DIY登記のLegalScriptが日経新聞に掲載 —長期目線で狙い定める「消費者法テック」

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日本経済新聞の法務テック特集に、弁護士ドットコム出資先の1社でもあるLegalScriptが掲載。東京に進出したばかりのエンジニアCEO平井さんと企画・広報担当の杉野さんのお二人に、お話を伺いました。

日経新聞法務テック特集に当社出資先が掲載

「リーガルテック」も市民権を得た一般用語になり、報道等で話題にしていただくことも珍しくなくなりました。

そんな中、9月2日付日本経済新聞9面の特集「法務×テック 個人に照準」では、リーガルテック業界をこれまでのテイストとは少し違った切り口で分析しています。

日本経済新聞2019年9月2日朝刊9面「法務×テック 個人に照準」

特に注目したいのが、文中に登場するおなじみのリーガルテック企業各社の中に混じって、

法律分野でIT(情報技術)を使う「リーガルテック」の国内スタートアップ企業が、事業の照準を個人に広げている。

と、企業向けのみならず個人向けサービスも手がける企業として、日経本紙では初登場となるサンプルテキスト社が取り上げられている 点です。

同社とは、クラウドサインの主催イベントに参加していただいたところから交流がはじまり、2019年7月に弊社弁護士ドットコムより出資をさせていただくご縁にいたった経緯があります。

大阪→東京進出間もないサンプルテキスト創業者を直撃

この日経本紙で一躍注目を浴びた株式会社サンプルテキストは、

・企業の設立登記・移転登記等のDIYサービス「LegalScript
・個人のクーリングオフ手続きのDIYサービス「LegalScript Personal

を提供するスタートアップ企業。

記事のなかで在大阪の企業として紹介されている同社ですが、ちょうど先週東京に進出しオフィスを構えたばかり。引越し作業も落ち着かない中お邪魔とは知りつつ、同社の創業者である平井さんと杉野さんのお二人をお尋ね してみました。

株式会社サンプルテキストの平井宏和さん(左)と杉野敦さん(右)

平井さんは、同社サービスLegalScriptのエンジニアリング部分を担うCTO兼CEO。“中学生株式投資家”としてテレビに出演した異色の経験の持ち主でもあります。

「学生時代に身につけたプログラミング技術を使って、何か起業をしたいなとは思っていました。社会人になってから受託メインのエンジニアとして仕事をしているうちに、友人であった杉野が法律分野に心得があったことに加え、法律分野はエンジニアリングで省力化できる余地が相当に大きいと感じた ことから、一緒にこの事業を立ち上げることになりました(平井)」

CEO兼CTOとしてエンジニアリングを担当する平井さん

一方の杉野さんは、司法書士や行政書士としての資格を持ち(司法書士は現在未登録)、海外のリーガルテックサービスを研究しつつ、プロダクト開発を担当。

「法律職として勤務していた時期もしばらくありましたが、特に米国で消費者向けリーガルサービスが広がっていくのを見て、専門職としてではないアプローチでチャレンジしても面白いのではと思い、平井と一緒に参画しました(杉野)」

杉野さんは事業開発と広報・マーケティングを担当

サンプルテキスト社の広報・マーケティングも杉野さんが担っています。彼が運営するオウンドメディアである LegalMedia / Tech Media、さらにLegal Script公式Twitterから発信されるリーガルテックニュースは、ニッチなこの業界の貴重な情報ソースとしても注目されています。

消費者法テックの時代を見据えつつ、まずは企業向けサービスで地盤固め

今回、日経新聞でもようやく消費者法テックが日の目を浴びただけに、同社の今後の事業計画が気になるところ。その点について話を向けると、意外なほどに冷静な回答が返ってきました。

「日本でも、一部の弁護士さんがC向けサービスを立ち上げたり、これから始めようとしていらっしゃるのは知っています。もちろん私たちも タイミングを見計らいながら、消費者向けサービスメニューを拡充していく戦略 は持っています(杉野)」

「ただし、いまの日本はようやく企業からのリーガルテックに対する関心と理解が得られるようになった時期 です。幸いにして新規の出資も頂いて、3〜4ヶ月後の資金繰りを心配する必要がなくなった今、僕らがすべきチャレンジはこの 企業の関心をしっかりと商売に繋げていくこと だと思っています(平井)」

サンプルテキスト社が入居するオフィス

しばらくは、株式会社の設立登記を実費(定款認証時の手数料・登録免許税)以外完全無料で実現できる「LegalScript会社設立」を足がかりに、スモールカンパニー向け法務のお手伝いをするサービスのラインナップを拡充していく予定とのこと。しかしその冷静な目線の先には、日本のLegalZoom・RocketLawyerになろうという野望もありありと感じられます。

当社も株主の一人として、長期的な目線でこの消費者法テックの市場を広げるお手伝いができればと考えています。

(橋詰)