インターネット業

intra-martとの連携で、シームレスな契約処理と迅速なサービス提供を実現

  • 2021年3月17日(水)

株式会社NTTデータ イントラマート
業務改革推進室 室長 兼 テクノロジーサポートグループ グループリーダー 黒田和男様
業務改革推進室 村田枝里子様

 

契約締結の前後の業務プロセスも含めてデジタル化することが、電子契約サービス活用の近道になります。

最初に御社の事業内容について教えてください。

当社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマートは、NTTデータの社内ベンチャーとして立ち上がり、その後独立して2021年に設立21周年を迎えました。主軸事業はWebシステム基盤を構築するためのパッケージソフトウェア「intra-mart」製品の販売、及び「intra-mart」関連の付帯サービス提供となります。最小限のプログラミングで機能実装できるローコード開発プラットフォームと、長年強みとしてきた業務プロセスのデジタル化・オートメーション化の機能、ノウハウで"柔軟な働き方"と"圧倒的な生産性"を実現します。また、クラウド版のintra-martを「Accel-Mart」としてサービス展開しており、多くのお客様にご利用いただいております。

クラウドサインはどういった形で利用されているのでしょうか。

黒田様
intra-martには社内の稟議・決裁申請の処理を行うワークフローという機能があります。このワークフローのなかでクラウドサインとAPI連携して、社外との契約処理などをデジタル化・自動化できるようにしました。

従来、ワークフロー機能によって、社内の稟議・決裁申請の承認を取得するところまでの業務プロセスはデジタル化されていましたが、後続の業務プロセスとして、担当者が承認を受けた申請内容に基づいて、契約書の製本・押印・発送といった作業を紙ベースで行うということがまだ残っていました。先ほど申し上げたようにintra-martは様々なデジタルテクノロジー、デジタルサービスと連携できるようになっています。クラウドサインについても、その仕組みを利用してAPI連携し、紙・ハンコでアナログだった社外との契約処理などをデジタル化・自動化できるようにいたしました。

クラウドサインとの連携、導入を進めることになったきっかけはなんだったのですか。

黒田様
2020年4月に緊急事態宣言が発表され、当社においてもなるべく出社を減らすことになったのですが、法務関連の業務では押印がどうしても必要で、出社せざるを得ない状況でした。そういった出社前提の業務をなくすにはどうするべきかを検討しているなかで、クラウドサインを組み合わせることを考えました。

ちょうどその頃、intra-martと電子サイン・電子契約サービスとの連携を検討するアライアンスプロジェクトも進んでおり、クラウドサインとAPIで簡単に連携できることもすぐにわかりましたので、さっそく導入しようということになりました。導入検討が始まったのは2020年5月頃で、その後1~2カ月ほどの開発を経て連携が可能になり、社内調整を経て、弊社が提供するクラウドサービス「Accel-Mart」の申込みプロセスでの利用を開始しています。

クラウドサインを導入したことで、具体的には業務のどの部分がどんな風に変わりましたか。

村田様
導入したのは当社内の業務プロセスのうち、お客様がクラウドサービス「Accel-Mart」の利用申込みをする際の契約書を交わす部分です。申込時にはお客様から契約関連情報や利用条件などをいただいて、クラウドサービス側の環境構築を行うようにしているのですが、当初、その部分は紙の申込書で、お客様とやりとりするのにはメールやチャットツールを使っており、アナログで非効率な方法によって業務の標準化がされていませんでした。

そこで、まずは入口となる申込みの受付やお客様とのやり取りをウェブフォームで統一して、必要な情報を入力していただいた上、自動でPDF化して契約書にする、というところから業務の標準化を始めました。さらに並行してクラウドサインとの連携プロジェクトも進め、PDFに自動的に電子署名を施すことで、お客様とシームレスに契約書をやり取りできる流れを実現いたしました。

黒田様
お客様は、Accel-Martの利用申込みをウェブから行うだけで、あとは契約までスムーズに行えるわけですが、それでもまだ、お客様側の会社のルール・ポリシーによって契約書は紙で取り交わさないといけない、というお客様もいらっしゃいます。当社ではお客様のそうした要望に柔軟に対応できるように、電子契約を主としてご利用いただくことをおすすめしつつも、紙での契約を要望されたときは、紙の契約書での受付フローで処理する体制も整えています。

クラウドサインを導入するときに苦労したところはありませんでしたか。

黒田様
紙の契約書で今まで問題なく業務フローが回っているところに対して、電子契約の仕組みを導入することで混乱しないか、法的な部分で大丈夫なのか、といった不安はゼロではありませんでした。その不安を払拭するためにも、Accel-Martの申込みに関わる業務の一部からスモールスタートすることにしました。クラウドサインや電子契約の利便性を、社内でまずは体験してもらおう、と考えて始めたプロジェクトでもあります。

電子契約のサービスは他にもありましたが、やはり国内で導入実績が多く、法的な部分もクリアにしている弁護士ドットコムが提供しているというのが、1つの安心材料になりましたね。

導入後、利用している社員の方の反応や業務上の変化など、効果を実感しているところがあれば教えてください。

黒田様
一番のポイントとしては、今までメールやチャットなど、お客様とのやり取りの方法がバラバラになっていたところを、ウェブフォーム化とクラウドサインとの連携によって統一、標準化することで、業務プロセス全体を可視化できたことですね。どの申込みがどの処理まで進捗しているのか、今何件の契約が進行しているのかなど、はっきりわかるようになりました。

「思った以上に、スムーズに、スピーディーに契約処理ができる」ということを社員の皆さんにも感じてもらえているようです。お客様とのやり取りも手戻りが減ったことで、Accel-Martの環境構築にかかる時間も短くなっていて、申込みから利用開始までのリードタイムは以前と比べて2~4割程度短縮できています。

村田様
付け加えると、以前は紙書類で申し込んでいただいた後、そこから人の手を介したデータ化の作業が発生していたので、入力ミスをする可能性がゼロではありませんでした。今ではお客様が入力した情報をそのまま確実にデータ化できるようになっていますので、手作業がなくなり、ミスするリスクもなくなっています。ワークフロー上、統一した方法でやり取りができるおかげで、プロセスの進捗を追いきれずに「契約書は届いていますか?」とお客様にメールで再確認するような非効率な作業もありません。

今後クラウドサインの活用を広げていくとすれば、どういったことが考えられますか。課題もありましたら教えてください。

黒田様
現在のところお客様との契約で利用しているわけですが、たとえば新入社員が入社時に記入したり、同意したりする書類にも活用できるのではないかと思っています。あとは、協力会社様やパートナー企業様との業務委託契約などについてはまだデジタル化を進められていないので、それらも含めできるところから導入を広げていきたいですね。

村田様
契約済みのPDFファイルの管理をどうするべきか、今後の検討課題の1つでもあります。クラウドサインとの連携をさらに強化するのか、intra-mart側で統合的に管理するのか、より使いやすい方法を見つけられればと考えています。今後、契約書の件数はどんどん増えていく見込みですし、そこで手作業が残っているとどうしてもミスの可能性は高くなってしまいますので、なるべく早いタイミングで方針を決めたいと思っています。

これからクラウドサインを活用しようと思っている企業に向けて、アドバイスやメッセージなどありましたら。

黒田様
ただ単純に契約書の締結まわりをクラウドサインにしようとしても、スムーズに導入できないケースは多いのかなと思います。会社によってはその前後にさまざまな業務がひもづいていたりしますので、それぞれのツールを個々に導入することで、業務プロセスが分断されてしまう恐れもありますし、社内の承認プロセスが複雑で様々な条件、分岐を考慮する必要もあると思います。
そういった前後のプロセスも含めて可視化して業務自体を見直し、デジタル化することが、電子契約サービス活用の近道ではないかと考えています。業務の始まりから終わりまでの一連の業務プロセスをデジタル化する、というところを、クラウドサインが後押ししてくれることは間違いありません。

村田様
まずは小さなところから、ですよね。いきなりすべての契約をデジタル化するのは難しいですから、小さなところからどんどん広げていくのがいいのだと思います。今回、当社の場合もサービスの利用申込みというごくシンプルなところからスタートしました。サービスの利用申込みにおける契約は、当社と相手側とで法務部門同士のやりとりが不要な内容だったこともあってデジタル化しやすい業務・契約を選択しました。導入にあたっては、そういったシンプルなところからスタートし、成功事例を作っていくことをおすすめしたいですね。

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