無料・中立・信頼できる電子契約の情報源リスト

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企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた第一歩として、電子契約の導入を検討するにあたり参考となる、無料で入手でき中立かつ信頼性の高い情報ソースをご紹介します。

ベンダーが作成した資料ではなく中立的な観点から電子契約サービスを検討するために

行政と企業のデジタルトランスフォーメーションがますます加速する中、だんだんと注目をいただけるようになってきた電子契約サービス。導入を急ぎたいものの、そのメリットだけでなく法的リスクも含めてわかりやすく解説する文献 が見つからず、苦労されているご担当者や企業の顧問弁護士の方からご相談いただくことが増えています。

このメディア「サインのリ・デザイン」でも、クラウドサインと電子署名法との関係をはじめとして、関連知識をできるだけ噛み砕いて解説しています。しかし、企業のオウンドメディアでそうしたご説明をしても、どうしても自社に都合のよいポジショントークでは?と疑われてしまうのも無理はありません。

競合サービスを匿名化して並べた「電子契約サービス比較表」のほとんどが我田引水で、実際の検討においてはあてにならないことなども、よくある話です。

電子契約サービスの導入を検討するにあたって、中立的な立場から解説したコンテンツはないものか? そこでこの記事では、そうしたお悩みにお応えするべく、どなたでも無料でアクセスできて信頼に足る専門家が作成した情報ソースを、初級・中級・上級のレベル別に厳選してご案内します。

初級編—ASCII.jp電子契約解説記事

上司から急に電子契約の導入を指示されたけれども、どこから・何に注意しながら検討をスタートしたらよいかすらわからない…。そんな方には、こちらの記事から入門していただくのがオススメです。

コロナで進むDX変革の中、電子証明書・電子契約サービスの導入で気を付けるべきポイントは?

ASCII.jp電子契約解説記事

この記事の冒頭にあるとおり、

  1. 契約当事者が各自で電子証明書を取得して電子署名する当事者型
  2. クラウド事業者が契約当事者に代わり電子署名をする立会人型(指図型)

この 上記2つのタイプの仕組みの違いから解説をはじめている点がポイント。2001年に電子署名法が制定されたころの文献は、1の方式しか想定できていませんでしたが、クラウド技術の進展により状況は大きくかわりつつあります。これら違いを理解しておくと、後でさまざまな専門的文献を読んでも混乱せずにすみます。

また末尾には「一般の利用者が電子契約サービスを使う際、確認するとよいポイント」と題した、プロの視点からみた実戦的なチェックリスト もあります。

解説を担当された足立先生は、プロフィールからも分かる通り、法律だけでなく技術面からも日本のトラストサービスに精通されたエキスパート。この記事に関して弊社からの関与はありませんが、私どもからも法律相談をさせていただくこともある、電子署名分野に精通する数少ない弁護士のお一人です。

中級編—JIIMA電子契約活用ガイドライン

電子契約のメリット・デメリットをある程度把握した状態で、それなりの情報量をもって知識を深めたい方に勧められる、読み応えのあるコンテンツがこちらです。

電子契約活用ガイドラインVer.1.0

JIIMA電子契約活用ガイドライン

文書情報マネジメントの普及啓発を目的として、1958年に設立された公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)。本文書は、同協会に所属する複数の電子契約事業者が集まって作成された文書となります。

など、法律文献だけでは必ずしもカバーしきれない周辺の実務知識を含めた、図表も豊富なわかりやすい解説 となっています。

その昔、電子契約のタイプを区分するためにしばしば使われた「電子署名型」と「電子サイン型」の意味するところがわかりにくいのが玉に瑕ですが、それ以外の部分についてはバランスのよい、導入検討にあたって抑えておくべき知識が過不足なく詰め込まれています。

導入検討を開始してベンダーを決定するころまでには、ここに書かれていることはすべて理解をしておくことが望ましい知識レベルです。

上級編—AMTニュースレター電子契約特集

日本のトップローファームのひとつ、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の弁護士 宮川賢司先生 / 望月亮佑先生による、電子契約関連法を緻密に解説したニュースレターが、2020年6月に公開されています。

電子契約・電子署名の活用に関する諸問題- テレワーク・在宅勤務における利用拡大に備えて

AMTニュースレター電子契約特集

民事訴訟法・電子署名法・電子委任状法・商業登記法と、電子契約サービスと関連の深い法律をもれなく解説。電子署名法分野は書店で販売されている書籍でも正確ではない記述が見受けられるのに対し、この文書では 徹底的に正確性にこだわっている分、法律文献を読み慣れていないと、少し面食らってしまう かもしれません。

公開当初の版では、商業登記にクラウドサイン署名が利用できるようになった点が記載されていませんでしたが(関連記事:法務省が商業登記に利用可能な電子署名サービスにクラウドサインを指定)、弊社から宮川先生・望月先生にご連絡申し上げたところ、数日のうちに脚注をUPDATEしてくださり、最新情報がすべて反映されたものとなりました。

電子署名法の認定認証事業が実は法人の電子署名をカバーしていない点など、内容はかなり高度なレベルにまで及んでいます。すべての方が導入検討にあたってここまで理解する必要はかならずしもないかもしれません。しかし、企業の法務担当者は、このレベルまで把握した上でリスク判断をすべき と考えます。

以上の3つの文書は、いずれも無料で閲覧できます。特定のベンダーからインプットされる偏った情報だけに左右されることなく、正確な法律知識と最新動向を把握した上で、自社にフィットした電子契約サービスの導入をご検討ください。またその際には、弊社のクラウドサインも検討の対象に加えていただければ幸いです。

画像:タカス / PIXTA(ピクスタ)

(橋詰)

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