Twitterのプライバシーポリシー改定案と改定プロセスが正々堂々としていてすごい

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GDPR施行を控え、各社がプライバシーポリシーを変更しています。今回はその中でもかなり大ナタを振るった印象のあるTwitterの2018年5月25日改定案とその改定プロセスについて、分析してみます。

一言でまとめると、今回のTwitter社のプライバシーポリシー改定の手法と内容には、いつも以上にその「正々堂々」さが表現されているな、という感想です。

大胆かつ回避しようのない改定通知

Twitterユーザーであればすでにご覧になったかと思いますが、4月25日より、ユーザーが画面を開くと突然このような大きな改定通知画面が表示されるようになりました。

Twitterアプリに表示された改定通知ダイアログボックス

「OK」ボタンを押さない限り行き止まり。画面の他の部分をクリック(タッチ)したり、一回アプリを落としてみたりしたのですが(笑)、この画面の「OK」ボタンを回避してTwitterのサービスにアクセスすることはできないようになっていました。

もともと、Twitter社のプライバシーポリシー(現行)は、

本プライバシーポリシーは適宜改定されます。Twitterによるユーザー情報の使用には、本ポリシーの最新版が適用されます。また、最新版は常にこのページ ( https://twitter.com/privacy)でご確認ください。Twitterが、独自の判断で重要と考える変更を本ポリシーに加える場合には、 @Twitterの更新情報、またはユーザーのアカウントに関連付けられたメールアドレス宛のメールでお知らせします。本ポリシーへの変更が効力を生じた後に本サービスへのアクセスまたは本サービスの利用を継続する場合、ユーザーは、改定後の本プライバシーポリシーに拘束されることに同意するものとします。

と、「同意できなければ利用を継続するな」というスタンスを堅持していました。

しかし世の中の多くのサービスは、そうした改定通知が行われたとしても、実際のところユーザーはそれを無視して利用し続けられるというサービスがほとんどです。これに対し、今回のTwitterは、それができないようメカニズムとして通知受領確認をがっちり組み込んだということになります。

なんらかのハッキングをしてこの「OK」ダイアログを回避できる術があるのかもしれません。しかしそうであったとしても、通知を受けてもなお継続利用をしようとしたという事実がある以上、現行プライバシーポリシーに従って同意したという解釈になるものと思われます。

また、このようなある種の同意の強制を拒絶するユーザーを減らしてしまう可能性も高くなるわけで、これは相当のリスクを孕んだ経営判断です。一見乱暴な方法に見えますが、リスクを引き受けて通知と同意を徹底する方法を選んだということと評価しています。

現行ポリシーと改定案を比較してみた

改定通知の「詳細はこちら」をクリックすると、主な改定内容についてこのように説明がありました。

Twitterアプリに表示された改定内容詳細

具体的にどこがどう変化したのか、「プライバシーポリシー」について、現行バージョンと改定案との対照表を作り、比較・分析してみました。

▼ Twitterプライバシーポリシー 現行vs改定案対照表

Twitterプライバシーポリシー 現行vs改定案対照表

私がその差分を追ってみた中で、黄色マーカーを引いているポイントは特に目立った変更がかかった部分です。

改定の内容としては、まさにTwitter社の説明のとおりのものであり、全体のトーンもそれに合わせて「ユーザーの情報を勝手に開示することはしない」から「ユーザーがコントロールをできるようにしている(開示するもしないもユーザー次第)」へと調整されています。

また、この改定のドサクサに紛れて広範な同意を取ろうというような不意打ち的な変更は見当たりませんでした。

強いて良くない点を言えば、今回からより情報のセンシティビティが高いPeriscope(動画投稿サービス)に関する情報の取り扱いも取り込んだことで、Periscopeの利用にのみ関わる条件が付加されて複雑かつ長文になっている部分は痛し痒しといったところです。

アーカイブを公開することによって得られる信頼

またTwitterは、以前から、歴代の利用規約・プライバシーポリシーのアーカイブを一覧して公開しています。この画面へは、今回のプライバシーポリシーの末尾からもリンクが張られています。

Twitterプライバシーポリシーのアーカイブ

これは当たり前のようでいてできていない企業がほとんど。こうしたアーカイブを公開することで、ユーザーからの信頼感も醸成されるものと思います。

Facebookほどではないとはいえ、Twitterもプライバシーの取り扱いに関する様々な批判を受けてきた企業です。一方で、冒頭述べた同意を正面から確実にとるメカニズムを採用した点や、こうした地道な透明性確保のための情報開示の行動を続けている点を見るにつけ、他社よりも正々堂々とビジネスをしようというスタンスが伝わってきます。

(橋詰)