株式会社JSOL
経営企画本部 コーポレートサービス部 部長 小原久明様
調達推進課 大川戸浩様
委託支払課 守谷真奈美様
「今はない、答えを創る。」を掲げ、顧客の希望をかなえるのに止まらず、顧客が抱える本当の課題を探り、ITの力で根本的な解決へと導く、JSOL。多様なニーズ、案件が寄せられるだけに、自社のエンジニアだけでなく多くの業務委託先との連携もシステムの開発・運用には欠かせません。同社では、そうした増加し続ける委託先への発注業務を電子化するため、クラウドサインを導入。とりわけAPI連携が大幅な業務効率向上に結び付いているようです。
Webブラウザーで完結でき、API連携も可能なことが決め手
クラウドサインの導入を検討することになったきっかけを教えてください。
大川戸様
当社ではシステム開発などに関わる業務委託先への発注を頻繁に行っています。以前はその注文書と注文請書を全て紙書類でやりとりするか、当社から相手方へは注文書のPDFをメール送信して、相手方からの請書は紙で受け取る、といったような方法をとっていました。そこを電子化して効率化できないか、と考えていたときに存在を知ったのがクラウドサインです。これなら押印を省き、発注業務全体を電子化できるのではないかと考え導入検討を進めることになりました。
紙書類による契約業務ではどんな課題がありましたか。
大川戸様
注文書を紙やPDFで発送した場合、相手方は請書を紙に調印し、当社に郵送しなければなりませんでした。相手方の手間は多いですし、当社まで返送されてくるまでのタイムラグもありますので、発注手続が完了するまで時間がどうしてもかかっていました。また弊社内でも調印担当部署に紙書類を渡して押印してもらう手間が発生するところが課題でした。しかし、これらをクラウドサインで電子化することで相手方の面倒を減らし、発注手続の時間短縮も図れそうだと考えました。
クラウドサインを選んだ決め手はなんでしたか。
大川戸様
主に3つポイントとなるところがありました。1つは一連のオペレーションをWebブラウザーのみで完結できる簡単さ。もう1つはAPIを使って自動化できること。最後にランニングコストが安価だったことです。
特にAPIについては、利用できることをうたっているサービスは他にもありましたが、「詳細はご相談ください」となっており、我々が望んでいることができるのかどうかわかりにくかったという事がありました。それに対してクラウドサインは、具体的に何をどんな風に使えるのか、導入前にしっかり目処を立てることができたのは大きかったと思います。
また、当社は日本総合研究所のグループ会社の1つで、日本総合研究所の親会社は三井住友銀行ですから、採用するシステムについてはデータ保護や不正アクセス対策など、情報セキュリティに厳しい統制がかかります。したがってクラウドサインの様なサービス導入時も確認すべき項目が多く、バックエンドの詳細な情報も収集しなければいけません。そのあたりは弁護士ドットコムにたくさんご協力いただけて助かりました。
ExcelからAPI連携で手間やミスなく発注処理
現在クラウドサインはどの用途で利用していますか。また、簡単に利用フローも教えていただければ。
大川戸様
メインは業務委託先への発注で、一部の覚書にも使っています。当社はいわゆるSIerですので、クライアントであるお客様から受注した案件のシステム開発などについて、一部の業務をパートナー企業様に委託することが大変多いです。
これらの委託は、パートナー企業様に見積もりを依頼し、いただいた見積書を精査した後、社内稟議で承認されれば発注可となります。この発注書の送信をクラウドサインで行っています。今のところ、全委託契約の7割ぐらいをこの形で対応している状況です。
導入・運用にあたって苦労したところ、工夫したところはありますか。現在はどのような用途でクラウドサインを利用されていますか。
大川戸様
もともとWebブラウザーで動作するツールであることが前提条件にあったわけですが、当社の事務フローのなかでは、Webブラウザーを直接人が操作する形だとどうしても手間やミスが増えてしまう可能性があることがわかりました。そのため、クラウドサインが提供しているAPIを利用することにいたしました。
たとえば発注書の送付先メールアドレスの指定や、発注書内に配置する相手方が入力する項目の位置指定などは、マウス操作だけでは煩雑だったり、わかりにくかったり、ミスしやすかったりします。そこで、Microsoft Excelのシートでメール文面も含めたそれらの情報を一括で管理するようにし、ボタンをいくつか押すだけでクラウドサインとのAPI連携によって発注書PDFを生成し、送信できるようにしました。
守谷様
今、主に運用を担当している私は、当時入社2年目でクラウドサインのことがよくわからず、なんとなく抵抗感があったのを覚えています。しかし、契約件数は多いですし、案件ごとに異なる内容の契約書を1つ1つ手動で作っていくのは大変ですので、Excelベースのツールを用意してもらうことになりました。クラウドサインとAPI連携しているこのExcelのツールを使う事で、単純なボタンクリックだけで1件当たり5分もかからず楽に発注処理が出来ています。もう紙には戻りたくないですね(笑)。
年間3,000件の発注対応を4人で対応、開発現場の急な要求にも応えられるように
現在の電子化率はいかがですか。
大川戸様
業務委託の発注件数は年間3000件以上あります。そのうち現時点でクラウドサインを利用した発注は7割、2000件程度です。残りの3割は以前と同じPDFをメール送信するパターンか、すべてを紙でやりとりしているパターンになります。最初にクラウドサインを利用することをパートナー企業様に打診して、5割ほどにはすぐに承諾していただけましたね。
クラウドサインを導入したことによる効果を実感するところはありますか。
大川戸様
以前は発注書を郵送もしくはメール送信した後、相手方から返送いただくまで、全体の平均値としては5営業日以上かかっていました。ところがクラウドサイン導入後は完了まで平均で2日余りとほぼ半分に短縮しています。
また、年間3000件という話をしましたが、毎月均等にあるわけではなく、波があります。当社は、契約締結や支払い・請求処理を経営企画本部の中のひとつの課が集約して行っているのですが、繁忙月には600件もの発注処理に加え、それ以外の契約処理、さらに月末には請求・支払い処理が重なります。かつては多くの人員を割いてなんとか対応していましたが、今では4人だけできちんと問題なく捌けています。もしこれがまだ紙書類のままだったら、4人ではまったく太刀打ちできていないと思いますね。この成果は驚異的で、まさにクラウドサインのおかげです。
バックオフィスだけでなく各事業部にも恩恵があります。たとえば急きょ外部に委託しなければならない事態が発生したときに、以前だと発注処理が間に合わないので「対応できません」と断るしかなかったところも、「見積書さえすぐにもらえれば対応できます」というように、時間が少ないなかでもフォローできる範囲が広がりました。
相手方の反応はいかがですか。
大川戸様
ネガティブな声はほとんどないですね。クラウドサインの利用を承諾いただけなかったパートナー企業様は数社程度とわずかです。パートナー様の方でも印刷・調印・郵送また印紙が不要になり、契約業務が楽になる、手続きのスピードが上がるといった感想をいただいています。2019~2020年頃の導入直後は「クラウドサインって何?」という声もありましたが、今ではほとんどの会社でスムーズに受け入れられ、認知度が高まっていることを実感しますね。
ますます進む世間の電子化に向け今のうちから導入すべき
今後のクラウドサインの活用方針について教えていただけますか。
大川戸様
現在はまだ紙で締結している当課所管の他の契約も、近いうちにクラウドサインで電子化する予定です。また今後、機器の発注など、他の部署が担当している業務もクラウドサインを使えばもっと楽になりそうです。
これからクラウドサインを活用しようと考えている企業に向けてメッセージをいただければ。
守谷様
クラウドサインは本当に簡単で便利ですし、ペーパーレスなので紙書類の保管も不要になります。今後もあらゆる業務の電子化が進んでいくことは間違いありませんので、今のうちからできるだけ多くの企業が導入しておきたいサービスですよね。
大川戸様
クラウドサインを導入した結果、バックオフィスの作業効率が大幅に改善し、手間をかなり削減できていると感じます。改正電子帳簿保存法の施行などもあり、書類の電子化がますます求められる世の中です。そのシステムを自分たちで1から考え、作るのは大変だと思いますので、クラウドサインのようなサービスを上手に利用してみてはいかがでしょうか。
小原様
業界を問わず各社がデジタル化、DXを進めていることを考えると、クラウドサインの導入は直接導入する会社はもちろん、相手方の取引先企業にとってもメリットが得られるものです。特に取引先企業が多いほど享受できるメリットは大きくなりますから、導入検討の価値はあると思いますね。