サービス業飲食業

結婚式場八芳園が、電子契約で「おもてなしの心と文化」を届ける

  • 2019年7月23日(火)
株式会社八芳園グループ総本社
総支配人室/部長 薮嵜正道様

電子化でお客様とのアナログな時間を増やしていけます。

由緒ある美しい日本庭園が目を引きます。この八芳園はどういった形で利用されることが多いのでしょうか。

八芳園は創業1943年、今年で77年目になります。創業時は料亭から始まり、今では結婚式場として多くのお客様にご支持いただいています。パーティー会場だけで15のバンケットルームがあり、年間の挙式は1,500~2,000組ほどです。ホテルと違って宿泊はありませんが、レストランや料亭の運営もしています。

今力を入れているのはインバウンドでして、日本庭園や結婚式という日本の伝統文化とともに、日本独特のおもてなし文化を海外に届けたいと考えています。おかげさまで最近では、外資系企業様のインセンティブパーティや、新製品などの発表会でご利用いただく機会が増えてきました。年間1,500件ほどお受けしています。

我々の企業理念は「日本人にはこころのふるさとを。海外の方には日本の文化を。」というものです。戦時中に創業していることもあって、この企業理念には、ただ飲食を提供する場というだけではなく、お客様にとって特別な場所になりたいとの想いが込められています。

株式会社八芳園グループ総本社 総支配人室/部長 薮嵜正道様

株式会社八芳園グループ総本社 総支配人室/部長 薮嵜正道様

クラウドサインはどういった業務で利用されていますか。

秘密保持契約や業務委託契約、サプライヤー契約、包括連携といった部分で、幅広く利用しています。

我々のような業種は、実はパートナーとして提携している企業が多いんですよ。たとえば結婚式では、司会は別会社のプロの方がやっていますし、装飾用のお花を作る人も別の会社の方。1つのパーティーには10くらいの専門職の方が関わっているんですね。今は300社以上と提携しています。

結婚式やパーティーの他に、地方の職人さんなどとともに日本文化を発信していく取り組みも行っています。婚礼家具の産地として有名な福岡県大川市と提携して、宴会場用の家具を提供していただいていますし、2020年のオリンピック・パラリンピックでは、参加国のキャンプを受け入れる自治体(ホストタウン)の魅力を発信する施設で、その企画やイベントプロデュース、フードメニューの開発も行っていきます。そういった地方自治体や国、あるいは教育機関と包括連携を結ぶことも多くなってきました。

それらの契約にクラウドサインを採用した理由を教えていただけますか。

もともとは紙の契約書でした。ところが、BtoBのビジネスが増えてきた今、企業信用が重要になってきています。

たとえば今お話したホストタウンの案件は、それこそ国との話になってくるので、情報の取り扱いや法的な契約の取り交わしをなるべくスムーズに、かつ安全性を保てる形で、しかも法務処理が明確にできていることが不可欠です。それが可能な環境を整備できている状況にしたかったのが1つ。

もう1つはコスト削減です。働き方改革の流れもあって、生産性の向上のためにバックオフィスをよりスリム化していく必要がありました。一昨年ほど前から総務、本社機能について、勤怠、入退社、契約といった手続きはすべてシステム化を進めてきました。

日本の企業は、かつては契約の前に機密保持契約を結ぶまではあまりやっていなかったのですが、今はそれが当たり前になっています。個人情報・機密情報の重要度が高まっていて、契約の種類が増えていますよね。以前は企業と業務委託契約だけ結べば良かったのが、今では契約に至る前の段階から秘密を守らなきゃいけないということで、契約する前から契約が始まるような状況です。それらの契約業務自体の省力化も必要でした。

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電子契約に移行するにあたって、クラウドサイン以外は検討されましたか。

少しだけしました。ただ、電子契約サービスを運営している企業がなくなってしまうと、電子契約した内容も消えたり、意味がなくなってしまいます。

その点クラウドサインは、こうしたサービスを提供する企業として一番信用できる弁護士ドットコムが運用している、という点が決め手になりました。コストが高かったとしても、電子契約では信頼度が最も重要だと思っていますので、ほとんど即決に近かったですね。

機能面では、契約書をデータ化したときに、検索や管理がしやすいかどうかも条件の1つでした。契約件数は毎月数十件ずつ増えています。そうすると、それらを電子化したとしても検索機能や管理機能がしっかりしていないとすぐに書類を探せません。契約書のデータ管理だけできるサービスは他にいくつかあったのですが、検索と管理の両方の機能を考えると、総合的にはクラウドサインがいいなと思いました。

実際に導入してみて、使い勝手はいかがですか。

楽です! 紙でやりとりしていたときは、封筒詰めして、返信用の封筒を入れて、切手と収入印紙を貼って、郵送するという作業がありましたので、その部分の人件費は全然違いますし、事務作業も全くなくなりました。

クラウドサインはシンプルな作りで画面が見やすいので、とにかくわかりやすい。我々はサービス業なので、リテラシーの高いスタッフが多いわけではないんですけど、それでも使いやすいですね。事前研修なしですぐに実運用に入れました。他にも勤怠、入退社、人事評価などで別個にシステムを導入していますが、クラウドサインはそのなかでも本格的に使いはじめるまでに一番時間がかかりませんでした。

電子化による生産性の向上も実感できています。

生産性という面では、サービス業ではどこが一番ネックになりがちなんでしょうか。

我々サービス業は、やっぱりお客様ファーストっていうのは絶対に外せないんですよ。そういう意味では、接客などにかける時間というところでの効率だけを追求しづらい仕事なんですよね。

我々は、おもてなしというものをすごく大切にしてきたからこそ、結婚式でご利用いただくお客様にご支持をいただけていると思うんです。ですから、生産性向上のために削るとなると、必然的にお客様から最も遠い部分、管理部門になります。

お客様との接点をもつところは、やはり人間にしかできない。それ以外でどれだけ無駄な時間をなくして、お客様と向かい合う時間を増やせるか。そこが我々の強みであり、肝かなと思っています。

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検討時に少しコストが高かったというお話もありましたが、クラウドサイン導入後はコストや手間の削減はできましたか。

紙の契約書のときは、収入印紙があるものは1件あたり平均5,000円くらいのコストがかかっていました。収入印紙がなければ1,000円程度ですが、月間では5~6万円のコスト削減につながっていますね。

やりとりにかかる時間は以前と比べると1週間近く短縮できているかもしれません。契約書が戻ってこないので、以前はこちらから問い合わせするケースも多くありました。

自分もそうなんですが、郵送されたものを開いて、確認してっていうアクションは、他の大量の郵便物と混ざってしまうこともあって、どうしても後回しになります。クラウドサインだと6、7割が即戻ってきます。システム上ですぐに承認できる、というのがスピードアップにつながっています。

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他にクラウドサインで便利な機能、もしくは不満や要望はありませんか。

相手に通知できるリマインド機能はすごく便利ですね。契約書が開封済みかどうかなどがアイコンで表現されていて、一発で今がどういう状況で、自分たちが何をしなければいけないのか、というのもわかりやすい。デザイン面でもすごくユーザー目線なシステムだなと思います。

あと不満というわけではありませんが、相手もクラウドサインを利用していると、契約書のデータ保管の方法などについて説明がいらないんですよね。反対にクラウドサインを利用していない相手だと、一言説明が必要になることがあります。この点、電子契約を利用する動きは今後増えるでしょうけど、もっと世間一般にクラウドサインの知名度が上がって、手間がさらに少なくなっていってほしいなと思います(笑)。

今後クラウドサインの用途を広げていく計画はありますか。

契約については、できれば全部電子化したいですよね。

今はBtoBの契約でクラウドサインを利用していますけど、BtoC、個人のお客様の結婚式でも利用するべく準備をしているところです。

たとえば御婚礼申込書は今は紙の書類なので、お客様にストレスがかからないのかなどを慎重に確認したうえで、これもクラウドサインに取り込めないかなと考えています。

あらゆる部分を電子化することで、八芳園はどのような企業になっていきそうですか。

我々はビジョンというものをすごく強く持っている企業です。目線は常にお客様にあります。

バックオフィスの生産性を上げていくことで、その分お客様に向かい合える時間を増やせる体制が整っていくでしょう。電子化することで、お客様とのアナログな時間が増やせます。そういう考え方は、私どもの独特なところかもしれないですね。

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