「Contract Workflow Service」に刻まれたリコー法務のDNA

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評判はよく耳にするものの、実物をなかなか拝見できなかった「RICOH Contract Workflow Service」をようやくチェック。リコー法務部門の実体験をもとに組み上げられた、かゆいところに手が届く大企業法務サポートシステムです。

弊メディア宛個別問い合わせ件数ナンバーワン

リーガルテックメディアとしてそこそこ年数を積み重ねてくると、「このサービスも取り上げてほしい」というリクエストをいただくことがあります。

中でもこれまで最も問い合わせが多かったのが、今回ご紹介する「RICOH Contract Workflow Service(CWS)」です。

遅ればせながらではありますが、先週開催されたLegal Innovation Conferenceに出展いただいた機会に、リコーの皆様に正式にお話を伺うことができました。

Legal Innovation Conferenceでのリコー出展ブース風景

リコー法務部門の苦労がDNAに刻まれたシステム設計

このCWS、何ができるかを一言でまとめるのが難しいサービスでもあります。

がまるごとできてしまう、かなり守備範囲の広いサービス だからです。

https://www.ricoh.co.jp/service/cws/ 2019年12月4日最終アクセス

もともとはリコー法務部門の業務可視化と効率化のためにつくられた社内システムだったそうですが、その存在が知られるにつれ、ヒアリング要望がかなりの頻度で来るようになってしまったことが、このシステムを社外に販売するきっかけだったとか。そんな評判になるだけの 法務が喜ぶ気配り にあふれたものになっています。

たとえば、現場からの相談を受け付ける画面で「希望回答期日」を入力できるようになっているのですが、管理者があらかじめ設定した所定営業日数以降しか指定できない、つまり「今日申請した相談や契約書の回答を、明日締め切りで申請する」といった乱暴な依頼を防止することなどが可能です。

https://www.ricoh.co.jp/service/cws/ 2019年12月4日最終アクセス

また、契約管理機能の特徴の一つとして、「法務部門が管理する契約書」と「現場事業部門が管理する契約書」を区別して、保管場所まで管理できるようになっていました。たしかに、紙の契約書をすべて法務部門が管理するのは現実的ではなく、簡易な契約書は現場に管理を任せていますよね。

こういった 法務の「あるある」な悩みに対する回答があらかじめシステムに埋め込まれている ところに、同じ法務業務に携わってきた人間として、共感を覚えずにはいられませんでした。

有利不利等の価値判断をせずあくまで作業効率向上に徹したAI条項チェック機能

CWSについて弊メディアへの問い合わせが増えたきっかけの一つが、AI条項チェック機能が実装された ことが挙げられます。みなさん、やっぱりAIというキーワードにはビビッドに反応されるみたいですね。

さて、契約書レビューAIには、現在大きく分けて2つの流派があります。

  1. 条項の有利・不利を判定または代替案を提案し、人の「価値判断精度」の向上を支援するAI
  2. 比較対象契約書との差分表示をし、人の「作業効率」の向上を支援するAI

とかく1を期待する方が多い中で、本製品はきっぱりと2に振り切ったサービスです。

https://www.ricoh.co.jp/service/cws/ 2019年12月4日最終アクセス

CWSは、指定の契約書2つを並べてAIが近い意味を持つ条項ごとに括った左右対照表を作成 し、レビュアーを助けてくれます。こうした対照表を作った経験がある方は、それだけでレビューのクオリティが上がる実感をお持ちなのではないでしょうか。しかし、これを毎度エクセルで作成しようと思うと相当な手間なので、つい端折ってしまいがちです。

CWSを使えば、こうした対照表がサッと作れるのに加えて、整理した条項ごとのレビュー観点メモをワークフローで上司ともかんたんに共有できる ので、レビュー内容をすりあわせるにも論点をずらさず議論ができるというわけです。

大企業法務の課題解決に特化したリーガルテック

過去本メディアでも何度か述べているように、法務都合を現場に押し付けるような契約書ワークフローシステムを導入することは、企業にとって相当難易度が高いと考えています(関連記事:Concordが目指す「契約書ワークフローの一元管理」がもたらす功罪)。

しかし、契約の「文書」管理だけでなく、日常の法務相談・審査ワークフローを緻密に紐付けて「継承すべき履歴・ノウハウ」として管理することにここまでこだわったシステムは、世界でもあまり例をみません。結果としての契約書だけでなく、普段からひとつひとつの相談を情報資産として大切に取り扱おうという、リコー法務のDNA を感じます。少なくとも、法務内のノウハウ継承に資することは間違い無いでしょう。

特に、5人以上を抱えるような大企業の法務組織の業務クオリティ向上に強みが発揮されるサービスなのではないかと思います。

(橋詰)

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