【無料ひな形付き】リース契約書とは?主な記載事項や注意点を弁護士が解説

設備や機器などを貸し借りする際には「リース契約書」を締結します。リース物件の不具合などに関するトラブルに備えて、契約内容を十分に確認したうえで締結してください。
本記事ではリース契約書について、主な記載事項や注意点を弁護士が解説します。
また、弁護士監修によるリース契約書のひな形は下記のリンクからダウンロード可能です。リースの条件などを反映する調整を行ったうえでご利用ください。
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リース契約書とは
「リース契約」とは、設備や機器などの物品を貸し借りする契約(=賃貸借契約)です。貸す側は「貸主」「賃貸人」「レッサー(lessor)」、借りる側は「借主」「賃借人」「レッシー(lessee)」などと呼ばれます。
「リース契約書」は、リース契約の内容を記載した書面に当たります。当事者間のトラブルを防ぐため、リース(賃貸借)の条件などを明確に記載することが大切です。
リース・レンタル・割賦購入の違い
企業が設備や機器などを導入する際には、リースのほかに「レンタル」や「割賦購入」なども活用されています。リース・レンタル・割賦販売の主な違いは、下表のとおりです。
| ファイナンス・ リース |
オペレーティング・ リース |
レンタル | 割賦購入 | |
| 契約の法的性質 | 賃貸借 | 賃貸借 | 賃貸借 | 売買 |
| 賃貸借の期間 | 2~6年程度 | 1~3年程度 | 短期間 (日・週・月単位 など) |
- ※売買代金の支払 期間は1~3年程度 |
| リース料(レンタル料) の総額 |
取得価額と諸経費の 概ね全額 (フルペイアウト) |
取得価額と諸経費の 合計額から、契約 満了時の残存価額 を控除した額 |
期間に応じて設定 ※リースよりも 割高傾向 |
- |
| 契約満了時における 物件の取り扱い |
返還、または低料金 で再リース |
返還、低料金で再リース または満了時の時価 で買取 |
返還 | 所有権の移転 ※支払完了時に所有 権留保を解除する |
リースとレンタルはいずれも賃貸借です。リースが比較的長期の契約であるのに対し、レンタルは短期の契約となります。
割賦購入は売買であり、買主が代金を分割で支払います。目的物には売主のために所有権留保が設定され、売買代金の完済時に解除されて買主に所有権が移転します。
なお、リースは「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」の2つに大別されます。
ファイナンス・リースは残存価額を考慮せず、契約期間を通じて、リース物件の取得価額と諸経費の概ね全額をリース料として支払うものです。
これに対してオペレーティング・リースでは、契約満了時の残存価額を考慮したうえでリース料が設定されます。
リース契約書の主な記載事項|例文も紹介
リース契約書には、主に次の事項を定めます。
②リース期間
③リース料
④リース物件の引渡し
⑤使用・管理に関するルール
⑥故障・滅失・盗難時の処理
⑦保険
⑧契約終了時におけるリース物件の返還
⑨その他
各事項について、例文を示しながら解説します。
リース(賃貸借)をする旨・目的物
第1条 (リース)
甲は、下記の物品(以下「本リース物件」という。)を乙に賃貸し、乙はこれを賃借する(以下「本リース」という。)。
記
物品名:○○
数量:○○
製造者の商号:○○
製造者の住所:○○
リース物件を特定したうえで、リース(賃貸借)をする旨を明記します。名称や数量、製造者の商号や住所などによって、リース物件を明確に特定しましょう。
リース期間
第2条 (リース期間)
- 本リースの期間(以下「リース期間」という。)は、○年○月○日から○年○月○日までとする。
- 甲乙間の合意に基づく場合を除き、乙は、リース期間の途中で本契約を中途解約することができない。
リース期間について定めます。上記の例では、中途解約は不可としています。
リース料
第3条 (リース料)
- 本リースの賃料(以下「本リース料」という。)は月額〇○円とする。1か月に満たない期間の賃料は、1か月を30日として日割計算により精算する。
- 乙は、甲に対し、毎月○日までに、その翌月分の本リース料を、甲が別途指定する口座へ振り込む方法により支払う。振込手数料は乙の負担とする。
リース料について、金額・支払期限・支払方法を定めます。上記の例では、リース料を毎月払いとしています。
リース物件の引渡し
第4条 (リース物件の引渡し等)
- 甲は、○年○月○日までに、乙が別途指定する場所へ本リース物件を搬入するものとする。甲は、本契約締結後、当該搬入が完了するまでの間、善良な管理者の注意をもって本リース物件を保管しなければならない。
- 乙は、前項に基づき搬入された本リース物件につき、直ちに乙の負担で検査を行わなければならない。
- 乙は、前項に定める検査により、本リース物件の品質、種類及び数量が本契約に適合していることを確認したときは、甲に対して借受証を交付するものとし、当該交付をもって、本リースに基づく本リース物件の引渡しが完了したものとする。
- 前項に基づく引渡しが完了した後は、乙は甲に対し、本リース物件の品質、種類及び数量が本契約に適合していないことによる責任を追及することができない。
- 乙は甲に対し、第1項に定める搬入に要する費用として〇円を、第3項に基づく引渡しが完了した日の翌日から起算して10日以内に、甲が別途指定する銀行口座へ振り込む方法により支払う。振込手数料は乙の負担とする。
リース物件の引渡しについて、搬入方法や搬入時の検査、費用の負担などを定めます。
上記の例では、搬入時に借主が直ちに検査を行い、検査合格後は契約不適合責任を追及できないものとしています(2項~4項)。これに対し、検査後も一定の範囲で契約不適合責任を追及できるようにすることも考えられます。
使用・管理に関するルール
第5条 (リース物件の使用・管理)
- 乙は、本リース物件の引渡しを受けた時から、リース期間が満了するまでの間、本リース物件を使用することができる。
- 乙は、甲から本リース物件の引渡しを受けた時から、甲に対して本リース物件を返還するまでの間、善良な管理者の注意をもって本リース物件を保管するものとし、本リース物件の状態及び機能を正常に維持するために必要な保守、点検、整備その他の措置を講じなければならない。当該措置に要する費用は、乙の負担とする。
- 乙は、本リース物件を本来の用途及び仕様に従って使用するものとし、甲の事前の書面又は電磁的方法による承諾を得ることなく、本リース物件の改造、移転、転貸、担保設定等を行ってはならない。
リース物件の使用や管理について定めます。
リース物件の所有権は貸主にあるため、借主としては適切な形で使用・管理をすることが求められます。上記の例では、借主に対して保守点検等の義務を課すとともに、不適切な方法による使用等を禁止しています。
故障・滅失・盗難時の処理
第6条 (故障・滅失・盗難時の処理)
- 本リース物件に故障、滅失又は盗難(以下「故障等」という。)が生じたときは、乙は甲に対して直ちにその旨を報告し、甲の指示に従わなければならない。
- 故障等が乙の責に帰すべき事由による場合であって、故障等の回復のために費用を要したとき、又は故障等によって甲に損害が生じたときは、乙は当該費用を負担し、又は当該損害を賠償しなければならない。
- 前項に定める場合を除き、故障等の回復のために要する費用及び故障等によって甲に生じる損害は、甲の負担とする。
リース物件の故障・滅失・盗難が発生した際の処理について、報告や費用の負担に関するルールを定めます。上記の例では、借主に帰責性がある場合は借主、それ以外の場合には貸主が費用や損害を負担するものとしています。
保険
第7条 (保険)
- 乙は、自己の負担によって、本リース物件に係る故障等を補償するため、事前に甲の承諾を得たうえで保険に加入しなければならない。
- 前項に定める保険への加入後、乙は甲の求めに応じて、当該保険に係る証書を提示しなければならない。
リース物件の故障等による損害をカバーするため、付保すべき保険について定めます。
予期せぬ事故などの発生に備えて、損害をカバーし得る保険に加入しておくことが望ましいです。上記の例では、借主の負担による保険加入を義務付けるものとしています。
契約終了時におけるリース物件の返還
第9条 (契約終了時におけるリース物件の返還)
- 本契約が終了したときは、乙は当該終了の日に、甲に対して本リース物件を返還しなければならない。当該返還に要する費用は、乙の負担とする。
- 乙は、前項に定める返還に当たり、本リース物件の引渡しが完了した後に生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた損耗並びに経年劣化を除く。)を原状に復さなければならない。
- 乙が前項に定める原状回復義務を怠ったときは、甲は自ら本リース物件の原状回復を行ったうえで、乙に対してその費用を請求することができる。
- 第1項に定める本リース物件の返還が遅延したときは、乙は甲に対し、本リース料の倍額に相当する遅延損害金を支払わなければならない。
契約が終了した際のリース物件の返還について、原状回復や遅延時の処理などを定めます。
なお、契約終了後に再リースが行われる場合や、買主がリース物件を買い取る場合もあります。再リースや買取については、あらかじめリース契約書で定めておくことも考えられます。
その他
リース契約書には上記のほか、次の事項などを定めます。
→契約を解除できる場合の要件と、解除する際の手続きを定めます。・反社会的勢力の排除
→暴力団員等に該当しない旨の表明・確約や、暴力的な要求行為などをしない旨の確約を定めます。・合意管轄
→契約トラブルが発生した際、訴訟を提起する裁判所を指定します。
【弁護士監修】リース契約書のひな形ダウンロード(無料)
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リース契約書を締結する際のチェックポイント
リース契約書を締結する際には、特に次のポイントに注意してください。
②中途解約の可否や条件を明確に定める
③故障等が発生した際の取り扱いを明確に定める
リース期間とリース料を明確に定める
リース契約書における最も基本的かつ重要な事項は、リース期間とリース料です。
リース期間については、当初の契約期間や中途解約の可否などを明確に定めましょう。中途解約を認める場合は、違約金の有無・条件・金額なども検討したうえで記載します。
リース料については、金額・支払期限・支払方法を疑義のない形で記載することが大切です。
故障等が発生した際の取り扱いを明確に定める
リース物件に故障等が発生した際には、修繕費などの費用や損害につき、貸主と借主のどちらが負担するかで争いが生じやすいです。リース契約書において、故障等が発生した際の取り扱いを明確に定めておきましょう。
リース契約書に収入印紙は必要?
リース契約書には原則として、収入印紙を貼る必要はありません。リース契約は動産の賃貸借に当たるところ、動産賃貸借契約書は印紙税法上の課税文書に当たらないためです。
ただし、契約内容に動産の売買や保守点検などが含まれている場合は、収入印紙の貼付を要することもあるので注意を要します。
なお契約内容にかかわらず、電子契約としてリース契約を締結する場合は、収入印紙の貼付は不要です。電子契約で収入印紙が不要になる理由を知りたい方は下記記事もご一読ください。
なお電子契約は印紙税の節約だけでなく、リモートでも締結できる、契約管理がしやすいなどのメリットがあります。まだ電子契約を導入していない企業は、積極的に導入をご検討ください。
まとめ
リース契約書を作成する際には、リース期間やリース料、故障等が発生した際の取り扱いなどを明確に定めることが大切です。貸主と借主の間のトラブルを防ぐため、事前に内容を十分検討したうえでリース契約書を締結してください。
リース契約書は、電子契約によって締結することもできます。電子契約であれば、契約内容にかかわらず収入印紙を貼る必要がないため、コストを削減できます。管理や検索がしやすく、業務の効率化に繋がる点も、電子契約の大きなメリットです。
まだ導入していない企業は、多くのメリットがある電子契約の導入を積極的にご検討ください。
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ダウンロードする(無料)この記事を書いたライター
阿部 由羅
弁護士
ゆら総合法律事務所代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。企業法務・ベンチャー支援・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。
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