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物流・陸運業

現場からの問い合わせが「ほぼゼロ」に。月最大1万件の契約を支えるシステムにクラウドサインをAPI連携し、大幅なコスト削減と安定稼働を実現

  • 2026年8月17日(月)

デジタル推進一部 エクスプレス推進課 ミドルエキスパート
池野 賢治様
エクスプレス事業システム部 フィールドシステム開発課 スーパーバイザー
成田 享平様

宅急便事業を中心とした国内輸配送サービスを展開し、宅配便市場において国内トップのシェア(※1)と圧倒的な知名度を誇るヤマト運輸株式会社。同社は、ラストマイルを担う全国約1,500社の配送パートナーとの委託契約から支払い業務までを独自の「輸配送パートナーシステム」で一元管理し、早くから契約業務のデジタル化に取り組んできました。

しかし、ユーザー数の増加に伴うシステム負荷の上昇と、ランニングコストの増大という新たな壁に直面。そこで同社は、さらなるシステムの安定稼働とコスト削減を目指し、従来の電子契約サービスからクラウドサインへの乗り換えとAPI連携の刷新を決断しました。果たしてどのような成果が得られたのでしょうか。現場からの問い合わせ「ほぼゼロ」を達成したというプロジェクトの裏側について、担当者に話を伺いました。

導入後の効果

・現場からの問い合わせが「ほぼゼロ」へ激減
ユーザーが操作に迷わないUI(ユーザーインターフェース)を追求したことで、既存システムからの切り替えに伴う操作方法やトラブルに関する問い合わせが劇的に減少。配送パートナーと自社社員の双方に負担をかけない直感的な契約環境を整備し、ストレスフリーなデジタル化と業務定着を実現。


・月最大1万件を超える大量の契約送信をトラブルなく安定稼働
月間約7,000件、繁忙期には1万件を超える配送パートナーとの委託契約において、以前抱えていた高負荷によるレスポンス低下の課題を解消し、スムーズな契約締結環境を構築。

・移行を一晩で完了し、ランニングコストの大幅削減を達成
API・システム連携支援サービスを活用し、システム移行を「一晩」のうちに完了。運用のランニングコストを大幅に抑え、浮いた予算を新たな機能開発へ投資できる好循環を創出。

全国約1,500社の配送パートナーを支えるヤマト運輸の事業展開と役割

はじめに、御社の事業内容と、今回の取り組みでおふたりが担われた役割について教えてください

池野様:

当社は、個人・法人のお客様向けの宅急便事業を中心に、国際物流やロジスティクスなどの事業を展開しております。近年は特にEC関連の配送荷物が増加しているため、全国で約1,500社にのぼる配送パートナー様と委託契約を締結し、ネットワークの維持・強化に力を入れています。

私はデジタル部門に所属しており、各事業部が運用しているサービスの開発や運用を中心に担当しています。今回のクラウドサイン導入にあたっては、製品選定から企画、システム開発、そして現在の運用に至るまで、プロジェクトリーダーとして携わってまいりました。

デジタル推進一部 エクスプレス推進課 ミドルエキスパート 池野 賢治様
デジタル推進一部 エクスプレス推進課 ミドルエキスパート 池野 賢治様

成田様:

私が所属する部門は、宅急便事業におけるオペレーションのデジタル化や、プロセス・仕組みの最適化を企画する役割を担っています。今回の導入プロジェクトでは「利用側の推進者」として、開発側であるデジタル部門と共同で、クラウドサイン導入の企画および運用方法の構築を行ってまいりました。

ペーパーレス化の先に直面した「システム負荷とコスト増大」の壁。ストレスフリーなAPI連携の実現へ

御社では、今回のクラウドサイン導入以前から、他社の電子契約サービスを利用されていたと伺っています。そもそも、当初はどのような目的で電子契約の導入を進められたのでしょうか。

成田様:

電子契約サービスの導入にあたっては、当初から大きく3つの観点を重視し、検討を進めてきました。1つ目は、電子契約による「現場における紙媒体運用からの脱却」です。2つ目は、全国の営業所と配送パートナー様が個別に直接契約を行っていたため、「契約内容の全社的な可視化」を目指す必要があったこと。そして3つ目が、「電子帳簿保存法への対応」をはじめとするコンプライアンス強化の観点です。

エクスプレス事業システム部 フィールドシステム開発課 スーパーバイザー 成田 享平様

現場のペーパーレス化やガバナンス強化が当初からの大きな狙いだったのですね。そこから今回、既存のシステムからクラウドサインへの切り替え(乗り換え)をご検討されたのには、どのような背景があったのでしょうか。

池野様:

電子契約の運用を進める中で、ユーザー数の増加に伴ってシステムへの負荷が非常に高まってしまったことが大きな課題として浮き彫りになってきました。

具体的には、画面操作に支障が出たり、『操作が重たい』といった現場からの問い合わせが頻発するなど、システム運用の可用性の低さが重くのしかかっていました。そして、それに比例して運用のランニングコストが増大してしまったことも悩みの種でした。

また、当社が期待するシステム連携のあり方として、社内の人間と外部の配送パートナー様の双方が、画面の行き来によるストレスを感じることなく、スムーズに契約行為を行える環境を整えたいという思いがありました。そこで、標準的なAPIに対応しているだけでなく、レスポンスや画面の操作性を損なうことなく相互連携を行える新たなサービスへの切り替えに向けて、開発を進めることにしたのです。

クラウドサイン導入の決め手は「連携の親和性・コスト・開発や法務調整を支えてくれる手厚いサポート」

数ある電子契約サービスの中から、最終的にクラウドサインを選定いただいた「決め手」は何でしたか?

池野様:

当初は20社ほどのサービスを比較検討し、最終的に3社まで絞り込みました。クラウドサインに決めた最大の理由は、当社のシステムとの「画面連携の親和性」や「操作性」が非常に良いとわかったことです。加えて、現状のサービスと比べてランニングコストが格段に下がるという検証結果が出たことも大きな決め手でした。

さらに大きな要因となったのが、クラウドサイン側の手厚いサポート体制です。開発の初期段階から、営業担当、技術サポートの方をはじめ、クラウドサインの営業・開発チームの皆様が我々のプロジェクトに深く入り込み、一緒にチームを組んで伴走してくださいました。

単なるツールの提供にとどまらず、当社の実現したいシステム要件に対して「API・システム連携支援サービス」を通じて丁寧にコンサルティングしていただけたことは、他社にはない圧倒的な安心感がありましたね。

成田様:

当社では、電子帳簿保存法への対応自体は別のシステムで行っていたのですが、クラウドサインは標準で対応しているため、既存の複雑な連携の仕組みが不要になるというメリットも見えてきました。弁護士ドットコム様が運営されているということで、法律的な面での信頼性が高く、法令対応に引き続き順守するという面でも安心感がありました。

システム連携にあたり、法務面や契約の取り決めに関する部分でも調整が必要だったと伺っています。

池野様:

はい。今回は当社独自の「輸配送パートナーシステム」とクラウドサインをAPI連携して利用する仕様だったため、「契約書面自体の法的な効力を当社側で持つべきか、あるいはSaaS(クラウドサイン)側で持つべきか」という、基本的な取り決めをどうするかという点が課題になりました。

当社の法務部門ともかなり細かく議論を詰め、システム上でどう実現するかを整理する必要があったのですが、ここをスムーズに乗り越えられたのは、クラウドサインの技術サポートの方など手厚い支援があったからです。多大なご協力をいただいたおかげで、法務に関する調整も迅速に進めることができ、最終的に無事プロジェクトを完了させることができました。

「現場を混乱させないUI」へのこだわり。クラウドサインの手厚い伴走支援で自社の理想を実現へ

自社システムにクラウドサインをAPI連携で組み込むにあたり、開発面で工夫された点はありましたか?

池野様:

要件定義の段階で、当社が望んでいる画面の操作性や画面遷移と、クラウドサインの標準仕様とで一部合致しない部分が出てきました。そこについては、先ほども触れたクラウドサイン側の「API・システム連携支援サービス」によるご支援をいただき、毎週の定例会で仕様を詰めていきました。結果として、当社が期待する機能をしっかりと実装することができました。

成田様:

一番工夫した点は、ユーザーである配送パートナー様と自社の社員が「操作にまったく迷わないUI」にしたことです。

現場にとって一番負担がかかるのは、導入以前と比べて操作性が変わってしまうことです。今回はすでに使っていた「輸配送パートナーシステム」とクラウドサインをAPI連携することで、配送パートナー様や自社の社員が、わざわざクラウドサインへログインしなくても契約締結ができる利便性の機能を維持することができました。

さらに、既存の「輸配送パートナーシステム」についても、操作の回数や動き、署名の位置、署名後の画面の遷移先なども含めて、極力以前と操作性が変わらないよう、繊細に設計しました。

クラウドサインへログインしなくても、輸配送パートナーシステムから違和感なく締結が完了

現場からの問い合わせがほぼゼロに。コスト削減による投資の最適化がかなった

実際にシステムをクラウドサインに切り替えてみて、現場の反応や定量的な効果はいかがでしたか?

成田様:

移行作業自体は一晩で完了し、翌日のシステムリリースから一切のトラブルなく利用を開始することができました。現在、月に約7,000件、繁忙期には1万件を超える送信がありますが、契約が集中する月末でも安定して稼働しています。

何より一番助かっているのは、現場からの問い合わせが「激減」したことです。誰もが迷わないUIを追求したことに加え、システム自体がトラブルなく安定稼働しているおかげで、電子契約に関わるシステム操作やトラブルに関する問い合わせが、ほとんどゼロになりました。現場から問い合わせがないこと自体が、ユーザー様が手戻りなく直感的にシステムを使いこなせている何よりの証拠であり、私たちがまさに理想としている運用状態を実現できたと考えています。

池野様:

システム目線で言えば、やはりランニングコストが大幅に下がったことが大きいです。ITにかける投資予算を抑制しなければならない企業様も多いと思いますが、クラウドサインに切り替えたことで年間のコスト削減が実現でき、その分のコストを新たな機能開発や事業の要望に応えるための投資に振り分けられるようになりました。

現場主義の物流業界におけるDX推進と、今後の展望

物流業界は「現場主義」が強いと言われます。そうした業界特性の中でのDX推進や、今後の展望についてお聞かせください。

成田様:

おっしゃる通り、物流業界は現場主義が強く、デジタル化の伸びしろがまだまだ大きい領域です。請求書も様々なフォーマットが存在し、現場によってはホワイトボードで配車計画を行っているところもあるなど、一律にデジタル化するにはハードルが高い側面もあります。

しかし、だからこそデジタル化できるところ、必要な部分から「ピン」を打っていくことが重要です。今回、バリューチェーンの上流にあたる契約部分で私たちが一歩を踏み出したことで、ネットワーク効果として一気に横展開できるのではないかと期待しています。

今後は、現在の配送パートナーとの委託契約にとどまらず、各種作業の委託契約や社内手続きなどあらゆるビジネスシーンへ横展開していく想定です。さらに、生成AIなどの新しい技術も取り入れ、より一層DXを加速させていきたいと考えています。

最後に、電子契約システムの導入や切り替えを検討されている企業様へメッセージをお願いします。

池野様:

当社のシステムとクラウドサインを連携してから10カ月が経ちますが、この間トラブルもなく、レスポンスも良く順調に稼働しています。製品としての完成度が大変高く、コスト面でも非常に優位性があります。

IT投資に色々と迷われている企業様も多いと思いますが、私たちにとって今回思い切ってクラウドサインへの切り替えに舵を切ったことは「大正解」でした。システムの移行に迷われている企業様は、ぜひ前向きに検討してもよいのではと思います。

※1: ヤマト運輸 事業概要

※導入事例内に記載の機能やお客様情報等は取材当時のものであり、最新情報とは限りません。閲覧いただいている時点では内容が異なっている場合がありますので、ご了承ください。

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