kintoneで帳票作成を自動化する方法 初心者でもわかる選び方と進め方
結論
kintoneの帳票作成を自動化する方法は、標準機能・プラグイン・外部サービス連携の3つです。作成件数が少なければ標準機能、見積書や請求書を日常的に作るならプラグイン、契約締結まで一気通貫で効率化したいなら外部サービス連携が向いています。自社の帳票量と目的に合わせて選びましょう。
kintoneに登録した顧客情報や案件情報を使って契約書や請求書などの帳票を作成するたびに、ExcelやWordへの転記作業をしていると、入力ミスや二重管理、業務の属人化が起こりやすくなります。
そこで、この記事ではkintoneで帳票作成を自動化する3つの方法、標準機能、プラグイン、外部サービスとの連携ーーそれぞれの特徴や選び方、導入の進め方を解説します。

DX推進ができている企業は何をしているのか?
無理なくはじめる“ちょうどいい” バックオフィス業務改善のコツ
ITが苦⼿な社員が多い会社が取るべきDX戦略について、とある製造業A社を例に挙げて解説します。
目次
結論:kintoneで帳票を作成する方法は大きく3つ、選び方の軸はシンプル
kintoneの帳票作成を自動化する方法は、大きく3つあります。標準機能、プラグイン、外部サービスとの連携です。このうち帳票作成を自動化できるのは、プラグインと外部サービスとの連携です。
方法①kintoneの標準機能を使う
kintoneの標準機能では、レコードの内容を印刷用画面に表示し、ブラウザーの印刷機能を使って紙やPDFに出力できます。

kintoneのレコード詳細画面から「レコードを印刷」を選択

「レコードを印刷」を選択した後に表示される印刷用画面
また、レコード一覧をCSVファイルに書き出し、Excelなどで帳票に加工する方法もあります。

レコード一覧画面のメニューから「ファイルに書き出す」を選択
ただし、見積書や請求書のレイアウトを細かく整えたり、複数の帳票をまとめて出力したりする機能は標準では用意されていません。件数が少なく、簡易的な帳票で足りる場合に向いています。
方法②プラグインを追加する
帳票作成プラグインを追加すると、kintoneに登録したデータを、あらかじめ設定した見積書や請求書などのひな形に反映し、PDFなどで出力できます。

既存の帳票フォーマットを利用し、マウス操作で帳票を設定できるPrintCreator(画像引用元:トヨクモ「PrintCreatorとは」)
複数レコードの一括出力や帳票の保存、メール送信にも対応しているサービスもあります。プログラミングの知識は不要ですが、利用料金や対応できる帳票、設定方法は製品ごとに異なるため、無料トライアル期間などを利用して、必要な機能と操作性を確認しておきましょう。
方法③外部の帳票作成サービスと連携する
外部の帳票作成サービスと連携すると、kintoneのデータを使った見積書・請求書・契約書などの作成から、承認、送付、電子契約による締結、保管までの一連の業務をつなげられます。帳票作成だけでなく、その後の業務も効率化したい場合に適しています。
一方で、初期設定や連携方法が複雑になることもあるため、利用料金や対応機能を事前に確認する必要があります。現在の業務フローを整理し、どこまで自動化したいかを明確にして選びましょう。
なお、プラグイン(方法②)や外部サービスとの連携(方法③)は、kintoneのスタンダードコース以上で利用できます。ライトコースでは使えないため、先に契約中のコースを確認しましょう。
「標準機能だけ」で帳票作成に限界を感じる理由
標準機能でも簡易的な帳票の出力はできますが、レイアウトや一括出力、運用の自動化には限界があります。
kintoneが得意なこと・苦手なこと
kintoneは、顧客情報や案件情報を一元管理し、複数人で共有・更新することを得意としています。検索や一覧表示、進捗管理にも向いており、業務データを蓄積する基盤として便利です。
一方、見積書や請求書のように、決められたレイアウトにデータを配置して出力する作業は得意ではありません。帳票の見た目を整えたり、複数件をまとめて出力したりするには、プラグインや外部サービスの利用を検討する必要があります。
手作業の転記を続けることで起きる3つのリスク
手作業の転記を続けることで起きる主なリスクは、次の3つです。
- 入力ミスや転記漏れ
- 情報の二重管理
- 業務の属人化
入力ミスや転記漏れによって金額や宛先を誤ると、帳票の修正や再発行が必要になります。また、kintoneとExcelなどで同じ情報を管理すると、更新内容にずれが生じる可能性があります。さらに、作成手順が特定の担当者に依存すると、不在時に業務が止まるおそれもあります。入力ルールの統一やデータの一元管理、複数人での対応体制づくりなど、リスクに応じた対策を進めましょう。
【比較】kintoneの帳票作成プラグイン・連携サービスの選び方
帳票の種類や出力方法、費用、連携範囲を比較し、操作性やサポート体制も確認して自社に合うサービスを選びましょう。
比較する前に押さえたい3つの軸(コスト・自由度・サポート体制)
プラグインや連携サービスを比較するときは、次の3つの軸を確認しましょう。
- 導入・運用にかかるコスト
- 帳票レイアウトや設定の自由度
- 導入後のサポート体制
コストについては、初期費用だけでなく、月額料金や利用人数、帳票数による追加料金も確認しましょう。自由度は、自社の帳票を再現できるか、一括出力や送信に対応しているかがポイントです。サポート体制については、導入時のマニュアルやオンライン相談窓口、提供会社による設定支援の有無を確認しておくと、導入後につまずきにくくなります。
主要プラグイン・サービスの比較表
主要な帳票作成プラグイン・連携サービスを、出力形式や料金体系、特徴で比較すると次のとおりです。
| サービス名 | 出力形式・料金 | 主な特徴 | 向いている企業 |
| ReportsConnect for kintone | PDF/1回3ページまで無料/ 4ページ以上は有料版で 月額7,500円/1ユーザー |
1回の印刷要求につき3ページまで無料。 帳票設計には専用ツール (JasperSoftStudio)を使用 |
費用を抑えたい、自社で帳票デザイン ツールを扱える担当者がいる企業 |
| PrintCreator | PDF/月額7,000円~ | マウス操作で帳票を設定でき、 上位プランでは複数帳票の 一括出力や電子契約との連携にも対応 |
操作性と業務自動化を重視する企業 |
| レポトン | PDF・Excel/ サブスク版は月額22,000円、 買い切り版は各220,000円 (買い切りのPDF版とExcel版は別製品) |
PDF・Excelに対応。 複数枚出力・一覧出力・一括 出力はサブスク版で利用可能 |
Excel出力や料金体系の選択肢を 求める企業 |
| ドキュトーン | Word・Excel・PowerPoint/ 月額1,180円/ユーザー |
Office形式で出力可能。 税別・10ユーザー~・12か月契約 |
Office形式の帳票が必要な企業 |
| k-Report | PDF/月額10,000円 | 複雑な帳票のほか、ラベル・封筒・ 名刺や大量のPDF出力に対応 |
特殊な帳票や大量出力が必要な企業 |
※記載の料金は税別です。料金・機能は2026年7月時点の情報であり、利用できる機能はプランによって異なります。無料トライアルが提供されている場合は利用し、自社の帳票を再現できるか確認してから導入しましょう。
また、表のプラグイン・連携サービスはいずれも、kintoneのスタンダードコース以上で利用できます。ライトコースでは利用できないため、あわせて確認しておきましょう。
タイプ別診断:自社の状況別おすすめの選び方
自社に合う方法は、帳票の種類や作成件数、運用体制によって異なります。導入前に「なにを、何件、どこまで自動化したいか」を整理しましょう。
コスト重視タイプ
帳票の作成が月に数件程度で、レイアウトにも強いこだわりがない企業には、kintoneの標準機能やCSV出力がおすすめです。追加費用をかけずに始められますが、転記や体裁調整などの手作業は残ります。kintoneのライトコースを契約している場合は、プラグインや外部サービスとの連携が使えないため、この方法が選択肢になります。
手軽に効率化したいタイプ
見積書や請求書を日常的に作成し、専門知識がなくても自動化したい企業には、帳票作成プラグインが向いています。テンプレートへのデータ差し込みやPDF出力、帳票の一括作成に対応する製品もあります。

複数社分の一括出力や一覧帳票の作成に対応するレポトン(画像引用元:株式会社ソウルウェア「レポトン」)
レイアウト重視タイプ
複数ページの帳票や独自様式、既存のExcel・Wordファイルを活用したい企業には、自由度の高いプラグインや外部の帳票作成サービスがおすすめです。現在の帳票をどこまで再現できるか確認しましょう。

多様な帳票レイアウトと大量PDF出力に対応するk-Report(画像引用元:Awesome Job「k-Report」)
業務全体を自動化したいタイプ
帳票作成後の承認、送付、電子契約、保管までの一連の流れを効率化したい企業には、外部サービスとの連携が適しています。導入前に対象業務と必要な連携範囲を明確にしておくことが大切です。
帳票作成の自動化による業務効率の向上
帳票作成を自動化すると、転記や確認の時間が減り、作業ミスの削減や業務の標準化にもつながります。
削減できる作業時間の考え方(1件あたりの時間×件数で試算する方法)
削減できる作業時間は、「1件あたりの短縮時間×月間の作成件数」で試算します。
試算例
帳票1件あたりの作成時間が10分から2分に短縮され、月に50件作成する場合、1件あたりの削減時間は8分です。
8分×50件=400分
400分÷60分=6時間40分の削減
実際には、転記後の確認や入力ミスの修正、再発行にかかる時間も含めて計算しましょう。担当者への聞き取りや作業記録をもとにすると、導入効果をより具体的に示せます。
上司や決裁者への説明で使える伝え方のポイント
上司や決裁者には、現在の課題と導入効果を具体的に示すことが大切です。「月〇時間の作業を削減できる」「転記ミスを減らせる」「担当者が不在でも対応しやすくなる」など、数値や業務上のメリットを伝えましょう。あわせて、初期費用や月額費用、導入までの期間、無料トライアルの有無も整理すると、費用対効果を判断してもらいやすくなります。
帳票作成の効率化を機に見直したい、契約・締結・保管までの流れ
帳票作成を自動化する際は、帳票の作成だけでなく、契約書の送付・締結や保管までの一連の業務を見直すことが大切です。
見積書・請求書だけでなく、契約書もkintoneから一気通貫で作成できる
kintoneを帳票作成サービスや電子契約サービスと連携すれば、顧客情報や案件情報をもとに、見積書・請求書だけでなく契約書も作成できます。作成した契約書を取引先へ送信し、電子契約による締結まで進められるため、複数システムへの転記や入力を減らせます。

kintoneの情報から契約書を作成・送信できる「クラウドサイン MAKE for kintone」(画像引用元:弁護士ドットコム「クラウドサイン」)
ただし、利用できる帳票や送信方法、承認機能などはサービスやプランによって異なるため、自社の業務フローに対応できるか確認しましょう。
電子契約サービスと連携してできること
電子契約サービスとの連携では、先方確認中・締結済みなどの契約状況をkintone上で確認し、締結済みの契約書をkintoneに保存できる場合があります。たとえばクラウドサイン MAKE for kintoneでは、締結した契約書がkintone上に保管されます。

クラウドサイン MAKE for kintoneで利用できる帳票作成・送信・保管・ステータス確認機能(画像引用元:弁護士ドットコム「クラウドサイン FILING for kintone」)
契約情報を一元管理できるため、進捗確認や検索もしやすくなります。契約日や更新期限をkintoneに登録しておけば、期限管理にも活用できます。

クラウドサイン FILING for kintoneでできる契約終了日が近づくとメール・kintoneへ予告通知する期限管理機能(画像引用元:弁護士ドットコム「クラウドサイン」)
利用できる機能や連携範囲はサービス・プランごとに異なるため、事前に確認しましょう。なお、クラウドサインのkintone連携を使う場合は、kintoneのスタンダードコース以上と、クラウドサインのコーポレートプラン以上の契約が必要です。
kintoneと電子契約を連携させたい方へ
クラウドサイン kintone連携カタログ
クラウドサインとkintoneを連携させるメリットやkintone連携のラインナップと機能概要、料金プランについてご紹介いたします。
導入を成功させるために押さえておきたいポイント
導入前に、対象帳票や必要な機能、運用ルールを整理し、小さく試してから本格運用へ進めることが大切です。
いきなり全社展開せず、一部の業務からスモールスタートする
帳票作成を自動化する際は、作成件数が多い見積書や請求書など、効果を確認しやすい帳票に絞って始めましょう。小規模に運用すれば設定ミスや現場の使いにくさを早期に発見できます。利用者の意見をもとに手順やルールを整えてから、対象部署や帳票の種類を広げていくと導入後の定着がスムーズです。
運用ルール(誰が・いつ・どう使うか)を先に決めておく
帳票作成を自動化する前に、帳票を作成する担当者や内容を確認・承認する担当者、送付・保存のタイミングを明確にし、「誰が」「いつ」「どの手順で」使うかを決めておきましょう。修正時の対応やファイル名の付け方、保存場所も含めて運用ルールを文書にまとめ、利用者へ共有すれば、担当者による使い方の違いや処理漏れを防げます。
よくある質問(FAQ)
kintoneの帳票作成について、導入前によく寄せられる疑問と注意点をわかりやすく解説します。
Q. kintoneの標準機能だけで帳票は作れますか?
A. 簡易的な帳票であれば、kintoneの標準機能だけでも作成できます。レコードの印刷画面を利用したり、データをCSVファイルへ書き出してExcelで帳票に整えたりする方法があります。
ただし、見積書や請求書のレイアウトの細かい調整や、PDFの一括出力、自動保存・送信などには向いていません。複雑な帳票や作成件数が多い場合は、プラグインや外部サービスの利用を検討しましょう。
Q. プラグインの導入は、エンジニアがいなくてもできますか?
A. エンジニアがいない企業でも、管理画面からテンプレートや出力項目を設定し、動作を確認しながら進められます。ただし、複雑な帳票の作成や他サービスとの連携では、専門知識が必要になることもあります。不安がある場合は、無料トライアルやマニュアル、提供会社の導入支援を活用しましょう。
Q. 帳票作成と契約書の電子化は、別々に検討すべきですか?
A. 別々に検討することもできますが、契約書の作成から送付、締結、保管までの流れを一連の業務として検討したほうが効率的です。先に帳票作成だけを導入すると、契約締結後の管理が別システムに分かれ、二重管理が残る可能性があります。将来的に電子契約まで進めたいなら、対応サービスや連携範囲をあらかじめ確認し、段階的に導入できる構成を選びましょう。
Q. 導入にはどれくらいの費用がかかりますか?
A. 利用するプラグインや連携サービス、必要な機能、利用人数によって異なります。初期費用が不要で月額料金のみのサービスもあれば、設定支援や帳票テンプレートの作成に別途費用がかかるケースもあります。月額料金だけでなく、初期設定や追加帳票、サポート、電子契約などにかかる費用も含めて検討しましょう。
まとめ
kintoneで帳票を作成する方法には、標準機能、プラグイン、外部サービスとの連携といった3つの選択肢があります。帳票の種類や作成件数、レイアウト、費用、サポート体制を比較し、自社に合う方法を選びましょう。
導入時は一部の帳票から試し、運用ルールを整えながら対象を広げることが大切です。契約書を扱う場合は、作成だけでなく送付・締結・保管まで含めて見直すと、業務全体の効率化につながります。
この記事を書いたライター
山内雅章
株式会社チームモデレーション代表取締役。小規模事業者・中小企業向けに、kintoneを活用した顧客管理・案件管理・業務改善を支援するITコンサルタント。kintone認定アソシエイトの知識を活かし、ITが苦手な現場でも無理なく運用できる業務改善や、実務に定着する仕組みづくりを得意としている。
こちらも合わせて読む
-
kintoneで契約書管理は可能?できることと注意点を解説
契約書管理kintone -
kintoneの使い方を初心者向けにやさしく解説 基本操作ガイド
DX業務効率化kintone -
Excel(エクセル)で契約書管理することの限界と問題 解決策も解説
契約書管理 -
文書管理システム比較 比較ポイントとおすすめサービス7選を徹底解説
文書管理 -
契約書管理システムの選び方 失敗しない7つの判断基準とは?
契約書管理 -
帳票管理とは?失敗しない進め方とおすすめの方法をわかりやすく解説
文書管理 -
ノーコード開発とは? 無料で試せるノーコードツール5選と活用法
ペーパーレス化DX業務効率化新規事業 -
アドオンとは?その基本的な意味と役割を解説
DX業務効率化 -
API連携とは?仕組みや事例、導入のメリットなどを徹底解説
DX業務効率化API連携