「JA×DX」の最前線へ。電子契約で変わる組合員の手続きと働き方—— JA-DX推進研究会 セミナーレポート

全国のJA(農業協同組合)グループ向けのDXセミナー「JA-DX推進研究会 電子契約とワークフローで進めるDX~JAいちかわの事例に学ぶ~」が2026年7月8日、東京都港区の弁護士ドットコム本社にて開催されました。
株式会社日本農業新聞が主催する「JA-DX推進研究会」の一環として、株式会社エイトレッドと弁護士ドットコム株式会社(以下、当社)が共催で実施したものです。
本セミナーでは、ワークフローと電子契約、それぞれのシステムベンダー2社が共催し、JAの業務効率化に繋がる方法について紹介。実際にクラウドサインを導入し、ワークフローと連携させて業務効率化を実現しているJAいちかわ(市川市農業協同組合)様の取り組みを披露する特別講演も実施されました。
ここではセミナー当日の模様をレポートします。

セミナー会場の様子
目次
DXを目指すならワークフローと電子契約のシステム連携を
セミナーを共催した株式会社エイトレッドと当社は、株式会社日本農業新聞が主催する「JA-DX推進研究会」のサポーター企業を務めています。
今回のセミナーは農家や地域社会を支援するJAグループのDX推進の一助となることを目的に企画されたもので、エイトレッドの樋口寛大氏の講演で幕を開けました。

株式会社エイトレッド 樋口寛大氏
同社はワークフローシステム「AgileWorks」および「X-point Cloud」を開発しており、サービスの累計導入実績は5,000社超。すでにJAグループでも採用が広がっています。
講演で樋口氏は、電子契約やワークフローなどのシステムはそれぞれ個別で導入、運用しても一定の効果はある一方でデメリットもある、という点を強調していました。
たとえば社内で完結するワークフローシステムと、外部とのやり取りになる契約締結のシステムは、個別に導入して2つの間を人の手で埋めてしまうとミスやタイムラグの温床になると指摘。システム連携させることが本当の業務効率化、コスト削減、ガバナンス強化につながると訴えました。
JAと顧客の契約手続きを楽にするクラウドサインの3プロダクト

弁護士ドットコム 佐藤千容(左)
続いて当社クラウドサイン事業本部で営業を担当する佐藤千容が登壇し、電子契約「クラウドサイン」をはじめとする3つのプロダクト群「クラウドサイン シリーズ」を紹介。それらがJAグループの契約業務で想定されるシーンにおいて具体的にどう役に立つのか、解説しました。
佐藤が1つ目に紹介したのは、契約の第1段階で利用する「クラウドサイン レビュー」。契約書のリーガルチェックをAIが支援するサービスです。
リーガルチェックは一般的に法務担当者による精査が必要な専門性の高い業務です。しかし、多くのJAではそうした法務担当者を設置することが難しく、正確かつスピーディーにリーガルチェックを行える体制づくりが求められています。それに対してクラウドサイン レビューは、新たに法務担当者を設置することなく、ニーズに応えることができるサービスであると説明しました。
2つ目のプロダクトとして、電子契約の締結に用いる「クラウドサイン」を紹介しました。クラウドサインは契約書を電子化し、押印や紙を廃止したうえでスムーズに取引相手と契約締結できる弁護士ドットコムの中核サービスです。
佐藤は、クラウドサインのJAにおける活用例として、農家の方や一般の方がJAのサービスを利用する際に提出する組合員加入申込書を挙げました。実際、JA内での労働契約書、リース契約書、業務委託契約書、賃貸借契約書などでの活用も見込まれ、クラウドサインの導入を進めるJAが着実に増えていることを紹介しました。
3つ目のプロダクトとして、デジタルと紙の契約書が混在する場合でも一元管理を可能にする「クラウドサイン カンリ」について説明しました。長く紙書類を扱ってきた組織では、書類の保管スペースが限界に達し、外部倉庫等の借用を検討しなければならないことも少なくありません。しかし、同サービスであれば過去の紙の契約書も含め電子化して一元管理でき、保管スペースの節約にもつながります。
また、近年の法改正対応のうち、2027年4月1日以後に開始する事業年度から適用される新リース会計基準への対応が、JAにおいても大きな課題の1つとなることを指摘しました。とくに、経理部門担当者が過去に遡ってリース契約の該当判定を目視で行っているケースが多い場合、クラウドサイン カンリの「判定支援をAIで行う機能」が効果的で、大きな業務効率化につながります。
利用者増も見込める組合員加入申込書の電子化&対面DX

JAいちかわ企画部部長 五木田淳氏
特別講演では、JAいちかわ企画部部長の五木田淳氏が、組合員加入申込書の電子化プロジェクトの経緯や進め方、成果について語りました。
五木田氏は、JAいちかわでは、月100件に上る組合員加入申込書の処理が業務を圧迫していたことから、既存ワークフローシステムと連携させる形でクラウドサインを導入したことを紹介。さらに、クラウドサインを単体で利用するのではなく、以前から導入していたkintoneやコラボフローといった既存システムを活用し、システム連携させたことで、職員へのスムーズな浸透が可能になったと説明しました。
組合員加入申込書の電子化は、加入する組合員・准組合員にとっても、紙への記入や郵送に要していた手間が不要になるというメリットがあります。五木田氏は、「若い世代や新規組合員の加入促進という観点からも組合申込書を電子化したい、というニーズが全国のJAグループに広がりつつある」と話しました。
さらに、JAいちかわでは組合加入申込書以外にもクラウドサインが活用できる用途として、農家との間でやりとりすることの多い出荷契約書も検討されています。クラウドサインには契約書をメール送信して契約締結する使い方だけでなく、対面でタブレットを使って手書きサインして契約する方法もあるためです。

タブレット端末を使って申込書や契約書に手書きサインを施せる「クラウドサイン for 対面DX」
五木田氏によると、JAの組合員である農家には高齢の方も多く、メールアドレスを持たないケースも少なくありません。そのような場合でも、「クラウドサイン for 対面DX」のようなシステムを使うことで、JA職員が農家に直接訪問してタブレット画面で契約書を確認してもらい、あとは画面上でサインするだけで契約締結できるようになります。
こうした「対面DX」によって押印が不要になること、原本の紛失リスクがなくなることも大きなメリットだと強調しました。
スモールスタートでも必要ならシステム連携から始めることが大事

セミナー後に行われた懇親会・個別相談会の様子
本セミナーでは、組織内の幅広い業務をターゲットにするのではなく、JAいちかわのように、最初は特定の「効果が出やすい部分」に絞ってDXを推進する大切さが強調されました。
セミナー参加者からは「他JAの先進的な取組やシステムを知ることができた」「現在の課題が少し明確になってきました」といった声も上がり、多くの参加者が刺激を受けていました。
なお、クラウドサインでは契約書の審査から取引先との締結、保管・管理までの一連の流れを効率化できるサービス「クラウドサイン シリーズ」のサービス説明資料を無料でご提供しています。
気になる方はぜひ以下よりダウンロードのうえ、ご活用ください。

契約業務をまるっと効率化
クラウドサイン シリーズ概要資料
契約書のレビューから締結、管理までまるっと効率化できる「クラウドサイン シリーズ」の機能やメリットを紹介しています。紙の契約業務に伴うさまざまな非効率を一掃したい方は必見です。
この記事を書いたライター
弁護士ドットコム クラウドサインブログ編集部
電子契約サービス「クラウドサイン」を運営する、弁護士ドットコム株式会社の編集部です。電子契約・電子署名法・電子帳簿保存法のほか、契約管理、契約審査・レビュー、AIを活用した法務業務の効率化について解説しています。法令の解釈にかかわる記事で弁護士等の専門家による監修を受けている記事には、記事末に監修者名を表示しています。


