これからの100年、新しい契約のかたち。

卸売業・小売業

契約書の電子化により、印紙代の削減と人的リソースの有効活用を実現。契約の約8割が3日以内に締結完了し、リードタイムの大幅な短縮に成功

  • 2026年11月4日(水)

株式会社ヤナセホールディングス

総務部 法務課 マネージャー 髙木 大地様

導入後の効果

・郵送でのやり取りに1週間前後かかっていた契約締結が、送信から24時間以内に約5割、3日以内に約8割が完了するように
・導入方針決定から運用開始まで半年で、電子契約規程と運用ガイドラインを同時に整備。導入後のトラブルもなく、契約業務と担当者の生産性が向上。

新車販売、中古車販売、アフターサービス、金融保険の4つを柱として事業を展開している株式会社ヤナセホールディングス。

同社が電子契約の導入に踏み切ったのは、取引先との契約締結にかかる時間とコストを減らし、締結後の保管・検索の負担をなくすためでした。特徴的なのは、システム連携のような大掛かりな開発ではなく、法務部門が主導して社内規程と運用ガイドラインを整えるところから始めた点です。

サービス選定から半年で、規程とガイドラインを並行して整え、運用開始までたどり着きました。その進め方と導入支援コンサルティングの活用について、プロジェクトを主導した総務部 法務課 マネージャーの髙木大地様に伺いました。

創立111年。会社法対応から契約審査までを担う、4名の法務が電子化を推進

はじめに、貴社の事業内容と、髙木様のご担当について教えてください。

髙木様:

当社は1915年の創立で、輸入車取扱いを中心に事業を展開して今年で111年目になります。事業は、新車販売、中古車販売、車検や点検などのアフターサービス、そして自動車保険やファイナンス商品などを扱う金融保険。この4本柱です。

私が所属する総務部 法務課は、主に3つの役割を担っています。株主総会や取締役会など会社法に則った機関の運営、各種規程や運用マニュアルの制定や再発防止の仕組みづくりといったコンプライアンス、そして法務の本流である契約書の作成・審査や紛争対応です。

今回のクラウドサイン導入は、まさに法務領域の一丁目一番地にあたる変革ですので、私がプロジェクトリーダーとして、導入からその後の運用まで主導する立場で関わりました。

総務部 法務課 マネージャー 髙木 大地様

締結までの時間、保管と検索、そして印紙代に課題

クラウドサインを導入される以前、契約の締結に関してどのような課題をお持ちでしたか。

髙木様:

まず、締結までにかかる時間です。契約書の印刷、製本、押印、郵送といった作業について、取引先が数百となる当社では、年間で見ると非常に大きな負担になるため、これを減らしたいと考えていました。

コスト面でも課題はありました。継続的な取引の基本契約書には、1通あたり4,000円の収入印紙が必要です。取引先との契約をすべて電子化すれば、この負担はなくなります。

締結した後の管理についてはいかがでしたか。

髙木様:

締結後にも、どこに何があるのかという検索性、保管の問題、最悪の場合は紛失のリスクがありました。実際に事故が起きていたわけではありませんが、起きてからでは遅いので、未然に防いでおきたいと考えていました。

「導入実績・セキュリティ・操作性」に加え、「導入支援」が決め手に

電子契約サービスを選定するにあたって、どのような点を重視されましたか。

髙木様:

重視したのは3点でした。

1つ目は導入実績です。どういった企業が使っているのか、特に東証プライム上場の企業がどれくらい導入しているのかを判断材料にしました。

2つ目はセキュリティです。タイムスタンプや改ざんへの耐性、そして法的な有効性は、特に気にしていた部分でした。

3つ目は操作性です。機械に不慣れな社員でも直感的に使えるかどうか。クラウドサインは基本的に赤いボタンを押していけば進むように作られているので、そこは大きかったですね。

他社サービスとの比較検討は、どのように進められたのでしょうか。

髙木様:

社内でプレゼンをする以上、選択肢がいくつかあったほうが経営陣も納得しやすいだろうと考えました。そこでクラウドサインを含む3社を候補に挙げ、自分でサービスの比較分類表を作って、社内プレゼンに使いました。

最終的な決め手は何だったのでしょうか。

髙木様:

先ほどの3点に加えて、導入支援のコンサルティングが決め手になりました。

正直なところ、電子契約をやろうとなったときは、まず何から手を付けるべきかわからない状態でした。

しかし、クラウドサインなら、数多くの企業の導入を見てきた立場から、最適な進め方や型を示してもらえる。そこが非常に心強かったです。この支援があることは検討段階でサービスサイトを見て知りました。

この導入支援コンサルティングをきっかけに、今でもいいコミュニケーションが取れています。

導入サポートで終わりではなく、現在もクラウドサインの担当者と良好な関係が築けている

クラウドサインの導入支援を活用し、半年で規程とガイドラインを整備

社内決裁から運用開始まで、どのような流れで進められたのですか。

髙木様:

決裁は2段階で進めました。まず昨年の秋に、電子契約の導入と利用するサービスを決める承認を得ました。

その後、今年の3月上旬に、無権代理を防ぐ仕組みなどを盛り込んだ電子契約規程と、それに付随する運用ガイドラインを同時に制定・決裁しました。そして4月から、実務担当者による利用を始めています。

準備のなかで、最も労力を要したのはどこでしたか。

髙木様:

ガイドラインの制定です。ここが一番パワーを使いました。

私自身は半年ほどかけて準備してきたので、使い方を理解したうえで操作できます。ですが、4月から実際に使うのは実務担当者です。各担当者が迷わず操作できるよう、どの書類が対象になるのかまで含めて、事前に整理しておく必要がありました。

ここに関しては、クラウドサインの導入支援を担当いただいた方のおかげで、滞りなく進めていくことができました。この支援がなければ、当初のスケジュールでの実現はなかった、と言っても過言ではありません。

導入支援コンサルティングでは、具体的にどのようなサポートを受けられたのでしょうか。

髙木様:

進め方を検討する段階から、クラウドサインの担当の方に「こういうことを決めなければいけませんよね」というシートを示していただき、導入までの全体像を把握することができました。

そのうえで、1〜2週間に一度ミーティングを設けていただき、そこで必ず「次までにこれを決めてください」と宿題が出ます。宿題に対応して提出し、それをブラッシュアップしていただく、というやり取りを何度も繰り返しました。

最初からマイルストーンを細かく区切っていただいたので、次に何をすればいいのかが常に明確でした。余計なことを考えて手が止まることなく、作業に集中できた。ここが導入支援コンサルティングの大きな効果だったと思います。

クラウドサインの支援がなくても自社で推進・展開できるのではという声もありますが、どのようにお考えでしょうか。

髙木様:

電子契約の導入・展開は、法務や総務が主管になることが多いと思います。専任の人員を割けるのであれば、自社でもできるかもしれません。ただ、一人法務や少人数で回している組織であれば、導入支援コンサルティングは絶対に利用したほうがいいと思います。

クラウドサイン側から毎週のように宿題が出る進め方を、負担に感じることはありませんでしたか。

髙木様:

「決めることは結構あるな」というのが正直な印象で、「翌週までにここまでやらなければならないのか」とは思いました。

ただ、各ミーティング後に担当の方から送付いただいた議事録をもとに自分で復習して進め方を考え、翌日から作業に取りかかり、必要ならこちらから追加でミーティングを設定するようにしていました。

スケジュール通りに進められた要因を、ご自身ではどう見ていますか。

髙木様:

まず、これから導入される方に誤解してほしくないのは、クラウドサインにお願いすれば全部やってくれる、という話ではないことです。基本的には二人三脚で、メインで走るのは導入企業側です。クラウドサインはサポートだと理解したうえで検討されるのがいいと思います。

スケジュール通りに進められたのも、私が特別だったわけではありません。導入・展開の期日を決めて、そこから逆算して動いただけです。自分の甘さで遅れても、会社の利益にはなりません。3月上旬に最終決裁を取らなければいけないとなれば、今何をすべきかがはっきりします。

社内の定例打ち合わせには導入に必要な議題や宿題を持ち込み、課内で判断できるものはその場で決め、部門長や担当役員の意見を聞きたいものは事前に時間をもらって進め方を確認しました。これで遅れずに進められたと考えています。

メール文面のひな形、説明動画、電子契約専用の社内ポータルを用意。誰でも迷わない仕組みに

取引先へのご案内時の工夫やトラブルについてお聞かせください。

髙木様:

取引先へご案内する際のメールの書き方の例を、ひな形としてガイドラインに盛り込みました。操作マニュアルはクラウドサイン側にご用意いただき、必要に応じて先方にお送りしています。説明会の動画もクラウドサイン側に用意してもらいました。

そのおかげで、トラブルはなかったと聞いています。もともと、取引先から電子契約をやりたいというニーズが一定数あり、各担当者からも「うちはいつやるんですか」という電子契約の導入に対する前向きな声が上がっていました。

そして、トラブルなくスムーズに進んだ背景には、これまで築いてきた関係性もあると思います。111年の歴史のなかで以前からお付き合いのある取引先がほとんどですから、電子契約でお願いしますとお伝えしても、身構えられることがあまりありません。これは諸先輩方が築いてくれた関係性のおかげですね。

社内向けには、どのような整備をされたのでしょうか。

髙木様:

社内ポータルサイトの一番下に「電子契約」のメニューを新たに作りました。ログインの導線、操作マニュアル、規程、問い合わせ先、説明動画をすべてここに集約しています。

マニュアルの場所を忘れてしまうことは誰にでもあると思うので、ここさえ見ればすべてにたどり着けるようにしています。同じ部署の担当者が細かく作り込み、デザインもクラウドサインのブルーとホワイトのイメージに合わせるなど、こだわりを持って作成してくれました。

送信から24時間以内に約5割が締結完了。製本や送付準備時間などの「見えないコスト」も削減に

導入後、締結までのリードタイムはどう変わりましたか。

髙木様:

リードタイムに関しては明確に早くなりました。郵送でやり取りしていた頃は、往復で1週間程度は見ておかなければいけなかったと思います。

クラウドサインの利用データでは、同社が送信した書類のうち、約5割が送信から24時間以内に、約8割が3日以内に締結を完了しています。郵送で1週間前後を要していた従来の運用と比べ、契約締結のリードタイムは大きく短縮されています。

他の企業様の場合、ここまでリードタイムが短縮しているケースはそこまで多くないのですが、何か特別な対策をされたのでしょうか。

髙木様:

先ほどお話ししたとおり、以前からお付き合いがあり、コミュニケーションが取れている取引先がほとんどなので、電子契約への抵抗を感じられにくかったことが大きいと思います。

また、受信者側の操作もわかりやすいため、すぐに締結につながったのだと思います。

社内での受け止めはいかがでしたか。

髙木様:

電子契約には、やはり心理的なハードルがありました。どれだけ楽になると言っても、慣れ親しんだやり方を変えるのは、誰しも嫌なものですからね。そこは、こちらから仕掛けていかないと動きません。

そこで、社内ポータルを含めた整備を進めたほか、初めてクラウドサインを操作する社員の横に座って、一緒に作業をしていきました。すると「思いのほか簡単だね」「もうこれで締結できたの?」という反応になり、楽だという印象を持ってもらえます。これが浸透していけば利用者は増えていくと思っているので、今は疑問や要望を一つひとつ解消している段階です。

法務としては、リーガルチェックの段階で電子契約にしましょう、と仕掛けるようにもしています。先方からのドラフトで「書面により保存する」となっている箇所を「書面又は電磁的方法により」に置き換えるなど、こちらから働きかけています。

紙の作業がなくなったことによる効果は、どのあたりに感じていますか。

髙木様:

契約書のやり取りの際には、レターパックを買いに行き、また投函しに行くということだけで1時間近く使ってしまうこともあります。

封入や製本といった合間の作業も含めて、仮にその人の時給で考えれば、1件あたり数千円相当のコストを使っていることになります。印紙代のように目に見えるコストではないので見落とされがちですが、これがなくなるのは、コスト面はもちろんのこと、生産性の面でかなり大きいと思っています。

契約書の電子化で生まれた時間は、どのように使われていますか。

髙木様:

当課においては、担当者が押印作業に要する時間を減らせたことで、前もって法改正への対応や、コンプライアンス問題を未然に防ぐ施策を考えたりするなど、より生産的に時間を使えるようになりました。

段階的に電子契約の運用エリアを広げ、有事でも止まらない体制を目指す

今後の展開について教えてください。

髙木様:

まずは電子契約の利用範囲を広げていくことです。4月に利用を開始し、現在はヤナセグループの限られた範囲で運用しています。

10月からは主要子会社の特定エリアへ試験的に導入し、問題がなければ順次、他エリアへ広げていきたいと考えています。

電子契約は、リスク対策の面でも意味がありそうですね。

髙木様:

はい。電子契約であれば、スマートフォンからでも締結できます。大規模災害などによる自宅での業務対応を迫られるような状況においても有効な手段となるため、そこまでの状況を想定したうえでの導入でした。

最後に、電子契約の導入を検討している企業へメッセージをお願いします。

髙木様:

電子契約を検討している、あるいは興味があるということであれば、絶対に導入したほうがいいと思います。印紙などの明確なコストもそうですが、目に見えないコスト削減効果も必ず出てきます。

自社だけでなく取引先にもメリットがありますし、世の中の流れを踏まえても、やるべきだと思います。そのうえで、私たちの決め手にもなった手厚い支援を受けられるという意味で、クラウドサインは心強いパートナーになってくれると思います。

※導入事例内に記載の機能やお客様情報等は取材当時のものであり、最新情報とは限りません。閲覧いただいている時点では内容が異なっている場合がありますので、ご了承ください。

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