これからの100年、新しい契約のかたち。

製造業

クラウドサインとiPaaSを連携、1か月かかっていた全国の美容室との契約リードタイムを最短1営業日まで短縮

  • 2026年10月6日(火)

株式会社ミルボン

FP本部 FP戦略推進グループ FP戦略推進室 シニアアソシエイト 成田瑠衣様
FP本部 FP戦略推進グループ FP戦略推進室 アソシエイト 菅原達郎様

美容室向けのヘアケア・ヘアカラー製品等を製造、販売しているミルボン。

日本各地で多くのフィールドパーソン(FP)が活動し、商品を通してサロンの課題解決やヘアデザイナーの教育支援を行っています。

ところが、FPの所属地域によっては、契約の際に遠く離れた美容室まで足を運ぶ必要があり、移動や契約締結にかかる時間が課題になっていました。

そこで同社では、契約書を電子化して業務の効率化を図るべくクラウドサインを導入。AIエージェントやワークフローなどを組み合わせてさまざまな業務の自動化を可能にするiPaaS(※)「Yoom(ユーム)」と連携し、リードタイムの大幅な短縮を実現しました。

※iPaaS(Integration Platform as a Service)とは、複数のクラウドサービスやシステムをクラウド上で接続し、データ連携や業務の自動化を一元管理するためのプラットフォームのことを指します。

導入後の効果

・プレミアムブランド取引基本契約書を電子化し、それまで美容室・代理店を訪問するなどして1か月以上かかっていた契約リードタイムを、最短1営業日〜平均5営業日まで短縮
・Yoomを活用し、契約書に記載する情報をAIでチェックするフローを取り入れることで誤記入・入力ミスを削減
・紙の契約書ではわからなかった契約進捗を見える化
・収入印紙代を削減

三者間契約のために全国各地を訪問、商品納入まで1か月半

株式会社ミルボン FP本部 FP戦略推進グループ FP戦略推進室 シニアアソシエイト 成田瑠衣様

電子契約サービス導入の背景について教えてください。

成田様

当社は美容室専用のヘアケア・ヘアカラー製品を開発、販売しています。一部のプレミアムブランドについては、ブランド価値の維持や適切な運用を目的として、当社と代理店さま、美容室さまの三者間の取引基本契約を締結しています。

この三者で締結する取引基本契約において、締結時にお客さまへ訪問しなければならず、それによって締結のリードタイムが長くなっていたことが大きな課題となっていました。

契約を締結する際にはFPが担当するエリア内の店舗を訪問するのですが、北海道のFPは拠点は札幌でも担当範囲は北海道全域になりますし、福岡のFPは沖縄本島も担当エリアです。

移動時間がネックとなり、契約リードタイムとしては1か月から1か月半かかっていました。また、契約締結後に美容室さまの情報を社内システムに登録するところが完全に手作業で、そこも大きな負担でしたね。

プレミアムブランドの商品。ブランド価値の維持、適切な運用のため取り扱い時には取引基本契約を締結する必要があります

その他にも紙の契約書の課題はありましたか。

成田様

訂正が発生するたびに再度美容室やサロンさま、代理店さまに訪問し、改めて捺印いただく必要があります。

その結果、契約締結までの時間が長期化し、商品の納品スケジュールにも影響が生じることがありました。商品を早く使いたいと考えていただいているサロンさまをお待たせしてしまうケースもあり、改善の必要性を感じていました。

実運用時のネックとなる部分をYoomとの連携で解消

電子契約サービスを選定するにあたり、どのような点を重視されましたか?

成田様

最も重視した点は、契約締結の窓口となるFP・契約を締結する美容室さま、代理店さま・契約書を管理する弊社総務の全員にとって運用負荷が少ないシステムであるかどうかという点でした。

当社の場合、全国の美容室さまや代理店さまと契約を締結するため、関係者が多く、電子化することで運用が複雑になる懸念が電子化構想初期からありました。

紙契約は訪問の負荷こそあるものの、契約の流れ自体はシンプルです。FPの訪問負荷を下げるために電子化した結果、かえって運用が複雑になってしまうと、美容室さまや代理店さま、弊社総務にその分の負荷が増え、結果として全体最適にはつながりません。

電子化そのものが目的ではなく、契約に関わるすべての方の負担を軽減しながら、よりスムーズに契約を締結できる方法はないかと模索し、もし紙運用より負荷が増えるのであれば電子化自体を見送ることも選択肢として検討していたほどです。

最終的にクラウドサインを選んだ決め手は何でしたか。

菅原様

「運用負荷が少ないシステムであるかどうか」という前提を踏まえて、電子化するのであればどういう運用にするのがベストなのかを考えていきました。そんななかで注目したのが、クラウドサインからご提案いただいた「Yoom」というツールとの連携です。

Yoomを活用し、電子契約の締結などの工程を業務フローに組み込んでしまうことで、懸念していた運用負荷という部分を解消できると感じました。ITツールに疎い私たちにとってはある意味衝撃的なくらいで(笑)、それが決め手になって導入を進めることにしました。

株式会社ミルボン FP本部 FP戦略推進グループ FP戦略推進室 アソシエイト 菅原達郎様

成田様

ちなみに代理店さまにも「どんな電子契約サービスを利用しているか」というヒアリングを行いました。分かりやすい仕組みで簡単に使えること、契約書の通知メールが届いたらボタンを押すだけで完了して、印影を登録したりする必要もないもの。つまりクラウドサインのようなサービスにしてほしい、というリクエストがありましたので、それも判断の後押しになりましたね。

美容室からメールアドレスを取得する方法を提案・設計

導入にあたって苦労したところがあれば教えてください。

菅原様

そもそも私たちの方ではお客さまである美容室さまのメールアドレスを取得していなかったので、どうやって取得するか、という大きな壁がありました。なので、どんな業務フローにすれば、当社や代理店さま、そして美容室さまの負担を増やすことなくスムーズに契約できるか、という部分を設計するのが一番難しかったんです。

その全体の流れをクラウドサインさんに設計してもらえたのが非常にありがたかったですね。

最終的には、Yoomでフォームを作成し、美容室さま・サロンさまのメールアドレスを取得する流れを設計しました。

実際のクラウドサインとYoomの連携は菅原様ご自身で実装したと伺っています。

菅原様

私自身システムの自動化に関する知見はなく、詳しい人間も社内にそれほどいなかったので苦労しました。ただ、クラウドサインもYoomも、実現したいことが簡単にできるシンプルなツールでしたから、なんとか最後までやり遂げることができたんだと思います。

Yoomではクラウドサインと簡単に連携するためのコネクタという部品が多数用意されていて、契約書の作成、回覧の開始、締結完了時の通知、進捗の確認など、いろいろなことができます。私たちの業務に必要な機能が網羅されていたので本当に助かりました。

リードタイムは3分の1、AI機能も駆使してさらなる効率化も

電子化後の契約フローはどのようになりましたか。

菅原様

最初に美容室さまと商談した後、FPから拠点の所長に申請して承認をもらいます。そうするとメールアドレスを含む美容室さまの情報登録用のWebフォームのURLが発行されるので、それをLINEやショートメッセージなどでこちらからお伝えします。

美容室さまの情報登録が終わると自動で各拠点の総務部門に通知が飛ぶので、内容を確認して問題がなければ契約書が自動で作成され、その内容を関係各所で回覧します。

当社、代理店、美容室さまの順でクラウドサインの同意ボタンを押し、全ての関係者の電子署名が完了したら自動で契約書ファイルがクラウドストレージに保存される、という流れです。

電子契約完了後の社内システムへの顧客情報登録については、新たに立ち上げた専門部隊が処理するようにしました。データとしてはすでに整っていますから、登録作業自体の負担も確実に減っています。

コストや時間などの面で導入の効果は出ているでしょうか。

成田様

美容室さまからの情報登録後、FPが申請してから締結が完了するまで最短で1営業日以内、平均的には5営業日に短縮しました。商品を納品するまでの平均日数もトータルで15営業日以内になっていて、以前の2分の1から3分の1に短縮しています。電子化前に立てていた目標も達成できました。

美容室さまからは、店舗のオープン日やキャンペーンに合わせたいから早く納品してほしい、という声が以前から多くありました。契約締結を短期間で完了できるようになったことで、これからはそういったご要望にもしっかりお応えできるのではないかと思います。

また、1件あたり数千円かかっていた印紙代も、契約書を電子化することで不要になり、経費削減にも貢献しています。

電子契約した後のファイルは、これもYoomからの連携でクラウドストレージに保存するようにしました。今までの紙の原本は分厚いフォルダにファイリングして大きなスペースを占有しているのですが、こうした保管スペースや物理的な保管コストも今後は節約できると思います。

菅原様

紙書類のときは、契約書の処理が今どの段階にあって、誰の手元にあるのかが分かりませんでした。今は、契約ごとにあらかじめ割り当てている管理番号さえ確認すれば、社内スタッフが誰であってもその契約がいつ、どの処理を通過したか、システム上ですぐに把握できます。進捗を確認するためにあちこち連絡するようなことを減らせるという意味でもメリットは大きかったですね。

ちなみに美容室さまがWebフォームから情報登録する際には、Yoom上でAI機能を追加して、入力した住所やメールアドレスなどの表記に誤りがありそうなら修正を指摘する、というような仕組みにもしています。

もちろんAIなので100%正しく指摘できるわけではありません。それでも、登録されたデータを手動で修正したり再確認したりすることは減っています。それまでは誤表記に気付けず契約書作成まで進んでしまって、もう一度やり直す、みたいなこともありましたが、一定程度防げることで省力化できていますね。

業界の価値を高める、新たなデジタル施策にも挑戦したい

導入後の社内からの反響はいかがですか。

成田様

好意的な意見が多いです。契約締結が早くなったとか、スマホから操作や確認ができるので契約書を取りに営業所に戻る必要がなくなったなど、日常的に電子化の効果を実感している方が多いようです。電子契約の方が楽だと感じてもらえていますね。

さらなる業務改善に向けて、今後のクラウドサインの活用方針や取り組んでみたいことなどがありましたら教えてください。

成田様

現在は新規の契約でクラウドサインを使っていますが、変更契約も発生していますので、今後はそちらでも利用できるか検討したいと考えています。

あと、具体案はまだないのですが、美容室というリアルな場を大事にする業界ですので、そのリアルの良さをデジタルも活用していかに深みを加えていくか、というのも考えたいなと思っています。

菅原様

そんな風にリアルな業種であるからこそ、デジタル的な部分が弱いのが私たちの悩みどころでした。紙が多かったり、デジタルになっていても整理されていなかったり。

そのために新たな手作業が発生しがちなので、業務を効率化できる余地はまだまだ残されていると思います。私たちだけでなく美容室さまや代理店さまも含め、みんながメリットを感じられるような効果的な施策をもっと打ち出していきたいですね。

※導入事例内に記載の機能やお客様情報等は取材当時のものであり、最新情報とは限りません。閲覧いただいている時点では内容が異なっている場合がありますので、ご了承ください。

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