導入事例CASE STUDY

卸売業・小売業製造業

8,000人のセールススタッフが電子契約活用へ。移動を最小限にし、業務効率を全国で高める

  • 2022年1月7日(金)

リコージャパン株式会社
経営企画本部 構造改革推進センター 販売システム統括室
室長 陶山智弘様
経営企画本部 構造改革推進センター ビジネスプロセス革新室
副室長 吉田敦様

 

中小企業から大企業まで幅広い顧客に向け、複合機をはじめとするオフィス機器、ネットワーク機器などの販売・保守を行っているリコージャパン株式会社様。同社は日本全国に営業・サポート拠点を構えており、各地で活動するセールススタッフは8,000人を超えます。

しかし、地域によっては顧客訪問にかなりの移動時間がかかるスタッフも少なくなく、紙の契約書類を手で受け渡しするのは業務効率の面から大きな課題になっていました。全てのスタッフが効率よく働ける環境にするために、全社で契約の電子化を進めるべくクラウドサインを導入。大規模導入でありながらも、各地域の支社長らが旗振り役となって積極的に推進したことにより、着実に社内の電子化が進んでいます。

契約書類受け渡しの顧客訪問、毎月1回発生する契約書原本が保管されているかの確認作業に悩み

電子契約サービスを導入することになったきっかけを教えてください。

経営企画本部 構造改革推進センター ビジネスプロセス革新室 副室長 吉田敦様

吉田様
当社の主軸は複合機、いわゆるコピー機の販売や保守といった事業になりますが、近年はデジタルサービスカンパニーとして事業の拡大を進めています。社内においても営業活動の工程は以前よりシステム化を進めておりまして、宣伝告知ではWebやYouTubeを使った広告出稿を行っていますし、見込み顧客の発掘ではWebセミナーの活用も進めています。


遠隔で商談ができる環境を整えてきましたし、お客様のパソコンにリモートから入ってサポートする仕組みもあります。また、売上管理などの業務においてもRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用したりと、さまざまなデジタル化、DXを進めてきました。

ただ、契約書を交わすところに関しては、まだ紙契約の取り交わしが多く、ここを改革していくことで営業活動のさらなる効率化が図れるのではないかと考えました。これはコロナ禍に入る前から検討していたことになります。

契約業務で課題になっていたのは具体的にはどんなところでしょうか。

吉田様
契約書を取り交わすためだけにお客様先に訪問する往復の時間を効率化できないかという点と、紙の原本を保管する際チェックに時間がかかっているのでこの時間を削減できないかというところが課題になっていました。お客様に対しても我々の訪問に合わせて在席し押印の準備もしなければいけないというご負担をおかけしているところがありましたのでここも改善したいと考えました。


もちろん、直接お客様先に訪問して書類の受け渡しをすることで、コミュニケ―ションを密にでき、案件につながるケースもあります。でも、ただ書類を受け渡しするだけで終わってしまうことも多くあります。
訪問したけれどお客様が不在だったり、席を外していたり、なんてこともあります。地域によってはお客様のオフィスまでの距離がかなり遠く、行き来に時間がかかっているというスタッフも少なくありませんでした。

紙の契約書だと、保管場所に困っているというケースも多いのですが、その点はいかがでしたか。

吉田様
当然ながら保管スペースは必要ですが、それなりに広い倉庫をもつ拠点もあって、スペース的には困っていなかったりもします。ただ、原本がきちんと保管されているかどうかのチェックが悩みどころです。

マネージャーは月1回、直近の契約書の原本が全て揃っているかを確認しています。月初に3~4時間この作業が必ず発生していてここは非常に手間がかかっていました。

全国の拠点に展開するうえでは認知度と使いやすさが重要

電子契約サービスにクラウドサインを選択したポイントはどこにあったのでしょうか。

吉田様
電子契約のためのシステムを構築したのですが、そのシステム構築にあたって「基幹システムとの連携を考慮した電子契約サービスであること」という条件を設けました。選定の一番の決め手は、クラウドサインがAPIを公開しており、システム連携が他のツールよりしやすいところでした。


また、クラウドサインの認知度は高いですから、全国のセールススタッフがお客様に営業に行って、「クラウドサインを導入しました」という話をしたときに、すぐにご理解いただける可能性も高い。契約するためのツールですから、お客様に受け入れていただかなければ始まりませんので、業界で最もメジャーなツールであることは重要だと思いました。


あとは経理部門からの絶対条件として、電子データが改ざんされていないことを証明する「認定タイムスタンプ」にも対応していること、というのもありましたし、銀行などの金融機関でもクラウドサインの採用が進んでいることも選定理由の1つでした。リコーグループはクラウドサービスを導入するときにかなり厳しいセキュリティに関する審査があるのですが、銀行も採用しているならセキュリティ面でも問題ないだろうと思いました。

使いやすさという点ではどう見てらっしゃいましたか。

吉田様
実は本格導入の前に、弁護士ドットコムさんとはクラウドサインで、他の事業者とは別の電子契約サービスで、同時期に2つの電子契約サービスを使って契約する機会があったのですが、その際に当社の承認者から、別の電子契約サービスでの操作が「全然わからない」と言われてしまいました。


クラウドサインの方はそんなことはなく、一発で承認できて「これはわかりやすい。数クリックで終わっちゃったよ」と言われました。当社のお客様は中小企業が多いので、誰でもわかる使いやすさが重要なポイントになると思っています。

紙の契約書に近いフローで契約業務を電子化。ミスを防ぐ仕組みづくりも

クラウドサインの導入はどのような流れで進められたのでしょう。

吉田様
契約書を電子化したいという内容を、まず経営陣に対して提案したのが2019年12月です。その後承認が得られ、導入が決まりました。「本当にクラウド型のサービスで大丈夫なのか」という不安は経営層にあったようですが、弁護士ドットコムからいただいた資料には法的に有効だという旨の説明が十分になされていましたし、リコーグループの弁護士にも相談して、電子化した契約書の真正性についても担保されることが確認でき、その不安は解消できました。

プロジェクトを進めるにあたり法務や監査や総務の人に参加してもらったり、弁護士ドットコムにもプロジェクトに加わってもらって、運用ルールなどを決めていきました。

導入していくところで特に苦労されたことはありますか。

吉田様
システム要件の整理や連携部分の設計より、お互いの決裁者の真正性の担保はどうするか等運用ルールを決める部分がポイントになったと思っています。電子契約では案件の金額に上限を設けた方がいいのではないか、契約書の種類を限定した方がいいのではないか、などさまざまな意見が出ましたが、プロジェクトで運用ルールを決めながらそのルールを検証する意味でまずはスモールスタートで始めようと決めました。最初は売買契約書に絞り当社の基幹システムと連携する仕組みを作ってスタートしました。


売買契約書でシステム上はもちろん、スタッフの利用時に大きな混乱なく電子契約に移行できるということが確認でき、現在では売買契約書に加えて、工事請負契約書、約款を含めた注文書や検収書などでクラウドサインを利用しています。最近では注文書や検収書での利用が特に多くなってきているところです。

活用していくうえで何か工夫されていることはありますか?

吉田様
当社では販売管理システムを独自に構築しており、今回のクラウドサイン導入にあたっては、従来のオペレーションをできるだけ崩さずに電子化対応することを心がけました。販売管理システム上で紙契約書を出力するのと同じように契約書や注文書、検収書などを電子契約で送信できるようにクラウドサインとAPI連携したシステムを構築しました。


たとえば売買契約書を発行するときは、システム上では最後に紙書類を出力する「印刷」ボタンが表示されるのですが、そのボタンの横に「電子契約」ボタンがあります。紙で出力するときは印刷ボタンを押せばいいし、電子契約のときは電子契約ボタンを押せばいい。


従来の紙の契約書でも、お客様に押印していただいた書類を複合機でスキャンする際に、書類上に自動で表示されるQRコードを複合機で読み取ることで販売管理システムの案件にひもづいた形でデータ化される仕組みにしています。電子契約では、お客様の承認が終わればスキャンなどをすることなく同じように契約書のデータが販売管理システム上に登録されるようになっていて、紙と同様の流れで、かつ効率よく処理できるようにしています。


あと、契約書の送り先となるお客様側の決裁者のメールアドレスは、事前に販売管理システムの顧客台帳に登録するのですが、契約書送信時には自動で顧客台帳の情報と連携するようになっていますので、誤入力などで送信ミスすることもありません。毎回送信先を選ぶ必要もなく、デフォルトで選択され、決裁者の候補が複数人の場合でも、そのなかから簡単に選べるようにしています。


当社にはお客様を担当する営業職のスタッフが全国に約8,000人います。その全員が間違えることなく、そのうえで効率的に操作できるようにするには、データベースにある情報を連携した方が絶対にいいだろうと考えました。

全社へ導入を進めるには、マネジメント層の動きが重要

8,000人という規模だと、全社に浸透させていくのには大変な苦労があったかと思います。

吉田様
今もまだ道半ばではあるのですが、電子契約の利用が目立って増え始めたのは、各支社の支社長が積極的に電子契約に取り組んでもらったことが大きかったと思います。我々はお客様のデジタル化をご支援するという大命題があります。そのためにはこのような電子化に対し積極的に取り組み、そこで培ったノウハウをお客様に提供するといことが大切になってきます。そのことを支社の社員の方々に対し啓蒙していただきました。


トップがより積極的に動いていると電子化は進みやすいですね。自ら進んで利用するスタッフはそこまで多くはないですし、全体で電子化を進めていくにはやはりマネジメント層の動きが重要になってくると感じています。
あとはボトムアップの対策として利便性を営業スタッフの方々に伝えるために実際に利用しているスタッフの声を定期的に発信しています。


導入初期段階から積極的に電子契約を利用してくれているスタッフがいて、話を聞いてみると担当エリアが広くお客様訪問に時間がかかるので、電子契約を活用することで効率よくお客様を回ることができる、ということでした。そういった実際のスタッフの声を地道に社内に発信して、電子契約が便利であること、決して面倒なツールではないということを伝える活動をしています。

導入後、社内やお客様から使い勝手などについて反応はありましたか。

経営企画本部 構造改革推進センター 販売システム統括室 室長 陶山智弘様

陶山様
契約の確認や承認はスマートフォンでもできるので、「どこにいても確実にチェックできて、ほとんどワンタップで完了する。こんなに便利なものはない」というマネージャー陣からの声がありました。


吉田様
お客様からも嬉しいお声はいただいております。契約書を交わす際、弊社営業とアポイントに合わせて事務所にいなければいけないということや印鑑を金庫から出して準備しなければいけなかったが電子契約になってこれらの面倒が省けてよかったとお話しされていました。電子化することでそういった問題がなくなりますから、お客様にとってもメリットは小さくなかったのではないかと思います。

電子化しやすい書類や特定の部門から始める方法も

今後、クラウドサインの活用をどのように広げていきたいとお考えですか。

陶山様
紙の契約書を使っているものはすべてクラウドサインで電子化したいと思っています。現在は電子での契約締結は売買契約書がメインですが、今進めている基幹システムの刷新が完了すれば保守契約に関わる書類なども電子化できる予定です。他にも、Webセミナーなどを実施するときに協力会社さんと書類のやりとりをすることも多いですし、販売系の契約書だけでなく、紙の書類を使っているところはどんどんクラウドサインで電子化していきたいと考えています。


吉田様
近年はより社会的な事業、たとえば街づくりのお手伝いや再生可能エネルギー、サイネージなどのイベントソリューションも手がけていますので、新たな契約の機会が増えており、電子契約が活用できる場面はこれからますます広がっていくと思います。

クラウドサインの導入を検討している企業、さらに活用していきたいと考えている企業に向けてアドバイスをいただければ。

陶山様
電子契約というとなんとなくハードルが高そうに思われるかもしれませんが、クラウドサインは知名度が高く、導入も簡単で、使い勝手もいい。弁護士監修でサービス開発を行っているので安心感もある。お客様など相手方にもメリットが間違いなくあるので、おすすめです。


吉田様
いきなり全社に一斉導入するのは難しいとしても、我々のようにスモールスタートで電子化しやすい書類から始めてみるとか、特定の部門から電子化してみるとか、進め方はいろいろあります。
あと、大事なのは運用ルールをどうするか。紙の契約書を完全にゼロにするのはまだ難しいところもありますから、紙と電子の両方を並行させることになります。スムーズに運用するためにも、紙のときの押印申請と、電子契約の申請のルートを同じにするなど、決めるべき肝となるところはしっかり押さえることが重要だと思います。

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