導入事例CASE STUDY

卸売業・小売業製造業

紙と電子の一元管理を狙ったツール選択。サステナビリティの観点でも意義ある取り組みへ

  • 2021年10月28日(木)

株式会社エトヴォス
法務・コンプライアンス室 室長 喜元一行様

 

「国産ミネラル化粧品のパイオニア」として、自然と肌に優しい素材を使い、トレンドに沿った多様な製品を展開する化粧品メーカーの株式会社エトヴォス様。コロナ禍でユーザーニーズの変化に対応しながら、近年の業績や会社規模の拡大に応じた社内体制の整備も進めてきた同社では、法務部門の立ち上げを機に、課題となっていた契約書の管理方法についても根本から検討。その結果、紙と電子の一元管理が可能なクラウドサインの導入を決めました。

法務部門の立ち上げから導入に至った経緯と、スムーズな社内活用を広げるためにどんな運用の工夫をされているのかなどについて、法務部門を率いてきた喜元様に伺いました。

契約期限管理に課題。サステナビリティに向けた活動の一環としても

クラウドサイン導入のきっかけは何だったのでしょうか。

実は、電子契約を始めたい、というところからスタートしたわけではありませんでした。僕が法務部門の責任者として入社したのが2019年夏頃で、それまでは業容も今より小さく、管理部門としても小規模な体制で、契約管理の明確な担当者がいない状況がありました。
ブランドが認知され会社も大きくなるにつれて、業容に見合った管理体制を整備していく必要があり、その後の成長を支える法務機能の強化が行われ、そのタイミングで僕が入社したのですが、立ち上げ段階では、まず最初に契約のプロセスを適切にし、会社に今どんな取引やリスクがあるかを把握し、コントロール可能な状態にするところから始めます。その中で契約絡みのところについては、特に契約書の締結以降の期限管理などをしっかり行うべきだと考えていた、というのが1つです。

一方で、当社はかねてより社会貢献活動に積極的であり、ミネラルなど自然素材を用いた化粧品を扱っていることもあって、環境に対する意識が以前から高く、サステナビリティに関わる取り組みが社内各方面で行われ始めています。法務部門として何ができるかと考えたときに、インパクトは小さいものの、紙の契約書をなくして電子化する、少人数でも効率よく契約業務を回せるようにするというのはまさしくサステナビリティに結び付く取り組みだな、と気付いたのも電子化を進める要因になりました。

契約書の管理という部分で感じていた課題について、詳しく教えていただけますか。

紙の契約書の管理は、ファイリングして原本保管するとともに、その情報を別のスプレッドシート等に入力してデータベース化する、という方法が一般的です。当社も概ね同様でした。契約先の名称、締結年月日、収入印紙の有無や金額、それに関連する契約書や書類の有無、当社側の担当部署・担当者名、相手方の連絡先など、すべての情報を手で入力していく手間がまずありました。

そのうえで、最も解決したかった課題は契約の期限管理というところでした。定期的にデータベースを開き、更新すべき契約書がないかをチェックし、必要に応じて社内の担当者や相手先に連絡するといった作業は漏れが生じやすいですし、特に少人数で回す法務部門においては課題です。主要な契約書類については、もちろん取引担当部署でも一定の管理が行われるものの、やはり担当者の退社や変更もあったりしますので、法務部門、取引担当部署の両面から見ておく必要があります。いずれにしても人に依存する部分が大きく、そこをなんとか解消したかったんです。

「書類インポート機能」で紙と電子の一元管理が可能と判断

他の電子契約サービスとの比較などもされたのでしょうか。

電子契約というより、締結・保管後の管理に焦点を当てていたので、もともとは契約書管理システムを検討していました。展示会に行くなどしてさまざまなシステムをチェックしたものの、どれも利用料金が高額で費用対効果が合わないなと思っていました。ただ、たまたまクラウドサインのことを知ったときに、電子契約の署名機能だけでなく、契約締結後の保管・管理機能もあることに気付いたんですね。たしかに全ての契約書を電子化できれば自分たちの望む形で管理できそうだなと。

とはいえ、すべてが電子契約になるわけではなく、少なくとも、締結済みの過去の契約書類は紙です。紙の契約書と電子の契約書を二元管理することになります。その「管理」の部分を可能な限り電子に一本化する方法はないか探っていく過程で、クラウドサインの担当者にお話を伺って、紙をスキャンしてPDF化した契約書をクラウドサイン上に取り込む「書類インポート機能」があることを教えていただけました。そこで書類情報をきちんと登録していけば一元管理が可能になる。そういう着想を得て、利用料金が安価でもあるクラウドサインの導入を進めていったということになります。

(紙の契約書をクラウドサイン上で一元管理ができる「書類インポート機能」)

社内普及はマニュアルに頼りすぎず、自ら丁寧に手ほどき

クラウドサインの導入はどのように進めていきましたか。

初期段階では、まずパイロット的に、秘密保持契約書のように比較的数が多く、効果が出やすいところから始めていきました。その後、主に当社のECサイトを運営している部署で、Web制作やプロモーションに関わる業務委託契約書などに順次導入しました。最近では、化粧品や容器の製造を委託しているメーカーとの契約書でもクラウドサインを利用する率が高くなってきているところです。

ただ、こちらが電子化したくても、相手に受け入れてもらえるかどうかが重要ですよね。ですので、実際に取引する部署が相手先と契約を詰めていく段階で、「テレワークやサステナビリティの観点から当社では電子契約を推奨しています」というような提案をさせていただいています。「紙でも電子でもいいですよ」という言い方だと押しが弱いといいますか、電子が選ばれないことも多いですので。

相手先にクラウドサインについて説明するときにはどうされていますか。

電子契約を提案するときのテンプレート的な資料は僕の方で用意して、社内ポータル上で各事業部門とシェアしておりますので、それを使って取引先に電子契約の打診をしてもらっています。クラウドサインがどういうものかはすでにご存じの会社さんも多いので、詳しい説明が必要になることはあまりないんですが、御社の「クラウドサインとは」というWebページのリンクも使わせてもらって、シンプルに理解してもらえるようにしています。

導入時に社内から反発みたいなものはなかったのでしょうか。

そういったことはありませんでしたね。印紙代や郵送代の削減だけでも十分なコストパフォーマンスが出ますし、契約事務の手間や日数が大幅に効率化される実感もありましたので。ただ、初めてクラウドサインを使うスタッフからは、「どうやって使うんですか」と質問が来ることは多かったです。詳細なマニュアルを作っていないというのもその原因なんですが、今のところは直接僕の方から基本的なテンプレートをシェアしたり、チャットや電話で手順を説明して、相手先への提案の仕方や、電子契約に必要な情報の集め方、社内申請の仕方などを手ほどきしていっています。何で困っているかは社員それぞれ違いますので、相手に応じたガイドをするよう心掛けています。そうすることで、次回からは苦手意識なく使ってもらえるようになりますので。今は詳細なマニュアルを作るよりはそのほうが効率的かと思っています。

社内でクラウドサインを一度でも使ったことがある人に聞くと、「思ったよりも便利だね」という反応が返ってきます。テレワーク下で、自宅にいても契約業務ができるというのもやはり利点ですよね。自社も相手方も在宅勤務という、導入時には想定していなかったような状況下でも契約業務が遂行できたというのは、まさに事務領域の持続可能性の実践になったと思います。

(法務・コンプライアンス室 室長 喜元一行様)

わかりやすさ重視で、電子契約の送信を従来のハンコの延長に

導入の効果を感じているところはありますか。

法務部門が直接扱う秘密保持契約書や業務委託契約書などの部分では、電子化率はまだまだ低く、感覚的には半数いかない水準ですね。それでもECサイトの部署では、我々が扱っているのが化粧品ということもあって、相手先にもトレンドを意識されているようなクリエイティブな会社さんが多いですし、そもそもデジタルの分野なので、電子契約を受け入れていただけるお取引先様は多いですね。

また、法務とは別のアカウントで運用している人事部門の方では、多いときには1カ月あたり数百件単位でクラウドサインを利用していて、業務の効率化が進んでいると聞いています。

これまでは契約書類を郵送していましたが、本当に送ったのかどうか正確に把握できなくなったり、送ったはずなのになくしてしまったり、というトラブルも発生し得る形でした。その点、電子契約であれば、送信したかどうかも、進捗もすぐにわかります。送付した契約書、締結した契約書の正本を紛失してしまうこともありません。もし内容に誤りがあって修正が必要になった場合でも、そのリカバリーに要する時間も非常に短くて済みます。

効果を上げるために、運用にあたって何か工夫されたところはあるでしょうか。

法務部門が扱う契約書については、クラウドサインでの契約書の送信は全て私が一括して担当する手順としました。社内のワークフローツールを使った電子契約の稟議申請の段階で、担当部署の方で契約相手先の情報を入力してもらい、それを元に送信作業を行います。法務部門では、自身の業務用アドレスとは区別した契約締結専用のメールアドレスを1つ利用していて、そのメールアドレスで電子契約の送受信を行う形です。

これは、電子契約をいわばハンコの延長でイメージしてもらったほうが受け入れてもらいやすいのではないか、という思いがあったからです。これまでのワークフローにあった「押印」を、そのまま電子契約の「送信」に置き換える形にすれば、処理を行う僕自身も、社内の人たちも、取引先にもわかりやすいでしょうし、会社のリスク管理という意味でも安心です。クラウドサインは誰でも簡単に契約書の送信ができますが、そうすると細かいルールを作って運用しなければならず、管理が複雑化します。そこを法務に集約することで解消した点が当社なりの工夫のひとつです。

クラウドサインの担当者の方にも、同じような運用をしている会社があるかどうかを事前に確認させていただきました。その運用方法が少数派ではないことがわかったので、だったらこれでやってみようと思ったんです。

「便利そう」だけでなんとなく始めず、しっかり理解したうえで導入を

今後クラウドサインをどのように活用していきたいとお考えですか。展望がありましたら教えてください。

法務部門として電子化できる種類の契約書はひと通り網羅できたので、あとは利用回数を増やしていくことですね。管理部門など相手先が紙の契約書しか扱っていないような部署では、まだクラウドサインを利用したことがないスタッフもいますので、そういう人にもまずは一度経験してもらうという活動を増やしていく必要もあるだろうと思っています。

書類インポート機能では、すでに1000件以上ある紙契約書ファイルを全部取り込むことができましたし、一元管理に向けて着々と進められているという実感があります。バックアップは別途当社で行いつつ、クラウド上に契約書データがある状態が実現できていますので、今後紙の原本を探すようなことはよほどのことがない限り発生しないと思います。

クラウドサインの導入を検討している、あるいは活用を進めたいと考えている企業に向けてメッセージがありましたら。

なんとなく電子契約は便利そうだから、という感覚で始めても、スムーズに導入が進まないかもしれません。法的に詰めていくと、本人が手続きしない限りは無権代理になるのではないか、社内権限を逸脱することになるのではないか、みたいな話が出てきてしまいます。特に大企業はその部分を気にされることが多いのではないでしょうか。

なぜ電子でも大丈夫なのか、どうして署名や承認を押印に代えることができるのか、という電子契約のロジックを、会社の法務部門なり導入しようとしている部署なりがきっちり理解して、社内をいかに納得させられるかが肝要です。正しく認識して適切な場面で導入すれば、紙の契約書と同じ法的な効果が得られるものですし、事務効率を飛躍的に改善する可能性を秘めていますので、ぜひ電子契約の導入にチャレンジしてもらえれば、と思います。

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