電子契約書の作り方は?4ステップで作成から締結・保存までを解説

「電子契約書を作りたいが、専用の書式が必要なのだろうか」「これまでの契約書をそのまま使えるのか」と迷っている方は多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、電子契約書に決まった書式はありません。 これまでWordやExcelで作成していた契約書をPDFにして、電子契約サービスから送信すれば締結できます。相手方にアカウント登録や費用の負担は発生しません。
本記事では、契約書ファイルの作り方から、送信・締結、電子帳簿保存法に沿った保存までを4つのステップに分けて解説します。実際の操作画面もあわせて掲載しますので、電子契約書の作成を検討している方は参考にしてみてください。
なお、電子契約の基礎知識や法的な位置づけ、クラウドサインが選ばれる理由について3分で読める資料をご用意しています。電子契約にご興味のある方はこちらの資料を無料でダウンロードのうえ、ご活用ください。
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電子契約書の作り方は4ステップ
電子契約書の作成から保存までは、次の4つのステップに分かれます。
| ステップ | 作業内容 | 必要なもの |
| 1 | 契約書ファイルを作る | Word・Excel・PDFなど |
| 2 | 電子契約サービスを用意する | メールアドレス |
| 3 | 送信して締結する | 相手方のメールアドレス |
| 4 | 締結後に保存・管理する | — |
特別な機器や電子証明書の事前取得は必要ありません。契約書のファイルと、送信する側・受け取る側それぞれのメールアドレスがあれば始められます。
以下、各ステップを順に解説します。
電子契約書に決まった書式はあるのか
「電子契約書」は、「電子契約」から派生した表現として広まったものです。
本来、電子契約は契約内容を紙ではなくデータとして記録し、当事者間の合意を電子的に証明する仕組みを指します。物理的な「書面」としての契約書は存在せず、契約内容が記録された電磁的記録そのものが契約の証となります。長年使われてきた「契約書」という言葉から、電子化されたものも「電子契約書」と呼ぶ使い方が定着したと考えられます。
そのため、「電子契約書の作り方」は「電子契約を利用して契約を締結するやり方」を意味することになります。書面としての契約書に定められた書式があるわけではなく、契約内容を記録した電子ファイルを用意し、電子契約サービスで締結する、という流れになります。
本記事でも便宜上「電子契約書」という言葉を用いる場面がありますが、その実体は「契約内容が記録された電子データ」であることをご理解ください。
電子契約の仕組みやメリットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
1. 契約書ファイルを作る
最初のステップは、契約内容を記載したファイルを用意することです。
WordやExcelで作成し、PDFで保存する
契約書の作成方法は、紙の契約書と変わりません。これまでどおりWordやExcelで契約内容を作成し、相手方と条件のすり合わせを行います。
内容が固まったら、「名前を付けて保存」からPDF形式で保存します。多くの電子契約サービスはPDF形式のファイルを扱うため、締結前にPDF化しておく必要があります。クラウドサインの場合もアップロードできるのはPDF形式のみです。
なお、クラウドサインではファイル名がそのまま書類名(件名)のベースになります。相手方にもこの名称が表示されるため、「業務委託契約書_〇〇株式会社」のように、内容がわかる名前を付けておくとよいでしょう。
紙の契約書から変えたほうがよい記載
これまで紙で使っていた契約書をそのまま流用する場合、次の2点は表現を見直しておくと実態に合います。
①後文(末尾の文言)
紙の契約書では「本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ各自1通を保有する」といった後文が一般的です。電子契約では紙の原本を複数作成しないため、「本契約の成立を証するため、本電子ファイルを作成し、甲乙が電子署名を行い、各自これを保管する」といった形に書き換えます。
契約の成立自体は当事者の合意によって決まるため、後文の記載が異なることで契約が無効になるものではありません。ただし、記載と実際の締結方法を揃えておくほうが、後日の確認がしやすくなります。
②収入印紙に関する記載
紙の契約書に「収入印紙を貼付する」といった記載がある場合は削除します。電子契約では課税文書の「作成」に当たらないと解されており、印紙税の課税対象にならないためです。
ひな形を使う場合は契約の種類に合わせる
契約の内容に応じて必要な項目や記載事項が変わるため、ひな形は契約の種類ごとに異なります。適切なひな形が手元にない場合は、新たに作成する必要もあるでしょう。
電子契約であっても、契約の内容や条件を十分に検討し、必要に応じて専門家に相談したうえで契約書を作成する点は、紙の契約書と同じです。
クラウドサインでは、弁護士が監修した契約書のひな形を無料で公開しています。作成の出発点として活用いただけます。
電子契約にできない契約書を確認する
2026年時点で、法令上明確に「書面(紙)」での作成が義務付けられており、電子化できない契約書は以下の1類型のみです。
電子化できない契約書リスト(2026年現在)
法律により書面化が必須の義務とされ、電子化できない契約書は次のとおりです。
| 文書名 | 根拠法令 | 改正法施行予定 |
| 農地の賃貸借契約 | 農地法第21条 | 未定 |
なお、以下の3つの契約については、2025年10月1日施行の改正公証人法により、公正証書を原則として電子データで作成することとなった結果、電子データ(電子公正証書)での作成が可能となりました。
- 事業用定期借地契約(借地借家法23条)
- 企業担保権の設定又は変更を目的とする契約(企業担保法3条)
- 任意後見契約書(任意後見契約に関する法律3条)
ただし、クラウドサイン等の任意の民間電子契約サービスで締結できるわけではない(利用者側で電子契約サービスを選択できるものではない)ため注意が必要です。
以下の記事で詳しく解説していますのでこちらもご覧ください。
2. 電子契約サービスを用意する
契約書ファイルが用意できたら、締結に使う電子契約サービスを決めます。
PDFをメールで送るだけでは対応しきれない点
「PDFにした契約書をメールで送り合えばよいのではないか」と考える方もいるかもしれません。しかし、この方法には次の課題があります。
- 改ざんの検知ができない:
受け取ったPDFが送信時のものと同一かどうかを、後から確認する手段がありません - いつ合意したかを示しにくい:
メールの送受信記録は残りますが、契約内容の非改ざん性とあわせて示すには、「いつ合意したのか」の証跡を残すための追加の対応が必要です - 電子帳簿保存法への対応を自社で行う必要がある:
保存要件を満たす仕組みを別途用意することになります
自社でシステムを構築する方法もありますが、データの保管・管理やセキュリティ対策を自社で担うことになり、法令要件の確認を含めて相応の体制が必要です。契約件数にもよりますが、既存の電子契約サービスを利用するほうが負担は小さくなります。
事業者署名型と当事者署名型の違い
電子契約サービスには、大きく「事業者署名型(立会人型)」と「当事者署名型」の2種類があります。
| 事業者署名型(立会人型) | 当事者署名型 | |
| 電子署名を行う主体 | サービス提供事業者 | 契約当事者本人 |
| 事前準備 | メールアドレスのみ | 電子証明書の取得が必要 |
| 相手方の準備 | 不要 | 電子証明書の取得が必要 |
当事者署名型は、契約を締結する当事者がそれぞれ電子証明書を用意する必要があるため、相手方にも準備の手間が発生します。取引先の数が多い場合や、相手方に負担をかけたくない場合は、事業者署名型のほうが導入を進めやすい傾向があります。
本記事では、事業者署名型のサービスを利用して契約を締結するやり方を解説します。クラウドサインも事業者署名型に該当し、「紙と印鑑」を「クラウド」に置き換えて、契約の締結をオンラインで完結できます。
電子契約の利用率は8割を超えている
JIPDEC(一般財団法人日本情報経済社会推進協会)とITR(株式会社アイ・ティ・アール)が実施した「企業IT利活用動向調査2026」によれば、電子契約を利用している企業の割合は80.2%で、前年調査の78.3%から上昇し、初めて8割を超えました。
2023年調査以降は上昇幅が緩やかになっており、電子契約の導入が一段落し、定着の段階に入っていることがうかがえます。一方で「利用する予定・検討中」と回答した企業は7.9%で、前年調査の9.6%から低下しています。

引用:一般財団法人日本情報経済社会推進協会「企業IT利活用動向調査2026」(2026年1月調査)
取引先がすでに電子契約を利用している可能性は高く、電子契約での締結を提案しても受け入れられやすい環境になってきています。
クラウドサインの機能や利用イメージを知りたい方は、以下のリンクからサービス説明資料を無料でダウンロードいただけます。電子契約サービスを比較検討する際の参考にしてみてください。
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ダウンロードする(無料)3. 契約書を送信して締結する
契約書ファイルとサービスが用意できたら、実際に送信します。ここではクラウドサインを例に、送信から締結までの流れを解説します。
送信までの4つの操作
①書類のアップロード
ログイン後、書類管理画面の「新しい書類の送信」から契約書ファイルをアップロードします。あわせて、契約締結日や契約期間などの情報を入力します。

②宛先の設定
契約書を送る相手の会社名・氏名・メールアドレスを入力します。社内の上長承認が必要な場合は、相手方より先に承認者を追加すると、設定した順番でメールが届きます。
メールアドレスの誤りは誤送信につながるため、名刺などで確認してから入力してください。

③入力項目の設定
相手方に入力してほしい項目(住所・氏名など)や、押印パーツを契約書上に配置します。
なお、契約としての効力は、相手方が同意ボタンを押すことによって生じます。 押印パーツを配置しなくても締結は成立します。電子契約における押印(印影画像の貼り付け)は、紙の契約書に慣れた運用に合わせるためのもので、見た目を整えたり記入漏れを防いだりする目的で利用するものです。

④内容の確認と送信
件名と、相手方に届くメールの本文を確認し、送信します。この時点で最初の宛先に以下のような確認依頼メールが届きます。

各操作の詳細や、管理画面の細かな設定については、こちらの記事で画面に沿って解説しています。
相手方(受信者)がすることは3つだけ
「相手方に手間をかけるのではないか」という点は、電子契約を初めて使う際に気になるところです。
クラウドサインの場合、受信者側にアカウント登録や費用の負担は発生しません。 受信者が行うのは次の3つです。
- メールを開く:「〇〇様から契約書の確認依頼が届いています」というメールが届きます
- リンクから契約書を確認する:ブラウザ上で契約書が表示されます。ログインは不要で、PCのほかスマートフォンやタブレットからも確認できます
- 同意して終了する:内容を確認し、指定された箇所に入力したうえで「同意して終了」ボタンを押します
これで締結は完了し、双方に締結完了メール(契約書PDF付き)が届きます。
なお、取引先から「電子契約は初めてで不安だ」「操作方法がわからない」といった問い合わせがあった場合は、受信者向けの解説記事や資料をご案内いただけます。
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取引先から電子契約の依頼を受けたものの、「進め方がわからない」「準備は何が必要?」といった疑問を持つ方を対象に、契約の流れや準備、そして安全性についてわかりやすく解説します。
ダウンロードする(無料)なお、実際の操作を試してみたい場合は、クラウドサインのフリープランをご利用いただけます。フリープランは1ユーザーにつき月2件まで書類を送信できます。まずは社内で1通送ってみると、流れがつかみやすくなります。
4. 締結した契約書を保存・管理する
電子契約書は締結して終わりではなく、締結後の保存まで含めてはじめて業務が完了するものです。契約書は電子帳簿保存法上の「電子取引」に該当するため、保存時に対応すべき要件があります。
電子帳簿保存法の保存要件
電子取引でやりとりしたデータは、電子データのまま保存することが原則とされています。保存にあたっては、改ざん防止などの措置(真実性の確保)と、必要なときに確認できる状態にしておくこと(可視性の確保)が求められます。
可視性の確保のうち、検索機能については次の3項目で検索できることが要件とされています。
- 取引年月日
- 取引金額
- 取引先
クラウドサインでは、書類の送信時に「契約締結日」「取引金額」「取引相手の名称」を入力しておくことで、これらの項目による検索ができる状態になります。送信のタイミングで入力しておくと、後からまとめて登録し直す手間がかかりません。
なお、フリープランでは、締結した書類をシステム内で検索する機能はご利用いただけません。 検索を含めた管理を行う場合は、有料プランをご検討ください。
保存要件の詳細については、こちらの記事で解説しています。
契約書が増えたときの管理
締結する契約書が増えると、「どの契約がいつ更新期限を迎えるか」「過去の契約条件がどうなっていたか」を把握する作業が発生します。紙の契約書と異なり、電子契約では締結後のデータがそのまま検索可能な形で残るため、この作業を大きく減らせます。
締結だけでなく、他社サービスで締結した契約書や過去の紙の契約書もまとめて管理したい場合は、契約管理サービスの利用も選択肢になります。クラウドサインでは、契約管理に対応した「クラウドサイン カンリ」をご用意しています。
電子契約の導入手順やよくある質問をまとめた資料もご用意しています。社内で導入を進める際の参考にしてみてください。
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ダウンロードする(無料)電子契約書を作るときの注意点
相手方から電子契約の利用について同意を得る
電子契約を利用して契約を締結する際には、相手方から電子契約の利用について同意を得る必要があります。契約の成立には相手方の合意が必要であり、締結の方法についても同様です。
同意を得るためには、電子契約の手続きや利用方法、双方にとっての利点を事前に説明することが有効です。相手方が電子契約の利用に不安を抱いている場合は、受信者側の操作が3ステップで完了することや、費用負担が発生しないことを伝えると、話が進めやすくなります。
社内の承認ルートと送信権限を決めておく
全社で電子契約を使い始める前に、「誰が最終的に送信ボタンを押すのか」を決めておきます。紙の稟議規程と同様に、契約金額や重要度に応じて承認者を設定しておくと、運用開始後の混乱を避けられます。
締結完了メールのリンクには有効期限がある
クラウドサインのアカウントをお持ちでない受信者に届く締結完了メールのリンクは、セキュリティの観点より、送信された日時から有効期限が10日間と設定されています。期限を過ぎてから締結済み書類を確認したい場合は、クラウドサインのアカウントを作成のうえ、「締結済」からご確認ください。
クラウドサインから届く通知メールの種類や有効期限の延長方法などについてはヘルプセンターを参照ください。
電子契約書の作り方に関するよくある質問
Q. 契約書は自分で作れますか?
作成できます。契約書の書式は法律で定められているものではないため、当事者間で合意した内容を記載すれば契約書として成立します。ただし、契約の内容によっては記載すべき事項が法律で定められている場合や、記載が不十分だと後日の解釈に争いが生じる場合があります。重要な契約については、弁護士などの専門家への相談を検討してください。
Q. 電子契約書の作成は無料でできますか?
契約書のファイル自体はWordやExcelで作成できるため、ファイルの作成に費用はかかりません。締結に使う電子契約サービスには無料で利用できる範囲があるものもあります。クラウドサインのフリープランでは、1ユーザーにつき月2件まで書類を送信できます。なお、フリープランでは締結した書類をシステム内で検索する機能はご利用いただけません。
Q. 契約書を電子化するにはどうすればいいですか?
相手方と協議の上、内容が確定した契約書をPDF形式で保存し、電子契約サービスにアップロードして相手方に送信します。相手方が内容を確認して同意すると締結が完了します。事前に必要なのは、契約書ファイルと双方のメールアドレスのみです。
Q. 電子契約書に必要なものは何ですか?
事業者署名型の電子契約サービスを利用する場合、必要なのは契約書のPDFファイルと、送信する側・受け取る側それぞれのメールアドレスのみです。印鑑や電子証明書の事前取得、専用機器の準備は必要ありません。
Q. 個人事業主でも電子契約書を作れますか?
作成できます。電子契約の利用に法人格は必要ありません。事業者署名型のサービスであれば、メールアドレスがあれば送信も受信も可能です。ただし、契約の相手方が電子契約での締結に同意していることが前提となります。
まとめ
電子契約書の作り方は、次の4ステップです。
- 契約書ファイルを作る:WordやExcelで作成し、PDFで保存する。後文と収入印紙の記載を見直す
- 電子契約サービスを用意する:事業者署名型であれば相手方の準備は不要
- 送信して締結する:アップロード、宛先設定、項目設定、送信の4操作
- 保存・管理する:電子帳簿保存法の検索要件を意識して、送信時に取引情報を入力しておく
文章で読むと工程が多く感じられるかもしれませんが、実際の操作は数分で完了します。一度テスト送信をしてみると、流れをつかみやすくなります。
クラウドサインでは、契約書の電子化を検討している方に向けた資料をご用意しています。以下のリンクからダウンロードのうえ、ご活用ください。
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クラウドサインではこれから電子契約サービスを検討する方に向けた「クラウドサイン サービス説明資料」をご用意しました。クラウドサインの特徴や使い方を詳しく解説していますので、ダウンロードしてご活用ください。
ダウンロードする(無料)この記事を書いたライター
弁護士ドットコム クラウドサインブログ編集部
電子契約サービス「クラウドサイン」を運営する、弁護士ドットコム株式会社の編集部です。電子契約・電子署名法・電子帳簿保存法のほか、契約管理、契約審査・レビュー、AIを活用した法務業務の効率化について解説しています。法令の解釈にかかわる記事で弁護士等の専門家による監修を受けている記事には、記事末に監修者名を表示しています。
