導入事例

飲食業サービス業

老舗ブライダル企業がつくる『大切な日の思い出』の裏側にあるDX

  • 2022年2月18日(金)

株式会社八芳園
執行役員 経営管理部 部長 藪嵜正道様
ブライダル&ライフイベントプロデュース事業部 統括支配人 関本敬祐様
経営管理部 DX推進室 マネージャー 豊岡若菜様

 

1943年創業、78年目を迎える老舗結婚式場である株式会社八芳園様。
「日本人にはこころのふるさとを。海外の方には日本の文化を。」を企業理念に、お客様に深いくつろぎを感じていただき、お客様にとって特別な時間を提供することを大切にしています。

伝統を守る一方で、「変えていくもの、変えてはならないもの」をしっかりと見極め、変革を恐れないベンチャースピリットと伝統の融合も重視し、その一環として社としてDXにも精力的に取り組んでおられます。同社ではどのように社内のDXを推進し、またクラウドサインをどのような形で活用しているのかお話を伺いました。

生産性向上や人件費圧縮のためにデジタルをどう使うか。

DX推進に取り組んだ経緯を教えて下さい。

藪嵜様
きっかけとしては生産性向上や人件費高騰の課題をどう解決するのかというところです。いわゆる我々のような飲食サービス業、その中でもブライダル業界については15年前くらいから人件費の高騰という大きな課題がありました。生産性向上や人件費圧縮を考えなくてはならない状況の中で、一番最初に論点として上がってきたのがデジタルをどう使っていくか?ということです。今から5〜6年前くらい、DXという言葉が世の中で使われるようになる前からすでに検討を始めていました。

初めの頃はクラウドサービスを活用するということではなく紙をどうなくしていくか、紙のデジタル化というところを進めていました。当時はいわゆるDXのレベルまでは至っていません。まずはデジタル化が土台にあり、IT化、DX化があると言うことを信じ、これまで続けてきました。

DX推進に取り組む中で現場スタッフの反応はいかがでしたか?

藪嵜様
反対する声は正直ありました。接客業ですし、普段からデジタルツールに触れているわけではないので、デジタル化に対するアレルギー反応はかなり強い業界だと思います。

そのため、デジタル化する順番を工夫しました。まずは給与明細や勤怠システムなど強制的に自分たちに関係する部分からデジタル化していきました。その後に攻めのDXと言いますか、売上につながるマーケティングや名刺管理などをデジタル化していきました。売上に直結する部分から優先したいのはやまやまですが、あえてスタッフに近い部分からデジタル化していきました。

執行役員 経営管理部 部長 藪嵜 正道様

ブライダル業界特有の問題「式場見学での長時間拘束」お客様の負担を少しでも減らすため契約業務の電子化へ。

電子契約の導入のきっかけと紙での契約業務で感じていた課題を教えて下さい。

関本様
ブライダル事業でいきますと、式場のご見学後に実際のご契約という流れになるのですが、初めてご来館いただくと館内の見学やご説明で3〜4時間程度かかります。その後契約となると更に2時間程度かかっていました。つまり1日6時間程度お客様のお時間をいただく必要がありました。よくブライダル業界でお客様から言われてしまう「帰らせてもらえなかった」の声には、このような背景があるんです。式場の見学やご成約にかかるお客様の負担を減らしたいという思いがありました。

また契約書類の管理も改善したいポイントでした。ブライダル事業では年間で約2000組以上のお客様との契約が発生しています。それらをすべて館内の倉庫にて紙で管理していたため、簡単に過去の契約書を確認できませんでした。

豊岡様
電子契約を検討し始めたきっかけは、紙の契約書の保管場所がかさばっていた点と、問い合わせを受けた際にそこから契約書を探すのが大変だった点を課題に感じていたからです。

あとは攻めるという視点では、新しい顧客を探したり、過去に結婚式を挙げてくださったお客様に次の記念日などのご案内をしたりしようとした場合、データ化されていないといちいち紙で確認しなくてはならないのでデータ化を進めていく上でも電子契約を検討しました。

クラウドサインMAKEを選んだ理由やポイントはありますか?

豊岡様
もともと2020年頃からkintoneで顧客データの管理を行っていたので、連携ができるものをと考えていました。八芳園の別の事業部でクラウドサインを利用していたこともあり、kintoneと連携できるクラウドサインMAKEを選択しました。

クラウドサインは連携のための手順書がしっかり整っていたのも導入の決め手の1つです。導入時、最初は外部ベンダーにkintoneとクラウドサインの連携部分の構築をお願いしようとしていたんですが、クラウドサインからもらった手順書を見るととても簡単で手順書通りに進めたらそのまま連携設定が完了しました。手順書がしっかりしているのでちゃんと読めば誰でも利用できるのではないかと思います。

今回は連携用にkintoneに新たにアプリ(※)を1つ作りました。具体的には契約することが決まったお客様の情報をシステムで吸い上げて、CRMと連携するようなアプリを作っていて、そのアプリと連携をしています。

(※)kintone上でデータやプロセスをシステム化する機能のことを「アプリ」と呼びますhttps://jp.cybozu.help/k/ja/glossary/app.html

今回のクラウドサインとkintone連携のようにシステム同士で連携などを行うことも貴社では多いのですか?

豊岡様
はい、複数のシステムを連携させて運用をすることが多いです。一度大きなシステムを構築してしまうと、軽微な改修の要望が出た際に、改修の影響範囲が大きくなってしまうことがあるなど運用面での課題が発生してしまいます。複数のシステムを連携させて運用すると、改修の要望が出た場合に、それぞれのシステムに関わる部分だけを改修すれば良いので、部品の改修で済むように比較的簡単なことが多く、便利だと感じています。

DX推進室としてクラウドサインに限らず様々なサービスを選定することもあるかと思いますが、その際に意識しているところなどあるのでしょうか?

豊岡様
UIが分かりやすく、直感的に操作することができるという点は重要視しています。スタッフのITリテラシーがあまり高いわけではないので、高機能だけど使うのが難しいとか、画面がごちゃごちゃしていてどこをどう操作すればよいか分からないといったサービスは、導入をしても活用されないので、このボタンを押すだけなど操作が簡単なものを探すようにはしています。

ブライダル&ライフイベントプロデュース事業部 統括支配人 関本 敬祐様

現在どのようにクラウドサインを活用されていらっしゃいますか?

関本様
ブライダル事業にて、結婚式にかかわる契約書に利用しています。式場見学後に契約に関わる流れや規約・約款などを対面でご説明したあと、翌日に新郎新婦様にメールで契約書が届くようになっています。

社内推進を進める上で工夫された部分はございますか?

関本様
導入に際しては一気にスタートせず、契約書の電子化に関するプロジェクトを立ち上げ、プロジェクトメンバーが推進リーダーとしてスタッフ全体に説明やレクチャーをできるような形にしました。

まずはプロジェクトメンバーがクラウドサインを利用し、業務をどれだけ短縮できるのかを実感したうえで、他のメンバーにその良さを伝えていったというところがポイントかなと思います。現場ででてくる質問などもプロジェクトメンバーに集約することで、スムーズに導入が進みました。

豊岡様
すでに使い慣れたkintoneを軸にしてクラウドサインにログインすることなくkintone上から契約書の送信を行うという運用にしています。契約書送信ボタンを押す作業などもRPAで自動化しています。スタッフが1通ずつ契約書を送るという作業をしなくていいように工夫しました。

また、利用推進する上で社内のリーダーを決めておくことは重要だと思います。まずはこの人に聞く、この人に相談するという人を作っておいたことで、混乱なく導入ができたと思います。

導入後、社内からはどんな声が上がっていますか。

関本様
スタッフからは初めは戸惑いの声や、本当にこれがお客様のもとに届いているのが不安とかというコメントが多かったんですが、実際に使い始めると2週間くらいでスタッフは慣れて、「クラウドサインがすごい楽」といった雰囲気に変わりました。1ヶ月経った頃には、元の紙でのやり方を忘れてしまうくらいには浸透していました。

豊岡様
本当に簡単という一言につきます。現場スタッフはkintone上から締結依頼のメールを飛ばすだけでよいですし、契約書の文面が変わったらその部分だけ差し替えるだけで対応が可能です。今までの紙の契約書のように印刷し直して、という手間がかかりません。

また契約書がいま誰で止まっているのかなどの進捗状況もkintoneの画面上で一目瞭然なので、都度上長や、お客様に確認する必要がなくなり効率化できたなどの声が多くあります。

ご実感いただいた成果などあれば教えてください。

関本様
契約業務に関わる時間の削減です。

先ほどお話ししたとおり、初めてご来館いただくと館内の見学などを合わせて3〜4時間程度かかり、その後契約業務となるとそこから2時間程度必要になります。

クラウドサインを導入したことにより、2時間かかっていた印刷や郵送、お客様へのご説明という契約業務を15分程度で済ませることが可能となりました。お客様にかかる負担の軽減はもちろんですが、契約業務の負担が減ることでスタッフが次に対応するお客様の準備の時間をとることができたり、今まではゆっくりとれなかった休憩の時間をとることもできるようになりました。

契約となると、実際に紙でサインをするイメージを持たれる方が多いと思いますし、抵抗感を示されるお客様もいらっしゃるのではないかと思っていたんですが電子契約での契約の流れを説明すると、「八芳園は進んでいますね」というお声をいただくことも多いです。

経営管理部 DX推進室 マネージャー 豊岡 若菜様

費用対効果だけを重要視するとDXは進まない。重要なのは変化に対応するチャレンジを継続的に実施していくこと。

現在の貴社のDXの達成度でいくとどのくらいでしょうか?

藪嵜様
DXやデジタル化と言うのは経営に近い位置にあります。ビジネスはずっと継続していくものであり、100点にはならないものです。弊社のDX達成度は現状ではまだまだ35点くらい、スタートを切ったところだと考えています。

ただ、幸いにも同業他社から見たときにデジタル化は一定進んでいると言う評価もあり色々とDXについて質問を受けることも多いんですが、よく聞かれるのが「サービスを入れてどのくらい効果があったのか?」という質問です。これは経営層に近い人間であれば、サービスを活用した場合どれくらい費用対効果があるのかを気にする、これは当たり前だと思います。ただ費用対効果だけを重要視するとDXは進んでいかないと私は思っています。

弊社ではクラウドサービスを10サービス前後導入していますが、費用対効果が出ているもの、まだなものありますのでDX化としては道半ばというところでしょうか。

よく話しているのが、デジタルトランスフォーメーションの中でも大事なのは、変化を指すトランスフォーメーションのほうであって、デジタルではないということです。デジタルに限らずイノベーションやチャレンジといった、物事を前に進めていくという考え方こそが大切だと考えています。そこが進んでいけば今のご時世ではデジタルは必ずついてくる。

そう言う意味ではチャレンジをしている会社になっていかなければならない。コロナ禍でより不透明な時代になった中で、変化に対応するチャレンジを継続的に実施していく。それが理想のチームだと考えています。

今後クラウドサインをどのように活用していきたいですか?

関本様
今後はBtoCの分野でも細かく契約を締結していかないといけない時代ですし、特に現在のコロナ禍のような状況では、不本意ながら挙式を延期せざるを得ない事態も起こりますので、特例的な契約を結ばなくてはいけません。通常の契約はクラウドサインを使っていますが、特例の契約は紙で締結しているケースもあります。特例の契約も電子契約に切り替え、お客様と細かく契約の内容を詰め、利用を拡大していけるかを考えていきたいです。

豊岡様
現状BtoCの部門ではブライダル事業でしか使用していないですが、宴会のお客様や個人利用のお客様などにも拡大していき、契約のクラウドサイン化を進めていきたいと考えています。

これからクラウドサインを活用しようとされている企業に向けて、メッセージやアドバイスをいただければ。

関本様
自社のメリットはもちろんですが、紙の契約書と違い、お客様やお取引先様がいつでもどんな場所でもすぐに契約書が確認できるというのは大きなプラスです。

スタッフの労働時間の削減など業務改善の効果もものすごく期待できるのでスタッフの従業員満足度向上にも繋がる期待が持てるのが良い点かなと思います。

豊岡様
今まで紙で手元にあったものがなくなり、クラウド上で契約書が飛び交っていくということに「本当にこんな簡単でいいのか」と逆に不安を感じる方は多くいるのではないかと思います。

ただ、法的な部分は弁護士ドットコムさんが担保してくだっていますし、そこさえクリアになれば、逆に今は紙に戻ることの方が怖いなという実感があるのでまずは怖がらずに一回試してみてはいかがでしょうか。

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