導入事例CASE STUDY

「管理コスト低減」「事業部門の手間低減」を目標に推進したアパレルメーカーのDX

  • 2021年10月1日(金)

MARK STYLER株式会社
法務部 小川徹様

 

今の市況では、デジタル化に取り組めるかどうかで勝ち負けが決まってきます。

最初に御社の事業内容について教えてください。

当社MARK STYLERは、ヤングレディース向けを中心としたファッションブランドを展開するアパレルメーカーです。10年以上前から始まっているブランドもあって、現在はEMODA、MURUA、Ungridなど15ブランド、従業員1000名ほどを抱えています。

百貨店などを通じた店舗販売に加え、自社ECサイトの「RUNWAY channel」や他社ECでの通信販売も積極的に行っています。アパレルメーカーとしてはECに力を入れていることと、社内に在籍する複数のインフルエンサーがSNSを通じて日々情報発信していることも、他社と比べたときの特徴的な点かと思います。

どういった経緯でクラウドサインの導入をご検討いただいたのでしょうか?

かなり初期の頃からクラウドサインは知っていました。知名度がどんどん上がっていく様をずっと見ていて、いつかこれは導入したいなと思っていたんです。当社はずっと紙の稟議書などを使っていましたので、それを電子化していくための環境がいよいよ社外的にも、社内的にも整ってきたと感じたのが2、3年前。そのタイミングで会社に提案して導入検討が始まりました。

クラウドサインをお選びいただいたポイントなどもしあれば教えて下さい。

信頼性が高いというところももちろんありますが、検討する上でクラウドサインが発信している情報が多く、知名度もあったので社内に説明しやすかったというところが大きいです。

紙書類で運用してらっしゃいる上で、具体的にどんな課題がありましたか。

管理部門と事業部とで、それぞれに別の課題がありました。管理部門では、契約や書類の管理コストが問題で、当時は申請後、各部署などに回っている書類が今どこにあるのかを表計算ソフトで管理していました。担当者にチェックしてもらう、回収する、回収した、誰に持っていった……のようなステータスを随時手で記録していたので、負荷はものすごく高かったと思います。

一方の事業部サイドとしては、決裁までが「遅い」という不満があるようでした。もちろんそれは、紙書類であちこちに回していて、管理部門のスタッフが駆けずり回っているような状態だったからなんですが……。ですので、主な電子化の目的はペーパーレス化による管理コストの削減と、社内決裁のスピードアップでした。

管理部と事業部でそれぞれ課題を感じてらっしゃったのですね。
導入にあたっては、どのような流れでクラウドサインを社内に浸透させていったのでしょうか。

最初は、書類の電子化をしたいというニーズがどれくらいあるのかを直接確認していきました。たとえば各ブランドごとに事務処理の担当者がいるので、そのスタッフ1人1人に個別ヒアリングして、さらにその上のマネージャー層にもヒアリングしました。最後に導入・運用コストについて経営層に会議で諮って導入した、という流れです。経営層への提案のなかで、競合他社がすでに導入していることを伝えたのが功を奏したのかもしれません。

現在どういった形でクラウドサインを利用されていらっしゃるか教えて下さい。

法律上まだ電子化ができない契約書以外は、どの契約でも使っていいと社内では説明しています。今のところ、洋服のデザイナーの方やプロモーションを手伝っていただいている個人との業務委託契約については、ほぼ100%クラウドサインです。

弊社の場合はブランドごとにそういった契約が発生しているので、件数としてもそれなりの件数が発生しています。

また工場やメーカー、小売店や卸など企業との売買の基本契約についても、合意が取れた3~4割とはクラウドサインでやりとりさせていただいています。

ですが、アパレルメーカーとして一番多い契約は、百貨店などへの出店に関わる契約、いわゆる定期建物賃貸借契約なんです。これについてはまだ法律上電子化が認められていないので、契約業務の全体の半分ほどがクラウドサインに移行できないのは残念なところですよね。

利用に際して現場サイドから抵抗感を示されることなどはなかったのでしょうか?

クラウドサインの導入について、現場サイドで難色を示す人は1人もいませんでした。

基本的には便利になる、という話ですから。元より「絶対にクラウドサインを使うこと」という決め方にはしていませんでした。こういう新しいツールの導入で大事なのは「目標設定」だと思っています。当初の目標設定はそもそも「管理コストを下げること」と「事業部門の手間を減らす」ことの2つだけ。

事業部門が相手方にクラウドサインの利用について説明したときに、「その交渉が大変になるようだったら無理にクラウドサインを使わなくてもいいよ」と最初から言っていました。電子化のために何度もやりとりするくらいなら、紙で製本して送っちゃった方が早いですからね。

ただ、企業との売買契約などでは、印紙を省けることによるコスト削減のメリットが双方ともに大きいので、少し頑張ってクラウドサインを使えるように交渉してほしい、という話にはしていました。とはいえ、手間を減らすことが第一なので、そこですごく頑張って交渉する必要はないよ、という話はいつもしています。

電子契約にするメリットを現場サイドの皆様にもお伝えいただいたということですね。
クラウドサインの使い方などについては、従業員の皆様の間で戸惑いやつまづきはありませんでしたか?

社内では説明会を頻繁に実施しましたし、それでもわからないときは都度説明して……というのを導入後の1年半くらいは続けました。最初は事業部側で操作するところもあってミスが発生することも少なくなかったんですが、ワークフローがすべてオンライン化してからはクラウドサインの送信の業務は法務部の方で巻き取ったので、今はほとんど手間がかかっていません。

ただ、クラウドサインを使って契約するときに必要な情報、例えば相手方のメールアドレスや会社代表者のお名前、相手方の決裁ルートなどの情報を事業部門の方でヒアリングしなければいけない、というタスクは残っているので、そこをいかにスムーズに処理していけるかは今後の課題でもあります。

それでも2021年1月からは、Microsoft 365のフォーム作成機能「Microsoft Forms」を使って、そうした必要な情報を相手方に簡単に入力してもらえる仕組みを作るなど、少しずつ改善しています。おかげで細かい補足説明をせずに済んでいるので、手間はさらに少なくなってきているとは思います。

紙書類からデジタルになって、運用の仕方はどう変わりましたか。

たとえば個人との業務委託契約では、導入当初は紙での運用も残っていて、紙に押印したい場合はそれまでと同じように紙で押印申請してもらうことになっていました。しかし、そうではなくクラウドサインを使う場合はそれを押印申請の代わりにすることにして、事業部門からの紙の押印申請を不要にしました。 そのときの全体的な流れを改めて説明すると、最初に「誰と契約したい」という契約稟議を紙で申請して承認が下りたら、後の決裁までのルートはすべてクラウドサイン上で流れて相手にメールが送信され、相手の確認や署名で契約締結が完了する、という形でした。2020年には契約稟議も含めた社内のワークフローのほとんどがオンラインで完結する仕組みが整いましたので、今はほぼペーパーレスになっています。

クラウドサインの導入後、特に効果があったと実感するようなところはありますか。

契約締結のスピードは間違いなく上がっていると思います。このコロナ禍で、出社することなくオンラインで契約締結できるのは間違いなく大きなメリットですし、印紙を省略できることによるコスト削減の効果もあります。あと、管理部門のスタッフの契約締結に関するリテラシーが少し上がったかもしれません。

以前の紙書類のときは、相手方に契約書を送ってしまえばそれで終わり、という雰囲気になっていました。その後、相手方から押印・署名されて返送されてきた契約書を受け取って、その内容が正しい状態で、さらに整理した形で保管されているかどうかまでは細かく把握できていなかったところもあるかもしれません。

しかし、クラウドサインであれば今契約書がどういう状況かがオンラインでいつでも把握できます。定期的にステータスをチェックして、滞っているようならリマインドメールを送ることもできる。確実な契約書類の管理が可能になったという意味で、社員の契約業務のリテラシーは上がったんじゃないかなと思います。

今後、クラウドサインをどのように活用していきたいか、展望がありましたら教えて下さい。

個人的にはクラウドサインの利用件数はもっと増やしたいですね。たとえば継続的に契約が発生している既存取引先での利用を少しずつ拡大していきたいと思っています。今、法務部は僕1人だけでマンパワーが足りていないので、あともう1人くらい一緒に動ける社員を採用できればと考えています。 紙の契約書についても社内では全部手作業でスキャンしてPDF化しているんですが、細かな書類情報までは手間がかかるので付加できていません。将来的には、それらの契約書データも含めてすべてクラウドサインで管理できるようにするのが理想ですので、取り込みを代行してくれる「クラウドサイン SCAN」の活用も検討していきたいですね。

クラウドサインが提供する紙の契約書の一元管理方法

コロナ禍でアパレル業界としては厳しい状況ではないかと存じます。その打開策的な意味合いで、クラウドサインのようなツールか何か貢献できそうなところはあるでしょうか。

競合他社も含め、こういったクラウドサインなどのツールを導入していく動きは、アパレル・ファッション業界全体がDXを目指していくんだ、という1つのメッセージになっていると思います。ECによる通信販売は業界にかなり浸透してきていますが、他のデジタル化、DXにつながるツールに対する期待値も、当社に限らずどの企業にとっても高いのではないでしょうか。

この業界では相互作用みたいなものもあって、1社が新しいツールを使っていたら、お付き合いのある他の企業や個人の方にも影響しやすい。アパレルはそこまで厳しい競争意識がある業界ではないので、別々の企業が同じデザイナーやインフルエンサーを起用していることもあります。1社がクラウドサインを使っていたら、その便利さを実感した人が他にも広げていく、みんなが使うことでツール導入のハードルが下がっていく、というのはあるかもしれません。

これからクラウドサインを活用していきたいと考えている、特にアパレル業界の方に向けてメッセージをお願いします。

アパレル業界はかつて契約を正しく結ぶ商慣習があまりないと言われていました。口頭で物事が進んでいくようなことも多々あったんです。契約を結ばない大きな理由の1つは、単に企業側が「面倒だから」だと思うんですが、そのせいでトラブルになることが少なくなかったはずです。

クラウドサインであれば、紙の契約の面倒なところを解消でき、しかも互いにリスクをヘッジできる優れたツールです。ですから、企業のデジタル化、DXをまずは電子契約から簡単に始めてみてほしいですね。とりわけ今のような市況の良くないなかでは、デジタル化に取り組めるかどうかで勝ち負けが決まってきてしまう部分もあると思います。そういう意味でも、まずは契約書を電子でしっかり締結するところから取り組んでみてはいかがでしょうか。

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