法律専門書サブスクサービス「Legal Library」がリーガルリサーチの品質を変える

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2019年12月に正式版がローンチされたLegal Libraryを利用してみました。Kindleや自炊PDF書籍とはまったく違う、単なる紙書籍の電子化に止まらない価値を提供するサービスに仕上がっています。

すべての弁護士・弁理士・司法書士・企業法務パーソンたちが待ち望んでいた、法律書籍の読み放題サブスクリプションサービス。2018年の暮れにいち早くそのコンセプトを発表し期待を集めていたLegal Libraryが2019年12月に正式リリースされ、遅ればせながら私も加入してみました。

ログイン直後のLegal Libraryのファーストビュー 2020年2月26日最終アクセス

奇をてらわない素直でわかりやすいユーザーインターフェース、検索結果の表示や書籍のページ展開動作もキビキビとしており、ストレスはまったく感じさせません。

当初は 法律専門書の「ひな型」などをすぐ利用できるサービス という打ち出しもされていましたが、結局、法律書籍のリサーチに特化されたようです。契約系テックサービスの競争がすでに激化しつつあることを考えると、リサーチ特化のこの路線は今のところ正解のように見えます。

膨大な情報源を横串検索&電子化された目次と索引からピンポイントに検索できる

代表取締役CEO 二木康晴氏は、株式会社経営競争基盤に所属されていた弁護士兼コンサルタントでいらっしゃいます。法律とテクノロジーに精通する専門家が、リーガルテック市場の中から狙いすまして立ち上げた最初のビジネスが、一見地味にも見える「法律書籍検索閲覧サービス」だというのは、少し意外に思われるかもしれません。

この点、二木CEO自身が創業当時のFacebookの公開投稿で、このようにコメントをされていました。

例えば、コンサルは「SPEEDA」、金融は「Bloomberg」、医療は「メドレー」等のようなオンライン上の効率的なリサーチツールがあります。
では、法律はどうか、というと、いまだに紙の法律書籍によるリサーチが中心です。
もし法律書籍が本文の内容も含めて電子化されて、オンライン上から自由に検索し、中身まで閲覧できるようになれば、リーガルリサーチのあり方そのものを変えるのではないかと考えています。

私自身、多くの書籍を「自炊」しOCR(文字認識)にかけ、クラウドにアップロードして利用している者の一人です。これを実現するために相当の手間とコストも労力もかかるのですが、一度電子化さえしてしまえば、書籍の中に閉じ込められていた有益な専門知識がデータになり、

こうした恩恵に預かることができます。

そんなふうに、自炊 → OCR → クラウド化だけでも相当に便利だと感じていたのですが、今回正式版Legal Libraryをしばらく触ってみて、リサーチに特化した専門ツールだからこその確かな価値が理解できました。特にその違いを強烈に感じたのが、自炊しただけのPDFファイルでは絶対に不可能な「目次と索引の電子化」 です。

キーワード「約款」で収録された全書籍を検索、ヒットした『注釈民法』の該当する巻を開き、索引からページ番号をクリックすると、目当ての情報が記載されたページにピンポイントで到達できる。

Legal Libraryに収録されたあらゆる法律書をキーワードで横串検索できるだけでも強烈なのですが、さらに 『注釈民法』シリーズのような膨大な法律の情報源の中から目当ての情報がすぐに見つかる体験を味わうと、『我妻有泉コンメンタール』を書籍や手元のiPadの自炊PDFファイルでちら見する程度で済ませていたような今までの雑なリサーチからは、別次元のクオリティへと変わっていくことを確信 します。技術が人から仕事を奪うのではなく、より人による仕事の品質を高める方向に働くであろう好例でもあります。

「法律書籍の電子化がリーガルリサーチのあり方そのものを変える」という二木CEOの意気込みが、しっかりとプロダクト化されつつあります。

リーガルリサーチの分野でも始まる群雄割拠

リサーチ分野のリーガルテックとしていち早く手を上げ、有斐閣や中央経済社といった主要出版社をも上手に巻き込んで実用化にこぎつけたLegal Library。その後を追って、今年はいくつかの競合サービスがリリースされる予定です。

特にリリースを間近に控え注目されるのが「LegalScape」と「Business Lawyers Library」です。前評判では、法律情報構造化技術を使いより高度な検索機能を追求しているのが前者、弁護士等に限らず管理部門の担当者向けにも広く普及することを目指しているのが後者と聞きます。

日本のリーガルテックカオスマップ2020より

これらがストレートに Legal Libraryと競合するのか、得意領域で棲み分けが起こるのか、複数サービスが併用され共存していくのか。リーガルテック事業者としてもユーザーとしても、楽しみになってきました。

(橋詰)

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