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業務改善の基礎

業務改善の鉄則「ECRS(イクルス)の原則」とは?具体例と成果が出る進め方を徹底解説

「ECRS(イクルス)の原則」とは、Eliminate(排除)、Combine(結合)、Rearrange(交換)、Simplify(簡素化)の頭文字を取った用語で、業務改善を進める順番やコツを示しています。

闇雲なスピードアップや生産性アップをうたうのではなく、「そもそもその業務をやるべきか?」という抜本的な問いからスタートすることで、「業務改善したのになぜかやるべきことが減らない」といった失敗を回避することができます。

この記事では、ECRSそれぞれの意味や具体例を初心者向けにやさしく解説します。チームの生産性を上げたいと考えているマネージャーの方や社内業務の改善を任されたDX推進担当の方、限られたリソースで最大の利益を出したい経営者の方はぜひ参考にしてください。

ECRS(イクルス)の原則とは?4つの視点を解説

ECRS(イクルス)とは、業務改善を行なう際に検討すべき「4つの視点」の頭文字を取ったものです。

最も重要なポイントは、「必ずE→C→R→Sの順番で検討すること」です。この順番は「改善効果が大きい順」かつ「コストがかからない順」に並んでいます。

それぞれの視点を、わかりやすい具体例とともに見ていきましょう。

Eliminate(排除):その業務は本当に必要か?

最初に行なうべきは「なくすこと」です。

業務そのものをやめてしまえば、その業務に係る作業時間はゼロになります。最も効果が高く、コストもかからない最強の改善です。

例えば、オフィス業務における「紙のやり取り」を排除するペーパーレス化も、Eliminate(排除)の一つです。

「この業務をやめたら、本当に顧客や会社が困るのか?」「習慣だから続けているだけではないか?」

と問いかけることから始めましょう。

【具体例】

before after
毎週1時間の「定例進捗会議」を実施。
参加者は20名だが、発言するのは3名だけで、
他は発言せず、話を聞いている。
会議自体を「廃止」。
進捗はチャットツールでの報告のみに変更。
全員の1時間が浮いた。

Combine(結合):分離しているものをまとめられないか?

なくせない業務であれば、次は「まとめること」を考えます。

似たような作業を一度に行なうことで、準備や移動の手間(段取り替え)を減らします。

「別々の担当者がやっていることを一人でできないか?」「一度にまとめて処理できないか?」と考えてみましょう。

【具体例】

before after
申請書Aと申請書B、2つの書類に
同じ「氏名・住所・部署」を記入し、
別々の承認印をもらっていた。
2つの書類を1枚に統合。
記入も承認も1回で済むようになった。

Rearrange(交換):順序や場所を入れ替えられないか?

まとめるのが難しければ、「入れ替えること」を検討します。

作業の「順序」「場所」「担当者」を変えるだけで、スムーズになることがあります。

「この作業を先にやったほうが効率的では?」「得意な人に任せたほうが早くないか?」と問いかけてみましょう。

【具体例】

before after
会議資料を当日席上で配付していたため、
会議の冒頭は資料の説明、確認に時間を使っていた。
会議資料を前日にメール送付することで、
参加者が事前に資料の内容を確認でき、
会議時間が短縮された。

Simplify(簡素化):もっと単純・容易にできないか?

最後に行なうのが「単純にすること」です。

ここには「ツール導入」や「自動化」も含まれます。

「ツールで自動化できないか?」「テンプレートを作れないか?」と問いかけてみましょう。

【具体例】

before after
毎回、顧客と締結する契約書類を手入力で
作成していた。
よく使う契約文面を「テンプレート化
(簡素化)」し、一部を変えるだけで
送信できるようにした。

なぜ「順番」が重要なのか?陥りがちな失敗パターン

ECRSの実践において、多くの企業が陥る失敗があります。それは、いきなり「S(簡素化・自動化)」から手を付けてしまうことです。

たとえば、誰も読まない不要な報告書作成業務があったとします。これをいきなりRPAなどで自動化しても、「ムダな報告書を、効率よく作り続けている」という状態になるだけです。これは「ムダの自動化」に過ぎず、根本的な解決になりません。

まずは「E(排除)」を徹底的に考え、どうしても残った業務に対してC、R、Sを適用する。この鉄則を守るだけで、改善の成功率は劇的に高まります。

【職種別】ECRSを使った具体的な改善事例

理論だけでなく、実際の現場でどう使われているか、職種別の事例でイメージを深めましょう。

製造現場・物流での事例

モノの流れがある現場では、物理的な移動や待ち時間の削減にECRSが効力を発揮します。

課題 ECRSによる改善 成果
部品を取りに行くために、
作業員が1日に何度も倉庫へ
往復しており、
作業が中断していた。
Rearrange(交換):
よく使う部品の置き場所を、
倉庫の奥から作業台のすぐ
横へ「場所の変更」を行った。
1日あたり合計30分の歩行時間が
削減され、生産性が向上した。

事務・オフィスワークでの事例

オフィスワークにおいては、物理的な「紙」や「ハンコ」にまつわる業務が大きなボトルネックになりがちです。ここをECRSで解消することで、大幅な効率化が見込めます。

 

課題 ECRSによる改善 成果
契約書の締結業務において、
印刷・製本・押印・郵送という
物理的な作業が発生し、締結までに
1週間以上かかっていた。
また、押印のためだけに出社する
必要があった。
Eliminate(排除):
契約書の郵送や、保管スペースを
「なくす」。
Simplify(簡素化):
電子契約サービスを導入。
クラウド上で契約締結を完結させる
仕組みに「簡素化(自動化)」した。
契約締結までの期間が
数分〜数時間に短縮されたほか、
印紙税や郵送コストもゼロになった。

まとめ:まずは身近な「ムダ」をなくすことから

業務改善の鉄則「ECRSの原則」について解説しました。

  • Eliminate(排除): なくす
  • Combine(結合): まとめる
  • Rearrange(交換): 入れ替える
  • Simplify(簡素化): 簡単にする

このフレームワークは、仕事だけでなく家事や勉強など、あらゆる「効率化」に応用できます。

まずは明日の朝、ご自身のTo Doリストを眺めて「この中で、やらなくていい仕事(Eliminate)はないか?」と問いかけてみてください。そのたった一つの問いが、あなたとチームの時間を生み出す第一歩になるはずです。

なお、ECRSの原則に基づき、最も手軽かつ効果的にコストと時間を削減できるのが「契約業務の電子化」です。

契約業務の電子化には、次のようなさまざまなメリットがあります。

  • 印刷・製本・郵送・出社といったさまざまな工程が「Eliminate(排除)」される
  • 収入印紙の貼り付けも不要になる
  • 過去に締結した契約書もパソコンで検索できるようになり、管理も「Simplify(簡素化)」される

具体的な進め方やコスト削減効果についてまとめた資料をご用意しました。ぜひ、貴社の業務改善にお役立てください。

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この記事の監修者

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奥田豊

中小企業診断士

都市銀行で融資業務、製造業(プライム企業)で本社経理・工場管理に従事。工場管理業務においては、在庫管理やSOPなどを経験。その後、中小企業診断士を取得し、財務コンサル会社へ転身し、管理部門の経理部門長として管理部門体制強化に貢献し、自社のIPOを実現させる。現在は独立し、経理業務改善等のコンサル業務に従事している。

この記事を書いたライター

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業務改善プラスジャーナル編集部

業務改善は難しそう、大変そうという不安を乗り越え、明日のシゴトをプラスに変えるサポートをします。単なる業務改善に止まらず、組織全体を変え、デジタル化を促進することを目指し、情報発信していきます。契約管理プラットフォーム「クラウドサイン」が運営。

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