これからの100年、新しい契約のかたち。

建設・建築業

巨大な組織の「電子契約×基幹システム連携」を半年で実現。建設業のスピードDXを支えたプロジェクト推進術とは

  • 2026年6月1日(月)
株式会社クラフティア

株式会社クラフティア
DX推進部 本社専任部長 村田賢司様
DX推進部 コンストラクションデジタル推進課 北内浩之様

 

導入後の効果

・現場が使い慣れた基幹システムとクラウドサインを連携したことで、技術部門にもスムーズに電子契約が受け入れられた
・注文書の受け渡しに1週間から1カ月はかかっていたのが、わずか数分でやり取りできるように
・顧客情報を別々のシステムに二重入力する手間も削減
・協力会社の印紙代の負担もゼロに

総合設備業として電気設備工事や空調管設備工事から設備メンテナンスまでワンストップで提供する株式会社クラフティア(2025年10月に株式会社九電工から社名変更)。福岡・東京に本社を置き、全国に13の拠点(支店)を構えています。

同社では、協力会社との取引を含む業務のデジタル化を重要なテーマと位置づけ、DXを段階的に推進しています。その取り組みの一環として、対象とする業務を明確に定め、現場での実効性を重視した施策から着手しました。

そのファーストステップとして2025年に導入したのが、電子契約サービス「クラウドサイン」です。基幹システムと連携することで、技術部門の従業員でも普段使い慣れた画面から注文書を送付できる仕組みを整えました。

巨大組織における「基幹システムとのAPI連携」は通常、考慮すべき範囲が広く、長期化しやすいプロジェクトです。そこでシステムの仕様を検討するフェーズから弁護士ドットコム株式会社(クラウドサインの運営会社)もサポートに入り、驚異的なスピードで要件定義を実施。約半年という非常に短期間で運用を開始することができました。

「協力会社管理DXのスモールスタートの第一歩としてなぜ電子契約を選んだのか」、また「複数部署が携わる全社的なDXプロジェクトをどのように推進していったのか」、「プロジェクト推進にあたって弁護士ドットコムが果たした役割」について、クラフティアのご担当者様に詳しく伺いました。

一度は挫折するも、スモールスタートで協力会社管理DXを再起動

――クラウドサイン導入までの経緯について教えてください。

村田様

当社では、協力会社との取引を含む業務全体を見据え、DXのあり方について検討を重ねてきました。発注から支払いまでを含む業務プロセスを俯瞰しながら、「どの領域を、どの順番でデジタル化していくべきか」を広範囲に整理・検討してきたのがこれまでの状況です。

そうした検討を踏まえ、2024年12月ごろに「まずは対象を明確に絞り、スピーディに進める」という方針を定めました。そのファーストステップとして選定したのが、協力会社様と締結する注文書業務です。

そこで電子契約サービスの導入から着手し、限定した領域で確実に成果を出しながら、段階的にDXを推進していくアプローチを採ることとしました。

株式会社クラフティア DX推進部 本社専任部長 村田賢司様

――なぜ「協力会社の注文書」や「電子契約」から始めることになったのでしょうか。

北内様

当社は技術の会社であり、社員の多くは技術部門の人間です。技術部門の業務がもっとも楽になるようなところから、と考えた時に協力会社様との注文書、電子契約から始めるのが効果的だと考えました。

また、ゼネコン様など一部のお客様との契約においてすでに電子契約を活用しているケースもありましたし、協力会社様が他社様との契約においてある程度、電子契約を利用していたりもして、社内外から「まだ電子契約にしないのか」という声は少なからずありました。

慣れた基幹システムからシームレスに利用可能に

――今回は使い慣れた基幹システムとクラウドサインをAPI連携することで、現場のご担当者様はクラウドサインの画面を見ることなく、注文書を送付できるようになりました。そのような仕組みにされた理由をあらためてお伺いさせてください。

村田様

大前提として建設業って人口的には多いし基幹産業って言われるんですけども、一方でDXの面でいうとニッチな産業といわれることもあるくらい、汎用性の高いシステムはなかなか浸透しにくい業界なんです。

これまでいろんな多種多様なツールを試してきたのですが、現場はそれにちょっと疲弊している、という実情がありました。

一方、基幹システムというのはみんながもうずっと慣れ親しんでずっと使ってきているものです。そこで今回は、送る側の当社の担当者や技術者に関しては、基幹システムを操作するだけで、要はクラウドサインの画面を見ることなく、注文書を送付できるようにしよう、という話になり基幹システムとクラウドサインを連携することにしました。

結果として、技術者へスムーズに利用を浸透することができたという意味で、素晴らしいご提案だったなと思います。

――数あるサービスの中から、クラウドサインを選んでいただいた理由は何だったのでしょうか。

村田様

決め手となったのは、担当役員の英断です。

担当役員には、クラウドサインを単体で導入するのではなく、「現場担当者にクラウドサインの画面を触らせず、既存の施工システムの中で完結させる」という確固たる信念がありました。

商談の場で、開発を担う関連会社を交えながら、この高度なシステム連携の絵を一緒に描き、実現できると判断されたことが大きな決め手になったのではないかと思います。

弁護士ドットコム(クラウドサイン)が要件定義から伴走支援

――システム連携に関する開発を含め、導入を進めていくところで感じたことがありましたら教えてください。

村田様

弁護士ドットコムと我々、そして開発を担当した協力会社の3社タッグで、2か月間という短い期間で要件定義していったのですが、そのときの弁護士ドットコムのプロジェクトを最短ルートで導く進行力(ファシリテーション力)の高さは非常に印象的でしたね。

社内ルールとの調整が難しいところもありましたし、最初の頃は我々が自由に意見を出したりしてまとまりがなかったのですが、弁護士ドットコムの場づくりのうまさや解決能力の高さのおかげで見事に短期間で終えることができました。

また、法律が絡んでくるところは社内の法務にも確認するのですが、やはり弁護士ドットコムに関わってもらえるとそのあたりは間違いないですよね。通常なら調べるのに相当の時間がかかるような内容でも、他社事例など参考情報を教えてもらえました。そこもすごく良かったですし、安心感がありました。

北内様

弁護士ドットコムのレスポンスはたしかに早かったですね。導入に向けた定例のミーティングが毎週あって、そこで現場からの質問をぶつけたりもしたのですが、「持ち帰って後日」ではなく、すぐにその場で回答してもらえたんです。ここまでレスポンスが早いと、我々としてもモチベーション高く取り組めますよね。

株式会社クラフティア DX推進部 コンストラクションデジタル推進課 北内浩之様

――導入後の社内の反応はいかがでしたか。戸惑いの声などはなかったでしょうか。

村田様

戸惑いの声などは特にありませんでした。

使い慣れた基幹システムから離れて別のシステムを使うのには抵抗感がありますが、今回は最初から我々の基幹システムとクラウドサインを連携させたことで、クラウドサインに直接アクセスする必要がなくなりました。それと意識せずに従来通り基幹システムの中で電子契約できるようにしたのが、スムーズに受け入れられた要因だと思います。

また、システム連携することでデータを再利用しやすくなり、使う側としては二度手間になることを防げます。たとえば基幹システムで一度データ入力した後、クラウドサインでもう一度同じものを入力するということがありません。余計な手間が増えないのはシステム連携の利点ですよね。

――導入の効果についてはいかがでしょうか。

村田様

注文書の受け渡しに1週間から1カ月はかかっていたのが、本当にわずか数分という短時間でやり取りできるようになりました。我々も協力会社様も、そこではかなり大きな負担減になっているかなと思います。

北内様

協力会社様の方では印紙代が不要になったことでコスト削減できていると思います。近頃は「他の書類の電子化はまだですか」といったような期待の声をいただいたりもしていますね。

対面契約のタブレット導入も検討へ

――今後の活用方針について教えてください。

村田様

横展開という意味では、今の1支店2部門から拡大していくのが1つです。工事請負契約だけではなく、業務委託契約などにも活用していきたいと考えています。加えて現場のDXをさらに進めるべく、個人宅や小規模な工事における対面契約でタブレットを用いた「対面DX」の導入も検討しているところです。

――最後に、導入やシステム連携を検討している企業に向けてメッセージをいただければ。

村田様

今回、弁護士ドットコムとともにスピード感をもってプロジェクトを完遂した成功体験は貴重なものでした。今後のクラウドサイン利用拡大に向けては、弁護士ドットコムのリソースを全部使い倒してやろう、というくらいの意気込みで進めていきたいと思っています。

そもそもなぜクラウドサインを選んだのかというと、他の電子契約サービスとも比較検討したのですが、ベースとして法律の要件をきちんと満たしているサービスであることと、コストパフォーマンスが高いことが理由です。それに、とにかくレスポンスが早かった。

常にスピード感をもってやり取りでき、ミーティングで話していくほどに対応の良さが際立っていると感じるようになりました。契約の電子化はメリットしかないですし、ニーズも高い。世の中の変化のスピードについていけるようにするためにも、今すぐ導入するべきですよね。

北内様

クラウドサインを導入した現場からは、さっそく「こういう新機能を追加できないか」といったような要望が上がってきたのですが、それに対して弁護士ドットコムからは即座に「前向きに検討したい」という返答をもらえました。フットワークの軽さや取り組みの姿勢には感銘を受けていますし、これからも大いに期待しています。

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