電子契約の基礎知識

マイナンバーカードで電子署名できる?クラウドサインのマイナンバーカード署名機能もご紹介

近年のデジタル化の進展により、個人や企業の契約業務も大きく様変わりしています。なかでも、マイナンバーカードを活用した電子契約が注目を集めています。マイナンバーカードは単なる身分証明書にとどまらず、ICチップに搭載された「電子証明書」を用いることで高度な本人確認と電子署名を実現できるツールです。

本記事では、マイナンバーカードの基本情報から電子契約との関係、安全性、そして「クラウドサイン」における具体的な活用方法までを詳しく解説します。 マイナンバーカードを利用した電子契約について知りたい方はぜひご一読ください。

なお、当社の提供する電子契約サービス「クラウドサイン」ではマイナンバーカード署名機能を提供しています。2025年4月には日本初となる「マイナンバーカード署名付ファイルのダウンロード機能」をリリースしており、公的な電子証明書を必要とする企業間取引や重要契約において、本人確認や手続きにかかる手間・時間の削減が可能になるため、この機能の詳細を確認したい方は下記のお知らせもご覧ください。

マイナンバーカードとは?基礎知識をおさらい

マイナンバーカードとは、住民からの申請によって無料で交付される顔写真付きのプラスチック製ICチップ付きカードです。カードには氏名、住所、生年月日、性別などが記載されており、本人確認書類として利用されます。

【マイナンバーカードの表面・裏面の役割】

  • 表面: 顔写真付きの本人確認書類として利用できます。運転免許証のように持ち歩くことも問題ありません。
  • 裏面: 12桁のマイナンバー(個人番号)が記載されており、法令または条例で定められた手続におけるマイナンバーの確認に利用できます。

マイナンバーの確認だけでなく本人確認書類としても利用されるマイナンバーカード

マイナンバーカードはマイナンバーを証明する書類としてはもちろん、ICチップを利用してオンライン上で安全かつ確実に本人であることを証明するツールとしても様々な場面で活用が進んでいます。
マイナンバー制度について詳しく知りたい方は内閣府のWebサイトにある「マイナンバー制度について」も確認してみましょう。

マイナンバーカードの活用シーン

マイナンバーカードは、身分証明書としての利用以外にも、様々な場面で活用が進んでいます。ここでは代表的な活用シーンを紹介します。

本人確認

銀行や勤務先などで提示を求められた際は、両面を見せることが一般的です。レンタルショップなどで本人確認書類として使う際は、表面を見せます。

裏面のマイナンバー自体を見られても、それだけで個人情報を調べることはできないようになっており、法律で定められた社会保障、税、災害対策の分野の手続き以外でむやみに収集したり、書き留めたりコピーを取ることは禁止されています。

※画像引用:持ち歩いても大丈夫 !マイナンバーカードの安全性

行政手続き

各種行政手続きのオンライン申請や、市区町村窓口での手続きが可能です。マイナンバーカードを使うことで、コンビニエンスストアでも住民票の写しなどを取得できます。
また、電子証明書を利用して、e-Taxでの申告、マイナポータルへのログインなどに利用できます。

健康保険証利用

健康保険証として利用できます(2021年10月から本格運用開始)。健康保険証として利用しても、特定健診情報や薬剤情報がICチップに入ることはありません。

マイナンバーカードの安全性とは?

「マイナンバーカードを持ち歩くのは不安」「情報漏洩が怖い」といった声を聞くこともありますが、マイナンバーカードは利用者が安全・安心に利用できるよう、技術面・運用面の両方から安全な利用環境の整備が進められています。
主な安全対策としては「紛失・盗難対策」「ICチップの高度なセキュリティ対策」「偽造対策」の3つが挙げられるため、それぞれの詳細を確認しておきましょう。

紛失・盗難対策

万が一カードを紛失したり盗難に遭ったりした場合でも、24時間365日受付のコールセンターに電話で連絡すれば、カードの一時停止措置が取られます。

これにより、第三者によるなりすまし利用を防ぐことができます。一時停止後にカードが見つかった場合は、お住まいの市区町村窓口で機能停止解除の手続きも可能です。再発行には警察への届出(受理番号)が必要です。

ICチップの高度なセキュリティ対策

ICチップには、税や年金などのプライバシー性の高い個人情報は記録されていません。記録されているのは必要最小限の情報のみです。

アプリごとに暗証番号が設定されており、暗証番号を知らない第三者はなりすましができません。また、暗証番号の入力を一定回数以上間違えるとカードにロックがかかります。

不正な手段で情報を読み出そうとする試みに対して、ICチップが自動的に記録情報を消去する仕組み(耐タンパー性)を備えています。これにより、記録情報の盗取は困難になっています。

偽造対策

券面には文字をレーザーで彫り込む、複雑な彩紋パターンを施すなど、券面の偽造を困難にする対策が取られています。

また、「マイナンバーを知られたら悪用されるのでは?」と心配される方もいますが、マイナンバーを他人に知られても、他人があなたの個人情報を調べたり、あなたのマイナンバーを使って手続きをしたりすることはできません。
マイナンバーを利用する手続きでは、顔写真付きの本人確認書類での厳格な本人確認が行われるため、悪用は困難です。

参考:マイナンバーカードの安全性|総務省

マイナンバーカードで電子署名は可能?

マイナンバーカードに付与されている電子証明書により、電子署名を行うことは可能です。

公的個人認証サービスを利用することで、オンラインで利用者本人の認証や契約書などの文書が改ざんされていないことの確認を公的に行い、電子署名を付与できます。

たとえば、国税電子申告・納税システム(e-Tax)で行える国税に関する申告、納税及び申請・届出などの各種手続きや特許庁電子出願システムで行える出願・請求などの各手続き、社会保険関係手続きなどのさまざまな行政手続きでマイナンバーカードによる電子署名が可能です。

具体的な利用方法については下記記事をご確認ください。

マイナンバーカードに付与されている電子証明書とは?

マイナンバーカードのICチップには、オンラインでの本人確認や電子署名に利用できる「電子証明書」が付与されています。

電子証明書とは、信頼できる第三者(認証局)が電子的に本人が間違いなく本人であることを証明するもので、書面取引における印鑑証明書に代わるものといえます。

マイナンバーカードに付与できる電子証明書には、以下の2種類があります。

マイナンバーカードに付与できる電子証明書の種類 概要・証明できること
署名用の電子証明書 ・インターネット等で電子文書を作成・送信する際に利用する
・e-Taxでの確定申告や、マイナポータルでの電子申請などで、電子署名を行うことができる
・「作成・送信した電子文書が、あなたが作成した真正なものであり、
あなたが送信したものであること」を証明できる
利用者証明用の電子証明書 ・インターネットサイトやキオスク端末等にログイン等をする際に利用する
・マイナポータルへのログインや、コンビニでの証明書交付サービス、
健康保険証としての利用などができる
・「ログイン等した者が、あなたであること」を証明できる

出典:マイナンバーカードについて|地方公共団体情報システム機構

電子証明書の発行(再発行)や更新は、住民登録のある市区町村窓口での手続きが必要です。オンラインでの手続きはできません。

また、電子証明書の更新手続は予約制となっている市区町村もあるため、最寄りの市区町村のホームページ等で確認するようにしてください。

電子契約でもマイナンバーカードを用いた締結が可能に

電子契約でも、利用するサービスによってはマイナンバーカードを用いた締結が可能な場合があります。

電子契約において、契約の有効性を担保する重要な要素のひとつに「本人であることの証明」があります。従来の書面契約では実印と印鑑証明書がこの役割を担っていましたが、電子契約では「電子署名」とその署名が本人によるものであることを電子的に証明する「電子証明書」がこれに代わります。

マイナンバーカードに搭載される署名用電子証明書を利用して電子契約を締結した場合には、公的な認証局によって厳格な本人確認を経て発行されているため、通常の電子契約よりも高いレベルでの本人確認が伴う電子契約が可能になります

クラウドサインでもマイナンバーカードによる電子署名が可能

当社の提供する電子契約サービス「クラウドサイン」では、このマイナンバーカードを活用した「マイナンバーカード署名機能」を提供しています*。

【マイナンバーカード署名機能の想定利用シーン】

  • 高額な商品の売買契約や賃貸借契約、金銭消費貸借契約など、商慣習上で実印が必要な契約
  • 締結までの時間を削減したいが、確実に本人確認がなされた状態での契約

この機能ではマイナンバーカードに搭載された署名用電子証明書を利用する「当事者型署名」を採用しており、最高レベルの本人確認を伴う電子契約が可能です。従来の紙の書類において印鑑証明書や実印が求められた契約や、高額または重要性の高い契約を電子化する際に有効と考えられます。

【マイナンバーカードによる「当事者型署名」のイメージ図】

具体的な利用方法は比較的容易です。契約書類を確認した後、利用者のスマートフォンにマイナンバーカードをかざし、署名用電子証明書の暗証番号(パスワード)を入力することで電子署名を付与できます。

なお、クラウドサインのマイナンバーカード署名機能では、マイナンバー(個人番号)自体は一切取り扱わず、カードに搭載されている署名用電子証明書のみを使用します。マイナンバーを送信・記録することもありません。

「当事者型署名」について詳しく知りたい方は下記記事もご一読ください。

(*)本機能は、クラウドサインのコーポレートプラン、ビジネスプラン(ver.1除く)、エンタープライズプランで利用できます。

日本初の“マイナンバーカード署名付ファイルのダウンロード機能”も登場

これまでは、法令上の制限によりマイナンバーカードで署名されたファイルをダウンロードすることができませんでしたが、2024年12月の法改正(総務省告示「認証業務及びこれに附帯する業務の実施に関する技術的基準」改正)により規制が見直され、署名者の同意があればダウンロードが可能になりました。

この改正を受け、クラウドサインでは2025年4月2日に日本初となる「マイナンバーカード署名付ファイルのダウンロード機能」をリリースしました。


ダウンロードしたマイナンバーカード署名付きファイルは、以下のようなシーンで活用できます。

  • 銀行口座開設など金融サービスでの本人確認強化: 公的な電子証明書によって本人の電子署名が担保された契約データを審査プロセスと連携させることで、なりすまし防止と本人確認の信頼性を向上できます。
  • 土地の売買契約など不動産取引における登記手続きの迅速化: ダウンロードした署名付きファイルを司法書士や法務局に提供することで、従来の書面による契約書と印鑑証明書の提出プロセスを簡略化できます。

これにより、公的な電子証明書を必要とする企業間取引や重要契約において、本人確認や手続きにかかる手間・時間の削減が可能になります。

まとめ

マイナンバーカードは単なる身分証明書やマイナンバーの証明にとどまらず、高度なセキュリティ機能を備え、電子証明書によってオンラインでの安全・確実な本人認証や電子署名を可能にする、デジタル社会に不可欠なツールです。

電子契約においては、このマイナンバーカードに搭載された署名用電子証明書を利用することで、実印・印鑑証明書に代わる非常に高いレベルの本人確認を実現できます。クラウドサインのマイナンバーカード署名でもその方法を具体的な機能として提供しており、重要な契約の電子化や、関連手続きの効率化に貢献します。

印鑑証明書が必要な契約や、さらに強固な本人確認を必要とする契約の電子化をご検討であれば、ぜひクラウドサインのマイナンバーカード署名機能をご活用ください。

クラウドサインの機能や料金については、概要をまとめた資料をご用意しているので、興味のある方はぜひ下記リンクからご覧ください。

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