAC クラウド プロジェクト型ビジネス
(IT開発、広告制作、建設コンサルなど)
案件ごとの収支リアルタイム把握
ワークフロー
経営モニタリング機能による内部統制強化
収益予測
SMILE V 2nd Edition オンプレミス / クラウド 中堅・中小企業向け統合基幹業務システム 複数のモジュールがシームレスに連携
独自カスタマイズ
RPA機能による定型作業の自動化

freee(フリー)

画像引用元:freee公式サイト

「freee(フリー)統合型ERP」は、フリー株式会社が提供する中小・中堅企業向けのクラウドERPです。会計、販売管理、人事・労務、工数管理などの業務をひとつのプラットフォームで管理できます。銀行口座との自動連携で取引データを取り込み、自動仕訳機能により経理業務を効率化します。

特に中小企業での導入実績が多く、リアルタイムの経営情報可視化により迅速な意思決定を支援します。サポートはメールやチャット、電話対応(プランによる)もあり、導入から運用までの支援を受けられます。

マネーフォワード クラウド

「マネーフォワード クラウドERP」は、マネーフォワード社提供のクラウド型ERPです。必要な機能をモジュール単位で導入できるコンポーネント型で、会計や人事・給与、販売管理などバックオフィス全体を包括し、業務プロセスの自動化を目指します。

他社販売管理システムやSFA/CRMとの連携も可能で、銀行口座連携やAPIによりデータ連携が容易です。電子帳簿保存やインボイス制度にも対応しており、法改正の負担を軽減できます。充実したサポート体制があり、中小企業での導入実績も豊富です。

奉行クラウドEdge

「奉行クラウドEdge」は、OBC(オービックビジネスコンサルタント)社のクラウドERPです。請求書発行・受領、勤怠管理、年末調整、給与明細、マイナンバー管理など定型業務をデジタル化し、従業員と管理部門双方の生産性を高めます。

機能モジュールは、スマートフォンから各種申請・承認が可能で、従業員は外出先からも手続きを簡単に完了でき、バックオフィスの入力作業も大幅に削減可能です。システムはMicrosoft Azure上で運用されており、高度なセキュリティで安心して利用できます。

クラウドERP ZAC

「クラウドERP ZAC」は、プロジェクト型ビジネスに特化した、オロ社提供のクラウドERPです。販売・購買・プロジェクト管理から勤怠・工数・経費管理まで一連の業務をカバーし、案件ごとの収支をリアルタイムで把握できます。

ワークフローや経営モニタリング機能で、内部統制の強化や将来の収益予測も可能です。IT開発、広告制作、建設コンサルなど案件型プロジェクト中心の業界で採用実績が多く、導入社数は1000社を超えています。

SMILE V 2nd Edition

「SMILE V 2nd Edition」はNECの中堅・中小企業向け統合基幹業務システムです。販売管理、会計、人事給与など複数のモジュールがシームレスに連携するため、二重入力の必要がありません。業務に合わせた独自カスタマイズが可能なほか、定期処理の自動実行(RPA機能)による帳票作成やメール送信も可能で、定型作業の負担軽減に役立ちます。

ERPの導入ステップ

ここからは、ERP導入に失敗しないために大切な、導入ステップをご紹介します。

目的・目標の明確化

最初に、ERP導入の目的・目標を明確にしましょう。たとえば、生産性向上や業務効率化、コスト削減、経営情報の可視化など、期待する効果を具体的にし、それらを実現するための具体的な目標(数値や期限)を設定します。また、経営層や関係部門と共有し、導入の共通認識を得ることも重要です。

プロジェクトメンバーの選定

プロジェクトリーダーは、経営層または管理部門の責任者をプロジェクトメンバーに任命し、経理・販売・生産など主要な業務部門やIT担当者でチームを編成します。各メンバーは自社業務に精通した人材が理想的です。

現場目線で課題を検討するユーザー部門の代表者(キーユーザ)も含めてチームを構成します。明確な役割分担のもと協力体制を整備し、プロジェクトを推進しましょう。

業務プロセスの整理

現行の業務プロセスを可視化し、問題点や改善点を整理します。業務フローをわかりやすくリストアップし、ERP導入で自動化や標準化が可能な部分を見極めましょう。

既存システムや手作業で行われているフローを洗い出しながら、属人化や二重入力の要因を把握し、各部署の要件を明らかにします。そのうえで、ERP導入後に実現したい理想の業務プロセスを検討しましょう。

システムの選定

整理した業務要件をもとに、具体的なシステム選定を行います。必要な機能、導入形態、導入・運用コストやサポート体制、操作性なども総合的に比較検討します。信頼できるベンダーの製品デモやトライアルを活用し、自社要件に合った最適なERPを選びましょう。

なお、業務改善プラスジャーナルでは複数の部署にまたがる業務改善などのプロジェクト推進を担う方に向けて、部分最適ではなく全体を実現し、プロジェクトを成功に導くためのポイントを解説した記事も配信しています。気になる方はこちらの記事もぜひ参考にしてください。

ERPによくある質問

最後に、ERP導入でよくある疑問に回答します。導入前の不安解消に役立ててください。

Q. ERPの費用目安は?

クラウド型ERPでは1ユーザーあたり月額約5,000~20,000円が目安です。オンプレミス型ERPでは1ユーザーあたり数十万~数百万円のライセンス費用が必要で、導入支援・カスタマイズ費用を含めると数千万円規模になる場合もあります。

Q. ERPの導入に必要な期間はどのくらい?

導入期間は規模や導入範囲により異なりますが、中小企業であれば3カ月~9カ月程度が一般的です。企業規模が大きい場合、1年~1年半かかることもあります。カスタマイズの度合いや組織の準備状況によって変動するため、余裕をもった計画が必要です。

Q. クラウド型とオンプレミス型の違いとは

クラウド型はインターネット経由で利用する方式で、初期費用を抑えつつシステム更新や保守をベンダーが担当します。導入は容易ですが、毎月の利用料が必要です。一方、オンプレミス型は、自社サーバーに導入する方式で、初期費用は高いものの、データ管理やカスタマイズを自社で自由に行えます。

詳しくはこの記事の「クラウド型かオンプレミス型か」も参考にしてください。

まとめ 中小企業がERP導入で失敗しないために

ERPを導入する際は、自社の規模や業務課題を把握し、見合ったシステムを選びましょう。導入ステップを踏みつつ、プロジェクト体制や従業員教育の計画を整えれば、失敗リスクを大幅に抑えられます。

また、予算やスケジュールは余裕をもって見積もり、関係者間のコミュニケーションも重視してください。導入後は効果測定と進捗管理を行い、必要に応じて計画を柔軟に見直しましょう。必要に応じて専門家やベンダーのサポートを活用すれば、ERP導入による業務効率化と経営管理の高度化をより確実に実現できます。

なお、ERPと合わせて導入を検討したいシステムとしては、契約書などの重要な書類をデジタル化する「電子契約」も挙げられます

電子契約とは、従来の「紙と印鑑」の契約業務を電⼦化することで、作業時間とコストを⼤幅に削減することができる仕組みのことです。

【電子契約のイメージ】

クラウド型電子署名サービスを用いた電子契約のイメージ図

契約書のデジタル化は、以下の3つの理由から業務効率化の初期の一手としておすすめされます。

  1. 操作が簡単(メールを使えれば大丈夫)
  2. 既存の業務フローに対して「追加・変更」が少なくて済む
  3. 収入印紙代や郵送費、管理保管場所の削減などコスト削減効果が大きく成果が短期的にも見えやすい

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この記事を書いたライター

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橋爪兼続

ライトハウスコンサルタント代表

2013年海上保安大学校本科第Ⅲ群(情報通信課程)卒業。巡視船主任通信士を歴任し、退職後、大手私鉄の鉄道運行の基幹システムの保守に従事。一般社団法人情報処理安全確保支援士会の前身団体である情報処理安全確保支援士会の発起人。情報処理安全確保支援士(第000049号)。

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