介護福祉業界で電子契約は利用できる?タブレットを用いた手書きサインの導入事例も交えて解説
人手不足が大きな課題となっている介護事業で、電子契約を導入するケースが増えています。
当記事では、電子契約とは何かという基礎知識から、介護業界における電子契約の活用事例、導入時のメリットや注意点まで詳しくご紹介します。
電子契約を導入した業者の方からは、「書類を記載する高齢者の負担が大幅に減った」など、顧客満足度の向上を実感する声も多く聞かれます。
介護業界における書類の電子化を検討している方は参考にしてみてください。
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電子契約とは?
まず、そもそも電子契約とは何かについて解説していきます。
電子契約とは、インターネットなどの情報通信技術を用いて、契約を電子データとして作成し、締結する仕組みのことを指します。
具体的には、書類をPDFなどの電子ファイルで作成し、電子署名とタイムスタンプを付与することで契約の証拠とします。これにより、場所や時間にとらわれず、契約を締結できるようになります。
【電子契約のイメージ図】
電子契約を利用することで、印刷や製本、郵送といったさまざまな手間が不要になるため、契約業務の効率化やコスト削減といったメリットがあります。
【紙の契約書と電子契約の違い】
契約書の基礎知識についてはこちらの記事もぜひご参照ください。
介護業界で電子契約は利用できるのか?
介護業界では、令和3年度の介護報酬改定により、契約書類などの書面を電子化できるようになりました(参考:厚生労働省)。
令和3年度の介護報酬改定では、以下の2点において「電磁的な対応」が認められました。
- 利用者等への説明・同意について、電磁的な対応を原則認める。署名・押印を求めないことが可能であることや代替手段を明示する。
- 諸記録の保存・交付等について、電磁的な対応を原則認める。
介護業界においては、施設に入居する際の賃貸借契約書や重要事項説明書や施設に関する説明書などさまざまな書類の締結・管理が発生します。こうした書類関連業務の負担を軽減するため、令和3年度の介護報酬改定が実施されました。
電子契約を導入することで、これらの書類手続きや管理が効率化され、介護現場の業務負担軽減を図ることが期待できます。
注意点としては、電子契約を利用する場合は、事前に利用者の承諾を得る必要があります。
電子契約の仕組みやメリット、デメリットについて丁寧に説明し、利用者の方に「紙の契約書ではなく、電子契約でよいか」について承諾を得ることが大切です。
電子契約での締結が難しい場合は、これまでどおり紙で締結するといった柔軟な対応もしましょう。
なお、クラウドサインでは、はじめて電子契約サービスを利用する方へ向けた「はじめての電子契約講座」セミナーの動画を無料で公開しています。電子契約の基礎について学びたい方、文章ではなく動画で知りたい方はぜひご視聴ください。
介護業界で電子契約を導入するメリット
介護業界において電子契約サービスを導入するメリットは、以下の4点です。
それぞれ詳しくみていきましょう。
利用者の負担軽減になる
一番のメリットは利用者の負担が軽減されることです。
施設利用者との契約手続きでは、スタッフが利用者の家を訪問するか利用者に施設まで出向いてもらい、契約書や同意書に関する説明などを実施するのが一般的です。その際、複数書類への個人情報の記入やサインが手間となり、契約手続きに時間がかかるという問題がありました。
しかし、電子契約を導入することで、利用者は自宅や施設内で簡単に契約書にサインすることができるようになります。これにより、利用者の負担が軽減され、よりスムーズな手続きが実現可能です。
また、クラウドサインをはじめとする電子契約サービスの中には、1箇所にサイン・同意することで、複数の書類の署名を完結できるケースもあります。
氏名や住所、電話番号といった個人情報を一度記載し、同意するだけで多くの書類が締結できるため、利用者の負担を大幅に軽減することができます。
業務効率の向上に繋がる
電子契約を導入することは、事業者側にとっても契約書の作成や管理といった業務を効率化できるメリットがあります。
紙の契約書では、印刷や製本、保管に時間と手間がかかりますが、電子契約ではデジタルデータとして一元管理することができます。
また、契約書の作成や更新も簡単に行なえます。 契約業務の手間が軽減されることで、スタッフも本来の業務に注力できるようになるでしょう。
実際に、厚生労働省が令和3年12月に発表した調査によると、とある通所介護事業所では、契約書の作成・製本作業に1件あたり30分~1時間程度要していたところ、電子化により5~10分で作業が済むようになり時間短縮できたという例もあります。
ペーパーレス化により環境負荷を軽減できる
電子契約は紙を使用せず、デジタルデータとして保存されるため、環境への負荷を削減することができます。
また、印刷用紙の費用やインク代といったコスト削減ができるのもメリットと言えるでしょう。
書類の紛失リスクがなくなり、自然災害にも備えられる
利用者情報の管理を紙からクラウドに切り替えることで、書類の紛失を防ぐこともできます。
電子契約の場合、利用者情報の管理をクラウドで一元管理できるようになります。地震や洪水など建物の損壊を伴う大規模な自然災害が発生した際にも、契約書を物理的な被害から守ることができます。
介護業界で電子契約を導入し効率化をかなえた事例3選
実際に介護業界で電子契約を導入した事例をみていきましょう。ここでは、当社の提供する手書き電子サイン式電子契約サービス「クラウドサイン for 介護DX」を導入したお客様の事例を3つご紹介します。
なお、介護業界の電子契約導入事例についてはこちらのページにもまとめています。気になる方はぜひチェックしてみてください。
60分以上かかっていたご利用者様との打ち合わせ時間が半分に
札幌市に本部を置き、全国に30を超える介護・福祉施設を展開する北海道のベンチャー企業株式会社3eee(スリー)は、施設ご利用者様との契約締結業務増加が課題になっていました。そこで、タブレットによる対面契約ができ、機能カスタマイズも可能な「クラウドサイン for 介護DX」を導入しました。
課題
- ご利用者様と契約を結ぶ際の準備に発生する「製本作業」に時間がかかっていた
- ご利用者様との1回の契約のお打ち合わせに対して、毎回1時間以上かかっていた
成果
- 6枚の書類へのサインが1回で済むようになり、契約のお打ち合わせを30分ほどに短縮
- 契約書作成にかかる手作業をすべてPC上で行なうことができたため、製本作業工数を削減
- 契約締結の状況をシステム上で管理でき、現場コミュニケーションも円滑化
この事例について、詳しくはこちらをご覧ください。
1件あたり30分から1時間かかっていた製本作業時間が大幅に短縮
高齢者向け住宅を提供する株式会社アスワイは、高齢の方に長時間かけて何度も手書きサインしてもらう負担を強いていることにジレンマを抱えていたため、「クラウドサイン for 介護DX」を導入しました。
課題
- ご利用者が高齢であることから、直筆のサインをするのも体力的な負担が大きく、契約締結にも時間がかかっていた
- 入居されている方全員分の書類を各拠点で保管するため、拠点ごとにその場所をどう確保するかも悩みのひとつになっていた
- スピードの要求される契約業務により職員の精神面にも負荷がかかっていた
成果
- 1件あたり30分から1時間はかかっていた製本作業が10分ほどに節約
- ペーパーレス化で1カ月あたり500枚分の紙束を節約
この事例について、詳しくはこちらをご覧ください。
手書きに関わる手間は半分以下、契約管理も効率化
全国に訪問看護ステーションを54か所、ケアプランセンターを8か所運営するとともに、介護タクシーや民間救急などの事業も手がける株式会社あいずはご利用者様の視点に立った結果、「クラウドサイン for 介護DX」の導入を決定。訪問看護ステーションにおける契約のすべてを電子化することに成功しました。
課題
- 訪問看護の契約では個人情報保護に関する同意書や重要事項説明書など5、6種類の書面に対して2部ずつ氏名を手書きしてもらう必要があり、ご利用者の負担になっていた
- メールを持っていない高齢者の方とも電子契約を締結できるようにしたかった
成果
- 署名・捺印の作業は省力化され、体感的には半分以下に削減
- 本社からでも全国の事業所の契約状況や契約内容が確認可能に
この事例について、詳しくはこちらをご覧ください。
電子契約の導入方法
電子契約を導入する際は、次のようなステップで進めましょう。
目的を整理する
まず、紙による手続きと電子契約の違いを比較しながら、自社における電子契約の導入目的を整理します。
目的を明確にすることで、関係者の協力を得やすくなり、導入を進めやすくなるでしょう。
コンプライアンス強化
(紛失・改ざんリスク対応)紛失・破損リスクあり
改ざんリスクあり紛失・破損リスクを大幅に軽減可能
適切なサービスを選ぶことで、
改ざんリスクを低減可能
目的の例 | 紙による手続き | 電子契約 |
印刷・製本の手間削減 | 印刷や製本が必要 | 印刷不要 |
契約締結にかかる時間の短縮 | 30分〜1時間 (郵送の場合はさらに数日) |
最短数分 |
利用者の負担軽減 | 書類ごとに署名の必要あり | 原則1回の署名で完了 (電子署名) |
郵送の手間削減 | 郵送による書類のやり取りが必要 | メールやクラウドシステム上で完結 |
書類管理の効率化 |
保管スペースが必要 検索するのに時間がかかる |
クラウド上に保管 キーワードや日付での検索が可能 |
コスト削減 | 印刷費、郵送費 印紙代(※)、保管コスト |
システム利用料 (印紙代は原則不要) |
サービスを比較する
実際に使う電子契約サービスを比較しましょう。
電子契約サービスを選ぶポイントとしては次のようなものがあります。
- 従業員や利用者の方にとって使いやすいか
- セキュリティは問題ないか
- サポート体制は整っているか
それぞれ具体的な選び方については次項でも詳しく説明します。
無料トライアルを用意しているケースも多いので、試し利用をしたり、実際にサービスの提供会社とやり取りをしながら、自社にとって最適なツールを選びましょう。
運用フローを整える
サービス比較と並行し、運用フローを整えることも大切です。
電子契約を利用する際、次のようなフロー(※)で契約を進めることになります。
- システムに契約相手の情報を登録
- 書類をアップロードする
- 契約書面の読み合わせ
- 契約書にサイン
- 契約書の保管
※「クラウドサイン for 介護DX」を利用した場合の締結フロー。サービスによって異なる場合があります
事業者の中で誰がどのフローを担当するのか、ご利用者がメールアドレスを持っていない場合はどうするのか、記名捺印して欲しいご家族が遠方にいらっしゃる場合はどのようにするのか、などを決めておく必要があります。
なお、クラウドサインでは導入支援や導入後のサポートも行なっています。利用を検討される場合は、打ち合わせをしながら業務フローを整えるお手伝いもできます。
事業所内へのアナウンス、マニュアル展開・説明会の実施
電子契約の運用をスタートする際は、事業所内へのアナウンスやマニュアルの展開・説明会を実施しすることもよいでしょう。
せっかく新しいサービスを導入しても、実際に現場で使用することができないと、期待していた効果を得られなくなってしまう可能性があります。電子契約サービスの使い方や、トラブル発生時の対応窓口について周知しておくことで導入効果が高まるため、検討しておくことがよいでしょう。
なお、クラウドサインでは、多くの事業所様に導入いただいてきた事例が豊富にあるため、事業所内に電子契約サービスを定着させるための支援も行なうことが可能です。
「電子契約サービスに興味はあるけれど、新しいサービスを利用しても事業所内に定着するかわからず不安」という方もぜひお気軽にお問い合わせください。
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介護業界において電子契約を選ぶポイント
介護業界の方で電子契約を導入する際は、次のようなポイントを重視するとよいでしょう。
詳しくみていきます。
使いやすさ
まず、電子契約サービスの使いやすさは非常に重要な要素です。
契約業務には、従業員や利用者、利用者のご家族など多くの人が関わります。中には、デジタル機器の操作に慣れていない人もいるかもしれません。
できるだけシンプルで、使いやすいサービスを選ぶことで、電子契約が定着しやすくなります。
電子契約サービスには無料プランが用意されていたり、無料のトライアル利用期間を設けているケースがあるので、実際に画面を触りながら使い勝手を確認するのがおすすめです。
セキュリティ対策
電子契約サービスを選ぶ際は、情報漏洩や不正アクセスなどのリスクから自社を守るために、セキュリティ対策が万全なサービスを選びましょう。
たとえば、クラウドサインは、政府がサービス導入する際に基準とするISMAP認証を受けています。
ISMAPは、政府がクラウドサービス導入する際に、セキュリティ要件を満たしていることを認定するものです。ISMAP認定を受けていることは非常に高いセキュリティ基準を満たしているとみなすことができるでしょう。
サポート体制
電子契約を導入する際は、サポート体制も重要な選定ポイントです。
新しいサービスを導入すると、業務フローを変更する必要があります。現場の従業員にも操作に慣れてもらう必要があるため、導入時はもちろんのこと、導入後まで定期的なフォローがあるサービスを選ぶと安心です。
介護業界で電子契約サービスを導入するなら「クラウドサイン for 介護DX」
令和3年度介護報酬改定によって、介護業界でも契約書や重要事項説明書などの書類が電子化できるようになり、電子契約サービスの利用が可能になりました。
現在、多くの電子契約サービスがありますが、介護業界においては、対面・手書きでも締結できるタブレット式の電子契約サービスがおすすめです。
当社の提供する介護福祉業界向け電子契約サービス「クラウドサイン for 介護DX」は対面契約に特化した、手書き電子サイン式電子契約サービスです。
「クラウドサイン for 介護DX」での契約はタブレットへの1回の「手書き電子サイン」のみで完結するため、高齢者の方にかかる手書きサインの負担が大幅に軽減されます。契約相手がPCやEメールアドレスを持っていなくても使えるのも利点のひとつです。
また、締結した書類はクラウド上に保存され、本部での一括管理が容易になります。事業拡大の度に増え続ける書類の管理場所にお困りの方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
【「クラウドサイン for 介護DX」ご利用時の流れ】
「クラウドサイン for 介護DX」のサービス詳細を知りたい方はぜひ下記のダウンロードフォームに必要情報を入力のうえ、サービス説明資料をご入手ください(無料)。
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弁護士ドットコム クラウドサインブログ編集部
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