産廃業で電子契約を導入すべき理由とは? コスト削減・業務効率化の方法を解説
産廃業は大量の紙書類や複数社間の契約書が発生するため、紙の書面を利用するコストが比較的高い業界です。そのため、コスト削減や業務効率化を目的にペーパーレス化の推進を検討している企業も少なくありません。
そこでコスト削減・ペーパーレス化の方法として注目されているのが電子契約です。電子契約とは、契約書を電子データとして作成し、オンライン上で締結する仕組みを指します。
この記事では、産廃業で電子契約を導入すべき理由や導入時の注意点、実際の導入事例を詳しく解説します。コスト削減やペーパーレス化のために情報収集をしている方はぜひ参考にしてみてください。
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電子契約とは?
電子契約とは、契約書や申込書、同意書などの書類をPDFのような電子データにした後に、インターネット等の情報通信技術を利用して電子署名やタイムスタンプを施し、締結する契約のことをいいます。
【電子契約のイメージ図】
これまでの書面の契約では、契約内容を記した紙にハンコによる「押印」やペンで「手書き署名」を行い、双方で締結完了した契約書を証拠としていました。
一方、電子契約はパソコンやスマートフォンを使い、暗号技術を応用した「電子署名」と「タイムスタンプ」をオンライン上で電子ファイルに施すことで、スピーディかつ安全に当事者の合意の証を残すことができます。書面の契約書と同様に、裁判時の証拠としても扱われます。
【紙の契約書と電子契約の特徴】
産廃業で電子契約は利用できるのか?
結論として、産廃業で締結する契約書は電子契約で締結可能です。2005年に施行されたe-文書法(民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律)により、産業廃棄物処理の委託契約書を電子化することが可能となったため、従来の紙の契約書に加えて、電子契約というオンラインでの締結もできるようになりました。
産廃業における契約締結を電子契約で行なうことで、ペーパーレス化を実現し、スピード感を持って契約を締結することができるようになります。
また、産廃業では排出事業者に対して、「マニフェスト(産業廃棄物管理票)」の交付も義務付けられています。昨今は、このマニフェストについても公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が運営する「JWNET」という情報処理センターを通じて、電子化に切り替える企業が増えており、産廃業全体でペーパーレス化の動きが進んでいます。
なお、産業廃棄物処理委託契約書の書き方や電子化の方法を詳しく知りたい方は下記記事も参考にしてみてください。
産廃業で電子契約を導入すべき3つの理由
産廃業界において、電子契約の導入に注目が集まっています。ここでは、産廃業で電子契約を導入すべき3つの理由を「コスト削減」「コンプライアンス強化」「契約管理」の観点から解説します。より効率的な業務運営を実現するためのヒントとしてご一読ください。

産業廃棄物業界では電子契約を活用する企業が増えている
コスト削減効果があるため
電子契約の導入により、産廃業界では契約業務にかかるコストを大幅に削減することできます。従来の紙ベースの契約では、印刷や郵送、保管にかかる費用が発生しますが、電子契約を利用することでこれらのコストを削減できます。
また、契約書の作成や管理にかかる時間も短縮され、業務効率が向上します。さらに、電子契約はクラウド上で管理されるため、契約書の紛失リスクも低減されます。これにより、企業はコスト削減と同時に業務の効率化を図ることができます。
コンプライアンス強化とリスク管理の向上のため
産廃業界において、法令遵守は非常に重要です。廃棄物処理法第12条により、産業廃棄物の処理委託に際して契約書の作成が義務付けられており、これを怠った場合、法律違反として罰則を科せられる可能性があります。
電子契約は、契約の履行状況をリアルタイムで確認できるため、法令違反のリスクを未然に防ぐことできます。
また、契約履行の証拠をデジタルデータとして保存することで、万が一のトラブル時にも迅速に対応できます。これにより、企業はコンプライアンスの強化を図ることができ、リスク管理を強化することができます。
契約管理体制の強化のため
電子契約の導入により、契約管理体制を強化できます。電子契約は、契約書の一元管理を可能にし、必要な情報を迅速に検索・取得することができます。これにより、契約の更新や履行状況の確認が容易になり、管理業務の効率化を図れます。
また、電子契約サービスのなかにはアクセス権限の設定が可能なものもあるため、情報のセキュリティを確保しつつ、関係者間での情報共有がスムーズに行えます。
産廃業における電子契約の成功事例:広陽サービス株式会社
ここでは、実際に電子契約を導入し、業務効率に成功した事例として、一般・産業廃棄物処理やリサイクルなどの事業を手がける広陽サービス株式会社の事例をご紹介します。
同社は東京23区のオフィスビルやテナント事業を運営する事業者・官公庁を主な顧客とし、膨大な数の個別契約を締結していましたが、電子契約サービス「クラウドサイン」導入後は主に以下の書類の締結を電子契約で行なっています。
- 廃棄物の収集運搬および中間処理に関する業務委託契約書
- 廃棄物の収集運搬および中間処理に関する覚書
電子契約サービス「クラウドサイン」導入により得られた効果は下表の通りです。
【電子契約サービス「クラウドサイン」導入により得られた効果】
電子契約導入による効果 | 詳細 |
契約締結期間の大幅な短縮と業務開始の迅速化 | これまで最低1週間かかっていた契約締結が最短1日で完了できるようになり、お客様からの廃棄物回収・運搬・処分依頼に対する業務開始までの期間を短縮 |
年間数十万円規模のコスト削減 | 紙の契約書で発生していた郵送代や印紙代が不要となり、年間で数十万円程度のコスト削減を実現。事務所内の保管スペースの節約にも貢献 |
契約書管理の効率化 | 契約書原本の保管・管理にかかる手間やスペースが削減され、何時間もかけていた過去の契約書の確認作業の負担を軽減 |
「産廃業においては、競争見積の案件で電子契約の利用が必須条件になっている場合もありますので、そういったときにチャンスを取りこぼすことがないという利点もあります。」 (広陽サービス株式会社 営業本部 営業課 主任 浦田康平様)
▼広陽サービス株式会社の詳しいインタビュー内容はこちら
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産廃業で電子契約を利用する際の注意点
産廃業で電子契約を効果的に利用するために、具体的な注意点を確認しておきましょう。
電子契約でも紙の契約書と同様に法令遵守が求められる
電子契約を利用した場合も、紙の契約書と変わらず、産廃業における法令遵守が求められます。たとえば、処理を委託する産業廃棄物排出事業者は、契約終了後も廃棄物処理委託契約書を5年間保存する必要があるため、契約書の保管・管理が確実にできる電子契約サービスを選ぶとよいでしょう。

電子契約を利用する際は改めて産廃業で守るべき法令を確認しておく必要がある
また、産業廃棄物処理における契約は二者間での締結が廃棄物処理法第12条で義務付けられており、三者間は契約締結できません。排出事業者が収集・運搬をA社、処分をB社に委託する場合、それぞれ個別に契約書を作成し、A社、B社それぞれに電子契約の利用について合意してもらう必要があります。
取引先から電子契約利用の了解を得る必要がある
電子契約を導入する際には、取引先にも電子契約サービスの利用をお願いする必要があります。とくに、取引先が電子契約を利用したことがない場合には、丁寧に説明する必要があります。
説明の際には、電子契約の導入が取引先にとってどのようなメリットをもたらすかを説明することが重要です。たとえば、契約締結までの時間が短くなることや紙の契約書と同様に法的な証拠力が認められていること、印紙税や郵送費などのコスト削減につながること、契約書を受け取る取引先側での費用負担は一切ないこと、電子帳簿保存法に準拠した形で検索性の高い安全なデータ保管ができること、契約書の管理画しやすいことなどを挙げることができます。
これらのメリットをメールや書面、対面で明確に伝えることで、取引先の了解を得やすくなるでしょう。
また、取引先が抱く可能性のある疑問や懸念、たとばセキュリティ面での不安や、既存の業務フローとの整合性などに対しては、マニュアルやFAQを共有したり、実際にデモンストレーションしたりするなど、さまざまな方法でサポートすることが有効です。
なお、電子契約サービス「クラウドサイン」をご利用の場合、契約相手方はメールアドレスとパソコン・スマートフォン・タブレットさえあれば、サービスへの新規登録なしで契約書の確認・締結できます。相手方は、受信したメールのリンクから契約内容を即座に確認し、同意(署名)できます(参考:クラウドサイン受信者向けガイド)。
また、クラウドサインをご利用いただくにあたって参考になるお役立ち資料も多数用意しているなど、電子契約を依頼する取引先が利用開始するためのサポートも充実しております。
電子契約サービス「クラウドサイン」について詳しく知りたい方は、下記資料ダウンロードフォームから「サービス説明資料」をぜひダウンロードいただき、電子契約サービス検討時の参考材料としてみてください。
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ダウンロードする(無料)産廃業で電子契約を導入する際によくある質問
産廃業で電子契約の導入を検討する際、多くの事業者が抱える疑問や不安を一問一答形式でまとめました。電子契約導入前に確認しておきましょう。
産廃業者間での電子契約の法的有効性に問題はないのか?
産廃業者間においても、電子署名法に基づき、適切に電子署名が行われた契約書は紙の契約書と同等の法的効力を持ちます。
電子契約の法的有効性・関連法令を確認したい方は下記記事もご一読ください。
電子契約サービスを導入する場合、特別な機器や設備投資は必要か?
電子契約サービスの導入に際して、特別な機器や設備投資は原則必要ありません。一般的なパソコンやスマートフォンがあれば、インターネットを通じて契約締結できます。
電子契約の導入方法や必要な準備を確認したい方は下記記事を参考にしてみてください。
契約終了後、契約書はどれくらい保管する必要がありますか?
産業廃棄物の処理を委託する事業者には、契約終了日から5年間、契約書とマニフェストを保管する義務があります。この義務は電子契約にも適用され、紙の契約書と同様に5年間保管する必要があります。
産廃業での活用実績も豊富な電子契約サービス「クラウドサイン」
当社の提供する「クラウドサイン」は契約書の送信から締結、保管までを一元管理できる電子契約サービスです。導入社数250万社以上の実績を持ち、産廃業における導入実績も多数あります。市場における導入実績が多いサービスを選ぶことで、取引先にも受け入れてもらいやすくなるというメリットがあります。
また、紙の契約書類1件あたりにかかる諸経費は1,200円という試算結果もあり(当社独自調査による)、電子契約サービスを導入し、紙の契約書に伴う印刷や郵送の手間を省くことで、大幅なコスト削減につながります。
また、クラウドサインは法的に有効な電子署名を提供しており、産廃業におけるコンプライアンスの強化にも寄与します。
なお、クラウドサインではこれから電子契約サービスを比較検討する方に向けて「電子契約の始め方完全ガイド」をご用意しています。「電子契約を社内導入するための手順」や「クラウドサインの利用手順」「よくあるご質問」など、導入前に知っておきたい情報を網羅して解説しているため、導入検討時に抱いている疑問や不安を解消することできます。下記リンクから無料でダウンロードできますので、ぜひご活用ください。
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弁護士ドットコム クラウドサインブログ編集部
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