インターネット業

災害発生を見据え、契約業務を止めないための電子契約導入事例|Googleフォーム活用で誰もが簡単に使えるフローを構築

  • 2023年7月26日(水)
unirita

株式会社ユニリタ
グループ業務本部 法務部 リーダ 小平顕様

 

業界を問わず、あらゆる企業の業務効率化や生産性向上を図るためのITソリューションを開発、提供しているユニリタ。多くの協力会社の力も借りながらビジネス展開していることから、定期的に発生する大量の業務委託契約などの対応に頭を悩ませてきました。昨今の気象災害により出社できず、契約業務が停止する危機に直面することも。そこで同社では、リモートでも契約業務を遅滞なく進められるようクラウドサインの導入を決断。運用上の独自の工夫も取り入れ、業務のスピードアップとコスト削減を実現しました。

最も重要な選定基準は「契約相手にスムーズに受け入れられるかどうか」

電子契約サービスの導入を検討することになったきっかけを教えてください。

真剣に考えることになったきっかけは、2019年頃に台風の影響で出社できなかった時です。気候変動などで今後はこのような事態に直面することが多くなるかもしれない、と危機感を抱きました。

というのも、法務部門では契約における捺印業務を一番重要なものとして捉えているからです。契約はそれによって進んでいくわけで、捺印ができなくなれば会社のビジネス自体が止まることを意味します。ここは絶対に止めてはならない、という観点から、非常時でもリモートで契約業務が可能な電子契約サービスに着目しました。


紙の契約書における課題としてはどんなものがありましたか。

物理的に人や物の移動が生じる、ということに課題感がありました。ある夏の暑い日、営業担当者が私のところへ契約書を取りに来て、それを持って相手方に届けに行き、また戻ってきて「契約書が間違っているから作り直してほしい」と汗をかきながら言われたことをよく覚えているのですが、そんな風に大変な思いをして契約書をやり取りするのは減らしたいとも思っていました。

加えて、下請法への対応というコンプライアンスの面でも懸念がありました。当社では業務委託契約を3か月おきに更新する形にしていて、四半期ごとのタイミングで契約業務が劇的に増える状況にありました。下請法では期限通りに発注書を送付しなければならないのですが、紙書類では手作業が多いために期限ギリギリになってしまうことがありました。そこも長年の課題でしたね。

導入時の面倒な作業を先回りしてくれるサポート体制が信頼感につながった

数ある電子契約サービスのなかからクラウドサインを選んだ決め手は何でしたか。

導入にあたっては「取引先様に電子契約での締結をお願いしたときスムーズに受け入れてくれるサービスか」というのが一番のポイントになっていました。導入当時は電子契約が世の中にそこまで広く普及していない段階だったこともあり、証拠力などに問題がないことを取引先様に納得、信頼していただけるものでなければなりませんでした。

その点、法務界隈では高い信頼感のある弁護士ドットコムが運営母体であること、国内における電子契約のシェアが圧倒的に大きいことが、クラウドサインを選ぶ決め手になりました。わかりやすいインターフェースだったのも選んだ理由の1つですね。

クラウドサインのサポート体制はいかがでしたか?

クラウドサインは導入担当者をサポートする体制が群を抜いて良かったことも、サービスの信頼性の高さを感じさせました。

新しいサービスを導入する際には、役員や各部署などの社内関係者への説明が必要になることが多いと思います。これは、導入の担当者にとっては大変で面倒な作業です。特に、電子契約はまだ比較的新しいサービスであることから、説明コストがより高くなります。

こうした導入担当者視点の課題に対し、最も丁寧なサポート体制が確立されていたのがクラウドサインでした。例えば、クラウドサインは資料をとても豊富に用意されていますが、社内説明用、受信者向け説明資料などはもちろん、役員会用の説明資料などもご提供いただきました。

資料にない情報でも、営業担当者の方に相談すれば親身になって聞いてくださり、他社での事例を元にしたアドバイスをいただけました。ブログの記事も、法律に強みを持つ企業ならではのクオリティで、説明会の前に質問されそうなことや突っ込まれそうなことに対する知識の事前補強にとても役立ちました。こうした面からも、サービスに対する信頼感を強く覚えましたし、我々のお客様にも信頼して使っていただけると感じました。

また、我々にとって電子契約サービスの利用は初めてですから不安もありました。そこで弁護士ドットコムの担当の方に親身になって説明していただき、社内を説得するためのアドバイスもいただけて、不安が払拭されたのも印象的でした。

Google フォームを活用して誰もが簡単に電子契約できるフローを構築

運用における工夫などがありましたら教えてください。

NDAやライセンス契約などの営業現場で発生する契約の締結までのフローには、当社独自の工夫があります。

最初に営業担当者が社内ネットワーク内のGoogleフォームに契約相手となる取引先の情報を入力します。その内容がAPI連携で自動でクラウドサインに登録されるので、それを我々法務部のスタッフが1日に2回、午前と午後に確認して、内容に問題がなければ送信ボタンをクリックして完了です。

当初は営業担当者1人1人にクラウドサインのアカウントを発行することも考えましたが、アカウント管理の手間が増えてしまうため、Googleフォームを介して利用する仕組みにしました。かえって簡単、便利なフローになったと思います。

クラウドサインのおかげで紙の契約書が減り、捺印業務は週に数回で済んでいる状況です。どうしても紙で契約する必要がある場合は、スキャンしてクラウドサインに取り込むとともに、紙書類を倉庫に保管しています。


社内推進していく中で大変だったことや苦労したことはありますか。

電子契約とはどういうもので、実際にどう手続きすべきなのか、それをお客様に伝えるための方法を社内向けにわかりやすく説明するのが大変だったかもしれません。電子契約の効果や仕組みがわかる動画を作成したり、各部署に個別の説明に行ったりもしました。ただ、クラウドサインの方であらかじめ用意している資料があり、Webサイト上の情報も充実していて、説明の際には大変参考になりました。

お客様に対しては、電子契約の概要やメリット、安心して使えるものだということがわかる「依頼レター」をお渡ししました。クラウドサインでは「受信者向けガイド」も用意していますから、そのURLも伝えることでお客様が操作に迷わないようにすることも意識しました。

最初の頃は「どう使えばいいの?」という質問も少なくなかったのですが、今ではほぼ質問はなくなりましたね。電子契約が世の中に浸透したから、ということかもしれないですし、クラウドサインの方できっちりマニュアルなどを整備しているから、というのもあるのかもしれません。取引先に電子契約をお願いして断られることは、今はほとんどなくなっています。

電子化によりコストも時間も削減でき「契約書が絶対になくならない安心感」も得られた

電子化による効果を感じている部分を教えてください。

紙の契約書への捺印が減って、テレワークしやすい環境になりました。移動にかかる時間がなくなったのでそのコストも削減できています。出社せずに済むため、節約できた分の時間をお客様への提案に割ける、といったような声も届いています。印紙代は年間100万円以上かかっていたのが半分くらいにはなっていますね。

当初課題に感じていた下請法に沿った運用も実践できています。電子化によってリードタイムが圧倒的に短くなり、契約が遅れて業務に影響するようなことはなくなりました。極端な話、稟議承認が降りたのが前日の夕方だったとしても、クラウドサインを使えば翌日開始の案件に間に合います。紙の契約書だったらこうはいきませんよね。

また、紙のときは契約書の原本を紛失するリスクがありましたが、電子契約ではその心配もなくなりました。クラウドサインだと「絶対になくならない」という安心感があるように思います。紙の発注書だと取引先様に渡したかどうかがあいまいになるときもありますが、クラウドサインなら進捗を把握でき、証跡もしっかり残ります。

法務部の仕事にも良い影響はありますか?

クラウドサインの導入を機に、法務部では他の業務についてもいかに電子化して業務を効率化していくべきか、他のシステムとどう連携して合理化していくべきか、といったマインドをもつようになりました。電子化はスピードに直結する話です。法務という分野においても、昨今はAI技術などによる世の中の目まぐるしい変化に追従することが求められています。そうしたスピード感に対応して仕事をしていくためにも、電子化は必須だったのだと感じていますね。

社内から電子契約を活用できるか問い合わせが来るまでに浸透

今後クラウドサインの活用をどのように広げていきたいと考えていますか。

クラウドサインを軸に、既存の社内システムとの連携・自動化を進めることを検討しています。稟議システムは現在はオンプレミスの仕組みなのですが、クラウドサインなどとの連携も考えるとオンプレミスではなくクラウド型の方が都合が良いですし、それによってもっと効率化を図れるだろう、という意見も出てきています。

他の業務でも使えるところにはどんどん使っていきたいですね。最近は新入社員や中途採用者の誓約書にもクラウドサインを使い始めたところです。今まで当たり前のように紙の書類を使っていた他部署でも、クラウドサインの導入を機に「なぜ紙で手続きしていたんだろう」と疑問に感じて電子契約に切り替わりはじめました。社内からの「これは電子契約にしてもいいのか」といったような問い合わせが来ることも増えていて、うれしい流れです。

最後に、クラウドサインをこれから導入・活用しようと考えている方に向けてメッセージをいただければ。

電子帳簿保存法の改正もそうですが、社会としては電子化が必須となるような方向に進んでいます。我々も導入前は不安があったのですが、一度使ってみると本当に便利で手放せなくなりますし、信頼性も高い。クラウドサインをすでに使っている企業が相手だと、本当にあっという間に契約締結できてしまいます。

クラウドサインはみんなが使えば使うほど便利になっていきます。その意味で、みなさんと「仲間」になって利便性をさらに高めていければ、と考えていますので、ぜひ導入・活用を進めていってほしいですね。

unirita
最新情報をチェックしよう!

電子契約の国内標準
クラウドサイン

日本の法律に特化した弁護士監修の電子契約サービスです。
さまざまな外部サービスと連携でき、取引先も使いやすく、多くの企業や自治体に活用されています。