これからの100年、新しい契約のかたち。

建設・建築業

建設工事関連の契約書を40%電子化、工事指示書もクラウドサインで一括送信

  • 2025年11月25日(火)

株式会社後藤組
DX事業部 部長 笹原尚貴様

 

導入後の効果

・請負契約や注文書・注文請書、新規取引先との秘密保持契約書など建設工事に関わる契約書の約40%を電子化
・顧客情報などを二重入力する手間がなくなり、ワンボタンで工事の請負契約書などを送信。業務効率化が一気に進んだ
・建設工事の指示書もクラウドサインで一括送信し、確認状況の「見える化」を実現

山形県米沢市に本社を構え、100年近い歴史を歩んできた総合建設会社の後藤組。同社は主軸としている建設業の業務全般を効率化するため、ノーコードツールのkintoneを導入し、活用してきました。

ところが、kintoneだけでは書類作成時に二重入力が発生するなど作業の煩雑さを解消することはできず、真の意味でのDXは達成できていなかったとのこと。その後、kintoneに電子契約の機能を追加する「クラウドサイン MAKE for kintone」を導入し、大幅な業務改善を達成。建設工事関連の契約書の40%を電子化することに成功しました。

近年はそうした社内におけるDX推進で培ったノウハウを活かし、DX支援事業も社外向けに展開しているという同社。kintoneおよびクラウドサイン MAKE for kintoneの導入から活用に至るまでの実際を担当者に伺いました。

蓄積したデータの活用に向けkintone、そしてクラウドサインの導入を決断

―はじめに、kintoneを社内導入するまでの経緯を教えてください。

当社でDX推進が始まったのは2019年ごろ。まずはGoogle Workspaceでメール送受信やスケジュール管理、ファイル管理を行う、といったような基本的なITツールを活用するところから始まりました。紙書類をたくさん扱っていましたので、とにかくペーパーレスを目指すというのが最初のステップだったと記憶しています。

しかし、その蓄積したデータを業務改善のために活用していきたいとなると、ただペーパーレスにするだけでは不十分で、業務プロセスそのものを電子化する必要があります。そのためのツールや方法を検討していたときに知ったのがkintoneでした。

導入の一番のきっかけとなったのは、ユーザーの事例発表会「kintone hive」です。当社と同じくらいの規模で、ITに詳しいとは言えない企業の方々でも自分たちでkintoneを用いてシステム構築していることを知り、「このツールなら自分たちも有効活用できそうだ」と感じて導入を進めることにしました。

株式会社後藤組 DX事業部 部長 笹原尚貴様

―そこから「クラウドサイン MAKE for kintone」を導入するまでの間にはどのような課題感がありましたか。

お客様の情報管理などはすべてkintoneで行えるようになったのですが、契約書や請求書といった帳票類はWordやExcelで作成していました。kintoneの中に契約書などを作成するのに必要な情報がすべてあるにもかかわらず、その情報を見ながらWordに手で打ち込んで、紙に印刷して製本し、印紙を貼る、といった二重入力、二重管理の手間が発生してしまいました。そういった無駄をなくしたいというのが当時の課題でした。

決め手は「使いやすさ」、身近な課題から解決できるクラウドサインを選択

―課題を解決するための電子契約サービスとして、なぜクラウドサインを選択したのでしょうか。

機能がシンプルで、操作が分かりやすいのが決め手でした。

電子契約サービスを導入する際、いくつか比較検討しました。例えば、建設業に特化したサービスもみたのですが、高機能で大掛かりだったりしたんですよね。

当社はITツールに不慣れな従業員も多いのですが、クラウドサインは本当に画面に沿ってボタンを押すだけで良いので、非常にわかりやすいなと思いました。

―電子契約はどのような書類から活用し始めましたか。

最初は従業員の雇用契約書でした。百数十人分の雇用契約書を1人の方が全て紙で作って対応されていて、非常に手間や負担がかかっていました。調べてみると、クラウドサインとkintoneを簡単に連携できる「クラウドサイン MAKE for kintone」を使えばワンボタンで契約書を送れると知り、「これなら効率化ができそうだ」と感じたのが始まりです。

―現在はどのような書類で、どのように活用していますか。

今は工事の請負契約をはじめ、小規模工事の注文書・注文請書、新規取引先との秘密保持契約書など、さまざまな書類で利用しています。kintone上では案件管理のアプリを独自に作成しており、営業担当が情報登録すれば案件ごとの詳細や進捗状況が分かります。

【kintoneの案件管理アプリの画面】

契約書を送るフェーズにあるとそれも把握できますし、クラウドサインを開かなくてもkintoneから契約書送信できる仕組みにしています。

ただ、公共工事の指定様式についてはまだ紙書類にせざるを得ないですし、民間のリフォーム工事では高齢のお客様が紙書類を望まれることも多いので、現状の電子化率は全体で40%ほどとなっています。

契約業務以外にも活用が拡大、業務改善の「武器」が1つ増えた

―導入にあたって社内展開で苦労したところはありますか。

システム連携そのものに関しては特に困難はありませんでした。kintoneに情報を入力し、ワークフローで承認されたらボタンを押すだけ、という分かりやすいシンプルな仕組みでしたので。それに合わせて既存の業務フローをどう見直していくか、という点の方が考えるべき部分が多かったように思います。

また、社内からは反発というほどではありませんが、パソコンやスマホを使わず今まで通りの方法がいい、という声もありました。特にベテラン社員は電話などによる口頭の指示で社内の事務サポート担当者に契約書作成を依頼することが多く、自身の手間という意味ではその方が軽く済むからです。

―そこに対してはどのように活用を促していったのでしょうか。

たとえば「どこにいても情報入力でき、契約の進捗も画面上でリアルタイムに分かる」といったメリットを伝えるのは当然として、実際に一緒に操作して簡単に使えることを理解してもらいました。マニュアルを作っても読まれない可能性があるので、直接顔を合わせて教える形を取りましたが、2カ月程度でみなさん使い方を把握して慣れてくれたように思います。

―導入によってどのような効果がありましたか。

Wordに手入力して、印刷、製本し、お客様のところへお届けする、という一連の作業がゼロになったことで、業務効率は大きく向上しました。雇用契約書を作成している人事担当や、各事業部の事務サポート担当の方からは非常に喜ばれましたね。

クラウドサインは契約書以外でも使えるのが良いですよね。例えば現場の社員からのアイデアで、協力業者さん宛の工事指示書を一斉送信するのにクラウドサインを利用するようになりました。1工事につき10〜20件ほど送らなければならないものなので、一括送信できると大幅な業務効率化になります。

また、送信したものを相手が見たかどうかの開封確認も手元ででき、進捗の見える化にも役立っています。

kintoneという業務改善の道具にクラウドサインという新しい「武器」が加わったことで、業務改善の幅がさらに拡大したように感じています。

自ら情報発信し、地域や業界全体のDXを推進したい

―今後のDX推進における展望をお聞かせください。

この6年ほどで社内業務のデジタル化はかなり進みましたが、まだ手を付けられていない領域もあります。特に自治体が契約相手となる公共工事においてはまだ電子契約で対応できないケースが多々あるので、どうしても紙が残ってしまいます。

その意味でも、これからは自社だけでなく地域や業界を巻き込んだDXが必要だと感じています。幸い、私たちの取り組みは経済産業省から表彰されたり、各種メディアで取り上げられたりして評価いただき、自ら情報発信していける立場にもあると思いますので、山形の先駆者として、自社のDX支援事業などを通じて地域や業界全体のDXに貢献していきたいですね。

―これからDXや電子化を進めたいと考えている企業へ向けて、メッセージをお願いします。

クラウドサインは単体でも業務を効率化できる魅力的なツールではあるものの、それだけだと「単なる契約書の電子化」で終わってしまう可能性があります。

本当のDXを目指していくのであれば、従来の業務プロセス全体を見直して、各所に適したツールをはめ込んでいくような活動が求められるのではないかと思います。

いろいろな会社の方とお話しさせていただくなかで、DXが進まないという相談を受けることがよくあるのですが、その理由の1つは経営者の熱量不足だと感じています。経営者自らがリーダーシップを発揮して、DXを主導していくような意識改革が必要です。

kintoneは社員からのボトムアップを引き出すためのツールだと思いますが、そのためにはトップダウン的な情報発信が欠かせないことも知ってもらえればと思います。

▼後藤組、後藤社長のインタビュー記事もこちらからご覧ください。

※導入事例内に記載の機能やお客様情報等は取材当時のものであり、最新情報とは限りません。閲覧いただいている時点では内容が異なっている場合がありますので、ご了承ください。

クラウドサインに関して、
ご不明な点がございましたら
お気軽にお問い合わせください

icon book

お役立ち資料

「3分でわかるクラウドサイン」の資料を
お読みいただけます
資料ダウンロード(無料)
icon mail

お問い合わせ

クラウドサインに関するご不明点や
ご質問にお答えします
問い合わせる
icon pc

お見積もり

お客さまの状況に合わせ、
最適な料金プランをご案内いたします
見積もりを依頼する
icon pc

フリープラン

基本的な機能をお試しいただけます
無料ではじめる