大量の雇用契約を電子化。飲食チェーンにおける採用の手続きタイムラグ、書類不備を大幅削減

株式会社エー・ピーカンパニー
執行役員 越川 康成様

 

クラウドサインの導入が、デジタル思考に一歩踏み出すきっかけになりました。

御社の事業内容について教えていただけますでしょうか。

当社エー・ピーカンパニーは、「塚田農場」や「四十八漁場」をはじめとする居酒屋業態約200店舗を運営している会社です。現在ではブライダル事業やお弁当・ケータリング事業も展開しています。

「食のあるべき姿を追求する」をスローガンに掲げ、食材と製法にこだわって料理を提供しています。本当においしいものを提供しよう、ということをモットーに、農家さんや漁師さんと共同で生産、加工、流通などに一貫して取り組む、6次産業モデルを構築しているのが特徴です。

具体的にはどういった取り組みをされているのでしょうか。

たとえば農家さんから食材を直接仕入れているにとどまらず、少しでもおいしい食事にするために、農家さんと鶏の飼育環境をどうするか、さばいた鶏を保管する際、鮮度を保つための水槽の温度をどれくらいにすると一番いいか、といったことをよく話し合っています。

農家さんや漁師さんと、社員や店舗のアルバイトスタッフは、コミュニケーションツールの「Talknote」を使ってコミュニケーションを取っています。農家さんが丸鶏のさばき方を動画で流したり、漁師さんが巨大な魚を水揚げしたことを写真で報告したり。それに対してアルバイトの人がコメントすることもあれば、来店したお客様の喜びの声をレポートすることもありますね。

株式会社エー・ピーカンパニー 執行役員 越川 康成様
株式会社エー・ピーカンパニー 執行役員 越川 康成様

そんななか御社では契約社員とアルバイトの雇用契約でクラウドサインを導入されました。きっかけは?

人事関連業務をできるだけペーパーレスにし、省力化するにあたって、クラウドサービスが使えないかと考えていました。契約社員やアルバイトを毎月約300人採用していて、1年に一度、約4500人と一斉に契約を更新する必要もあります。雇用契約に限らず、さまざまな書類を電子化するのに最適なクラウドサービスを調査、検討しました。

クラウドサインを選んだ決め手はなんだったのでしょうか。

電子契約のためのクラウドサービスとして、契約を締結する一連のプロセス、起こりうるミス、それらをきちんと想定した細かな機能をきちんと備えているな、という印象を受けました。契約上記入が絶対に必要な部分に漏れがあれば次に進めないようになっていますし、メールで契約書のPDFが送付され、本人確認もスムーズに取れるようになっている。契約の一連の流れがきちんと整理されているんですよね。

他のクラウドサービスだと、プレゼンされている段階ではバラ色の世界に見えるのに、実務に落としてみると、これができないと困るな、というような細かな制約がいろいろ見つかったりするものです。クラウドサインはその点で全く齟齬はありませんでした。

クラウドサイン導入前は業務において具体的にどんな課題があったのか教えてください。

まず紙の契約書では本人控えと会社控えの2部が必要で、保管スペースを用意しなければいけません。それに先ほど申し上げたように毎月300人もの採用がありますから、店舗から契約書類が届くときは管理部門の4、5人が総出で仕分けしていましたし、契約書のチェックを担当する専属スタッフも1名いたくらいです。

アルバイトの人に記入してもらった紙の契約書には不備があることが多く、チェックだけでなく再作成・再送付するのにも手間がかかっていました。パーフェクトに記入されているケースの方が少ないくらい。記入漏れ、記入間違え、押印ミスなど、必ずと言っていいほど何らかの不備が見つかっていたんです。

タイムラグも問題でした。以前は、採用が決定した人には店舗で紙の契約書に記入してもらい、その契約書がある程度まとまったところで店長が本社に送ります。そこで本社がチェックしてミスが見つかると、今度は本社から店舗に連絡して修正してもらう。このタイムラグがものすごくあるんです。大変非効率でしたね。

それを新たに電子化するというのは、店舗にも影響が大きいことかと思います。クラウドサイン導入時に現場では戸惑いはありませんでしたか。

定期的に現場の人間が集まる会議が地域単位でありますので、そこでクラウドサインの導入について説明して回りました。その際に「(契約書類をやり取りする)あの面倒な仕事を楽にします、(紙を)全部なくします」という言い方をしたところ、現場の皆さんの反応としては万々歳。すっと受け入れていただけました。紙をなくし、みんなの仕事が楽になるようサポートするために、こういう新しい仕組みにします、という伝え方が良かったんだと思います。

導入後の効果はいかがですか。

人事部門で必要な業務は、契約書類の不備チェックと、契約書に同意し忘れている採用者に対するリマインドだけになりました。専属をつけるほどの作業量ではなくなったので、そのスタッフは別の業務に就いてもらっています。そもそも書類に不備があるのはだいたい1割、1カ月30件ほどに激減しましたので、契約書類に関して本社と店舗がやりとりする時間は確実に少なくなっていますね。

もちろん郵送費用を省くことができ、これからは紙の書類を保管する倉庫用スペースも増やさずに済みます。過去の契約を調べるために紙の契約書をいちいち探すことがなくなって、画面上で検索するだけ。ペーパーレスになったことで工数が減るだけじゃなく、正確性が上がるのも大きいですよね。次は正社員の雇用契約書のクラウドサイン化も計画しています。

クラウドサイン導入の際、苦労したところはありますか。

当社の場合、採用が決まった後、本人にGoogle フォームで個人情報などを入力してもらい、そのデータをクラウドサインに連携させて自動的に契約書PDFをメール送信する形になっています。その仕組みをうまく連携させるのに少し時間がかかった、というくらいですね。

採用された人は店舗だけでなく運営元である本社ともやり取りする形になります。アルバイトの人にとっても働く際の意識が変わりそうですね。

アルバイトの人のメールアドレスはこれまで全然収集してこなかったんですよね。本人に何か連絡したいことがあっても店舗を通さなければいけませんでした。今後は最初に契約を結ぶときや、契約を更新するときにメールアドレスを必ず収集しますので、直接連絡が取れるようになります。

何らかのアンケート調査をしたいときもURLを送るだけでいいですし、アルバイトの人に割引クーポンを発行することもできますよね。これまでアルバイトの人はほとんど店舗としか接点がなかったんですけど、本社ともいろいろなコミュニケーションを取れるようになったことで、エンゲージメントの向上にもつなげることができるのではないかと副次的な効果も期待しています。

紙の契約書を扱うことがなくなり、店舗側の負担軽減にもつながったかと思います。それによって空いた時間を別のことに使う、といったような動きはありますか。

今回のクラウドサイン1つではそこまでのインパクトはなかったのですが、実は他のいくつかの業務でも同じようにクラウド化しようとしているところがあります。クラウドサービスを使ってデジタル化、システム化することで、店舗の余計な手間が削減でき、時間に余裕ができて、かつ正確性も上がる。それによって時間も気持ちも、管理業務ではなくお客様のサービスに向けられてお客様満足と残業削減に繋がる。これはまさに働き方改革ですよね。

他の領域でもデジタルを活用して業務を見直そうとしています。特にアルバイト採用においては、システム化によって無駄をなくすことが何よりも重要です。なぜなら、アルバイトに応募する学生さんは1箇所だけに応募しているわけではありません。同時並行で他のお店にいくつも応募している。先進的な企業は応募があるとすぐにSMSなどで連絡して、面接候補日を即座に決めています。

ところが当社はまだ電話で連絡していて、本社から応募者と店長それぞれと面接の日程調整をするのに時間がかかる。そうしているうちに離脱(応募がキャンセル)されてしまうこともあります。ここには壮大な無駄が一杯あるので、システム化やプロセス整理で改善したいと考えています。今まではそういう発想がなかったんですが、クラウドサインの導入が、そういう思考に一歩踏み出すきっかけになりました。

これからは業務のデジタル化が一段と加速していきそうですね。

クラウドサインの導入を積極的に推進した社員が成功体験を積めたのも大きいと思っています。システムはこうやって導入するんだなっていうことと、こうすれば結果がこんな風に変わるんだな、という理解が進んだと思います。この成功体験を通じて社員が成長できたこともクラウド化、デジタル化のメリットかもしれませんね。

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