お知らせ

コントラクトギルド共同研究発表の総括


SFC Open Research Forum 2018で行ったコントラクトギルド共同研究発表と、そこでいただいた反応について、総括をしておきたいと思います。活動継続に向けて、リーガルデザイン・ラボのスポンサーも募集します。

ペインから契約の現在地を捉える共同研究「契約の現在地」を一部公開

11月23日(祝)、SFC Open Research Forum 2018のリーガルデザイン・ラボの発表枠をお借りして、コントラクトギルドによる共同研究の発表を行いました。

以下、私から発表させていただいた「契約の現在地」と題するパートのスライドを、一部公開したいと思います。

コントラクトギルド共同研究発表「契約の現在地」(メディア公開用)

前半では、コントラクトギルドが行って来たこれまでの活動を振り返っています。サービスデザインの考え方を取り入れた課題分析や、秘密保持契約をチャットボット形式でレビュー・作成するAIの開発など、そのほとんどが外部へは発表せずに行ってきた内部的研究の紹介でしたが、このあたりは、会場の方々の関心も高い様子が伺えました。

後半は、契約のペインに関するリサーチ結果の概要報告を行いました。このリサーチは、大手調査会社のご協力のもと、520人の一般ビジネスパーソン(うち104人が法務・知財職)からのアンケート等に基づくもので、私自身、長い法務経験でも見たことない切り口での調査ができたと思っています。

ビジネスにおいて欠かせない「契約」という行為の中で、特に高いペインを示したのは、契約書を作ることそのものではなく、その前提としての「契約交渉」であるという事実。法務の専門家たちは、この現実を理解した上で現場の契約業務をサポートできているのか?今後のリーガルテックの進展においても、この「契約の現在地」を踏まえていく必要があると考えています。

ORF当日は、ここからさらに議論を発展させて、橋詰、弊社リーガルテックエンジニア高瀬および水野祐先生の3名から、それぞれが想像する「契約の未来」について、プレゼンテーションを行いました(内容は割愛させていただきます)。

ご参加者からいただいたご意見一覧も11月29日まで公開

ご参加者を交えてのディスカッションを行うまでの時間はとれませんでしたが、その代わりに、Sli.doというQ&Aボードサービスを使って、皆様からのご意見を発表を聴きながらリアルタイムに書き込んでいただく仕組みを採用させていただきました。

このQ&Aについても、11月29日までの期限付きとなりますが公開をさせていただきます。

Sli.do上でいただいたご意見・ご質問一覧(11月29日まで公開)

リンク先の各質問をクリックしていただきますと、運営からの回答もご確認いただけるようになっています。

「契約の現在地」に対して、「契約の未来」のパートでは、

・ 契約書式の普及を積み重ねていくことによる事実上の標準化
・ ルール(法令)ではなく、スタンダード(基準)を民民合意で形成することによる標準化
・ 契約文書・法令・判決文の文書構造・エンジニアリングから逆算した標準化

こうした観点からさまざまな仮説を提示して見せたのですが、「すべての契約は利用規約になる」という私の仮説には、やはり疑問や反発の声も大きかったことが伺えます(笑)。

ところで、このSli.doというQ&Aボードサービス、匿名での質問が可能だったり「いいね」ボタンで人気の質問が上位に上がってくる仕組みなど、会場の参加者が本当に聞きたかったことが抽出しやすくなる、大人数でのQ&Aを捌くのに非常に適したサービスだと改めて思います。これまでの手を挙げさせてマイクを回す方法では、運営の面倒さだでけなく、質問の品質や時間のコントロールが難しい(マイクを握って演説を始める質問者が現れる等々)という課題がありましたので、こうしたサービスに一気に置換されていきそうです。

なお、当日ご参加くださった伊藤雅浩先生にも、個人ブログ「Footprints」に概要と感想をご紹介いただいていますので、ぜひご覧ください。

リーガルデザイン・ラボの企業スポンサーを募集

こうしたコントラクトギルドの活動以外にも、リーガルデザイン4つの領域についてオープン・ラボ等の取り組みを通じて広く研究を行っているのが、慶應義塾大学SFC研究所リーガルデザイン・ラボです。

今回のような研究活動を継続するためにも、企業等からのスポンサードを積極的に求めていきたい とのこと。

スポンサーシッププログラムについて詳細を知りたいという企業がいらっしゃいましたら、リーガルデザイン・ラボのWebサイト「パートナー企業」より、お問い合わせをいただければ幸いです。

慶應義塾大学SFC研究所リーガルデザイン・ラボ

画像:ORFご参加者Y.I様よりご提供

(橋詰)

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