これからの100年、新しい契約のかたち。

契約実務

【無料ひな形付き】建物滅失証明書とは?記載事項や登記申請の手続きなどを弁護士が解説

建物を解体した後に、法務局に滅失登記を申請する際には「建物滅失証明書」を提出する必要があります。解体工事を行った業者に依頼して、建物滅失証明書を発行してもらいましょう。滅失登記申請がスムーズに受理されるように、建物滅失証明書に適切な記載がなされていることを確認することが大切です。

本記事では建物滅失証明書について、記載事項や滅失登記申請の手続きなどを弁護士が解説します。

なお、建物滅失証明書のひな形は、下記のリンクからダウンロードできます。

「建物滅失証明書」
ひな形無料ダウンロード
無料ダウンロード無料ダウンロード

クラウドサインでは弁護士監修の「建物滅失証明書」のひな形をご用意しました。今すぐ使えるWord形式ですので、ダウンロードしてご活用ください。

ダウンロードする(無料)

解体業者がひな形を利用する場合は、登記事項証明書や住民票の写しなどを参照しながら、必要な情報を正しく記載してください。

建物滅失証明書とは?必要になるケースは?

「建物滅失証明書」とは、建物が滅失した事実についての証明書です。主に建物を解体した業者が、元の建物所有者(=解体の依頼主)に対して発行します。

建物滅失証明書が必要になるのは、法務局・地方法務局に対して建物滅失登記を申請する場合です。

登記された建物が解体などによって滅失した場合は、所在地の法務局または地方法務局に対して滅失登記を申請します。建物滅失証明書は、滅失登記申請の必要書類の一つとされています。滅失登記申請がスムーズに受理されるように、適切な記載がなされた建物滅失証明書の交付を受けることが大切です。

建物滅失登記申請の費用はどれくらいかかる?申請先や必要書類は?

建物を解体した際の滅失登記は、自分で申請するか、または土地家屋調査士に申請を依頼します。それぞれどのくらいの費用がかかるのか、どこに申請するのか、およびどのような書類が必要なのかを解説します。

自分で申請する場合の費用

建物滅失登記を所有者が自ら申請する場合は、ほとんど費用はかかりません。滅失登記の登録免許税は無料とされています。かかるとすれば、次の費用などが挙げられます。

費用の項目 金額の目安
建物滅失証明書 業者によっては発行手数料を請求されることがある
※一般的には、解体工事の代金に含まれていることが多い
住民票の写し、戸籍の附票の写し、戸籍謄本、
登記事項証明書などの公的書類
※必要な場合に限る
1通当たり300円~750円程度
※取得する書類の種類や自治体によって異なる
交通費、郵送費など 実費

土地家屋調査士に依頼する場合の費用相場

建物滅失登記申請を依頼できる専門家は、主に土地家屋調査士です。土地家屋調査士に滅失登記申請を依頼する場合は、自分で申請する場合の費用に加えて依頼費用がかかります。

日本土地家屋調査士会連合会が令和4年度に行った調査によると、標準的な2階建ての居宅1個および附属建物1個に係る建物滅失登記申請の報酬額は、全国平均値で4万8098円でした。10万円を超える報酬額を回答した人はほとんどなく、4万円~6万円程度がボリュームゾーンとなっています。

出典:「令和4年度事務所形態及び報酬に関する実態調査」に基づく各設問の回答報酬額分布図(ブロック別) 土地家屋調査士報酬に関する実態調査(建物に関する設問) 8.建物滅失登記|日本土地家屋調査士会連合会

なお、土地家屋調査士に滅失登記申請を依頼する際は、業務委託契約書などを取り交わすことがあります。こうした契約書を電子契約で締結することで、書面の郵送や押印にかかる手間を省き、依頼から契約締結までのスピードを高められるため、業務効率化をお考えの方は検討してみるのがよいでしょう。

建物滅失登記の申請先

建物滅失登記の申請先は、その建物の所在地を管轄する法務局もしくは地方法務局、またはその支局もしくは出張所です。

法務局は、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡の8か所に設置されています。

地方法務局は、法務局が設置されていない都道府県に設置されています。ただし北海道は広いため、札幌法務局のほかに3つの地方法務局(旭川・函館・釧路)が設置されています。

さらに、法務局・地方法務局の下には多数の支局と出張所が設置されています。

滅失登記などの不動産登記については、市区町村レベルで細かく管轄が決まっています。
たとえば、東京都品川区にある建物の滅失登記は、東京法務局品川出張所に申請しなければなりません。東京法務局の本局に申請しても、受け付けてもらえないので注意が必要です。

法務局・地方法務局(およびその支局・出張所)の管轄は、法務局のウェブサイト上で確認することができます。自分で建物滅失登記を申請する際には、必ずあらかじめ管轄を確認してください。

参考:管轄のご案内|法務局

建物滅失登記申請の必要書類

建物滅失登記申請を行う際の必要書類は、次のとおりです。

①登記申請書
次の事項を記載します。
(a)登記の目的
「建物滅失」と記載します。(b)添付情報
登記申請書と併せて提出する書類の名称を記載します。
(例)
建物滅失証明書(会社法人等番号 ○○○○-○○-○○○○○○)(c)申請年月日
「令和〇年〇月〇日申請」と記載します。

(d)申請先
申請を行う法務局・地方法務局の名称を記載します。
(例)
○○法務局(または地方法務局)○○支局(または出張所)

(e)申請人
滅失登記申請を行う人の住所・氏名・連絡先の電話番号を記載します。

(f)不動産番号または建物の表示
登記事項証明書の表題部に記載された不動産番号を記載します。この場合、建物の表示は記載不要です。
不動産番号を記載しない場合は、登記事項証明書の内容に合わせて、建物の所在・家屋番号・種類・構造・床面積を記載します。

②建物滅失証明書
解体業者から交付された建物滅失証明書を添付します。記載事項については後述します。

③解体業者の代表者の資格を証する書面、印鑑証明書
解体業者が法人である場合は、その法人の代表者の資格を証する書面(登記事項証明書など)および代表者の印鑑証明書を添付します。ただし、申請書に会社法人等番号を記載したときは、これらの書面の添付を省略することができます。

解体業者が個人である場合は、その人の印鑑証明書を添付します。法人とは異なり、印鑑証明書の添付は省略できません。

④その他
上記のほか、次の書類が必要になることがあります。

(a)所有者の現住所と登記上の住所が異なる場合
・住所変更が確認できる証明書(住民票の写しなど)

(b)所有者の現氏名と登記上の氏名が異なる場合
・氏名変更が確認できる証明書(戸籍謄本など)

(c)登記簿上の所有者が死亡しており、相続人が登記申請を行う場合
・所有者が死亡した記載のある戸籍謄本など
・申請人が所有者の相続人であることが確認できる戸籍謄本など
・登記簿に記載されている所有者の住所と、所有者の本籍の繋がりを確認できる戸籍の附票など
・申請人の住民票または戸籍の附票の写し

(d)代理人が登記申請を行う場合
・委任状

登記申請書の様式および記載例は、法務局のウェブサイトに掲載されています。

参考:不動産登記の申請書様式について 登記申請書の様式及び記載例 4 建物滅失登記申請書|法務局

【例文あり】建物滅失証明書の記載事項

建物を解体した際に発行される建物滅失証明書の主な記載事項は、次のとおりです。

①建物を取り壊した旨の証明
②建物の表示
③滅失の理由
④所有者

各記載事項につき、例文を示しながら解説します。

建物を取り壊した旨の証明

(例)
下記のとおり建物を取り壊したことを証明します。

建物を取り壊したことを証明する旨を記載します。これに続いて、建物の情報や滅失の理由、従来の建物の所有者を順次記載します。

建物の表示

(例)
1. 建物の表示
【所在】××市××町×丁目×番地
【家屋番号】××番

取り壊した建物の情報として、所在と家屋番号を記載します。

所在と家屋番号は、いずれも登記事項証明書の記載に揃える必要があります。表記が異なっていると、滅失登記申請がスムーズに受理されないことがあるので、必ず登記事項証明書を参照しながら記載してください。

滅失の理由

(例)
2. 滅失の理由
×年×月×日取壊し

建物を取り壊した日付を明記したうえで、取壊しがなされた旨を明示します。法務局に提出する滅失登記申請書にも、建物滅失証明書に記載された取壊しの年月日を転記しましょう。

所有者

(例)
3. 所有者
【住所】△△県△△市△△町△丁目△番地
【氏名】△△ △△

取り壊した建物を所有していた人の住所・氏名を記載します。

住所・氏名は原則として、建物の登記事項証明書に記載された所有者のものと一致していなければなりません。特に住所は、登記事項証明書の記載を参照して正しく記載してください。

なお、所有者が転居した際に住所変更登記を行っていなかったため、現住所と登記上の住所が異なっているケースがあります。この場合、事前に住所変更登記を申請する必要はなく、滅失登記申請時に住所変更が確認できる証明書(住民票の写しなど)を添付すれば足ります。

婚姻・離婚・養子縁組などによって氏名が変更された際に、氏名変更登記を行っていなかった場合の取扱いも、上記と同様です。事前に氏名変更登記を申請する必要はなく、滅失登記申請時に氏名変更が確認できる証明書(戸籍謄本など)を添付しましょう。

【弁護士監修】建物滅失証明書のひな形ダウンロード(無料)

建物滅失証明書のひな形は、下記のリンクからダウンロードできます。

「建物滅失証明書」
ひな形無料ダウンロード
無料ダウンロード無料ダウンロード

クラウドサインでは弁護士監修の「建物滅失証明書」のひな形をご用意しました。今すぐ使えるWord形式ですので、ダウンロードしてご活用ください。

ダウンロードする(無料)

解体業者がひな形を利用する場合は、登記事項証明書や住民票の写しなどを参照しながら、必要な情報を正しく記載してください。解体の依頼主は、本記事やひな形を参考にして、解体業者から交付された建物滅失証明書に必要な事項が記載されていることを確認しましょう。

建物滅失登記を申請しないとどうなる?

解体などによって建物が滅失したときは、所有者はその滅失の日から1か月以内に、その建物の滅失登記を申請しなければなりません(不動産登記法57条)。正当な理由がないのに建物滅失登記申請を怠ったときは「10万円以下の過料」に処されることがあります(同法164条1項)。

また、建物が滅失しているのに滅失登記を申請しないと、現況と登記が一致していないことになります。

行政側は登記に従って事務を行うため、実態にそぐわない取扱いを受けてしまうおそれがあります。たとえば、すでに存在しない建物に対して固定資産税や都市計画税が課される、要件を満たさなくなったのに土地の固定資産税等の軽減特例を受け続けて脱税状態が生じるといった事態になりかねません。

建物滅失後の敷地(土地)の売却も、滅失登記が未了のままではできません。売買を実行する前に建物滅失登記を申請して、現況と登記を一致させる必要があります。

このように、解体した建物の滅失登記申請を怠ると、さまざまな弊害やリスクが生じてしまいます。比較的簡単に申請できるので、建物を解体したら速やかに建物滅失登記を申請しましょう。

申請方法が分からない場合や、自分で申請するのが不安な場合には、土地家屋調査士に相談してください。

なお、滅失登記の申請期限(滅失の日から1か月以内)を踏まえると、解体工事の依頼段階から契約手続きをスムーズに進めておくことも対策として有効です。解体業者との請負契約を電子契約で締結できれば、契約書の郵送や押印にかかる時間を省略でき、その分、建物滅失証明書の受け取りや登記申請の準備に早く着手しやすくなります。

電子契約とはどのようなサービスで、導入によりどんなメリットがあるのかを知りたい方は下記の資料も参考にしてみてください。

「電子契約の基礎知識」
無料ダウンロード
無料ダウンロード無料ダウンロード

クラウドサインではこれから電子契約を検討する方に向け、電子契約の基礎知識をまとめた資料をご用意しました。電子契約について詳しく知りたい方はダウンロードしてご活用ください。

ダウンロードする(無料)

まとめ

建物滅失証明書は、解体などによって滅失した建物の滅失登記を申請する際に必要となる書類です。主に解体業者が、元の建物所有者(解体の依頼主)に対して交付します。

建物滅失登記の申請先は、その建物の所在地を管轄する法務局もしくは地方法務局、またはその支局もしくは出張所です。法務局のウェブサイトで管轄を確認しましょう。

滅失登記の申請に当たっては、登記申請書や建物滅失証明書などを提出する必要があります。登記申請書の様式や記載例は法務局のウェブサイトに掲載されているので、よく調べれば自分で申請することもできるかもしれません。自分で申請するのが難しそうであれば、土地家屋調査士に相談してください。

建物滅失登記の申請がスムーズに受理されるためには、登記申請書や建物滅失証明書に適切な記載がなされていることが重要です。

建物滅失証明書については、建物の表示と所有者の氏名・住所が登記事項証明書のとおりに記載されているかどうか、建物を取り壊した日が明記されているかどうかなどがチェックされます。

解体業者から建物滅失証明書の交付を受けたら、必要な記載がなされているかどうかを確認したうえで、建物滅失登記の申請を行ってください。

icon book

機能や料金体系がわかる

資料ダウンロード(無料)
icon book

詳しいプラン説明はこちら

今すぐ相談

この記事を書いたライター

アバター画像

阿部 由羅

弁護士

ゆら総合法律事務所代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。企業法務・ベンチャー支援・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。

こちらも合わせて読む

クラウドサインに関して、
ご不明な点がございましたら
お気軽にお問い合わせください

icon book

お役立ち資料

「3分でわかるクラウドサイン」の資料を
お読みいただけます
資料ダウンロード(無料)
icon mail

お問い合わせ

クラウドサインに関するご不明点や
ご質問にお答えします
問い合わせる
icon pc

お見積もり

お客さまの状況に合わせ、
最適な料金プランをご案内いたします
見積もりを依頼する
icon pc

フリープラン

基本的な機能をお試しいただけます
無料ではじめる