不動産業

電子契約が安価で高品質なサービスを支える。IT重説と組み合わせて顧客第一の不動産売買を実践。

  • 2022年7月13日(水)

株式会社不動産流通システム
代表取締役 深谷十三様
取締役 管理本部 マーケティング・PR部 部長 坂口誠二様
管理本部 菅野洋充様

 

不動産を売買するときに必要になる仲介手数料が、一般的な不動産会社よりもひときわ低いことで注目されている不動産流通システム。顧客メリットを追求するべく、アナログ業務の多い不動産業界でありながら、他にはないスピード感でデジタル化を推し進め、徹底的なコスト削減を図っています。

クラウドサインで契約業務を電子化することも、そんな流れのなかでは必然でした。不動産売買などの重要事項説明をオンラインで行う「IT重説」も組み合わせることで対面の契約手続きを省略したほか、営業拠点の合理化によってコスト削減を図れる体制づくりも行い、さらなる業務効率の向上を達成しようとしています。

お客様のためにも不動産取引をオンラインでできるように

御社では契約にかかわらず業務のデジタル化を積極的に進めていると伺っています。その理由をお聞かせいただけますか。

深谷様

当社は不動産売買の仲介手数料をかなり安く設定しています。それを維持するためには、業務において省けるところはどんどん省いていかないとなりません。そのための一番最初に取り組みやすいところが業務の電子化でした。事業として成り立たせるためにも合理化を追求するのはマストで、デジタル化やDXは今後も突き詰めていかなければならないポイントです。

例えば当社はコロナ禍になる以前からテレワークを実践していました。従業員が増えてくるとオフィスが手狭になり、物理的にデスクが入らないので、オフィスを広げるか移転するしかなくなります。従業員が増えるたびにオフィスを拡張していくのは非効率ですから、出社しなくても仕事ができるように、ということでテレワークを導入しました。

また、不動産の契約手続きや重要事項説明を対面で実施しようとすると、物件の売主様、買主様、それぞれの仲介業者、銀行の方など大勢が集まることになり、広い会議室が必要になってしまいます。その場所を確保するのも大変です。契約業務を電子化して非対面でできるようになれば、広い拠点は必要なくなりますし、各地に営業所を置く必要もなくなりますので、経費節減などの合理化ができると考えました。

「IT重説」にもいち早く取り組まれています。

深谷様

不動産取引が非対面で手続きできるようになることは、お客様に大きなメリットがあると考えています。これまでお客様は、お仕事帰りなどに重要事項説明や契約の手続きのためにご来店くださっていました。重要事項説明は、2時間ほどかかることもあります。お疲れのところ、わざわざ当社までお越しいただいて長時間の説明をお聞きいただくよりも、帰宅されてからリラックスした状態でオンラインでお聞きいただくほうが良いはずです。お客様に対するサービス品質の向上のためにも、IT重説には早くから取り組んでいました。そして2022年5月からは、宅地建物取引業法の改正により、契約書を書面ではなく電子契約で締結することも可能になりました。IT重説に加えて、お客様が電子契約による手続きをご要望された場合は、すぐに対応できるようにしています。

代表取締役 深谷十三様

社内の費用・時間・労力を削減し、さらに顧客からの好印象にもつながる

電子契約サービスとしてクラウドサインを導入されました。現状の用途と、効果として実感しているところがあれば教えてください。

深谷様

現在のところ、クラウドサインは管理部と営業部で活用しています。管理部では対法人の取引で電子契約を利用しており、紙書類に比べて契約締結に関わる業務効率が格段にアップしました。また、不要になった紙書類はシュレッダーで廃棄しているのですが、電子化によってそういった廃棄処理すべきものも今後減っていくだろうと考えています。

営業部では媒介契約でクラウドサインを利用しています。お客様のご要望次第にはなりますが、不動産売買契約や重要事項説明の電子化にも対応しています。宅地建物取引業法の改正前までは、お客様がIT重説を選択された場合、紙で作成した重要事項説明書を事前に郵送する手間がかかり、お客様から署名・捺印いただいた書類の返送も必要でした。契約を電子化すれば書類を紙で作成する必要がなくなり、同日内に契約が完結するため、費用や時間、労力が大幅に削減されます。

費用面については、印紙税が不要になることも大きいですね。不動産売買は一般的に高額ですから、印紙税もそれに合わせて3万円、5万円など高額なものになりがちです。お客様にとってどれだけメリットがあるか、というのが当社のテーマですので、電子化で印紙代がなくなるというのはわかりやすい効果ですね。

坂口様

さきほど深谷が話したように、仲介手数料を安価に設定していることもあって、当社にお越しになるお客様はコスト意識の高い方が多いのです。そのため、電子化でコスト削減に注力していることが伝わると好印象をもっていただけることがあります。紙書類で契約締結を行った際、その煩わしさから書類をまとめるクリアファイルはいらない、封筒に入れてもらえればいい、というお客様もいらっしゃいました。紙書類がなくなる電子契約は、さらにプラスに捉えていただける可能性が高いと思っています。

取締役 管理本部 マーケティング・PR部 部長 坂口誠二様(右)
管理本部 菅野洋充様(左)

お客様からの要望に応えるためにも業界の電子契約化を後押ししたい

今後、不動産業界全体としても、御社のように契約の電子化、業務のデジタル化に進んでいきそうでしょうか。

深谷様

不動産業界にはいまだにFAXを利用する文化があります。そもそも平均年齢が高い業界でもあって、アナログな業務からの脱却はすぐには難しいと感じています。我々のように電子契約サービスを導入していても、契約相手となる他の業者の方が電子契約に対応していただけないと意味がありませんし、業界自体の電子化の歩みはゆっくりになるのでは、というのが正直なところです。

とはいえ、電子契約が新たな常識として社会に広がっている中、今後はお客様からの電子契約の要望も増えてくることになるはずですし、実際にニーズも見えてきています。お客様から電子契約のご要望が高まれば、それに応えられない業者は競争力を落とすことになります。お客様にとって電子契約が当たり前の選択になっていく流れを作れたら良いと思います。当社が率先してさらなる業界の電子契約化を進めていくことで、微力ながらその後押しができればと考えています。

菅野様

顧客管理のためのCRMはもちろん、経費精算をスマートフォンだけで完結できるSaaSの導入も進めています。こうしたDXの動きは、仲介手数料を抑えることに止まらず、お客様に対してより品質の高いサービスを提供するためにも必要なことです。これからも契約に限らず、さまざまな業務をデジタルにシフトして効率化を図っていきたいですね。

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