不動産業

導入をきっかけに書類管理の見直し・オフィス省スペース化に貢献。不動産業での電子契約活用事例

  • 2021年4月21日(水)

株式会社日本ユニスト
情報戦略室 室長 山口和泰様
経営管理本部 管理部 野依優香様
不動産事業本部 開発部 中田康博様

 

クラウドサインの導入をきっかけに、紙書類の管理を見直そう、という動きにもつながりました。

最初に御社の事業内容について教えてください。

山口様
当社日本ユニストは、創業2011年5月の会社です。付加価値の高い不動産を提供し、社会に貢献するという経営理念のもと、総合不動産デベロッパー事業を行っています。土地や物件の最大限のポテンシャルを引き出す不動産企画開発事業と、地域の特色を生かしたホテルの開発・運営をする事業、高齢化が進む熊野古道エリアの町宿を開発・運営する事業、この3つの事業を柱に事業展開しています。

クラウドサインを導入したのは、どういった経緯でしょうか。

野依様
以前から紙書類に押印するためだけに社長や押印権限者がわざわざ出社しなければならない、ということが課題として挙がっていました。加えて、契約書のなかで可能なものはどんどん電子化して業務効率をアップしたい、印紙のコストをなくしたいなど、他にもいろいろな理由があり、さらにこのコロナ禍で当社でもテレワークが進んだことで、電子契約の導入を決断しました。2020年春頃から検討を始めて、2020年11月から利用を開始しています。

同種の他のサービスとは比較されましたか。また、そのうえでクラウドサインを選んだ理由は?

山口様
電子契約導入にあたり、まず最初に考えたのが、取交相手となるのが仲介業者様が多いことでした。ITツールに不慣れな方が多い中、電子契約をして頂くためには、法的に問題ないことはもちろんですが、操作の分かりやすさが重要だと考えました。
そこでクラウドサインを含め他のサービスもテスト利用してみたところ、社内でクラウドサインが一番説明し易い、操作方法もシンプルで分かりやすい、となりました。

また、できるだけ汎用的に使えるものを探していた、というのもあります。将来的には電子契約が当たり前になるだろうと見て導入を決めたわけですが、不動産における売買契約や重要事項説明書はまだ電子契約ができません。そういう意味でも、たとえばNDA、CAのような秘密保持契約書、領収書の発行、その他社内的な文書など、あらゆる書類を電子化して効率良く管理できるようなサービスが望ましいと考えていたんです。

現在のクラウドサインの用途と、全体から見たときの電子化の割合についてはいかがでしょう。

野依様
電子化が可能な書類については、社内ではすべてクラウドサインを利用することを推奨していますので、不動産関係の契約書の他にも、業務委託契約書や顧問契約書、各種申込書、領収証、注文書、注文請書など、かなり多くの書類でクラウドサインが活躍しています。

クラウドサインで契約したときの相手の反応についてはいかがですか。

中田様
最初は“クラウドサイン”や“電子契約”の言葉を出しただけで少し身構えられる感じはしました。まだまだ書面での契約が一般的ですので、電子契約に積極的な会社はありませんでした。
しかし、クラウドサインのメリットを説明する中で、取引先においてはコスト面で課題を感じていることが多いことがわかりました。取引先のメリットも示すことで実際の活用に繋がりました。額の大きい不動産関連の取引だけに、印紙代だけで数十万円かかることもあります。
電子契約は聞いたことがあるけれど、問題なくできるかどうかわからず不安で、一度も試したことがないと。 そういうときに電子契約の実際のフローや、電子でも保証力が担保されていることをきちんと説明すると、では一度やってみましょう。初めてなので教えてください、と。実際にやってみたらすごく簡単だった、という感想をいただいたり、自分の会社でも導入しようかな、といった話をされていたりもしますね。

コスト以外の面で、クラウドサインの導入で変化したところ、メリットとして気付いたところはありますか。

中田様
やはりスピードですね。当社は少数精鋭で営業活動していることもあり、決断力やスピードの早さを強みとしています。先方から回答を求められたときに、当社内ですぐに議論して即座に返答する、というところでスピード感をもって対応させていただいています。

ところが、いくら社内にスピード感があっても、相手への意思表示を紙書類でやり取りする方法だと、2、3日のタイムラグがどうしても発生してしまう。秘密保持契約書や買付証明書だと、1週間はかかります。それもクラウドサインを導入したことで、ほとんどリアルタイムで意思表示できるようになりました。ここがやっぱり大きいですよね。契約書も実際には持ち回りで契約することも多いのですが、パソコンやスマホがあればどこでもいつでもサインできるのでスケジュール調整がより簡単になりました。

あとは私自身の業務効率も上がっています。1年ほど前からリモートワークの環境は整っていましたが、オフィスに行かないと物件資料が調べられないことがありました。今はほとんどの書類をクラウドサインで電子化しているので、一切出社することなくスムーズに仕事が進められるようになっていますね。

野依様
それと、今まで紙で押印申請書を発行していたときは、その承認フローのなかのどのタイミングで書類が回ってくるのか、各決裁者は把握できていませんでした。担当者が申請書を起票したタイミングと、決裁者が出社するタイミングが合わず、互いにストレスを感じることもあったと思います。そういう非効率なこともクラウドサインのおかげでなくなりました。

続いてクラウドサインSCANも導入されました。導入を決めた理由はなんだったのでしょうか。

山口様
社内のテレワーク化が進んだこともあって、2020年9月末に当社オフィスをそれまでの半分の面積に縮小しました。そのときに社内に保管していた過去の大量の契約書類をどこに保管するのかという問題が上がりました。しかし、     そもそも保管していても読み返すことがほとんどない書類ばかりだったので、保管コストを削減するためにも電子化するべきではないかと考えました。その中でも、クラウドサインSCANは他社サービスと比較して価格も安く、サービス内容も明確だったので、導入を決めました。    

クラウドサインSCANのメリット

クラウドサインとクラウドサインSCANの導入にあたり、苦労されたこと、難しかったところはありますか。

野依様
どんなシステムもそうですが、新しいものを導入するときには慎重になるものです。クラウドサインは特にお客様とのやり取りに影響しますし、法的な部分にも関わってきますので、導入の前段階で自分自身かなり慎重になっていたと思います。また、これまで紙だったものが電子に切り替わるということで、社内の人たちにどう周知していくべきか、一気にあらゆる書類を電子化した方がいいのか、それとも社員が慣れた後で対象範囲を広げるか、といったところは悩んだ記憶があります。

一方で、以前よりいつかは書類を整理しないといけない、というのが頭の片隅にはずっとあり、オフィススペースの縮小とクラウドサインの導入をきっかけに、改めて原本の紙書類の管理を見直そう、という動きにもつながりましたね。

クラウドサインSCANで電子化した後、原本の紙書類はどうされる予定ですか。また、これによって電子化の割合はますます進むことになりそうでしょうか。

中田様
クラウドサインSCANでPDF化してもらい、不要になった紙書類は、今はデータと突き合わせて精査している段階です。それが終わったあとは廃棄処分にする予定です。現時点では、不動産取引で必要な重要事項説明書はまだ書面の交付が     義務づけられていますので、その紙書類は今後も残っていきますし、電子契約に不慣れな個人のお客様に向けて紙書類の選択肢は用意しておきたいと思っています。その他の書類は全て電子化していきます。

クラウドサインSCANで電子化したデータの具体的な活用はこれからになると思いますが、期待感としてはいかがですか。

野依様
実は今までは、書類の保管ルールがきちんと決まっていませんでした。各々がわかるPDF名で保存してしまい、他の社員がそのPDFを探せないこともありました。クラウドサインSCANの導入は、まずそういった書類の保管ルールもしっかり作成して、社員全員が検索しやすい環境を整えるきっかけにもなりました。

また、どの書類がPDF化されていて、そうでないのかが把握できていなかったり、原本保管が不要な文書が紙で保管されていたり、他にもいろいろ整理しきれていないところがありました。そのあたりも大きな課題ではあったので、クラウドサインやクラウドサインSCANの導入タイミングで合わせて整理できたのは本当に良かったと思っています。

クラウドサインSCAN導入で業務効率化を実現

不動産業界でITやクラウドを活用している例はまだあまり多くないのでしょうか。

野依様
そうですね。そのせいか、日本ユニストさんは対応が早いですね、と言われることが多いです。IT化が遅れていると言われる不動産業界のなかで、当社はこの1年でさまざまなITを取り入れて、先ほど中田が話していたようにスピード感を重視してやってきました。テレワークが進んでいることや、オフィスをフリーアドレス化したことについて話すだけでも驚かれるお客様がいらっしゃいます。 とはいえ社内でも、新しいシステムが導入されたときは使うのを躊躇しがちなところはあるんですが、それでも会社としての方針をくみ取って、積極的に活用しようとする姿勢をすごく感じています

今後クラウドサインやクラウドサインSCANの活用をどのように広げていくか、アイデアがあれば教えてください。

中田様
当社の保有物件や販売物件を紹介する業者向けのホームページがあり、そこから物件の詳細な情報・資料を請求できるようになっているんですが、現在は当社の営業担当者がその都度秘密保持契約書を起票する必要があり、手間がかかっています。これをクラウドサインで自動化、電子化するためのシステムを今開発しているところです。

これからクラウドサインやクラウドサインSCANを活用しようとされている企業に向けて、メッセージやアドバイスをいただければ。

野依様
クラウドサインはただ電子契約ができるだけではなく、契約締結までの履歴が残ったり、合意締結証明書も出力できるので、電子契約に不安を感じている方でも安心して始められるのではないでしょうか。押印のための出社を不要にしたり、契約管理の業務効率アップを狙ったりなど、さまざまな側面からメリットのある導入検討ができるのではないかと思います。

クラウドサインSCANに関しても、たとえば大量の紙書類を自分たちで1からPDF化しようとするとかなり時間がかかりますし、普段の業務をこなしながらとなると大変な作業です。そういった場合に一括でスキャンをお任せしてデータ化できたのは、私たちとしても本当に助かりました。中途半端に電子化されていて、管理しにくい状態になっているなら、とりあえず一度全部PDF化をお願いして、管理し直すきっかけにする、というのもありではないかと感じています。

中田様
不動産業界には、紙の契約書にハンコを押すというのが未だに根強い文化として残っています。それもあって、電子契約で本当に大丈夫なのかと不安に感じている人も多いようですが、私としては、とにかく1回でいいから試してみてください、と。試してみればこの簡単さや便利さがわかると思いますし、「あの書類はどこにいった?」みたいに探す必要もなくなります。電子契約が主流になる時代はすぐそこまで来ていますので、先に始めておいて損はないですよ、と言いたいですね。

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