電子契約のデメリットとは?導入済み企業の解決策・対処法を解説

「電子契約を導入したいが、上司や取引先をどう説得すればいいのか」「導入後に思わぬ落とし穴はないのか」——そんな悩みを抱える法務・総務担当者やDX推進責任者の方は少なくありません。
結論から申し上げますと、電子契約には特有のデメリットが存在しますが、その多くは適切な運用設計とツールの選定によって解消可能です。本記事では、2026年現在の法規制に基づき、電子契約のデメリットとその具体的な解決策を解説します。
無料ダウンロード

クラウドサインではこれから電子契約サービスを検討する方に向けた「電子契約の始め方完全ガイド」をご用意しました。電子契約サービスの導入を検討している方はダウンロードしてご活用ください。
ダウンロードする(無料)導入前に押さえるべき5つのデメリットと解消法
電子契約の導入において直面する課題は、操作性よりも「心理的・慣習的な抵抗」や「法的解釈の整理」に集約されます。
1. 社内の「現状維持バイアス」と調整コスト
【課題】 長年慣れ親しんできた「紙と押印」の運用フローを変更することに対し、現場から心理的な抵抗が生まれるケースです。このケースでは、ITリテラシーへの不安というよりも「自分がずっとやってきた業務の進め方を変えたくない」という「現状維持バイアス」が原因であることがほとんどです。
【解決策】
- 段階的な導入: 雇用契約書やNDAなど、自社内で完結しやすい定型書類からスモールスタートし、成功事例を積み上げましょう。
- 導入支援サービスの活用: ツール選定の際、機能だけでなく「社内説明会の代行」や「運用マニュアルの雛形提供」など、導入支援が充実しているベンダーを選ぶことで、担当者の負担を軽減できます。
2. 取引先への説明と協力依頼の負担
【課題】 自社で電子契約サービスを導入しても、取引先から電子契約利用の承諾を得られなければ活用が進みません。特に、相手方の法務部門から「電子署名の有効性」について問われることがあります。
【解決策】
- メリットの明示: 取引先にとっても「印紙税の削減」や「郵送手間の解消」という明確な利益があることを伝えましょう。
- 類型を絞った提案: 全ての契約を一度に切り替えるのではなく、まずは通数が多い注文書や請書から提案し、ハードルを下げる運用が推奨されます。
なお、クラウドサインでは、はじめて電子契約を受け取った方(受信者)向けに、電子契約の基本がわかる対応マニュアルをご用意しています。取引先から電子契約の締結を打診された際の参考資料として、ぜひご活用ください。
無料ダウンロード
3. 契約締結日の「バックデート」が不可能
【課題】 電子契約はタイムスタンプによって「いつ合意したか」が正確に記録されるため、実際の日付よりも過去に遡って契約したことにする「バックデート」は物理的にできません。
【解決策】
- 運用フローの見直し: 電子契約導入を機に、承認フローのリードタイムを短縮する体制を構築しましょう。
- 契約開始日の柔軟な設定: 締結日(電子署名日)と、実際の契約効力発生日は別に設定可能です。過去日を契約開始日とする運用で実務上のギャップを解消できます。
- コンプライアンスの強化: バックデートができないことは内部統制の健全化に寄与し、契約の透明性と信頼性が高まります。
4. 法令により電子化が制限される契約類型の存在
【課題】 現在、農地の賃貸借契約以外はほぼ電子化が可能ですが、事業用定期借地契約など「公正証書」が必要なものは民間サービス単体では完結しません。また、相手方の事前承諾が必要な類型も存在します。
【解決策】
- 例外の把握とフロー構築: 電子公証が必要な書類をリスト化しましょう。「ドラフト合意までは電子で行い、本締結は公証役場で行う」といったマニュアル整備が重要です。
5. ベンダーロックインのリスク
【課題】 一部のサービスでは、解約後に「誰がいつ同意したか」の証拠を維持できなくなるリスクがあります。
【解決策】
- 検討時の要件確認: ①契約当事者名が記録されるか(当事者指示型か)、②長期署名が付与されているかを確認しましょう。これにより、解約後も汎用ツールで有効性を検証可能です。
法的効力とコンプライアンスの根拠
法務部門が懸念する「法的効力」は、主に以下の点によって担保されています。
電子署名法による証拠力の担保
電子署名法第3条により、適切に管理された電子署名は書面への押印と同等の法的効力が認められます。裁判においても、タイムスタンプとの組み合わせは強固な証拠となります。
改正電子帳簿保存法への対応
2024年1月の義務化以降、電子取引データの保存は全企業に課せられています。当サービスのようにJIIMA認証を取得しているシステムなど、「訂正削除の履歴が残る」「取引日・金額・取引先で検索できる」という要件を満たしたシステムを利用することで、税務コンプライアンス上のリスクを最小化できます。
失敗しないサービス選定:機能よりも「サポート体制」
電子契約の導入を成功させる鍵は、単なるコスト比較や機能の多さではなく、実務への「定着」を支援するサポート体制にあります。
導入社数250万社以上、累計送信件数1000万件超と国内シェアNo1※の電子契約サービス「クラウドサイン」は、法務・情シス担当者が抱える導入時のハードルを解消するために、以下の3つの側面から徹底した支援を行っています。ここでは、クラウドサインのサポート体制をメインに、サービス選定の失敗を避けるためのポイントを解説します。
※株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場2025年版」(電子契約ツールベンダーシェア、2024年度実績)
① 「取引先への説明」を不要にする圧倒的な知名度
デメリットの第2項で挙げた「取引先の承諾」において、最も有効な対策は相手方が既に知っているサービスを選ぶことです。
クラウドサインは国内の電子契約市場において高いシェアを占めており、既に多くの企業が受信側として利用経験を持っています。「クラウドサインでの契約」というだけで、相手方の心理的ハードルを下げ、説明工数を最小化することが可能です。
② 導入担当者の負担を軽減する導入支援コンサルティング
社内の現状維持バイアスを突破するためには、論理的な説明だけでなく、具体的な運用フローの設計が必要です。クラウドサインでは、導入時の課題に合わせて以下のような支援を提供しています。
- 運用設計のコンサルティング: 既存の押印フローをどう電子化するか、業務に合わせた最適な設計を提案。
- 社内説明会・マニュアルの提供: 担当者がゼロから作成する手間を省き、スムーズな社内合意形成を後押し。
>クラウドサインの「導入サポート」詳細はこちら
③ 解約後も証拠力を維持する「オープンな標準規格」
ベンダーロックインのリスク(デメリット第5項)に対し、クラウドサインは国際標準規格である「長期署名(PAdES)」を採用しています。
これにより、万が一サービスを解約した後でも、ダウンロードしたPDFファイル単体で「誰がいつ合意したか」の有効性をAdobe Acrobat等の汎用ソフトで半永久的に確認できます。特定のプラットフォームに依存しすぎない、健全なガバナンス構築を支援します。
弁護士ドットコム株式会社が運営するクラウドサインは、日本の商習慣と法規制に深く精通しています。2026年現在の最新の法制度(改正電子帳簿保存法など)への対応はもちろん、組織の意思決定を支援する法的・実務的な知見の提供においても、導入企業のDX推進を強力にバックアップします。
デメリットを「管理の高度化」へ転換し、ガバナンス強化を実現
電子契約の導入過程で見えてくるデメリットの多くは、アナログ運用では曖昧にされていた課題が可視化されたものです。これらを一つずつ解消することは、単なる効率化にとどまらず、組織全体のガバナンスを強化することに繋がります。
次のステップとして:リスク分析資料の活用
書面契約と電子契約のリスクを具体的に比較し、社内説明にそのまま使える「電子契約のリスク分析ホワイトペーパー」をご用意しました。下記フォームより無料でダウンロードいただけますので、電子契約の導入を検討している方はぜひご覧ください。
無料ダウンロード
この記事を書いたライター
橋詰卓司
弁護士ドットコムクラウドサイン事業本部リーガルデザインチーム
弁護士ドットコムクラウドサイン事業本部マーケティング部および政策企画室所属。電気通信業、人材サービス業、Webサービス業ベンチャー、スマホエンターテインメントサービス業など上場・非上場問わず大小様々な企業で法務を担当。主要な著書として、『会社議事録・契約書・登記添付書面のデジタル作成実務Q&A』(日本加除出版、2021)、『良いウェブサービスを支える 「利用規約」の作り方』(技術評論社、2019年)などがある。