インターネット業

電子契約移行に1週間で成功 印紙代も80%カット

  • 2018年11月7日(水)
バイドゥ株式会社
法務部長 兼 経営企画部長 弁護士 高橋 治様
法務部 リーガルカウンセル 兼 経営企画部 アソシエイト 弁護士 竹下 千尋様

印紙代も1/5に。押印責任者不在で締結できない……という時間ロスもなくなりました

貴社の事業内容について教えてください。

高橋様
バイドゥは中国に本社があるネットサービス企業です。中国ではサーチエンジンで有名ですが、日本法人の我々は、その中国のサーチエンジンにおける検索広告を日本の企業に提供する取り次ぎのほか、キーボードアプリの「Simeji」をはじめとするアプリ事業、またグループ会社のpopInではニュースサイト上で関連記事をレコメンドするとともに広告を掲載する、いわゆるレコメンドウィジェット型ネイティブ広告である「popIn Discovery」(以下、popIn)といったサービスを主に展開しています。

最近では「popIn Aladdin」というシーリングライトとプロジェクターとスピーカーが合体したIoT機器も開発しました。

バイドゥの社内にあるデモルーム。天井に設置されているのが「popIn Aladdin」

さまざまな事業を展開されていますが、現状クラウドサインは主にどの事業で活用されていますか。

高橋様
一番使っているのはpopIn Discovery事業です。popIn Discoveryのネイティブ広告事業においては、片方にメディアがいて片方に広告主、もしくは広告代理店がいます。メディアとのメディアパートナー契約、広告主との広告出稿契約、代理店がある場合は広告代理店との契約という3種類の契約があるんですね。

この3つの契約に関する書類をクラウドサインのひな形機能にセットしておいて、必要があれば担当者がすぐに契約締結案内を送信できるようにしています。他にはNDA契約や、クリエイターの方との業務委託契約があり、契約件数は合わせて月間30〜40件ほどとなります。

なぜクラウドサインをお選びいただいたのでしょうか。

高橋様
サインのリ・デザイン」編集長の橋詰さんを知っていたから……というのはさておき(笑)、バイドゥとpopInは合わせて従業員70名くらいの会社なんですが、その規模の割に事業セクターが多いのが特徴で、幅広く投資していろいろな事業をしているので、従業員1人当たり契約の数がかなり多くて管理に困っていたのが、正直なところです。

使い始める前から、利用しやすそうな分野がすぐにイメージできたのも導入を進める動機になりました。例えばpopInの提携先となりうるメディアは日本国内だけでもものすごい数があって、小規模な媒体ともくまなく契約するので、契約まわりの事務作業は重荷になっていました。

また、個人クリエイターの方にコンテンツを作っていただくことも少なくありません。そういうときに1つ1つ紙で業務委託契約を結べば印紙代がかかりますし、個人の方に対して印紙代の負担をしていただくのも気が引けます。そうした点を考えると、電子契約にするというのは自然な流れでもありました。

バイドゥ株式会社 法務部長 兼 経営企画部長 弁護士 高橋 治様

法務部長 兼 経営企画部長 弁護士 高橋 治様

提携メディアの数は増え続けているのですね。

高橋様
そもそも日本に存在しているメディアがめちゃくちゃ多いんです。数でいえば小規模な会社が運営されているメディアがほとんどですが、時には新聞社のようなマスメディアと契約することもあります。全体の6〜7割がメディアや広告代理店などとの契約で、次に多いのが個人クリエイターとの契約という感じですね。

竹下様
事業内容の関係から毎月必ずしも同じような契約数というわけではありませんし、我々の業種柄、ネットメディアのみなのですが、それにしても数はものすごくありますね。

導入にあたって他社のサービスとは比較されましたか。

高橋様
他のサービスは一応見てはみましたが、2017年11月初旬にクラウドサインを検討し、1週間くらいで導入しました。

それまで契約は紙で対応していましたが、まずは導入しやすいところからということで、クリエイターの方や企業様に委託業務を発注する際にトライアルという形で始めました。それで問題なかったので、契約書のひな形を作って、メディアなどとの契約にも運用し始めたという流れです。

竹下様
トータルでは電子契約が6〜7割で、残りが紙になっています。相手方が歴史の長い企業様だったりすると、法務部門が続けてこられた今までの管理方法との整合性も重視されておられるので、電子契約をお願いしても調整が難しい場合もあります。

コスト削減の効果は実感いただけましたか。

高橋様
以前は自分で印紙を買いに行っていましたが、その買う頻度がかなり少なくなりました(笑)。1カ月の間に印紙を10枚くらい使っていたのが、今では1、2枚使うかどうか。少なくとも印紙については5分の1のコストになっています。

製本や郵送が意外と手間ですし、あとは社印。社印はしっかり金庫で管理しているので、管理担当者にお願いしてその金庫を開けてもらわなければいけません。不在だといつまでも社印を押せないことになります。クラウドサインならアクセス権限を管理すれば物理的な押印の必要がないので、そんなつまらない時間ロスもなくなりますよね。

紙の契約書だと、契約権限をもつ責任者のサインが必要な場合に、そのサインをする人がいないと処理が進まないのも問題です。そのために2週間契約締結が遅れる……なんてこともあり得ます。

本格的にクラウドサインの活用を始めて、特に便利に感じた機能や、強化してほしいという機能があれば教えてください。

高橋様
クラウドサインの契約書類に表示する印影は簡易的なものになっていますが、もう少し本格的な印影が入れられる機能が欲しいですね。本社がある中国も日本と同じハンコ文化で、本社の契約部門は常に印影を見て契約書類に不備がないかをチェックしているというくらい、印影があることが契約上重視されているんです。

多言語化されていることも重要です。全体の2割ほどですが、中国や米国、韓国の会社とも契約することがあり、そういうときに契約締結の案内メールを英語や中国語でできるようになっているのは、ありがたいなと思います。

締結済みの契約書の検索機能については、契約書の文面をあいまい検索、全文検索できる機能がほしいですね。あとは、後は他の担当者に共有機能とか。

竹下様
私としては、英文契約のときに手書きのサインができるとうれしいですね。マウス操作で書くのでもいいですし、手書きっぽいフォントで入力できるのでもいいと思います。

バイドゥ株式会社 法務部 リーガルカウンセル 兼 経営企画部 アソシエイト 弁護士 竹下千尋様

法務部 リーガルカウンセル 兼 経営企画部 アソシエイト 弁護士 竹下千尋様

高橋様
契約書ではそういう「ぽさ」って大事ですよね。個人的には、デジタルであっても見た目を紙に寄せるのもいいんじゃないかと思っています。契約の証拠としての信頼性は大前提として、電子契約というものの社会的な受容性という面で考えると、紙の書類のようなルック&フィールそのものが信用性をかもし出している、という部分が重要だったりもしますので。

今後、クラウドサインを利用する範囲は拡大していきそうでしょうか。

高橋様
いろいろやりたいですね。紙の契約を一掃したいのはもちろんのこと、過去の紙の契約を電子化して、クラウドサイン上で一元管理できるようにするのも必要だと思っています。グループウェアで承認が下りたら自動で契約書を送信するようなAPI連携の仕組みを実現できれば、とも考えています。

竹下様
弊社が契約させていただく企業様のなかには、さまざまな事情から電子契約の導入が困難な企業様もいらっしゃいます。特に大手企業の法務部門の方々において電子契約のメリットが周知され、幅広い企業様で受け入れられれば、活用もさらに進むだろうと期待しています。

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