これからの100年、新しい契約のかたち。

契約実務

【無料ひな形付き】合意書とは?主な記載事項や作成時の注意点を弁護士が解説

取引先と何かを取り決める際に、次のような点で迷ったことはありませんか。

  • 「合意書」と「契約書」は何が違うのか
  • 合意書には何を書けばよいのか
  • 収入印紙は必要なのか

結論からいうと、合意書は契約書と同じく、当事者間の権利義務を定めた法律文書です。企業間の取引においては、さまざまな内容の「合意書」が締結されます。

企業が合意書を締結する際には、権利義務の内容や発生条件を明確化することや、既存の契約・権利関係との整合性を確認することが重要です。締結前に合意書の内容をよく確認し、当事者間のトラブルの予防に努めましょう。

本記事では合意書について、主な記載事項や作成時の注意点などを弁護士が解説します。また、弁護士監修の合意書ひな形(無料)もダウンロードいただけますので、今すぐ使えるひな形を探している方はぜひご入手ください。

弁護士監修「合意書」ひな形
無料ダウンロード
無料ダウンロード無料ダウンロード

クラウドサインでは弁護士監修の「合意書」のひな形をご用意しました。ひな形(テンプレート)をお探しの方はダウンロードしてご活用ください。

ダウンロードする(無料)

合意書とは

「合意書」とは、当事者が何らかの事項を合意する際に締結する法律文書です。

合意書が締結された場合、その内容は当事者を法的に拘束します。権利が定められれば相手方に対してそれを行使できますし、義務が定められればそれを履行しなければなりません。

合意書の内容は、取引の種類や当事者の想定などに応じて個別に決定します。企業間では、さまざまな内容の合意書が締結されています。

合意書を作成するケース

合意書を作成するのは、取引などの当事者間において何らかの事項を合意する場合です。たとえば、次のようなケースにおいて合意書を締結します。

  • 契約を解約するとき
  • 契約内容を変更するとき
  • トラブルについて和解したとき
  • 知的財産権の利用条件を取り決めるとき
  • 契約終了後の処理について合意したとき

など

合意書の内容は千差万別で、当事者間の話し合いによって個別に決定します。

合意書と契約書などの文書との違い

合意書と同じく、当事者間の権利義務を定める文書の代表例として「契約書」が挙げられます。

契約書と合意書は実質的に同じで、名称が異なるだけです。いずれも当事者全員が共同で作成し、その内容は当事者を法的に拘束します。

そのほか、当事者間の合意を定めた法律文書としては「覚書」などが挙げられます。合意書・契約書・覚書などの名称にとらわれることなく、合意の内容をよく検討することが重要です。

「念書」や「誓約書」は合意書と異なり、当事者の一方が単独で作成し、相手方に対して交付する文書です。念書や誓約書の内容は、作成者のみを法的に拘束します。

【例文あり】合意書の主な記載事項

合意書には、主に次の事項などを記載します。

  1. タイトル・前文(鑑文)
  2. 合意事項(合意の内容)
  3. 合意管轄

各事項につき、条文例を示しながら解説します。

タイトル・前文(鑑文)

(例)

○○に関する合意書

株式会社○○(以下「甲」という。)及び株式会社××(以下「乙」という。)は、○○について、以下のとおり合意(以下「本合意」という。)を締結する。

まずは、合意書のタイトルを決めて記載しましょう。合意書の大まかな内容が一目で分かるようなタイトルを付けることが望ましいです。

たとえば、不動産賃貸借契約を解約する場合は「不動産賃貸借契約の解約に関する合意書」などのタイトルが考えられます。

タイトルに続く前文(鑑文)では、契約当事者の名称、合意書に関連する取引や契約、合意を締結する旨などを記載します。

合意事項(合意の内容)

(例)

第1条 (合意事項)

甲及び乙は、次に掲げる事項を合意する。

① ……

② ……

③ ……

前文に続いて、当事者間で合意した事項を記載します。

合意すべき事項は、合意書の目的や取引の種類などによってさまざまです。たとえば、契約の解約合意書や変更合意書、和解合意書においては、次に挙げる事項などを記載します。

合意書の種類 主な記載事項

解約合意書

・原契約を特定する情報(当事者、締結日、名称など)

・原契約を解約する旨

・解約日

・解約の効力(将来に向かってのみ発生とするケースが多い)

・違約金(発生する場合に限る)

・契約終了後の処理

変更合意書

・原契約を特定する情報(当事者、締結日、名称など)

・変更前の内容と変更後の内容

・変更の効力発生日

・変更の効力(将来に向かってのみ発生とするケースが多い)

・変更しない事項については原契約が適用される旨

和解合意書

・紛争を特定する情報(経緯、発生日時、原因など)

・和解金の額、支払方法、支払期限

・支払いが遅れた場合の取扱い(遅延損害金など)

・口外禁止条項(秘密保持義務)

・清算条項

合意管轄

(例)

第2条 (合意管轄)

本合意に関連して紛争が発生し、訴訟の必要が生じた場合には、○○地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

合意書の内容を問わず、「合意管轄」は定めておいた方がよいでしょう。

合意管轄条項は、当事者間で紛争が生じた場合に、訴訟を提起する第一審の裁判所を合意するものです。「東京地方裁判所」などと具体的に裁判所を指定するのが一般的ですが、「甲の普通裁判籍の地方裁判所」などと定めるケースもあります。

合意管轄を適切に定めておけば、予期せず遠方の裁判所に訴訟が提起されるなどの事態を防ぐことができ、時間的・経済的負担の軽減に繋がります。

【弁護士監修】合意書のひな形ダウンロード(無料)

合意書のひな形は、下記のリンクからダウンロードできます。あくまでも形式的なひな形で、具体的な内容は個別に検討する必要があります。合意する内容に応じて、適宜調整したうえでご利用ください。

弁護士監修「合意書」ひな形
無料ダウンロード
無料ダウンロード無料ダウンロード

クラウドサインでは弁護士監修の「合意書」のひな形をご用意しました。ひな形(テンプレート)をお探しの方はダウンロードしてご活用ください。

ダウンロードする(無料)

合意書を締結する際のチェックポイント

合意書を締結する際には、特に次に挙げるポイントをよく確認してください。

  1. 権利義務の内容や発生条件を明確化する
  2. 既存の契約や権利関係との整合性を確認する

権利義務の内容や発生条件を明確化する

合意書の目的は、当事者間の権利義務を定めることです。そのため、特に権利義務の内容や発生条件は明確に記載することが求められます。

たとえば、一方の当事者が500万円を支払う旨の合意をするとします。この場合、単に「500万円を支払う」とだけ記載するのではなく、支払期限や振込先、振込手数料の負担者なども明記しておきましょう。

また、500万円の支払いに何らかの条件を設ける場合は、その条件も明確に記載する必要があります。

2通り以上に解釈し得るなど、意味があいまいな文言は極力用いるべきではありません。誰が読んでも一意に定まる文言を用いて、権利義務の内容や発生条件を明確に定めましょう。

既存の契約や権利関係との整合性を確認する

合意書は、過去に締結した既存契約に関して締結されるケースもあります。また、合意書によってルールを定める取引について、過去に別の契約が締結されているケースも想定されます。

これらの場合には、合意書の内容が既存の契約や権利関係と整合しているかどうかを確認することが求められます。

たとえば、既存の契約を変更する合意書を締結する場合は、変更する条項を特定し、変更前後の内容を明記してどこがどう変わったのかを明らかにします。

新たなルールを追加する場合は、既存契約上のルールと矛盾していないかどうか確認しましょう。矛盾が生じる場合は、どちらが優先的に適用されるかを明記する必要があります。

合意書に収入印紙は必要?

合意書を紙で作成するときは、その内容次第で原本に収入印紙を貼るべきケースがあります。収入印紙の要否や金額は、合意書の内容や契約金額などに応じて決まります。

新規に紙で作成する合意書の内容が次のいずれかに該当する場合は、印紙税法上の課税文書に該当し、原則として収入印紙の貼付を要します。

課税文書の種類

合意書の内容

印紙税額

第1号文書

①不動産・鉱業権・試掘権・無体財産権・船舶・航空機・営業の譲渡に関する契約書

②地上権・土地賃借権の設定・譲渡に関する契約書

③消費貸借に関する契約書

④運送に関する契約書(傭船契約書を含む)

200円~60万円

※契約金額が1万円未満の場合は非課税

第2号文書

請負に関する契約書

200円~60万円

※契約金額が1万円未満の場合は非課税

第5号文書

合併契約書・吸収分割契約書・新設分割計画書

4万円

第7号文書

継続的取引の基本となる契約書

4000円

※契約期間が3か月以内であり、かつ更新の定めがない場合は非課税

第12号文書

信託行為に関する契約書

200円

第13号文書

債務の保証に関する契約書

200円

※身元保証契約書は非課税

第14号文書

金銭または有価証券の寄託に関する契約書

200円

第15号文書

債権譲渡または債務引受けに関する契約書

200円

※契約金額が1万円未満の場合は非課税

第17号文書

①売上代金に係る金銭または有価証券の受取書

②金銭または有価証券の受取書で①以外のもの

①売上代金:200円~20万円/②それ以外:200円

※いずれも受取金額が5万円未満の場合は非課税

※参考:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁

※参考:No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで|国税庁

合意書によって従前の契約金額を変更する場合は、合意書の契約金額は次のように取り扱われます。

(a)変更前・変更後の金額がいずれも記載されている場合

【契約金額が増加する場合】

増加金額(差額)が記載金額となります。

【契約金額が減少する場合】

記載金額はないものとして扱われます。(第1号・第2号文書の場合は、「契約金額の記載のないもの」として200円の印紙が必要)

(b)変更後の金額のみが記載されている場合

変更後の金額が記載金額となります。

参考:No.7123 契約金額を変更する契約書の記載金額|国税庁

合意書が印紙税法上の課税文書に当たらないときは、収入印紙の貼付を要しません。

なお、合意書を電子契約によって締結する場合は、その内容を問わず、収入印紙の貼付は不要です。

合意書は電子契約で締結できる?

合意書は、電子契約によって締結することもできます。 電子契約で締結した合意書も、有効に締結されていれば、書面(紙)の合意書と同じく当事者全員を法的に拘束します(詳しくは「よくある質問」のQ3を参照)。

ただし、法令によって書面や公正証書などによる作成が求められている一部の契約に関する合意については、電子契約で締結できるかどうかを個別に確認する必要があります。

電子契約で合意書を締結する主なメリットは次のとおりです。

収入印紙が不要になる

紙の合意書は、内容によって収入印紙の貼付を要します。そのため、課税文書に当たるかどうかの判断や、税額の確認に手間がかかります。

電子契約であれば、合意書の内容を問わず収入印紙は不要です。印紙代のコスト削減に加えて、印紙税の検討にかかる法務・総務部門の負担も軽くなります。

遠隔地の相手ともスピーディーに締結できる

紙の合意書では、印刷・製本・押印・郵送といった手間と時間がかかります。電子契約なら、相手方が遠隔地にいてもオンライン上で締結を完了できます。

締結後の検索・管理がしやすい

電子契約で締結した合意書は、システム上でスペースをとらずに保管でき、必要なときにすぐ検索できます。原契約とその変更・解約に関する合意書をまとめて管理すれば、最新の契約内容も把握しやすくなります。

合意書をはじめとする契約書の締結・管理を効率化したい企業は、ぜひ電子契約の導入をご検討ください。

合意書に関するよくある質問

Q1. 合意書と契約書は法的効力に違いがありますか?

有効に締結されていれば当事者全員を法的に拘束する点で、合意書と契約書の効力は同じです。「合意書」「契約書」といった名称にとらわれることなく、合意の内容を精査することが重要になります。

Q2. 合意書の内容によっては収入印紙が必要になりますか?

合意書を紙で作成する場合は、その内容次第で収入印紙の貼付を要することがあります。詳しくは「合意書に収入印紙は必要?」を参照してください。

Q3. 電子契約で締結した合意書は、書面と同じ法的効力を持ちますか?

電子契約によって締結した合意書も、有効に締結されていれば、書面(紙)の合意書と同じく当事者全員を法的に拘束します。

特に、当事者全員の電子署名が付された合意書のファイルは、当事者全員の署名または押印がなされた書面の合意書と同様に、真正に成立したことが推定されます(電子署名及び認証業務に関する法律3条)。

「クラウドサイン」などの電子契約サービスを利用すれば、簡単な操作で電子署名を付した合意書を電子締結することができます。

まとめ

合意書は、当事者間で何らかの事項を合意する際に締結する文書です。企業間ではさまざまな内容の合意書が締結されており、有効に締結された場合はその内容が当事者全員を拘束します。

合意書を作成する際には、当事者間に生じる権利義務の内容や発生条件を明確に定めること、既存の契約や権利関係との整合性を確認することなどが重要です。合意書の内容は個別性が高いため、締結の都度内容を慎重に検討する必要があります。

また、紙で合意書を作成する場合は、その内容次第で収入印紙の貼付を要する点に注意すべきです。電子契約で合意書を締結すれば、内容を問わず収入印紙の貼付は不要となります。

電子契約には、収入印紙の貼付が不要となる点のほか、契約業務を効率化できるメリットがあります。遠隔地の相手とも短時間で契約書や合意書を締結でき、締結後の検索や管理もスムーズです。未導入の企業は、積極的に電子契約の導入をご検討ください。

なお、クラウドサインは、法的な信頼性を保ちながら契約業務を電子化できる電子契約サービスです。資料のダウンロードや無料相談から、お気軽にご検討ください。

「クラウドサイン サービス説明資料」
無料ダウンロード
無料ダウンロード無料ダウンロード

クラウドサインではこれから電子契約サービスを検討する方に向けた「クラウドサイン サービス説明資料」をご用意しました。クラウドサインの特徴や使い方を詳しく解説していますので、ダウンロードしてご活用ください。

ダウンロードする(無料)

icon book

機能や料金体系がわかる

資料ダウンロード(無料)
icon book

詳しいプラン説明はこちら

今すぐ相談

この記事を書いたライター

アバター画像

阿部 由羅

弁護士

ゆら総合法律事務所代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。企業法務・ベンチャー支援・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。

こちらも合わせて読む

クラウドサインに関して、
ご不明な点がございましたら
お気軽にお問い合わせください

icon book

お役立ち資料

「3分でわかるクラウドサイン」の資料を
お読みいただけます
資料ダウンロード(無料)
icon mail

お問い合わせ

クラウドサインに関するご不明点や
ご質問にお答えします
問い合わせる
icon pc

お見積もり

お客さまの状況に合わせ、
最適な料金プランをご案内いたします
見積もりを依頼する
icon pc

フリープラン

基本的な機能をお試しいただけます
無料ではじめる