リーガルチェックとは?実施の必要性と流れや方法を解説

取引先とのトラブルを回避するために、昨今ますますリーガルチェックの重要性は高まっています。一方で、法務の専門部署や専任担当者のいない場合にはリーガルチェックに不安を抱えている方も少なくないでしょう。
当記事では、リーガルチェックの概要と必要性、自社でリーガルチェックを実施する場合の流れや注意点を解説します。ひとり法務や兼任法務担当者の方におすすめできるサービスも紹介しますので、今後社内のリーガルチェック体制を見直したい方はぜひ参考にしてみてください。
【この記事の要点まとめ】
- リーガルチェックとは: 契約書等に不利益や法令違反がないか確認し、将来のトラブルを防ぐ重要な業務。
- 主なチェック項目: 「損害賠償の範囲」「契約解除の条件」「支払条件」など、5つのポイントが基本。
- 外部への依頼費用相場: 弁護士にスポットで依頼する場合、1通あたり数万円〜10万円程度が目安。
- レビューの効率化: 一次審査に「AI」を活用し、人とAIで役割分担(ハイブリッド運用)をするのが現在の主流。
- 締結・管理のデジタル化: チェック後の契約業務も「電子契約サービス」で行うことで、プロセス全体のスピードが大きく向上する。
目次
リーガルチェックとは
リーガルチェックとは、法的な観点から契約書などの内容に問題がないかどうかを確認する業務のことです。
ビジネスの場面では、必要に応じて取引先と契約を締結し、双方の権利や義務を明文化することで円滑な取引が可能になります。その際、書類に自社にとって不利益となる内容や法令違反が含まれていれば、将来的な法的トラブルや予期せぬ経営リスクに発展しかねません。そのような事態を未然に防ぐために、法務担当者や弁護士が行う重要な確認作業です。
なお、リーガルチェックの対象となるのは契約書だけではありません。自社サービスの「利用規約」や「プライバシーポリシー」、広告などの「表示内容」が適法であるかどうかの確認も、広い意味でのリーガルチェックに含まれます。
リーガルチェックの必要性と実施しなかった場合のリスク
リーガルチェックにおいて、法令違反の有無を確認することは非常に重要です。契約内容やサービス提供の方法などが適法であるかを確認することで、違法行為を回避し、取引先との法的なトラブルを未然に防ぐことができます。
リーガルチェックを怠った場合、企業はコンプライアンス上のリスクを抱えることになります。万が一、法律違反が発覚した場合、企業は罰金や損害賠償請求、訴訟などの対応に迫られる可能性があります。また、法的な問題が発生することで顧客や取引先からの信頼が損なわれ、将来的なビジネスの機会を喪失する事態にもつながりかねません。
契約の不備や曖昧な表現を事前に発見し、双方が納得できる形に修正・補完することは、自社を守るだけでなく、取引先との良好な関係を継続するためにも重要です。
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本セミナーでは、契約書のチェック業務においてAIを取り入れることでどのようなメリットがあるのか、どこまでAIに任せることができるのか解説いたします。また、実際にAIを取り入れた場合に人とAIでどのように役割分担をするのが良いかについても触れてお話しいたします。AI活用によって契約書レビュー業務を効率化したい人はぜひご視聴ください。
動画視聴を申し込む(無料)具体的にどこを見る?リーガルチェックの主な確認項目
実際にリーガルチェックを行う際、具体的にどのような点に注意すべきなのでしょうか。業務委託契約や売買契約、秘密保持契約(NDA)など、どのような契約書であっても共通して確認すべき代表的なチェックポイントとして、以下の5つが挙げられます。
- 損害賠償の範囲と上限:
万が一トラブルが起きた際、どちらが、どの程度の範囲で責任を負うのか(金額の上限はあるか等)が適正か確認します。 - 契約の解除条件:
どのような状況になれば契約を解除できるのか、自社にとって不当に不利な条件になっていないかを確認します。 - 支払条件:
金額、支払期日、振込手数料の負担者など、金銭のやり取りに関するルールが明確に記載されているかを確認します。 - 契約期間と自動更新の有無:
契約の有効期間や、期間満了時の更新の手続き(自動で更新されるのか等)が自社の希望と合致しているかを確認します。 - 特定の法令特有の規制(強行法規):
取引の内容によっては、下請法や個人情報保護法など、当事者間の合意よりも優先される法律のルールに違反していないかを確認する必要があります。
社内でリーガルチェックをする際の流れと費用相場
ここでは、社内でリーガルチェックを行う場合の一般的なステップと、外部へ依頼する際の費用相場を解説します。実際のフローは企業によって異なるため、実施の際は所属先の法務部門や責任者に相談して進めましょう。
ステップ1:契約書を用意する
まずは対象となる契約書のドラフト(案)を用意します。自社でひな形を用意する場合もあれば、取引先から提示されたものを確認する場合もあります。
契約書は取引先との関係や取引内容を明確に定義するために必要になります。契約書に含まれる内容の例としては、契約条件、サービス提供の範囲、責任の分担などが挙げられます。
ステップ2:契約を締結する背景や目的を整理する
チェックを依頼する前に、担当部署は「なぜこの契約を結ぶのか」「どのような取引内容なのか」を整理することが重要です。ビジネスの目的やリスクの所在を明確にしておくことで、確認する担当者(法務や弁護士)も、どの項目に重点を置いてチェックすべきかが判断しやすくなります。
ステップ3:担当部署や専門家に依頼する
社内の法務部門に依頼するのが一般的ですが、専任担当者がいない場合や、より専門的な判断が必要な場合は、外部の弁護士へ依頼することになります。
外部の弁護士へ依頼する場合の費用相場
外部の法律事務所にスポット(単発)でリーガルチェックを依頼する場合、契約書の種類や分量にもよりますが、一般的に1通あたり数万円〜10万円程度(複雑な契約ではそれ以上)の費用がかかります。顧問契約を結んでいる場合は、月額の顧問料の範囲内で対応してもらえることもあります。
正確な法務リスクを把握できる一方で、「費用がかかる」「回答までに数日〜1週間程度の時間がかかる」といった点が、実務上のスピード感を損ねる課題になることもあります。
ステップ4:専門家からの指摘を確認・反映する
法務担当者や弁護士からのチェック結果(修正案やコメント)を確認し、必要に応じて契約書に反映します。内容を修正した上で取引先と交渉を行い、双方が合意できる形に仕上げていきます。
なお、契約を紙の書類ではなく電子契約で締結する場合には、下記文案のような後文を入れることで、双方が合意の上で電子契約を利用していることが明確になります。交渉の過程で契約形態を確認しておくと良いでしょう。
「本契約の成立を証するため、本書の電磁的記録を作成し、○○○および●●●が合意の後電子署名を施し、各自その電磁的記録を保管する。」
契約書の末尾に記載する後文の書き方を確認したい方は下記記事も参考にしてみてください。
AIによる契約書チェックサービスも選択肢のひとつに
先述の通り、リーガルチェックには専門的な知識が必要であり、社内のリソース不足や外部依頼時のコスト・時間がボトルネックになりがちです。
そこで昨今、導入企業が増えているのが「AIによる契約書チェックサービス」です。これまで人力で行っていた確認作業をAIがサポートし、契約に潜むリスクや不足している条項、修正案などを即座にフィードバックしてくれます。
外部の専門家に依頼する前の一次チェックとしてAIを活用することで、確認作業の手間と時間を削減できます。AIによる契約書チェックサービスを使い契約書のチェック業務を自動化することで、手軽かつ迅速に契約書チェックが可能となり、現場の作業効率が向上します。ひとり法務や総務との兼任法務担当者のように、多岐に渡る業務を抱えている方にとっては、業務効率化の選択肢のひとつになるでしょう。
「AIにすべてを任せるのは不安」という場合は、人とAIのハイブリッド運用がおすすめです。AIで瞬時にリスクの洗い出しを行い、人間(担当者や弁護士)が自社のビジネス文脈に合わせた最終判断を行うことで、法務品質を担保しながら効果的な業務効率化を実現できます。
なお、契約書という機密性の高いデータを扱うため、AIツールを導入する際はセキュリティ基準の厳しいサービスを選ぶことが重要です。当社弁護士ドットコム株式会社も、官公庁や金融機関にも選ばれるクラウドサインの厳格なセキュリティ水準のもと、AIによる契約書チェックサービス「クラウドサイン レビュー」の提供を開始しています。電子契約サービス「クラウドサイン」が提供する新たなAIレビュー支援サービスとして、立ち上げ間もない法務部やひとり法務の方など、幅広い方々に導入いただいています。
「クラウドサイン レビュー」のサービス内容や料金体系を詳しく知りたい方は以下のダウンロードフォームから必要情報を入力の上、「クラウドサイン レビュー」サービス説明資料をご覧ください。
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ダウンロードする(無料)チェック後の「契約締結・管理」もデジタル化して業務をスムーズに
リーガルチェックが無事に完了し、取引先との合意が取れた後、最後に行うのが「契約の締結」と「書類の保管」です。
せっかくAIなどを活用してリーガルチェックを迅速に行っても、その後の締結作業で「紙の契約書を印刷し、製本し、ハンコを押して郵送する」というアナログな手順を踏んでいては、契約完了までに何日もかかってしまいます。
契約業務全体のスピードを引き上げ、コストを削減するためには、リーガルチェックの効率化と併せて、電子署名サービスによる「締結・保管」のデジタル化を進めることが現在の主流となっています。
クラウドサインのサービスをシリーズで活用すれば、「クラウドサイン レビュー」で内容が確定した契約書データを、ファイルの取り違えなどの人的ミスを起こすことなく、そのままシームレスに電子署名(電子契約)へ回すことが可能です。
作成からレビュー、そして締結から管理まで、契約業務プロセス全体をなめらかにつなぐことで、ビジネスのスピードは大きく向上します。国内シェアNo.1(※1)の電子契約サービス「クラウドサイン」について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の資料も併せてご活用ください。
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この記事を書いたライター
弁護士ドットコム クラウドサインブログ編集部

