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法律・法改正・制度の解説

2026年に義務化されたCLO(物流統括責任者)とは?定義や役割、求められるスキルを解説

CLO(Chief Logistics Officer)とは、物流戦略や物流業務を統括する最高物流責任者です。CLOは、物流2024年問題への対応や改正物流効率化法の施行を背景に、今注目を集めている役職です。

物流はもはや現場だけの課題ではなく、経営課題として捉えるべきテーマとなっており、荷主企業の経営層による主体的な関与が求められています。加えて、物流DXの推進や法規制対応など、企業の物流課題が年々増加する中、CLOに期待される役割も大きくなっています。

この記事では、CLOの概要や注目される背景を解説するとともに、CLOが取り組むべき運送契約の書面化義務について紹介します。また、その対応を効率化する手段として、電子契約サービスの活用についても解説します。

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CLO(最高物流責任者)とは?

まずは、CLO(最高物流責任者)の定義と役割について、以下の点を確認しましょう。

CLOの定義と日本企業における位置づけ

CLO(Chief Logistics Officer)とは、企業の物流戦略を統括する最高物流責任者を指します。経営層の一員として、調達・生産・販売に関わる物流業務全体を俯瞰し、サプライチェーン全体の最適化(ロジスティクス)を推進する役割を担います。

欧米を中心としたグローバル企業では、物流を競争力の源泉と捉える考え方が浸透しており、CLOを設置する企業も少なくありません。CLOは企業経営において重要なポジションと位置づけられており、実際にCLO経験者がCEOへ就任した事例も見られます。

一方、日本企業では、これまで物流を現場部門の課題として扱う傾向が強く、CLOを設置する企業は限定的でした。しかし、現在では物流を経営課題として捉える必要性が高まっており、今後はCLOを設置する企業が増えていくと考えられます。

「物流部長」との違い

日本企業では、「物流部長」という役職を設けているケースが一般的です。物流部長は現場のオペレーションを管理し、部分最適として担当領域の効率化や品質向上を担う責任者と言えます。

これに対しCLOの仕事は、経営戦略と連動した物流戦略の立案や、物流DXの推進、コンプライアンス体制の強化などです。また、CLOには調達・生産・販売といった複数の部門を横断しながら、物流業務の全体最適も求められています。

このように、物流部長が「現場オペレーションの最適化」を担うのに対し、CLOは「経営視点で物流全体の最適化を推進する役割」を担う点に大きな違いがあります。

なぜ今「CLO」が必要か?物流業界を取り巻く環境変化

CLOの必要性が高まっている背景には、物流を取り巻く環境の大きな変化があります。

まず挙げられるのが、「物流2024年問題」です。ドライバー不足が深刻化する中、働き方改革によってドライバーの時間外労働に上限が設けられました。その結果、輸送能力の低下による「モノが運べなくなる」リスクが社会的な課題として認識されるようになっています。

こうした状況を受け、物流事業者だけでなく荷主企業にも物流体制の見直しが求められるようになりました。物流はもはや現場だけの課題ではなく、経営課題として取り組むべきテーマへと変化しており、経営視点で物流戦略を統括するCLOへの注目が高まっています。

さらに、物流2024年問題への対応を目的として、物流効率化法や貨物自動車運送事業法の改正が進められています。こうした法改正の目的は、荷主と物流事業者の双方に対する「物流の効率化」と「持続可能な物流体制の実現」です。

特に物流効率化法では、一定規模以上の荷主に対して「物流統括管理者」の選任が義務付けられました。物流統括管理者には、物流全体を俯瞰しながら改善施策を推進する役割が期待されており、その位置づけはCLOと重なる部分が多いと言えます。

このように、物流を取り巻く環境変化や法規制への対応を背景として、物流を経営レベルでマネジメントするCLOの重要性が高まっています。

CLOが果たすべき役割と必須スキル

CLOの役割はどのようなものでしょうか?以下では、必須スキルも併せて説明します。

CLOの主な役割(経営戦略・全体最適・ガバナンス)

CLOの役割は多岐にわたりますが、特に重要なのが「物流戦略の立案」「物流DXの推進」「コンプライアンス体制の強化」の3つです。

物流戦略の立案では、経営戦略や事業戦略と連動した物流体制の構築が求められます。ここでは、社内の各部署との調整だけではなく、社外の関係者との連携も意識する必要があり、たとえば他社との共同物流の推進なども行います。

次に、物流DXの推進です。人手不足や物流コストの上昇が続く中、デジタル技術を活用した業務改革は欠かせません。電子契約などのデジタルツールを活用し、業務効率化やコスト削減を実現することもCLOの重要な役割です。

さらに、コンプライアンス体制の強化も求められます。近年の法改正では、物流事業者だけでなく荷主企業の責任が強調されるようになりました。法令を遵守した上での持続可能な物流体制の構築も、CLOが担う重要なミッションです。

CLOに求められるスキル

こうした役割を果たすために、CLOにはさまざまなスキルが求められます。

まず必要なのが、「経営俯瞰力」です。企業全体の経営戦略や事業戦略との関係性を踏まえながら意思決定を行う視点が欠かせません。物流を経営課題として位置づけ、全社最適の観点から方針を示す必要があります。

次に重要なのが、「調整・交渉力」です。物流業務には、社内の営業部門や生産部門だけでなく、協力会社をはじめとする多くのステークホルダーが関わります。そのため、異なる立場や利害を調整しながら、最適な物流体制を構築する能力が必要です。

さらに、「最新テクノロジーへの理解」も欠かせません。物流領域ではAIやIoT、自動化設備、各種クラウドサービスなどの活用が急速に進んでいます。新しい技術が物流業務にどのような価値をもたらすかを理解した上で、適切な投資判断をしなければなりません。

このようにCLOには、物流の専門知識のみならず、経営視点やマネジメント能力、さらにはデジタル技術への理解まで、幅広いスキルが求められます。

【急務】CLOが直面する法規制対応:「運送契約の書面化」義務

CLOが対応すべき重要な課題のひとつが、「運送契約の書面化」への対応です。以下では、その内容について詳細に説明します。

「運送契約の書面化」義務とは?

2025年4月に施行された改正貨物自動車運送事業法では、運送契約締結時における書面交付が義務化されました。具体的には、荷主と物流事業者の双方に対して、運送内容や運賃などの契約条件を記載した書面を交付することが求められています(法第12条、第24条)。

この制度が導入された背景には、トラック運送業界における多重下請構造があります。従来は契約内容が曖昧なまま業務が発注されるケースもあり、立場の弱い下請事業者に負担が集中することが問題視されていました。

こうした状況を改善するため、国は下請事業者の保護や取引の適正化を目的として、運送契約の書面化を義務付けています。

なお、交付する書面には、運賃や運送内容などの法定事項を記載する必要があります。詳細については、国土交通省などが作成したリーフレット(「運送契約締結時の書面交付義務化」)をご確認ください。

また、2026年1月に施行された「中小受託取引適正化法(取適法)」への対応も重要です。同法では、発荷主に対して発注内容などの明示義務が課されており、元請事業者に対して書面や電子メールなどを用いて取引条件を明示しなければなりません。

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協力会社との「一斉巻き直し」という巨大な壁

こうした法改正を受け、CLOには自社の契約実態を把握した上での、法令に適合した契約管理体制の構築が求められます。

しかし、その過程で大きな課題となるのが、既存契約の見直しです。従来は口頭や慣行ベースで運用されていた契約内容についても改めて整理し、多数の協力会社との契約を再締結する、いわゆる「一斉巻き直し」が発生する可能性があります。

仮にこれらの契約手続きを紙の契約書で行うのであれば、契約書の作成・印刷・製本・郵送・印紙貼付・回収・保管などを行う必要があります。協力会社が数百社から数千社に及ぶ企業では、膨大な時間とコストが発生することも珍しくありません。

こうした背景から、近年は紙の契約書に代わる手段として電子契約の活用が注目されています。次章では、運送契約の書面化に対応する有効な選択肢として、電子契約のメリットについて詳しく解説します。

物流業界における「電子契約」導入のメリットとクラウドサインの活用

以下では、「電子契約」の3つのメリットの説明とクラウドサインの紹介を行いたいと思います。

契約の一斉巻き直しを圧倒的に効率化

電子契約が現実的な代替案として取り上げられるのは、オンライン上の手続きだけで契約の巻き直しのプロセスが完了するからです。紙の契約書にかかる膨大なコストと時間の浪費を回避できます。

また、電子契約ではオンライン上の手続きで契約が完了するため、紙媒体での契約書の印刷や郵送が不要です。また、紙の契約書であれば高額の取引を行う際に必要になる印紙代も不要になるため、契約プロセスにおける、大幅なコスト削減効果が見込めます。

加えて、「クラウドサイン」のような電子契約サービスに実装されている「一括送信機能」を使えば、数百件の契約の巻き直しを瞬時に完了できるため、業務時間の削減も大きな魅力です。

ドライバーや協力会社の負担軽減(スマホで完結)

パソコンを持たない小規模な協力会社であれば、電子契約による契約書の交付は難しく、紙の契約書で対応せざるを得ないと考えるかもしれません。

しかし近年の電子契約サービスは、パソコンだけでなくスマートフォンにも対応しています。経営者自身がドライバーを兼務するような運送会社でも、出先で契約確認・署名ができるため、業務を止めずに手続きを進められます。

コンプライアンス・ガバナンスの強化(CLOの要件を満たす)

紙の契約書は管理の手間が大きく、契約の更新漏れや紛失などが生じるリスクがあります。コンプライアンス体制の強化を図るCLOとしては、そのような事態が発生しないように、普段から適切かつ効率的に契約を管理できる体制を整えなければなりません。

電子契約では、契約書をクラウド上で一元管理・検索できるため、契約更新のタイミングなども容易に把握できます。紛失の恐れもなくなるため、監査の際に対象の契約書が見当たらない事態もおこらなくなるでしょう。

なぜクラウドサインが選ばれているか

ここまで紹介したように、電子契約は契約業務の効率化とコンプライアンス体制の強化を同時に実現できる手段です。そして、その中でも、有力な選択肢のひとつが、弁護士ドットコム株式会社が提供する電子契約サービス「クラウドサイン」です。

クラウドサインは、契約締結から契約書管理までをオンラインで完結できるクラウド型の電子契約サービスです。物流領域においても活用が進んでおり、以下のような特徴からクラウドサインが多くのユーザーに支持されています。

  • 電子署名法に準拠したクラウド型電子契約サービス
  • 日本の商慣習に合った直感的なUI
  • 国内シェアNo.1*の安心感

クラウドサインはITに不慣れな現場でも使いやすく、小規模な協力会社とスムーズな契約の巻き直しを進める際に大きな効果を発揮すると考えられます。

※株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2025年版」(電子契約ツールベンダーシェア、2024年度実績)

なお、クラウドサインではこれから電子契約サービスを比較検討する方に向けて「電子契約の基礎知識」をご用意しています。「電子契約は難しい・よくわからない」と感じている方は、下記リンクから無料でご入手できますのでぜひご活用ください。

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クラウドサインではこれから電子契約を検討する方に向け、電子契約の基礎知識をまとめた資料をご用意しました。電子契約について詳しく知りたい方はダウンロードしてご活用ください。

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まとめ:CLO主導で進める物流DXの第一歩は「契約の電子化」から

人手不足や法規制の強化など、物流領域では大きな環境変化が生じています。ますます深刻化する物流危機を乗り越えるためには、CLOの存在とトップダウンでの物流DXの推進が不可欠です。

その物流DXを推進する際にもっとも効果的で着手しやすいのは、「契約業務の電子化」です。「運送契約の書面化」義務への対応が喫緊の課題となる中、CLOには電子契約サービスを活用して業務の効率化とコンプライアンス体制の強化の両立を図る視点が求められます。

まずは「運送契約の書面化」対応に向けて、「クラウドサイン」の導入を検討してみてはいかがでしょうか?CLOとして持続可能な物流体制の整備を進める際の重要な第一歩となるでしょう。

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この記事を書いたライター

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臼井崇

大学卒業後、財閥系大手総合物流企業に入社し、コンテナターミナル管理や物流提案営業を担当。その後、大学院に進学し、日本の物流(ロジスティクス)の歴史や個別事例などを研究。卒業後、東証プライム企業や、外資系日用品企業で物流企画&物流管理を担当。2026年現在も物流に関する業務に携わり、経歴を生かした執筆や監修なども担当している。

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